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SIRILのカテゴリー記事一覧


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以前この記事で概要を記載しましたが、もともとはWindows用のIRISというスタッキング・画像処理ソフトをLinuxに移植したソフトだったようです。

しかし、現在はLinux以外にもMac、Windowsでもインストール可能になり、幅広いOSで使用できるスタッキング・画像処理ソフトになっています。

基となったIRISが非常に難しかったため敬遠していたのですが、少し使用してみたところスタッキングなど主要な操作はかなり使いやすくなっていると感じました。
フランス語や英語ですがマニュアルもしっかりしています。(Google翻訳でだいたい読めてしまいます。)

スクリプトを使用して機能を自動化出来たり、他のソフトと連携もできるようです。

多機能な割には使い方に癖も無く、おすすめできるソフトかなと思いましたので項目を新たに追加しました。
ASTAP同様日本語の説明サイトがありません。。。
少しずつになると思いますが、このソフトの使い方なども(わかる範囲で)記載していこうと思います。


余談
天体趣味を再開した頃はMacで使用できる天体アプリが非常に少なかったため、Windowsを使用していましたが今はとっても充実しました。
ラズパイなどのシングルボードコンピュータも実用になりましたし、環境構築の幅が拡がりました。
このサイトも皆様の環境構築の一助になれば良いなと感じています。
良い情報がありましたらぜひご連絡下さい。





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以前紹介しましたSIRILでのスタッキング処理を記載します。

このソフトは静止画のスタッキング処理(星雲・星団)、動画のスタッキング処理(惑星)、画像処理などを行うことができます。
スクリプトを用いれば他のソフトとの連携も可能です。

スタッキング処理に関しては以下の流れで操作します。

1.画像(映像)の選択(画像の場合は複数枚選択可能)
2.シーケンスファイルの作成(スタッキング処理の管理ファイル)
3.フラットファイル、ダークファイルの選択
4.処理方法の選択、設定
5.処理の実行


特徴的な部分としてはシーケンスファイルを作成してスタッキング処理全般の設定(画像選択、前処理(フラット、ダーク)、スタッキング処理の設定)をファイルとして保存しておくことです。
これにより管理が非常に楽になります。

画面操作も上部タブを切り替えていけば作業が完了しますのでわかりやすく感じます。

では実際に操作してみましょう。

193.jpg

1.上部のFile conversionタブをクリック
2.Addボタンをクリック→ダイアログボックスでスタッキング処理する画像を選択
(Macの場合はコマンドキー+クリック、Windows、Linuxの場合はコントロールキー+クリック)
3.シーケンス名を入力
4.Convertボタンをクリック
5.(シーケンスの保存場所を変更したい場合は4の操作の前にChange dirボタンをクリック→ダイアログボックスで保存場所を選択

上記操作でスタッキング処理を管理するシーケンスファイルが設定されます。
Convertボタンをクリックすることで中間ファイルとして選択した画像のfitsファイルがシーケンス名+連番で生成されます。(すべての処理がシーケンス名と連携するので管理がしやすくなります。)

fitsファイルが生成されるとプレビューWindowが開き画像が表示されます。

195.jpg



194.jpg

1.上部のSequenceタブをクリック
2.先程作成したシーケンスを選択(自動選択されていると思います。)

このタブでの操作はこれだけです。作成したシーケンスが自動選択されていない場合は2部分をクリック長押しで選択します。



196.jpg

ダークファイル・フラットファイルがある場合は以下の操作を行います。
1.上部のPre-processingタブをクリック
2.フラットファイル、オフセットファイル、ダークファイルそれぞれのBrowseボタンをクリック→ダイアログボックスからファイルを選択
3.使用するファイルのチェックボックスをチェック
197.jpg

次にスタッキングの際のアライメント方法を決めます。

1.上部のRegistrationタブをクリック
2.フリップメニューよりアライメントメソッドを選択(種類は下図)
198.jpg

3.フリップメニューより処理アルゴリズムを選択(種類は下図)
199.jpg

4.Go rejisterボタンで処理を実行(処理中は下図のようにプレビュー画面にアライメントポイントが表示されます。)
200.jpg



201.jpg

スタッキング処理の設定を行います。

1.上部のStackingタブをクリック
2.フリップメニューよりスタッキングメソッドを選択(種類は下図)
202.jpg

3.ノーマライズを行う場合はフリップメニューより選択(種類は下図)
203.jpg

4.Rejectionを行う場合はフリップメニューより選択(種類は下図)
204.jpg

5.Start stackingボタンを押しスタッキング

上記でスタッキングファイルがfitsファイルで作成されています。

カラー画像をそのまま別ファイルで保存したい場合は RGB imageという別ウィンドウに表示される画像を右クリックするとファイル形式を選択して保存できます。(下図参照)

205.jpg



記事にすると大分長くなりますね。
実際の操作はあまり迷う部分もなく快適に行えました。

今回は静止画のスタッキング処理を行いましたが、惑星撮影で行われる動画処理もこのソフトで行えるようですし、面白い機能としては静止画から動画も作成できるようです。

今後はそれらの機能についても記載しようと思います。



















静止画のスタッキングが快適に操作できたので、少し期待しながら以前撮影した惑星の動画からスタッキングを試しました。

タイトルでお察しかもしれませんが、今回のチェックではスタッキングまでうまくいきませんでした。
静止画同様の手順だと大量のFitsファイルができてしまいます。(回避方法も見つけましたが、スタッキングがうまくいきませんので割愛)

掘り下げようかとも思いましたが、手順的にも惑星の動画スタッキングに関してはLynkeosに軍配が挙がりそうです。

スタッキングソフトを試す中で(私にとってですが)それぞれのソフトの得意とするところが見えてきた感じです。

・SIRILは静止画スタッキング、画像処理などが得意
(というか、使いやすい)

・ASTAPは独自のPlateSolverが売り
(Mac、Linuxであれば、CCDCielと連動、WindowsであればAPTと連動できます。)

・Nebulosityは売り物だけあって、スタッキングも画像処理も撮影もそこそこ使いやすい。
(それぞれの機能的には若干古さがあります。。)

惑星のスタッキングに関してはMacの場合はLynkeos、Windowsは選択肢が沢山ありますのでそれぞれが得意な部分で使用したほうが快適かもしれません。

SIRILでの惑星スタッキングも、もう少し試してみようと思いますが、私は今の所は使い分けが無難かなと感じています。
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