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以前から何度も記載していますが、私自身の考えとして現在星見を始めるにあたって最も先に揃えるものはスマホアプリだと感じています。

理由は

・スマホ自体がハイテクの塊(各種センサー、カメラなど)にも関わらず、大した知識無しで使える。

・観望で必要なもの(コンパス、星図、ライトその他諸々)がアプリで揃う(しかも使いやすい)

・環境を整えるのが楽(アプリ揃えるだけ)

・アプリが良く出来ている(初心者からマニアまで使えるものが多数ある)


まず最初に揃えるのはプラネタリウムアプリ(おすすめは私も愛用しているSkySafari)ですが、それ以外にも内蔵された各種センサーやカメラを有効に利用できるものが出てきました。

どれも非常に簡単に使えますのでご紹介します。

●Astro Hopper

昨日記事で紹介しましたが、スマホ内蔵のジャイロセンサーを有効に利用した天体導入支援Webアプリです。
現在地情報はスマホのGPS、大まかな星の位置は他のアプリ同様地磁気センサーや角度センサーを使用しています。

このアプリの良いところは、星を一つだけ位置合わせすれば、ジャイロセンサーをエンコーダー代わりにしてかなり正確に位置測定が出来るところです。

難しい自動導入架台が不要でどんな機材でも導入支援してくれます。

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QR_510426.png

Webアプリなので上記QRコードからアクセスしてください。

ホーム画面に登録すれば普通のアプリ同様に利用できます。

●FinderCam with Plate Solving(iOS用)

こちらはスマホのカメラを利用して撮影した画像を基に位置解析をしてくれるアプリです。
PlateSolvingと呼ばれる技術で、PCを利用した撮影環境ではよく利用されていますが、使い方や環境づくりが難しいのが難点でした。

このアプリはスマホのカメラで位置解析しますのでかなりお手軽に利用できます。

●SkyEyeCam(アンドロイド用)

こちらは上記FinderCam with Plate Solvingのアンドロイド用です。
同様にスマホ内蔵カメラで位置解析(PlateSolving)をしてくれます。

これはマニア向けになりますが、Astro Hopperの作者がアンドロイド向けのライブスタッキング+PlateSolvingアプリとしてOpenLiveStackerもあります。

PC同様UVCカメラ(が動くので私が使っている高感度監視カメラもいけそうです)、ZWOカメラ、SV105などをUSB接続してライブスタッキングとPlateSolving(エンジンはASTAP)出来るという強力なものです。

廉価なスマート望遠鏡の登場も影響したのかは不明ですが、ここに来て急にお手軽な観望、観望支援環境が整ってきました。

ハイテクがハイテクのまま難しく、高額なんてのは馬●でも出来ます。(開発費さえあれば)
ハイテクをだれでも使えるように簡単に、というコンセプトは個人的には大歓迎です。

ゆるく天文を楽しむには頭の良い人が考えた優れたコンセプトで誰にでも使いやすい環境を利用するのが最適です。
永久凍土のように凝り固まったマニア向けの難解な環境地盤が緩んできたのは喜ばしいことです。

これからもどんどんこのような柔軟な発想がある提案が登場することに期待します。(天文をマニアだけのものにすると世代交代で消える趣味になるように感じています。。。)
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天体観望、写真撮影、EAA(電視観望)など、これから天文趣味を始めようという方にとって最も大きな関門になるのは空が明るすぎて、または望遠鏡などの操作が難しすぎて目的の天体を導入できない。でしょう。(望遠鏡などを購入した後にわかることですが。。。視野の狭さや操作の難しさは実際に動かしてみないとわかりませんし)

私自身もさまざまな導入支援装置を作成したり、EAAなどではPlateSolvingといった撮影画像で天体の位置解析を行える環境を作っています。

しかし、どの方法にも共通の欠点があります。

それは環境を作ることの難しさです。

エンコーダーを用いたDSCは架台の加工が必要ですし、EAAで使用しているPlateSolvingは最低でもカメラ、マウントをPCで連動する形で制御する必要があります。

もっと手軽な目盛環を利用する方法もありますが、これもDSCほどではありませんが、架台の加工が必要です。

そのような中、かなり簡単に正確に導入できるであろうWebアプリがありましたので紹介します。

AstroHopperというWebアプリです。

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このアプリの面白いところはアライメント前まではスマホのプラネタリウムアプリ同様方位、ジャイロセンサーを用いますが、アライメント以降はジャイロセンサーのみで計測を行うことです。

地磁気センサーを用いる従来の方法ではどうしても誤差が大きかったのですが、昨今のスマホの優秀なジャイロセンサーのみを利用してエンコーダーの代わりをさせるという手法を取っています。

これはなかなか理にかなっています。

そして最大の利点は使用するための準備が非常に簡単だということです。

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上記のようなアダプタなどで望遠鏡に固定すれば準備完了です。

QR_510426.png

初回のみ上記QRコードで読み取ってリンクにアクセスし、その後はホーム画面に登録しておきましょう。

そこから起動すると全画面で表示され、普通のアプリ同様に使えるようになります。

低倍率での観望であれば充分な精度があります。
多分今まででもっとも楽な導入支援方法じゃないかと思います。

これから始める方にとってはピンとこないかもしれませんが、目的の対象を視野に導入するという行為は非常に難しいです。
(特に入門用の廉価な機器ほど)

実際に操作して初めてわかることなのですが、あとから追加しようにも高価な機器の購入が必要になったり、自作するにしても加工が必要になったりとなかなか大変な思いをすることになります。

この方法を使えばかなり簡単にそこそこ精度が高い導入が可能になります。

望遠鏡を購入したけど、目的の天体の導入でお困りの方はお試しください。(過去に紹介した方法の中で一番楽です。)


追記
FinderCam with Plate Solvingというアプリも登場しました。

https://apps.apple.com/jp/app/findercam-astrophotography/id1541018483

こちらはiPhoneのカメラを使用するPlateSolvingアプリです。

それぞれアプローチの方向は異なりますが、このように簡単に利用できるソリューションが出てくるのは素晴らしいですね。


INDIフォーラムでメイン開発者のジェセムがEAA機能の追加に対して意見を求めていました。

私自身も強く希望していた項目でしたし、今回アップデートトラブルでINDI環境がメインではなく、Windowsと共存することになりましたので、INDIに対する今後の要望も兼ねて、フォーラムに送付した内容をブログにも記載しておこうと思います。(これから始める方にとっても全容を把握する内容になるかと思います。)

まず初めにお伝えしたいこととしてINDIは動作も軽く、様々な制御信号をTCP/IPのパケット通信でカプセル化して送信出来るという特徴のほか以下様々な利点があります。

・ドライバのマルチクライアント対応

・マルチサーバにも対応(クライアント側で工夫が必要)

・無料環境で唯一のプラネタリウムアプリを含んだ自動天体撮影機能(ドライバの接続なども自動化できるため、使いこなせば完全無人撮影も可能になります。)


7年ほど前に使い始めた時に、ラズパイでも動作する軽量さと複数クライアントを自由に接続して使用できる柔軟性に着目し、Windows環境から移行しました。

一方で、長年使ってきたことでこの環境の検討点も見えてきました。

・初回の機器の接続までがとにかく面倒(サーバ・ドライバ起動→コントロールパネルの設定→保存)

・Ekosに写真撮影を行う上で若干の不足機能がある。(Parkなど、チャットで途中までやり取りしていましたが途中で終わりました。。現状正しくPark設定出来る場所は星図を右クリックして出るメニューで登録する以外ありません

・機能追加を繰り返したため、ユーザーインターフェイスの整合性が悪い部分がある。

・他の環境でよく見られるライブビューを見ながら撮影を行うという環境が弱い(惑星撮影には使いづらい)


以前からフォーラムでも何度か要望を出してきましたが、チャットなどでやり取り(懐かしい)して実装されたもの、無視されたものなどさまざまありますが、やり取りが完遂したものはありません。(全て途中で終了しています。)

EAAが実装されれば無料のみならず有料でも世界初の天体機器統合環境になりますが、前出のように現状の見直しも行っておかないとStellarMate登場時以上の混乱状態に陥ることになるかと思います。

ではフォーラムに投稿した内容を解説と共に記載します。

まず新機能(EAA)を搭載する前に検討する事項

・新規ユーザーが参入しても混乱しないドライバ接続ルールの見直し(現状の矛盾点の消込みとクライアントの機能不足で使いづらい状態になっているマルチサーバー対応、実装が不十分なパークなど)

・既存のモジュールなどにEAA機能を追加しない(撮影用の実装なので使いづらい、自動撮影などに悪影響が出る。既存ユーザーにとって不要なトラブルの追加要因になる。)

・EAA機能は独立的に使用し、既存機能と効率的に連携できるようにする。


まず既存機能に追加する部分です。

new-1-Kstar.png
New-4-Ekos.png

ご覧のように上部に機能毎のタブを設けるだけです。
Ekosはそれ自身にもタブがあるため、Ekos機能のタブは左側に移動します。
Ekosで機能が不足・矛盾し、ユーザーの混乱原因になっているサーバ接続のモジュールは廃止し、新規に以下のINDIーSettingモジュールとして独立させます。


new-2-indi-setting.png

新規にタブの独立項目として設置する”INDI-Setting"タブです。(個人的には一番重要だと思っているところ)
機器の接続を容易にすることを主眼に置きながら、マルチサーバ対応、シリアル以外はPlug&Play接続など抜本的に見直します。

この機能を実現する上で重要なのは”サーバの常時起動”です。
サーバは常時起動することで以下の働きを行います。

・Lan内全てのサーバの監視
・Lan内のサーバに接続された機器の自動リストアップ(USB接続機器(天体カメラなど)は自動、シリアル機器などユーザーが接続指定する必要があるものはシリアルアドレスとローカルアドレスでリストアップ)

・サーバ間でのユーザープロファイル、ドライバXMLファイルの共有(Lan内どこでも同じ状態に、ユーザープロファイル要素は以下)


ユーザープロファイル要素(接続機器はユーザープロファイルとしてまとめてサーバに記録します。):登録したユーザープロファイル、接続機器の設定用xmlファイル、パーク設定ファイル、KStars・Ekosの設定ファイル

Lan内にある全ての機器を自動接続にしたいのですが、シリアル機器はユーザーが明示的にドライバと紐づけしないとPC側ではなにかがわかりません。

そのため、サーバのXMLファイルからシリアル機器をフィルタリングし、ユーザーが選んでいけば接続するようにします。(上図赤枠吹き出しの真ん中部分)

マウントドライバは日時・緯度経度情報も必要になるため日時・緯度経度をどこから取得するかの項目を目追加します。(上図赤枠吹き出し右側)

接続した機器は画面下側部分の”My INDI Device"に並びます。
接続を終えたら接続用のユーザープロファイルとして保存すれば(用途に合わせて複数可能)、次からは自動接続が完了した状態で使用できるようになります。(トラブルさえ出なければ、初回以降は見る必要も無しです。)

今までユーザーが最も混乱する要素だった機器のコントロールパネルは接続機器の”エディット”項目として扱います。(ユーザーが設定する必要のないオプション項目)

これを実現するために重要なのはドライバ配布時に問題なく接続出来る設定ファイルを同封することです。(現状の一部ドライバの設定ファイルの中身が白紙とかは論外)

上部白枠部分に自動的にリストアップされた機器から使うものを選択→下の”My INDI Device”に緑色でリストされれば接続完了、接続した機器をユーザープロファイルとして保存すれば、Lan内のどのサーバーからでも選択→接続が可能、、、と、今までの煩わしい接続前の準備が不要になります。(INDIを難しく感じる諸悪の根源はドライバ接続時に怒涛のように登場するドライバコントロールパネルだと感じています。(しかも設定しないと使えないし))


さてではいよいよメインのEAA機能です。

new3-EAA.jpg

こりゃもう電視観望したことある人なら見ればわかる感じですね。(笑)
SharpCapとCCDCielのいいとこ取りです。

INDI全体がこのように見ればわかるくらい簡単になれば最高ですね。

余談ですが、昔フォーラムでユーザーが積極的に追加機能を要望していた頃、私も上記のような要望を端切れに出していましたが、その後StellarMateが登場して別の意味でフォーラムが賑やかになりそういった要望はかき消されるようになってしまいました。。。(ZWOがそこで出ていた要望をパクってASIAir登場・・・とか(笑))

まあ、昔ばなしも含め、INDI全体の説明にもなると思いましたので記事にしました。

どのような形で実現するかの最終判断はジェセムに委ねられますので、この大きな機能追加を期に良い方向に進んでほしいなと期待しています。(StellarMateの時のようなドタバタは本当に勘弁、しかも今だに続いているような。。。。私自身アップデートでドライバが接続しないとか報告し続け、ウザがられて無視されるのはもう嫌です。。。(苦笑))





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