Macで天体をする上でもっともネックになっている部分が静止画、動画のキャプチャーでした。
Macは一時期動画に力を入れていましたが、これはDV、HDVカメラといった市販のビデオカメラの編集用途になります。
数年前にWebカメラを改造して惑星を動画撮影し、スタッキングして仕上げる方法が流行しましたが、Macでは対応しているWebカメラがほとんど無く、キャプチャーソフトもどのWebカメラに対応しているのかが不明なものがほとんどでした。
現在では天体用のCCDカメラも多数Macに対応し、WebカメラもUVCドライバに対応したものであれば使用できる可能性が高くなり以前より大分環境が整いました。
ここでもINDIドライバは大きな役割を果たしています。
INDIドライバがMacで使用できるようになったことで多くの天体カメラのドライバが揃いました。
ここではカメラの種類毎に分類し、それに対応したソフトを記載します。
よって、複数回記載されるソフトも出てきます。
カメラによってはキャプチャリングするハードが別に必要となるものもあります。
(防犯カメラなど)
これらを使用する場合は必ずMacに対応したドライバを持つものを購入してください。
●Webカメラ用(UVCドライバ対応製品)Macで使用する場合UVCドライバ対応を強くおすすめします。
・QuickTime Player、PhotoBooth(日本語、Mac標準)
Mac標準で付いてくるソフトです。まずはこのソフトで認識されるか確認してみてください。
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VLC for Mac OSX(日本語、フリー) ーおすすめ
動画再生ソフトとして有名ですが、キャプチャリング機能があり、動画のファイルフォーマット変換も充実しています。
Mac標準のQuickTime Player、PhotoBoothとこのソフトで認識しない場合は相応の覚悟が必要になります。。
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Debut Video Capture Software(英語、有料)
変な名前のソフトですが、以前映像の仕事をしているときにカメラが認識されなくて途方にくれたときに助けてもらった会社のソフトです。
Webカメラ、キャプチャリングデバイス、スクリーンキャプチャなど多くの機能を備えています。無料期間もありますので、どうしてもカメラが認識しない場合試して見る価値はあります。
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Video Padビデオエディタ(英語、有料)
Debut Video Capture Softwareの上位版、こちらはキャプチャより編集をメインに仕上げられています。この会社のソフトは安い割には非常に高機能で、ドライバの出来が良いので気にいるようであれば、購入しても良いと思います。
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Planetary Imager(英語、無料)
Macで数少ない天体用キャプチャ汎用ソフトです。Webカメラ、ZWO社、QHY社の天体用CCDカメラ対応。
●Webカメラ用(UVCドライバ非対応製品)UVCに非対応のWebカメラを使用したい場合は人柱覚悟です。
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macam(英語、無料)
MacでUVC非対応のWebカメラを動作させるために開発されたソフト。
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CamTwist(英語、無料)
MacでUVC非対応のWebカメラを動作させるために開発されたソフト。
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IOXpart(英語、無料)
上記のアプリ同様MacWebカメラ暗黒時代を支えたドライバとキャプチャソフト。
会社のHPが閉鎖されているため、現在でも使えるかは不明。
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Equinox Pro(英語、有料)
プラネタリウムソフトだが、Webカメラにも対応している。
このアプリは古くからあるが、低価格で幅広いハードに対応しており価格以上の価値を感じている。
他にもSBIG SG4、AllSky、CanonEOS(おそらく初期のEOS)に対応しています。
●HDV、DVカメラ以前は天体で惑星撮影などに使用していましたが、現在は低価格天文用CCDカメラに感度面、画質面でも劣るため、あまり使われていません。
このカメラは動画編集ソフトが数え切れないほどあるため、まずは標準のiMovieを試してください。
●防犯カメラ、産業用カメラ感度が高いため、オートガイド用などに使用されていましたが、こちらも天文用CCDカメラに置き換わりました。出力がコンポジット、SVHS、SDI、HDMIなどのものは別途キャプチャデバイスが必要になります。USBであればUVC対応のものを、FireWireは古いMacしか端子を備えていませんので、現在ではおすすめしませんが、古いMacを天体用に使用するのであれば使える可能性が高いです。
あまりおすすめしませんが、出力がコンポジット、USBキャプチャデバイス(OSXドライバ対応)の組み合わせ、もしくはUSB出力でUVC対応のものを選びましょう。
低価格天文用CCDカメラが多数登場しましたのでそちらをおすすめします。
●天体用CCDカメラQHY社、ZWO社など中国の廉価天体カメラが登場し、一気に普及しました。
これらのカメラはMac用のキャプチャソフトをメーカーでも提供しているところがありますので、まずは選択する際、Mac用のキャプチャソフトを提供しているかを確認してください。
このカメラは動画撮影、静止画撮影いずれにも使用できます。
対応するキャプチャソフトの選択肢も多いです。
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FireCapture(英語、フリー)
Windowsで使用者の多い多機能キャプチャソフトです。
最近Macにも対応しました。Mac版はQHY社、ZWO社のカメラのみ対応です。
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Planetary Imager(英語、無料)
Macで数少ない天体用キャプチャ汎用ソフトです。Webカメラ、ZWO社、QHY社の天体用CCDカメラ対応。
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EZCAP-QT(英語、フリー)
QHY社の天体カメラ専用、同社のカメラを使用している方はまずはこちらから。
カメラ毎にダウンロードページが異なりますのでご使用のカメラを選びダウンロードします。
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ASICAP(英語、フリー)
ZWO社の天体カメラ専用、同社のカメラを使用している方はまずはこちらから
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StarlightLive(英語、フリー)
STARLIGHT EXPRESS社の天体カメラ専用、同社のカメラを使用している方はまずはこちらから、数少ないライブスタッキング機能あり。
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Nebulosity(英語、有料)
数多くの天体カメラ、Canonの一部の一眼デジカメに対応した静止画専用キャプチャソフト。スタッキング機能を始めとした多くの天体画像処理機能を持っていますので、撮影後にシームレスに画像処理まで行えます。
私はKStarsで撮影を行ったあと、画像処理として使用しています。
対応するカメラは以下参照。
・Atik legacy and modern (Mac support is spotty still as there are issues in Atik's Mac library)
・Canon DIGIC II* / III / 4 / 5 (etc) EOS DSLRs.
・Fishcamp Starfish
・Meade DSI, DSI Pro, DSI II, DSI II Pro, DSI III and DSI III Pro.
・QHY 8, 8L, 8Pro, 9, 10, 12
・QSI 500 / 600 series
・SBIG
・Starlight Xpress USB2 models (SXV / SXVF / SXV-R / Lodestar / etc. including those converted to USB 2 via the SX adapter)
・ZWO ASI
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Equinox Pro(英語、有料)
プラネタリウムソフトだが、天体カメラにも対応しています。(古いカメラのみ)
このソフトは全般的に操作性が良いです。
Webカメラ、SBIG SG4、AllSky、CanonEOS(おそらく初期のEOS)に対応しています。
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KStars(日本語、無料)ーおすすめ
インストールすることでMacで使用できるINDIドライバが全て使えるようになります。制御フロントエンドのEkosのキャプチャタブで静止画、動画いずれも撮影可能です。撮影だけでなく、フォーカス制御、望遠鏡制御、PlateSolveing(天体位置同定)機能、スケジューリング機能が連動して行えます。
制御可能なカメラが非常に多いため、Macで天体撮影を行いたい場合はまずはインストールしてください。
対応するカメラは以下参照。
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CCDciel(英語、無料)ーおすすめ
INDIドライバを使用するキャプチャソフトです。KStarsはINDIサーバ+ドライバ、クライアントの両方の機能を持ちますが、こちらはクライアントになりますので、まずはKStarsを導入してから使用してください。
キャプチャ機能は静止画、動画いずれにも使用できます。このソフトも非常に機能が多く、ライブスタッキング、フォーカス制御、同社プラネタリウムソフトSkyChartとの連携、オートガイドソフトPHD2との連携、撮影スケジュール機能などがあります。
KStarsのEkosとお好みで使い分けてもいいでしょう。
対応するカメラはKStarsをインストールしていれば同様ですので上の図を参照してください。
・AstroImager(英語、有料)ーおすすめ
このソフトもINDIに対応し、更に自社がINDIドライバの機能を拡張したINDIGOドライバを使用することができます。
この会社はINDIサーバやドライバを使いやすくOSXに対応した製品を多数揃えています。
対応するカメラは以下参照。
- ATIK Titan Mono & Colour,
- ATIK 3xx/4xx family cameras,
- ATIK One 6 & 9 (and internal filter wheels),
- ATIK 16200 cameras,
- ATIK Large Frame cameras (11000/4000),
- ATIK VS and Infinity,
- Moravian Instruments CCDs (and internal filter wheels),
- IIDC cameras (compatible USB 2.0+ or FireWire cameras, including Atik GP),
- Starlight Xpress USB 2.0 cameras & filter wheels,
- ZWO ASI USB 3.0 cameras & EFW filter wheels,
- FLI cameras & filter wheels,
- SSAG/QHY5 camera driver,
- SBIG cameras and filter wheels (vendor SDK must be installed),
- QSI 5xx/6xx cameras (experimenetal code),
- QHY cameras (experimenetal code),
- MEADE DSI cameras (experimenetal code),
- Shoestring FCUSB focuser driver,
- USB_Focus V3 focuser driver and
- Moonlite focuser driver,
- PegasusAstro DMFC focuser driver,
- NStep focuser driver,
- NFocus focuser driver,
- MJKZZ macro rail focuser driver,
- WeMacro macro rail focuser driver,
- Quantum wheel driver,
- Optec wheel driver,
- TruTek wheel driver and
- Xagyl wheel driver.
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The Sky X Pro(英語、有料)
プラネタリウムソフトですが。有料のアドオンを購入すると、キャプチャ機能を使用できる。
使用できるカメラは以下サイトで確認してください。
http://www.bisque.com/help/theskyx%20pro%20info/Welcome.htm#t=Camera_Add_On.htm●一眼デジカメまずは使用するデジカメにリモートコントロールソフト(キャプチャソフト)が同封されていれば、インストールしておきましょう。天体で使用するためにはリモートコントロールソフト(キャプチャソフト)の有無は重要になります。Canonの一眼デジカメはEOSユティリティが付属するので、無料で環境が整います。
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AstroDSLR(英語、有料)ーおすすめ
このソフトもINDIに対応し、更に自社がINDIドライバの機能を拡張したINDIGOドライバを使用することができます。
この会社はINDIサーバやドライバを使いやすくOSXに対応した製品を多数揃えています。
対応するカメラはNikon DSLR、Canon EOS DSLR(EOS Mでは使用できません)、Sony Alpha DSLRになります。
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Equinox Pro(英語、有料)
プラネタリウムソフトだが、天体カメラにも対応している。(古いカメラのみ)
このソフトは全般的に操作性が良いです。
Webカメラ、SBIG SG4、AllSky、CanonEOS(おそらく初期のEOS)に対応しています。
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KStars(日本語、無料)ーおすすめ
詳細は上記参照。
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CCDciel(英語、無料)ーおすすめ
詳細は上記参照。
CCDcielは天体カメラに適しています。一眼デジカメでも使用できますが、若干使いづらくなります。
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qDslrDashboard(英語、無料)ーおすすめ
このソフトはNikon DSLR、Canon EOS DSLR、Sony Alpha DSLRに対応しています。面白い機能としてはサーバ機能を持ち、スマートフォンと無線で連動できます。
カメラの機能制御も多数備え、スケジューリング機能もあるため使いやすいです。
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The Sky X Pro(英語、有料)
プラネタリウムソフトですが。有料のアドオンを購入すると、キャプチャ機能を使用できます。
上記参照。