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INDIサーバ・ドライバ説明のカテゴリー記事一覧


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以前KStarsの説明で触れましたが、INDIサーバ・ドライバについての理解を深めるために独立項目として説明します。
概要に関してはすでに何人かの方が記載されていますので、制御の流れ、特徴、構成、注意点などを記載します。

INDIはTCP/IP通信を利用するサーバ、制御機器のドライバのセットになります。
WindowsのASCOMと同じようなサーバドライバセットです。
ASCOMはWindowsのみの対応ですが、INDIはMac、Linuxに対応しています。


特徴としては

1.TCP/IP通信により複数台のサーバ・ドライバの分散制御が可能。

2.複数のクライアントによる分散処理が可能。(ASCOMのPothHub機能がデフォルト)

3.上記1,2のWAN経由のリモート制御が可能。

4.幅広い機器の制御に対応。(天体機器のフルオート制御が可能)

5.マルチプラットフォーム(WindowsのみASCOMラッパーもしくはCygwin経由で対応)

サーバ・ドライバはSSHを用いてのコマンドライン、もしくは対応アプリによるGUIでの制御が可能です。


設定を行う上でASCOMドライバと異なるところは

1.GUI制御の場合サーバ、読み込みドライバの起動操作が必要

2.読み込みドライバの設定はドライバと機器を接続後可能、(接続後に制御パラメータが項目ごとにタブ表示される)、コントロールパネルに各読み込みドライバ、ドライバの設定項目がタブに分けられて表示される。各ドライバとも設定後保存が必要。

3.コントロールパネルは対応機器の接続・設定・機器制御まで可能

4.ローカルサーバ以外にリモートサーバも使用可能(複数サーバも連動可能)


こんなところでしょうか。
上記のことからドライバ設定までの操作が大分異なります。

最もシンプルな構成図を用いたINDIの制御の流れを記載します。

017.jpg

上の図のようにサーバの起動、ドライバの読み込みがスタートになります。
スタートには専用アプリを使用するか、端末からコマンドラインで操作することになります。

そこで起動したサーバ+ドライバをコントロールパネルで設定します。
ASCOMとの大きな違いはGUIアプリを使用する場合サーバとドライバを起動する操作が必要になることと、コントロールパネルが機器の接続・設定・制御までできてしまうことです。
ここが少し混乱するところですが、本当に簡単な操作であれば、コントロールパネルで済ませてしまうこともできますので、INDI環境での特徴と捉えてください。

設定をしながら動作確認をして、問題が無ければこの設定を保存します。
一度設定を行えば次からは自動的に読み込まれますので再度設定の必要はありません。(保存しないと次回接続時再度やり直しになります。)

ドライバの設定が終了したら対応ソフトでの制御になります。
コントロールパネルによる設定は若干複雑ですが、ここまでの流れではASCOMと大差ないかと思います。
コントロールパネルで動作確認を行うクセをつけると対応アプリで苦労しません。

以下の図ではINDIにしかできない接続を説明します。

018.jpg

019.jpg

その1に記載した接続方法はINDIのサイトに記載されている方法です。

サーバをラズパイなどで複数台設定すれば、非常に大規模な制御環境を構築できます。

その2に関しては未確認ですが、Ekosに設定箇所ができたため、この接続ができる可能性があります。(以前開発者に要望を出した項目でした)

このようにかなり柔軟に制御環境を構築できます。
次回はINDIドライバの制御までの流れをご説明します。



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前回最も簡単な構成図を用いてINDIサーバ・ドライバの特徴をご説明しました。

018.jpg

今回は上の図の読み込まれたドライバ(黒部分)の制御の流れを記載します。

黒部分のドライバ名をDSLR、制御機器を一眼デジカメと仮定します。

では初回接続時の流れを見てみましょう。

150.jpg

このように初回起動時はドライバを判別するためのxmlファイルがクライアントアプリに送信されます。
クライアントアプリはこれを自動保存し、照合できる状態を作ります。
(例えるならビジネスマンが相手に名刺を渡すようなものでしょうか。)

クライアントは自動保存されたxmlファイルでドライバを呼び出すことができるようになります。
呼び出しが成功するとコントロールパネルが表示され、ドライバの初期設定、接続・制御→設定情報の保存(手動)が可能になります。

この時、注意が必要なのは、コントロールパネルで接続を行わないと制御機器と接続されないこと、接続後でないと各種設定が行えないこと、各種設定を行ってもその設定を保存しなければ、次回コントロールパネル呼び出し時に反映されないことです。ドライバ設定に関しては自動で保存されません。必ず設定後保存を行いましょう。

一眼デジカメであれば、画素数、保存ファイル形式などの基本情報はここで設定して保存する必要があります。
(一眼デジカメ側の準備(USBでの接続の挙動、オート→マニュアル設定になど制御のための準備もお忘れなく)




xmlファイル読み込み後の流れは下図になります。

151.jpg

ドライバの各種設定は一度保存すれば次回以降はコントロールパネルに反映されます。

クライアントアプリは原則としてその情報をもとにして各種制御を行います。

この流れを念頭に置き、各機器の接続・制御を行ってください。

このところ私がEAAで使用しているスカイエクスプローラーSE-100N架台のINDIドライバSkyWatcher-ALTAZがアップデートによるバグでトラブっています。

昨日MiniPCの環境もチェックしたので、合計で3機種(インテルチップのMiniPC(XUBUNTU20.041:64ビット)、ラズパイ4(32ビットRaspbian、NanoPi-M4(Armbian:64ビットBionic)のLINUX環境でチェックしてそれぞれのバグ対策(バージョンが異なるため、それぞれ別の対策が必要になります。)が見つかりましたので自分の備忘録として記載しておきます。

●ラズパイ4(32ビットRaspbian)の場合
こちらは私が普段使用していた環境です。
32ビットRaspbianはAstroberry開発者のカチョレクのリポジトリを使用していますのでAstroberryも同様のトラブルになるはずです。(Astroberryはもう一つ別のトラブルが出ますが。。)
このリポジトリはドライバの更新が遅れているので、2020.12月のINDI18.7版になります。(一つバージョンが古いです)

●トラブル回避方法(ドライバの自動接続はオフに)
1.ドライバコントロールパネルでパークオフボタンを押す(Ekosマウントコントローラーのパークオフボタンはバグで機能していない)
2.KStarsの星図画面で北極を右クリックしてSync

このドライバはEkosのマウントコントローラーのパークオフボタンが機能しないバグとホームポジションが狂っているという2つのバグがあるので、面倒ですが、毎回この手順を行うと使用できます。


●MiniPC(XUBUNTU20.041:64ビット)、NanoPi-M4(Armbian:64ビットBionic)の場合
この二機種はどちらも最新版のドライバになっていますが、同じバグがあります。
回避方法も同じです。

●トラブル回避方法(ドライバの自動接続はオフに)
1.ドライバ起動後(必ず自動接続はオフにしておいてください。)コントロールパネルでマウントドライバを選択→オプションタブをクリック→Pargeボタンをクリック→Defaltボタンをクリック
2.MainControlタブをクリック→Conectボタンをクリック→接続したらオプションタブに戻り、設定を保存

上記の操作で、ドライバ設定を一度クリアしてデフォルトの設定を読み込みます。
このとき注意するのは、コントロールパネルのオプションタブにあるPargeボタンをクリック→Defaltボタンをクリック→MainControlタブをクリック→Conectボタンをクリックの手順で操作することです。
この手順だとドライバが接続されますので、接続されたらオプションタブに戻り設定を保存してください。

このとき注意する事項が2つあります。
・このバージョンからホームポジションが北極ではなく北になっている。
・マウントドライバのオプションタブにある望遠鏡の焦点距離などの部分に設定名を追加しない(空のままにする)

私がハマったのは、マウントドライバのオプションタブにある望遠鏡の口径、焦点距離、設定名の部分です。
口径と焦点距離に関しては事前に入力しておかないと駄目ですが、設定名を入力するとドライバを接続するとKStarsがクラッシュします。

上記手順通りに操作すれば、マウントドライバのオプションタブにある望遠鏡の口径、焦点距離の部分(この2つは入力)の設定名は空白になります。この状態であれば接続できます。

接続後、設定を保存しておけば、次回からはクラッシュなく接続されます。(なんなんでしょうね、この駄目仕様、、、、)

そしてこのバージョンからホームポジションが北極ではなく北(高度は0)に変更されています。そして、デフォルトでパークオフになっています。


そのため、ドライバ接続後、北にマウントが表示されればそのまま操作ができます。

どちらのドライバにも異なるバグが残っているという嫌な状態です。。。
上記設定で回避できますが、早く正常動作に戻ってほしいですね。



INDI環境を使おうとしている方に注意事項があります。
以下ご確認ください。

1.所有する機器のドライバの有無の確認は以下サイトへ

https://indilib.org/individuals/devices.html

全く困った状況ですが、機器のメーカーサイトにINDIドライバの掲載がないところが増えています。
しかも本家サイトにおいても若干記載に間違いがあります。。。(ドライバとしては存在しているのに記載していないものがあります)

最近知ったのですが、日本でも発売しているPlayerONEやSVONYのSV305はすでに対応しているようです。
どこにも正しい情報が無いというのはなかなか困った状態ですが、上記サイトと以下のフォーラムで検索して対応状態を確認するしかありません。。

https://indilib.org/forum.html

現状では事前確認が非常に面倒な状態です。。。
(ドライバをフルインストールしないと最新の対応状況がわからない状況です。)

2.ドライバ名称の混乱
私自身も全てを把握しているわけではありませんが、ドライバの名称が混乱しておりどのドライバを使えばいいのかわからない機種が存在します。

知る限りの情報を記載しておきます。

・SkyWatcherAZGTiマウント
SkyWatcherAZGTiドライバはEQModドライバのエイリアス(名称を変更しただけ)、このドライバは赤道儀モード専用。
上記の理由でEQModドライバでも赤道儀モード限定で動作する。(はず)

経緯台モードで使用したい場合はSkywatcher Alt-Azドライバを使用する。
尚、サイトには記載が無いがSkywatcher Alt-Az Wedgeドライバも存在しており、上記EQMod、SkyWatcherAZGTiドライバでうまく動作しない場合はこれをチェックしてみる。(赤道儀用)

・SkyWatcher用ドライバ
私の知る限りでは大別すると3つ。(それ以外は名称を変更しただけ)

・ハンドコントローラー有り、ハンドコントローラーから接続する場合→SynScanドライバ
・EQMODを利用する場合→EQMod Mountドライバ
・SkyWatcherAPIを利用するマウント(AZGTi、SE-AT100N架台、Gotoドブソニアンなど)→Skywatcher Alt-Azドライバ(このドライバは赤道儀モードとしてSkywatcher Alt-Az Wedgeドライバも存在する)

・WebCam用ドライバ
現状作者の異なるドライバが2種類存在する。
一つは開発者が制作したindi_v4l2_ccdドライバ、もう一つは開発ボランティアが制作したindi_webcam_ccdドライバ
いずれもUVCには対応しているが、indi_webcam_ccdドライバの方はIEEEカメラやIPカメラなど更に幅広い機器に対応している。
indi_webcam_ccdドライバは別途追加インストールが必要になる。

sudo apt-get install indi-webcam

・セレストロンマウントドライバ
こちらもSkyWatcher同様カオス状態。(SkyWatcher社ほどではないですが。。。)
indi_celestron_gpsドライバが最もベーシックなドライバなので、対応がわからない時はまずこのドライバを試してみる。

・OnStepについて
ドライバ情報に記載が無いが、有志の制作した専用ドライバがある。
LX-200互換だが、有志が制作したドライバでないとうまく動作しない。

・ミードマウントドライバ
こちらもカオス
迷った場合は最も汎用性が高いLX200 GPSドライバを試す。

機器のメーカーサイトにも記述が無く、INDIサイトの記述も現状のドライバ状態と異なるなど非常に困った状態です。。。

デジカメに関してはINDIはGPHOTO2を利用しているのでGHOTO2対応の機器は動作する可能性があります。
http://www.gphoto.org/doc/remote/

CanonやNikonのドライバはGphotoドライバのエイリアス(名称変更)です。
他にも名称が異なるだけでドライバがいくつかありますので、チェックするまでわからないものもあります。。(困りますね。。。)

3.ドライバの動作チェックは必ず以下をお守りください。

・初回接続時は必ずEkosにあるの自動接続項目を外す(ドライバ一つずつ個別に接続して動作確認→オプションタブから設定を保存する)
・マウントドライバは望遠鏡の焦点距離、口径などの部分に0以外の数字を入れる→オプションタブから設定を保存→接続の順番で操作する(焦点距離、口径の項目が空のまま接続するとクラッシュすることがある)


4.ドライバアップデート時は必ず動作チェックを行う。
過去に何度もドライバの設定がリセットされたことがあります。。。
ドライバアップデート時は初回設定時同様のチェックを行うつもりで望む必要があることが多いです。。。(ドライバの自動接続をオフ→マウントドライバの望遠鏡設定部分の記載(上記3部分)など。。

書いていてつくづく感じますが、サイトも含め管理状態がかなりズサンです。。。
そのため、フォーラムがいつも質問でパンク状態になっています。

唯一の救いはフォーラムで質問すれば結構な確率で開発者が回答、もしくは不具合を解消してくれることです。

INDIと付き合っていくコツはあれこれ事前に悩まず、まずは自身で動作確認→不具合があったらログをとってフォーラムに質問を繰り返すことです。(トラブルのほとんどは開発者の情報開示不足やユーザーの設定ミスなどのヒューマンエラーです。)

煩わしいですが、動作さえしてしまえば非常に安定していますので上記留意の上取り組んでください。(サイトの情報整理は年々ひどくなっているような。。。。)

私のサイトであれば以下の項目を上から順番にお読みになってください。
https://tstudioastronomy.blog.fc2.com/blog-category-13.html





本日久しぶりにINDIフォーラムを覗いてみました。

相変わらずといいますか、質問の山です。(苦笑)

私自身INDI環境に移って5~6年ですが、フォーラムがこのような変な賑わいになった原因に思い当たる部分がいくつかあります。

最近INDIを試した方にとっては有益な情報になるかもしれませんので記載しておきます。

●なぜフォーラムで動作不良相談や質問が多いのか

・天体機器の接続方法がサーバ・クライアント接続という特殊性

・StelarMate発売によるユーザー層の拡大

・ドライバ接続しても設定しないと動作しないわずらわしさ(ドライバコントロールパネルが原因)

・KStars・Ekosなどクライアントソフトのローカルルール(サーバ・ドライバの仕様に合っていない部分がある)

・Ekosの良くも悪くも非常に充実した統合制御環境(気軽に使いづらい)

・サーバ・ドライバがLinux・Macのみ(クライアントはWindowsもある)


INDIはTCP-IPのネットワーク、サーバなどに精通した人であれば理解しやすいかと思いますが、サーバマシンに天体機器を接続→TCP-IPを経由したクライアントでドライバと接続して制御を行うという流れが慣れていないユーザーにとっては煩雑に感じるかと思います。

INDIサーバ・ドライバ自体はマルチサーバ、マルチクライアントで分散制御が可能なのですが、そのような操作が快適に行えるクライアントアプリがありません。。。

本家のKStars・Ekos自体がINDIサーバ・ドライバの扱いに結構ローカルルールがあるのも混乱を生む一つの要因になっているかと思います。(Ekosでのプロファイルエディタのドライバ起動方法はINDIサーバ・ドライバのルールから外れています。。)

INDIサーバ・ドライバ自体のコンセプトや安定性・柔軟性は非常に優れているかと思いますが、クライアントアプリ(特にKStars・Ekosのローカルルール)やドライバ接続のわずらわしさなどでユーザーに良さが理解されていないように感じます。

同じエンジンを使用するZWO社のASIAirなどのように簡単接続・簡単操作が可能なクライアントアプリが登場すればもっと普及するかと思うのですが。。。

少なくとも

・KStars・Ekosのローカルルールの排除(サーバの起動方法の見直し、パーク機能の改善、矛盾項目の整理など)

・ドライバコントロールパネルの撤廃(設定しなくても問題なく自動接続出来るようにする)

・アップデート時のユーザー設定の取り扱い(アップデートの度に白紙に戻すのはいかがなものか、都度設定→確認が必要になります。)

・Plug&Playの接続環境(常時サーバが起動、機器を接続すれば対応したドライバが接続)


操作性が優れているところは後発のASIAirなどを見習い上記のようなユーザーが混乱・煩わしいと感じる部分を減らせば良さが理解されるのではないかと感じています。(何度もフォーラムに要望出しているんですけどね。。。)

動作チェックついでにEAAも行いました。

スクリーンショット 2023-01-18 201010

昨年環境を設定してそのままの状態なのですこぶる快適です。
問題なく動作する設定を保存しておけば複数機器を自動で一発起動もできますし、その気になれば全自動観望もできます。
(指定時刻に自動で立ち上げて、設定した対象を撮影してシステム終了とかを全自動で可能ですし、遠隔リモートでの設定、制御なども可能です。)

独自のPlateSolvingも非常に高速ですし、オートガイド機能も優秀です。

良い部分も非常に多い環境なのでネガティブ部分が解消されて認知度が上がって欲しいなと感じています。

まあ、サーバ・ドライバのWindows移植が一番認知度が上がるかもしれませんね。(開発側が対応できるか心配ですが。。。ステラメイトだけでもヒーヒー言ってますので(これについては自業自得ですが)。でもWindows環境なら優秀なプログラマーも多そうですので開発者が増えるかもしれません。)

プロフィール

TーStudio

Author:TーStudio
色々工夫しながら星空を楽しんでいます。
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