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Macで天体(天文)を始める方にのカテゴリー記事一覧


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項目は設けてありましたが、INDI関係の記事を優先して記述したため記事が全く無い状態が続いていました。
惑星撮影を行うにあたって必要になるもの、Macのアプリで必要になるものを記載します。



●惑星撮影を行うにあたって必要になる機材

・望遠鏡(なるべく口径が大きく、焦点距離が長いもの)

・カメラ(デジタル一眼レフor天体カメラorデジカメのいずれか)

・デジカメアダプタ(デジカメで撮影する場合)


これに、フリップミラーなど眼視とカメラを切り替えながら対象を導入する機器があると効率的に写野に導入できます。

惑星撮影は非常に高倍率での撮影になります。
架台はモータードライブのついた赤道儀もしくは自動追尾機能がある経緯台が使いやすいです。(これら追尾機能が無い架台では撮影が非常に大変です。)

撮影方法としては、接眼レンズを用いる方法(コリメート撮影、拡大撮影)、直焦点撮影があります。

コリメート撮影は接眼レンズにデジカメなどレンズがついているカメラで行う方法です。(携帯のカメラでも行える方法です。)
手軽ですが、惑星を撮影する場合は高倍率になりますのでアダプタを用いて撮影しないとうまく撮れません。

拡大撮影は接眼レンズにカメラアダプタを接続して撮影します。この方法はデジタル一眼レフや天体カメラなどカメラレンズを取り外せるカメラで撮影する方法になります。

直焦点撮影は望遠鏡にアダプタを介して直接デジタル一眼レフや天体カメラなどを取り付けて行う撮影方法になります。
長焦点の望遠鏡を使用しないと拡大率が上げづらいので、バローレンズなどを併用して希望する拡大率にして撮影します。

像の鮮明さはコリメート→拡大撮影→直焦点撮影になります。
これは撮影時に使用するレンズ枚数が少なくなるためです。



●惑星撮影を行うにあたって必要になるMacのアプリ

・プラネタリウムソフト
(自動導入のコントロール機能がついたものがおすすめです。)

・キャプチャーソフト(天体カメラで必要になります。)

・画像処理ソフト
(スタッキングなどをおこなったり、色やシャープネスの調整などで必要になります。)


プラネタリウムソフトに関してはこちらこちらの記事にもまとめてありますが、おすすめはSkySafari(Plus以上のグレード)かKStarsです。

SkySafari(Plus以上のグレード)は非常に幅広い架台に対応していますし、望遠鏡のリモート操作機能が安定しています。

KStarsは多機能なのでとっつきづらいですが、望遠鏡のリモート操作以外にも撮影やフォーカスなどすべてまとめて行うことができます。
KStarsに関しては使い方をこちらにまとめてありますのでご参考にしてください。

キャプチャーソフトに関しては特に天体カメラを用いるときに必要になります。

天体カメラを購入する際、Macに対応したキャプチャーソフトがあるかを確認しましょう。(KStarsをインストールすればINDIドライバが使用できますので、市販されているほとんどの天体カメラには対応することができます。(もちろんキャプチャーも可能です。)

デジタル一眼レフやデジカメであればカメラで撮影してしまっても大丈夫です。

いずれのカメラでも惑星は動画で撮影します。動画で撮影したムービーファイルをコマごとに重ね合わせ一枚の画像に仕上げていきます。

最後に画像処理ソフトとして必要になるのは上記ムービーファイルをコマごとに重ね合わせ一枚の画像に仕上げる機能(スタッキング機能といいます。)を備えたソフトが必要になります。

Macにも複数動画スタッキングソフトがありますが、おすすめはLynkeosです。

使いやすいですし、今でも開発が続いているため安心できます。

他には画像処理としてPhotoShopもあれば便利です。(同等の機能をもったアプリでも良いです)

惑星撮影は高倍率のため、対象の導入とピント合わせが重要な要素になります。
倍率が高いため上空の気流の状態によって画像の良し悪しも大きく左右されます。
日本では夏あたりが最も上空の気流が落ち着いていてきれいに撮影できる可能性が高くなります。

惑星撮影は、星雲・星団の撮影とはちがった難しさがありますが、上記の撮影環境が整えばチャレンジできます。

興味ある方は是非挑戦してみてください。








上記は数年前に撮影した木星と土星です。
撮影環境は以下になります。


赤道儀:セレストロンAdvancedVX赤道儀
望遠鏡:セレストロンC9
カメラ:CanonEOS Kiss X4(2倍バローによる直焦点撮影)
画像処理:Lynkeos、PhotoShop









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天体撮影を行う方の多くはWindowsのノートブックを用いてガイド撮影を行っているかと思います。

かくいう私も以前は天体撮影に関しては、Windowsのノートブックで環境を構築して撮影を行っていました。

その当時は特に天体カメラがMacに対応しているものが少なく、一応Macでも使用できる機器を用意していましたが、MacBookProを外で使用することに抵抗があったこともあり、ネットブックと呼ばれる低価格のノートマシンに天体用の環境を構築して使用していました。

しかし、処理速度の遅さやASCOMドライバが一部不安定であったりなど、使い慣れたMacを天体にも活用できれば良いなと思っていました。

オートガイドソフトで最も使用者の多いPHD、PHD2に関しては以前からMac版もありますが、Windows版と比較して使用できるオートガイドカメラのドライバが少ないといった制約がありました。

望遠鏡の制御に関してはSkySafari(Plus以上のグレード)のMac版で登場したときに一気にWindowsマシンに肩を並べましたが、スタッキング処理ソフト(有料のみ)、廉価なオートガイド用天体カメラが未対応(ZWO社やQHY社など)などWindows環境に比べ制約がありました。

しかし、2017年にINDI環境の主力の制御環境であるKStars+EkosがLinuxからMacにも移植され状況は一変しました。

ほぼ同時期にシングルボードコンピュータのRaspberryPi3にもKStars+Ekosが最適化され、安定した使用環境が整いました。
スタッキング処理ソフトに関してもASTAPという無料のアプリも登場し選択肢が広がっています。)

MacBookなどにKStars(Ekos制御環境とINDIドライバ一式、更にAstromy.Netサーバが内蔵されています。(しかも日本語対応))とPHD2をインストールすれば現在ではWindows同様の撮影環境が手に入ります。(対応機器もINDIドライバのおかげで一気に増えました。PHD2に関しても現在はINDIドライバに対応ししています。)

さらに驚くことは同様の環境がRaspberryPi3以降でも実現できるということです。
私は現在では天体撮影の環境をMac(外出時はiPad)+RaspberryPi3で行っています。

RaspberryPi3には4つのUSB端子があるため、私の環境ではUSBHubも不要になりました。

自宅ベランダでは望遠鏡、カメラ、フォーカサーなどをすべてRaspberryPi3に接続し、部屋のMacのKStars+Ekosからリモート制御しています。(PHD2はRaspberryPi3で立ち上げて使用しています。)

遠征などで外に持ち出す場合はMacで制御していた部分をiPadのVNCリモートに変更して使用しています。
どちらの環境でも非常に安定して使用できています。(iPadの場合VNCリモートでのKStarsの操作が若干しずらいですが。。)

INDIドライバのメリットである分散処理により、ドライバーのサーバとしてRaspberryPi3を用いてリモート制御を行うわけです。
(もちろんMacBookなどを外に設置してVNCで操作することも可能です)

ドライバの設定などがASCOMと比較してややこしいですが、一度きちんと設定できれば非常に快適に使用できます。

Mac版のKStarsは本家Linux版より導入がはるかに簡単です。(アプリをHDにコピーするだけ、アプリ内にINDIドライバフルセット、Astromy.Netサーバ、日本語環境、Ekos制御環境がすべて内蔵されています。
WindowsのASCOMドライバによる環境構築など含め、どの環境よりも天体環境の構築が簡単です。(なにせKStarsをコピーするだけなので(笑))

Macをメインに使用されている方はぜひこの項目に目を通してみてください。

ドライバの設定など面倒な部分はありますが、工夫次第で驚くほど柔軟な天体撮影環境を容易に構築できますよ。(但し、KStarsを使用するためにはOS10.12以上が必要です。)






















最近天体写真を撮影していないのであまり確認していませんでしたがMacで使用できるスタッキングソフトが増えてきました。

以前こちらの記事で記載したソフトのいくつかを入手して少し試してみました。

表題のスタッキングソフトは主に動画を位置合わせして一枚の絵にまとめる惑星用と、写真を位置合わせ、フラット、ダークなど合わせて複数枚を一枚の絵にまとめる星雲・星団用のソフトがあります。

今回は星雲・星団用のスタッキングソフトのいくつかを紹介します。

・Nebulosity(英語のみ、有料)
キャプチャソフトにも記載したが、天体カメラ、一眼デジカメ(一部のEOS)のキャプチャ、スケジュール機能、スタッキング機能、画像処理機能と、天体写真で必要となる画像処理機能を網羅しています。
私が天体を始めたころ、Macで星雲・星団のスタッキング機能をもったソフトがとても少なかったので購入しました。

キャプチャ機能に関しては現在では他の選択肢のほうが優れた機能を持っているソフトがありますが、スタッキング機能、画像処理機能のみの利用でも十分に役割を果たしてくれます。
Macのスタッキングソフトでは唯一画像処理に何回か使用したことがあるソフトなので使い方をまとめようかと思っていましたが、ペンディング中。。。


・ASTAP(英語のみ、無料)
こちらはスタッキング、画像処理、PlateSolverの機能がセットになったソフトです。

PlateSolverに関してはローカルAstromtry.netも使えますが、独自に機能を持っておりローカルAstromtry.netと比較してもかなりインデックスファイルが軽量なのが魅力です。
PlateSolverに関してはCCDCielと連動して使用できるようです。

スタッキング、PlateSolver共少し試してみましたが、まだ使いこなせていません。
使いこなせれば軽量なPlateSolverとPlateSolverの位置解析を利用したスタッキング処理ができるようなのでかなり便利そうです。


・Siril(英語のみ、無料)
このソフトはWindows版のIRISというソフトのLinux版だったようです。
IRISに関してはWindowsを天体撮影に使用していた頃、Drizzle機能に惹かれて一度使用してみましたが難しすぎて轟沈しました。。。

INDIに環境を移す頃、INDIフォーラムで話題にのぼっており存在は知っていましたが、その当時はMacで使用するにはソースからコンパイルする必要があったため気に留めていませんでした。(Linuxはラズパイでしたし、ラズパイで画像処理までは考えていませんでした。)

しかし、最近Mac版のインストーラーができ、簡単に導入できるようになったので改めて調べてみました。
特徴としては以下になります。

・豊富な画像処理機能
・動画(SERファイル)、静止画両方に対応したスタッキング機能(惑星の処理にも使用できるようです。)
・多くのスタッキング処理方法
・スクリプトによる他のソフトとの連携(CCDCiel、Ekosなどと連携できるようです。)
・半自動のライブスタッキング(フォルダ内にある静止画を連続的にスタッキングできるようです、他のソフトと連携すれば半自動のライブスタッキングができそうです。)

・・・と、ASTAPとはまた違った意味でかなり魅力的な内容になっています。
以前挫折したIRISよりは使いやすそうにも感じます。(少しだけ試しました。)


と大分環境が充実しました。

しかし、日本で使用している人は。。。。
私自身も環境が変わり、気軽に天体撮影ができなくなってしまったため、時間がかかるかもしれませんが、使ってみて便利であったら説明記事を書こうと思います。(撮影場所の確保からになりますので、いつになるやら。。。。)





ブログタイトルにMacと記載しながら、あまりMacの使用記事が無い(苦笑)のですが、これからMacを購入して始められる方もいらっしゃると思いますので記載しておこうと思います。

INDIドライバがMacに移植されてから2〜3年ほど経ちますが、現状ではおそらくどの環境よりも天体撮影環境を構築するのが簡単です。

ただし、Windowsのように使用者が多くありませんので情報が少ないです。
以下にMacで天体環境を構築する上で留意する点を記載します。

・OSのバージョンは10.12以上にすること(INDIのメインアプリであるKStarsインストールのため)
・架台とつなぐシリアルUSBケーブルはチップセットがFDTI製のものを購入すること(この記事に記載したケーブル)
・シリアルUSBケーブルのドライバをインストールすること(ドライバはこちら
・できればSkySafari(Plus以上)も購入する(KStarsの補完、観望目的ならSkySafari(Plus以上)だけで充分)
・USB3端子がついた機種を買うこと(天体カメラを使用する方、一眼デジカメはUSB2で問題なし)


以上です。
シリアルUSBケーブルのドライバは事前にインストールしないといけませんが、他のソフトはアップルストアから購入するか、イメージファイルからソフトをコピーすれば面倒な作業なく環境構築が完了します。(面倒なサーバの構築、ドライバのインストールなど必要ありません。)

ソフトについては目的によりインストールするものが異なりますので以下を参考にしてください。(代表的なものだけ紹介します。どのようなソフトがあるか知りたい方はこちらをご確認ください。)


●天体撮影を行いたい場合(望遠鏡制御、カメラ制御、フォーカサー制御、オートガイダーなど)
KStars
(撮影に必要な環境がすべて揃っています。使い方はこちら
CloudMakers社天体アプリ群
(有料、一部無料:天体撮影環境がすべて揃っていますINDIドライバと互換性のあるIndigoドライバの開発元です。購入はアップルストア、開発元サイトから)
PHD2
(もっとも有名なオートガイドソフトです。別途撮影ソフト、自動導入ソフトが必要です。)

●望遠鏡の制御を行いたい場合
SkySafari(Plus以上)
(非常に使いやすいプラネタリウムソフトです、自動導入、導入支援などあらゆるメーカーの架台に対応しています。)

●惑星撮影(導入などは上記ソフトを併用)
oaCapture
(多くの天体カメラに対応したキャプチャソフト)

●画像処理・スタッキング
siriL
(非常に多機能なスタッキング・画像処理ソフト)
ASTAP
(非常に多機能なスタッキング・画像処理・PlateSolver(天体位置解析)ソフト)
Nebulosity
(有料:カメラ制御・スタッキング・画像処理ソフト)
Lynkeos
(惑星撮影に特化したスタッキングソフト)


架台(自動導入赤道儀・経緯台、導入支援機器(DSC))などはINDI(またはindigo)サーバ・ドライバか、SkySafariのドライバでほとんど網羅できます。

一眼デジカメはWindowsと同様の環境が揃っています。
天体カメラはINDI(またはindigo)サーバ・ドライバで制御可能です。

他にもWindowsでも使用者が多いSkyChart(架台制御機能があるプラネタリウムソフト、CCDCiel(SkyChart開発者が制作した天体撮影統合環境)、Stellarium(非常に描画が美しいプラネタリウムソフト)などがありますが、ドライバを別にインストールする必要があるため簡単なものに絞りました。

上記はほぼコピーするだけで必要な環境が揃います。(ソフトをコピーすれば必要なドライバやサーバなどもソフトの一部として同時にインストールされます)

INDIサーバ・ドライバ、統合環境のKStars・Ekosについてはこちら
SkySafariについてはこちら

に使用方法を記載しています。

Macは昔からリモートタイマー(定時の自動オンオフ)、多様なネットワーク構築(ボンジュールによるアドレス管理、Lanケーブル以外のネットワーク接続、共有機能(ファイル、ネットワーク、モニタなど))、複数アプリの自動制御(Appleスクリプトやオートメーター)をシステム標準で搭載しており天体撮影に使用したら便利な機能が多数あります。(Macをハードディスクとして認識させる機能まであります)

天体撮影の環境構築に苦労している方はMacで天体環境を構築してみてはいかがでしょう。
使用者が少ない欠点はありますが、私も使用していますが非常に安定しています。

このサイトはMacを使用している方を対象に、天体用に拡張するための情報を記載していました。(ソフトや周辺機器として扱えるSBCの活用法など)

しかし、中にはWindowsやLinuxを使用していてMacを天体に使おうと考える方もいらっしゃると思います。

それぞれのOSには文化があり、概念などが異なるため操作の初期部分での混乱があると思いますのでMacの基本的な概念や天体環境を構築するために知っておくと良い情報を記載しておきます。

●MacOSについて
GUIの操作体系をいち早く確立したOSです。
初期段階からメニューによるコマンド入力、ワンボタンマウスでの操作体系、ドラッグ&ドロップなど直感的な操作が可能なユーザーインターフェイスを備えていました。

歴史的に大別すると、OS9以前(独自OS)、OS10以降(UNIX系)に分けることができます。

現在流通しているMacはOS10システムを使用するものです。
OS10移行後はチップセットなどもインテルで統一されました。
そのため、ドライバや起動環境を整えればネイティブでWindowsやLinuxをインストールできます。
(アップルで用意したBootCampがそれに該当します。)
OS10のベースはUNIX系(アップルがカスタマイズしたFreeBSD系OS)になります。(Apach、Parl、SQL、VNC、SMBを始めとしたUNIX環境が最初から組み込まれています。)
Linux同様ターミナルによるコマンドラインの操作も可能ですが、古いユーザーほどOS9以前の操作方法に準じたGUIを中心とした使用方法で使用しています。

OS10以降は小数点以下のバージョンアップで大幅にシステムの内部構造に変化が出るため、ソフトなどをインストールする際には対応状況を確認する必要があります。

天体用であればOS10.12以降を使用しましょう。(天体環境構築に便利なKStarsのイメージファイルがOS10.12以降対応のため)


●MacのGUI
創設当初からワンボタンマウス操作によるGUI環境で操作する体系になっています。
Windows登場後はWindowsからの乗り入れも考慮した操作体系になっています。

画面上部にメニューが表示され、マウス操作でコマンドを選択する操作はMacの伝統的な操作方法になります。
メニューにはキーボードショートカットも記載されているので操作に慣れればキーボードショートカットで操作することもできます。


GUIで覚えてほしい要素としては4つになります。

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1.メニュー左上のリンゴマーク→常に表示されています。クリックするとシステムに関わるメニュー項目が並んでいます。Windowsのスタートメニューに似た存在ですが、こちらはシステム項目のみが独立しています。

2. リンゴマークの隣(アプリケーションメニュー)
リンゴマークの右隣のメニューから現在使用しているアプリのメニューになります。
一番左側にアプリ名が表示され、ほとんどの場合はヘルプメニューまでそのアプリで使用するメニューが並びます。
何もアプリを立ち上げていなければ "Finder"と呼ばれるMac用のファイルブラウザ兼様々なGUI操作の基幹となるアプリが表示されます。(Windowsのエクスプローラに近いです。)

3.Finder
MacのGUI操作の基幹となるアプリです。システムを立ち上げると自動的に起動します。

4.ドッグ
Macのアプリランチャー兼アプリスイッチャーの役割を果たします。
システムを立ち上げると自動的に起動します。
デフォルトでは画面下に表示されます。
表示されない場合はマウスカーソルを画面下まで移動すると表示されます。
常に表示される項目としては以下になります。

・一番左側→ファインダー
・一番右側→ゴミ箱
・ゴミ箱右側→ダウンロード書類へのショートカット
・ダウンロード書類の右側→書類フォルダへのショートカット


アプリなどを立ち上げるとドックにアイコンが追加されます。
アプリケーションの切り替えはドックのアイコンをクリックすることで行なえます。
ドックを補助するために ”LaunchPad"というアプリがあります。ファンクションキーのF4を押すとアプリケーションフォルダにあるアプリ一覧を表示することができます。

ドックに常に使用するアプリを登録するには以下の方法があります。
・アプリアイコンをドラッグアンドドロップ
・アプリを起動→ドックに表示されたアプリアイコンをコントロールキー+クリック→コンテキストメニュー(Windowsの右クリックメニューのようなもの)から”オプション”→”ドックに登録”を選択

(ドックから項目を削除したい場合はアイコンをドラッグしてドックより離れた位置まで持っていくと煙と共に消えます(笑))


●キー操作・マウス操作など
ベースとしては創設当初からワンボタンマウスでのメニュー操作によるGUI操作を中心としてキーボードショートカットで作業効率を上げる構造になっています。

以下Windowsなどから移行する場合に覚えておくと操作が楽になります。

●Windowsの装飾キーとMacの装飾キーの相関関係
・コントロールキー(Win)=コマンドキー(Mac)
・ALTキー(Win)=オプションキー(Mac)
・SIFTキーの扱いは同じ
・ファンクションキーにはデフォルトでシステムに関わる操作が割り当てられている。

通常のファンクションキーとして使用するには"fn"キーを押しながらファンクションキーを押す(システム環境設定で変更可能)
F1〜F2→モニタの明るさ
F3→ウインドウ一覧表示
F4→ランチャー
F5〜F6→モニター輝度
F7〜F12→メディア再生(再生、停止、音量など)


Windowsでコントロールキーを使用するショートカットはマックではコマンドキーを、WindowsでALTキーを使用するショートカットはマックではオプションキーを使用します。
ファンクションキーはMacのシステム機能がデフォルトで割り当てられているのでファンクションキーとして使用したい場合は"fn"キーを同時に押すか、システムの環境設定で変更します。

マウス操作としてWindowsでよく使われる右クリック操作はマックではコントロールキー+クリックになります。(Windows用のマウスを繋げば右クリックができます。)


●ファイルの扱いについて
リソースフォークを持っているためWindowsやLinuxのように拡張子をつけなくてもファイルを作成したアプリとの関連付けが可能です。(ファイルをダブルクリックすればファイルを作成したアプリが立ち上がります。)
ファイルをアプリアイコンにドラッグアンドドロップして開くこともできます。(開くことができる場合はアイコンが暗転します。)
しかし、このような操作は他の環境では対応しないのでファイル名に拡張子をつけて保存するのが無難です。


●アプリのインストール方法について
天体環境を作る上で必要な知識になると思いますので記載します。
大別すると4種類のインストール方法があり、アプリにより異なります。

1.アップルストアから入手
アップルが認定したアプリはアップルストアから入手できます。(天体系は少ない)

アクセス方法は
ドック→AppStore

もしくは
HD→アプリケーションフォルダ→AppStore

上記でAppStoreアプリが立ち上がりますので、ほしいアプリを検索してダウンロードします。
ダウンロードしたアプリは自動的にアプリケーションフォルダ、システムなどに適切にインストールされます。
以降の管理もAppStoreアプリで行います。
(ユーザー登録、有料アプリはクレジットカードの登録などが必要です。)


2.パッケージ購入によるインストール
アップルストア以前の一般的なインストール方法になります。
ほとんどの場合はCD-ROMやUSBメモリで配布されます。
インストーラーをダブルクリック(Macの場合は拡張子が.pkg)すればインストールできますが、インストーラーがアップルの認証を受けていない場合はコントロールキー+クリックでコンテキストメニューを表示し、”開く”を選択して起動します。


3.ネットからダウンロードしてインストール(ほとんどの天体アプリがこれ)
ネットからダウンロードしてインストールする場合は以下の流れを覚えておきましょう。

ほとんどのアプリはイメージファイル(仮想ディスク、Macの場合拡張子 .dmg)か圧縮ファイルで配布されています。
圧縮ファイル、もしくはイメージファイルを展開すると中にインストーラ(Macの場合は拡張子が.pkg)が入っているものと、アプリが直接入っているものに大別されます。
インストーラが入っているものはシステムに必要なファイルが展開されますのでインストーラの指示に従います。
アプリが直接入っているものはアプリをHDにコピーすればインストール完了ですが、ほとんどの場合、セキュリティの関係で初回はダブルクリックで開くことができないため上記認証を受けていないアプリ同様アプリのアイコンをコントロール+クリックしてコンテキストメニューの”開く”を選択して起動してください。

●イメージファイルにインストーラが入っている場合
・イメージファイルをダブルクリック→システムにマウント→マウントしたディスクをダブルクリック→中にあるインストーラをダブルクリック(インストーラがアップルの認証を受けていない場合、インストーラを選択→コントロール+クリックしてコンテキストメニューの”開く”を選択)

●イメージファイルにアプリケーションが入っている場合
・イメージファイルをダブルクリック→システムにマウント→マウントしたディスクをダブルクリック→中にあるアプリをHDにコピー(ほとんどの場合はマウントしたディスク内に”アプリケーションフォルダ”のエイリアス(HD内のアプリケーションフォルダへのショートカット)が入っているのでそこにアプリアイコンをドラックアンドドロップ(アプリアイコンにブラス表示されればコピー)→アプリケーションフォルダを開き、目的のアプリを選択→コントロール+クリックしてコンテキストメニューの”開く”を選択)


4.ターミナルからインストール
OS10以降のMacはUNIX系がベースになっているため、Linux同様ターミナルでアプリをインストールすることも可能です。

天体系のアプリはほとんど上記1〜3のいずれかでインストール可能ですが、プログラミング環境の構築、サーバ環境の構築を行いたい方はこの方法を取ります。

Macで代表的なパッケージマネージャーはmacports,homebrewあたりになります。

ターミナルアプリは
HD→アプリケーションフォルダ→ユティリティフォルダの中にあります。

インストールはこちらを参照してください。

一つ注意点としては、先に記載の通り、Macはデフォルトでかなり多くのサーバやプログラムがインストール、カスタマイズされています。
そのため、インストールする前に、インストールする項目の有無を確認したほうが良い場合が多いです。

よく使われるサーバやプログラム言語は使いやすいGUIアプリなどもありますので、まずはそちらから試したほうが良いかと思います。(天体関係ではほぼ触れることはありません。)


ざっと、これからMacで天体を始める方への覚書です。
上記のキー配列の違い、メニューの位置などを把握すると結構すんなり理解できると思います。

INDIサーバ・ドライバが移植されたので一気に天体環境構築の敷居が下がりました。

次回は天体環境を構築する上で便利なシステム機能などを紹介したいと思います。


Macを使用しているというと、スタバでコーヒー飲みながらキーボードをたたいているようないけ好かない(笑)イメージを持っている方も多いかと思いますが、実はOS9以前は、アメリカでは教育系(ファイル共有、リモート操作)、日本では音楽系(電子楽器制御)、メディア情報端末(キオスクなど)、ニッチな制御系でかなりのシェアをもっていた時期があります。(他には医療系(スライド作成)、デザイン系(印刷原稿作成、画像処理)などでも使用されていました。)

そのため、システム標準でかなり複雑な制御をGUIで行えるナードな環境が整っていました。(笑)

OS10になり、いくつかの機能は排除されましたが、UNIX系のコアエンジンとなったことでネットワーク系やプログラミング系の開発環境が一式内蔵されているかなり硬派な仕様です。

天体環境の構築も機器の制御環境を構築することになります。

数年前までは天体機器の制御に関してはほとんどありませんでしたが、現在はINDIやindigoなど天体機器のネットワーク制御が可能なサーバ・ドライバ、アプリが一式移植され、OSが備える制御環境と合わせると非常に複雑な制御まで手軽にGUIで構築できる環境になります。(INDIドライバ・サーバなどの詳細はこちら

ここでは天体環境を構築するのに便利に使用できるOS標準機能をケーススタディでご紹介します。


●Lanでのアクセスを容易にしたい(Bonjour機能)
Lanなどからリモート操作を行う場合、他の環境ではIPアドレスの固定などを行わないと不便でしたがMacでは標準で○○○.local という名前解決でアクセスできるBonjourという機能が装備されています。
これにより、DHCP環境などIPアドレスが可変する環境であってもユーザーが決定した名前でアクセスできます。
(Windowsから同様の環境で操作する場合はここからiTunesをダウンロード→インストールしてください。Linux系ではAvahiをインストールします(sudo apt-get install avahi))

設定は以下

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1.アップルメニューをクリック→2.環境設定を選択


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3.共有をクリック

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4.赤枠部分に任意に名称を記入(半角英数字)

上記の手順で○○○.localという名称でアクセスできます。


●リモートで操作したい(画面共有(VNC)、sshなど)
Macは標準でVNCサーバ機能、拡張したssh機能(アップルイベントなどを使用して様々なリモート制御が可能)があります。

設定は1〜3まではBonjour同様アップルメニュー→環境設定→共有をクリック

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以降は赤枠部分のチェックボックスをチェックすることでサーバ機能を起動します。(画面共有=VNC、リモートログイン=ssh、拡張機能としてリモートマネージメント、リモートApple Event)

アクセスするにはコンピュータの管理者、パスワードを入力します。
別の名称でアクセスしたい場合は青枠部分をクリックしてユーザーを追加します。


●ファイル共有したい(アップルファイル共有、Sambaサーバ機能)
上記リモート操作したいとほとんど同様の手順でアップルファイルサーバ、Sambaサーバ機能が同時に使用できます。
上記設定で同時にSambaサーバ機能も起動しているのでWindowsとのファイル共有も簡単です。

0269-1.jpg

赤枠部分をチェックでサーバ起動、青枠部分で共有フォルダを追加できます。
ユーザー、パスワードなどは上記同様です。

手順がほとんど同じなので詳細は省きますが、上記のチェックボックスにある”インターネット共有”にチェックを入れれば簡単にMacをWIFI親機にしたり、Mac同士であれば、FireWireやUSB、Thunderboltなどで接続して高速なネットワークの共有も可能です。


長くなりましたので続きは次回に

次回はシステム起動時に任意アプリケーションの自動起動機能、スケジュール起動・シャットダウン、アプリ、システムの自動制御などを記載する予定です。


天体環境で便利に使える機能の続編です。

●起動時にアプリや書類を立ち上げたい
cloudmakersから提供されているindigoサーバ・ドライバや、Astromtry.netサーバINDIWebManagerAppなど天体用のサーバなどは起動時に立ち上がっていてほしいと思うことがあると思います。

以下に設定を記載します。

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1.アップルメニューをクリック→2.システム環境設定を選択


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3.ユーザーとグループをクリック


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4.ログイン項目をクリック→5.+ボタンをクリックし、アプリや書類を登録

上記手順で次回起動時に自動で登録したアプリ、書類が起動します。


●Macを自動的に起動、終了したい
天体環境を常設している方のなかには指定時刻でMacを立ち上げたい方もいらっしゃると思います。
Macは全ての機種標準機能としてスケジュール起動・シャットダウン機能をもっています。
(教育現場や情報端末で使用されることが多かったからでしょうか、他の環境ではなかなかシャットダウンしたPCを起動する機能がありません。)

以下手順です。

1.アップルメニューをクリック→2.システム環境設定を選択(上記と同じなので図は省略)


0272.jpg

3.省エネルギーをクリック


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4.スケジュール...ボタンをクリック


0274.jpg

赤枠部分を設定してOKボタンを押せば設定完了です。


●面倒な操作を自動化したい
KStarsの制御環境Ekosにあるスケジュールモジュールを使用すれば天体機器のフルリモート操作は可能です。

フルリモートはEkosの操作、ドライバの設定を熟知してから挑んでください。下手をすると機材を壊します。

しかし、KStarsを立ち上げてからEkosを表示、ドライバを起動、スケジューラーを実行する操作などは人間が手動で行う必要があります。

世の中には遠隔地にあるドームをフルオートで実行したい方もいらっしゃるかも知れません。

Macには標準でAutomatorというマクロアプリがあります。
ユーザーの操作を記録して再生する機能、AppleスクリプトやAppleイベントなどをプログラムする機能、作成したマクロをアプリにする機能など非常に多くの自動処理機能を備えています。

Automatorに関しては機能が多すぎますので紹介に留めます。

興味ある方は機能を検索してお試しください。

大事な機材がスクラップになる危険があります。くれぐれも天体機器の自動化には注意を払ってください。



●遠隔地からインターネット接続でリモート操作したい
INDIサーバ・ドライバ、indigoサーバ・ドライバはいずれもネットワークを介して天体機器を制御できるサーバ・ドライバセットなので、インターネットにさえつながっていればどこでも操作が可能になります。

ただし、Wan越しの操作となると通常だと結構なネットワークの設定などが必要になってきます。
よりセキュアにリモート接続するとなると、VPNサーバを設置したくなるかと思います。

実はMacには標準でVPNサーバが実装されています。
(VPNだけではなくサーバ環境やプログラム環境は一式実装されています。)

ただし、標準環境ではGUIからは操作できません
ターミナルから起動、設定を行うことになります。

GUIから簡単に起動、設定を行いたい方はアップルストアからMac OS Serverを購入してください。(現在は2400円です。私が購入したときの数十分の一の価格に。。)


最後に天体とは関係ありませんが、Macのトラブル対策、便利機能などを列記しておきます。

●HDのトラブル、フォーマットなど
ディスクユティリティでHDの修復、パーテーション作成、フォーマットなどが行なえます。
場所は

HD→アプリケーションフォルダ→ユティリティフォルダ→ディスクユティリティ

めったにトラブルがおきませんが、重度なHDトラブルに見舞われたときには市販のDiskWarriorがおすすめです。


●Macが起動しない場合の対処
以下のキーを押しながら起動してみてください。

コマンドキー+オプションキー+p+r
(PRAMクリア)

シフトキーを押しながら起動
(セーフブート)

●別の起動ディスクから起動
オプションキーを押しながら起動→HDアイコンを選択

●Macを外付けHDとして扱う
tキーを押しながら起動
(Macが2台以上ある場合はシステムのクローン作成、HDトラブルのチェックなど非常に便利に使用できます。)

●MacのOSのバージョンや接続されている周辺機器の状態を確認したい
アップルメニュー→このMacについてを選択

●ファイルを簡単に複製したい
ファイルをオプションキーを押しながらドラッグ

●ファイルの複数選択
コマンドキー+クリック
(上記複製と合わせれば、任意のファイルを一括複製可能)

●アプリケーションの中身を見る
アプリケーションアイコンをコントロールキー+クリック→メニューから"パッケージの内容を表示”
(KStarsのINDIドライバなどを追加・変更できます。)


追伸
天体関係の制御は未だにシリアル通信が使用されていることが多いです。
ターミナルでも操作できますが専用ソフトがあると便利です。

CoolTerm
シリアル通信アプリ

シリアルチップのドライバ(シリアル機器を繋いでも認識されない場合)
CH34系
https://github.com/adrianmihalko/ch340g-ch34g-ch34x-mac-os-x-driver

FTDI系
https://www.ftdichip.com/Drivers/VCP/MacOSX/FTDIUSBSerialDriver_v2_4_2.dmg


以上です。
これをするにはどうすれば?など質問がありましたらお気軽にご連絡ください。
わかる範囲(笑)でお答えします。


Macで天体を始める方に向けて、その1では使い方やソフトのインストールなど、その2〜3では主としてシステム関連の便利機能などをケーススタディで記載しました。

最終回は他環境との連携、周辺機器など注意する点を記載します。

MacはOS10以降の機種は全てインテルチップセットを使用しているので、Windowsマシンの周辺機器などをかなり転用できるのですが、発売された年代によりOSのバージョン、Mac独自の端子類(Thunderboltなどのバージョン、古いものにはFirewire端子など)が異なっています。

以下に確認ポイント、注意点を記載します。

●OSのバージョン確認、Macの型番の確認(重要)
上記の通りMacは発売年度によりOSのバージョン、端子類の種類が異なります。以下の方法で確認してその機種にあった周辺機器を揃えてください。

アップルメニュー→このMacについて を選択

0275.jpg

すると、上図のようなウィンドウが開きます。
赤枠部分の情報が重要なポイントになります。

上からOSのバージョン→中古などを購入して10.12以下の数字の場合はAppStoreで新しいバージョンを入手してインストールしてください。
Macの場合OSのバージョンがコンマ01上がるだけで互換性がなくなる場合があります。
天体で使用する場合は10.12以上であれば問題なく動作しますので、少し古いバージョンのOSの場合はアップデートしてください。(あまりにも古いMacだとOSのバージョンに上限があるものもあります。Mac名、製造年度はそれらの情報を調べる際、重要な要素になります。)

次がMac名と製造年度(Late,Mid〇〇など)→周辺機器などを購入する場合、この情報をもとに検索します。Thunderboltの種類(1〜3まであります。)、モニタ接続ケーブル、ACアダプタなどはこの情報を基に購入します。(年度によって形状などが異なります。)

その下がメモリの種類→メモリを拡張する場合は上記Mac名と製造年度で照らし合わせて購入します。(Macは結構高額なECCメモリを使っていることが多いです。)

青枠のシステムレポートボタンを押すと更に詳細な情報がわかります。
周辺機器の接続状況なども確認できます。

特に紛らわしいのがThunderboltです。
USBtypeCとは異なり、モニターなども接続できますし、バージョンによって速度も違います。(USBの互換性も)

最近のMacには必ず装備されている端子になりますので上記確認するようにしてください。


●ソフトの対応OSバージョンの確認
上記にも記載しましたが、使用するソフト、ドライバが必要な周辺機器の場合は必ずOSのバージョンを確認して、対応の有無をチェックしてください。
中古であまりにも古いMacを購入した場合、対応するOSがインストールできない場合がありますし、新品を購入した場合には逆に古いOSを使用できませんのでソフトやドライバが対応していない場合があります。
(バカバカしい話ですが、ジョブスが来てから(もう亡くなったのに)ずっとこの状態が続いています。。)


●HDD・SSDのフォーマット形式、パーテーションテーブルについて
外付けでHDD・SSDなどを購入する場合、用途によりフォーマット形式が異なります。

パーテーション、フォーマットなどはディスクユティリティで行います。
HD→アプリケーションフォルダ→ユティリティ→ディスクユティリティ

システムのバックアップ、起動ディスクにしたい場合GUIDパーテーションテーブル、フォーマット形式はMac OS拡張(ジャーナリング)にしてください。
Macのみで使用するのであれば、この形式でイニシャライズしておけばもっともトラブルがおきません。
(市販のHDDなどはほとんどがFAT32でフォーマットされています。システムのバックアップ兼起動ディスクにしたい場合はもちろんですが、Macでのみ使う場合は上記の通りGUIDパーテーションテーブル、フォーマット形式はMac OS拡張に変更してください。(イニシャライズ作業で良いです。)

WindowsやLinuxとデータをやり取りする場合フォーマット形式をFAT32にしてください。
Windowsで一般的なNTFS形式はMacでは使用できません。

●ファイル名について
Macのソフトで保存すると、拡張子をつけなくてもリソースフォークによりアプリとの関連性を付けることができますが、WindowsやLinuxなどで開こうとするとうまく開けない場合があります。

ファイル名には必ず拡張子をつける癖をつけましょう。

●機器ドライバの確認
マウスやキーボード、HDDなどは問題なく純正以外のものも使用できますが、Webカメラや多機能マウスなど独自にドライバを配布しているものはMac用のドライバがあるか確認してから購入しましょう。(WebカメラはUVC対応であれば使用できますが、独自ドライバの場合は使えない可能性が高くなります。)
天体でよく使われるシリアルUSB変換ケーブルなどはチップセットがFDTI社のものを使用していればMacでも使用できます。

商品がMacに対応を謳っていなくてもチップセットのベンダーがMac用のドライバを配布している場合もあります。
この辺はネットでの情報収集が必要になります。

最近のAppleは今までサードベンダーが発売していた周辺機器を追い出すような仕様にする傾向があります。
上記情報を基に未然にトラブルを防ぐよう情報収集してください。

天体用の場合はシリアルUSB変換ケーブルにFDTI社のチップセットのもの、天体カメラなどはINDI、またはindigoドライバが対応しているものであれば大丈夫です。
INDIやindigoはかなり広範囲に天体機器に対応しているのでご安心ください。

追加してSkySafari(Plus以上)も購入しておけば万が一INDIやindigoのマウントドライバに不具合があっても対処できます。
SkySafari(Plus以上)のマウントドライバも非常に優秀で対応機器が多いです。)


さいごに
MacはApple社のみが販売する製品です。そのため煩わしい制約もありますが、上記項目を把握してうまく対処すれば非常に安定した天体環境を構築できると思います。

Macで天体のカテゴリにMacを天体活用するためのさまざまな情報が掲載されていますので併せてお読みください。
ユーザー数が少ないというネックはありますが、このブログの情報がMacを使用した天体環境構築の一助となれば幸いです。

これからMacで天体を始めようとする方に向けての情報です。

そもそもMacでなにができるのか?という方はこちら

天体用のおすすめアプリはこちらこちら

天体用アプリのインストール方法などはこちら

をご確認ください。

天体用のアプリ、サーバの導入は非常に簡単に行なえますが、天体用途の場合、リモート制御したり、長時間オートガイドや、撮影を繰り返すことになるのでMacの環境設定で天体向けに設定を変更しておくと快適です。


0276-1.jpg

1.アップルメニューをクリック→2.システム環境設定を選択
(WIFIなどを切り替えるときは青枠部分をクリックしてください。)
この操作でシステム環境設定が呼び出されます。以降の説明はシステム環境設定で行いますので上記の操作は共通になります。


0277.jpg

青枠部分のディスプレイ、キーボード、マウス、ネットワークの項目はご自身の環境に合わせて設定してください。(今回は説明を省きます。)



A.デスクトップとスクリーンセーバー→スクリーンセーバーをオフ(操作は下図)

0278.jpg

(上部のタブで"スクリーンセーバー"を選択→左下の赤枠部分を"表示しない"に変更。


B.省エネルギー→HDやPCのスリープ機能をオフ(スリープしない設定に)(詳細は下図)

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上部赤枠の"バッテリー"、"電源アダプタ"タブを切り替え、いずれも下のスライド部分のスリープ設定を"しない”に変更します。
青枠部分はスケジュール起動・シャットダウンの設定になります。詳細はこちらの記事の"●Macを自動的に起動、終了したい"をご確認ください。


C.共有→ボンジュール名(ネットワークの名前解決)の登録、VNCサーバ、SMBサーバ、SSHサーバの起動と、ネットワークユーザー設定、SMBサーバのディレクトリ設定

0280.jpg

緑枠の部分でボンジュール名(ネットワークの名前解決)を登録します。dhcp環境であっても○○○.local(〇〇○は緑枠で設定した名前)でアクセスできますので非常に便利です。Windowsで同様の環境を実現するにはiTunesをインストール、Linuxで同様の環境を実現するにはAvahiをインストールします。(sudo apt install avahi)

青枠部分は様々なサービスをチェックボックスをチェックすることで起動できます。

天体用には
・画面共有(VNCサーバ)
・ファイル共有(アップルファイル共有、SMBサーバ)
・リモートログイン(SSHサーバ)
・リモートAppleEvent


をチェックして起動しておくと便利です。

WIFI親機にしたい場合は
・インターネット共有
もチェックしてください。

上記それぞれのサービスの設定は青枠部分で行います。
サービスを選択すると青枠部分の項目がそれぞれのサービスに合わせて変更されます。
それぞれのサービスごとに設定を行ってください。


D.ユーザーとグループシステム管理者設定と自動起動項目の設定

0282.jpg

緑枠部分を選択して赤枠部分を操作してでユーザーを管理者に設定してください。
管理者になっていないとアプリのインストールや設定などが行えなくなってしまいます。
操作の順番としては
上部"パスワード"タブをクリック→左下"鍵アイコン"をクリック→パスワードを入力→中段の"このコンピュータの管理を許可"チェックボックスにチェックを入れます。

尚、上部タブの青枠部分"ログイン項目"をクリックすると起動時に指定したアプリやファイルを立ち上げることができるようになります。
詳細はこちらの記事の"●起動時にアプリや書類を立ち上げたい"項目をご確認ください。


以上が環境設定の説明になります。
天体用途では長時間の操作に適するようスリープやスクリーンセーバーをオフ、各種リモート環境を設定しておくことで快適に使用できるようになると思います。
上記をベースに操作しやすいよう設定を行ってください。










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