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★入門用の理想の天体観望・撮影支援環境を考えるのカテゴリー記事一覧


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廉価なエンコーダ付き自動導入架台や、SBCなどで自動導入、スケジュール撮影、PlateSolverなどが実用的に実現できるようになってきて、この話も単なる夢見がちなヲタ話ではなくなってきているように感じます。

実際に市販品の組み合わせだけでもかなり(と、いうかほとんど)の環境を整えることができるのですが、この記事をみて頂いてもわかるように、いくつか改善できる要素があります。

・鏡筒側に制御要素(カメラ、フォーカサー、ガイダーなど)が多く、その全てがオプション接続になるため配線が煩雑になる。しかも、対象に合わせて動きがあるため配線の取り回しがかなり注意が必要になる。

・架台側は電源、制御信号(しかもデータとしては軽い処理)のみだが、それぞれ別の端子になっており、制御信号を扱う端子は鏡筒側の制御とセットでまとめなければならない。(大きく動きがある鏡筒とある程度固定された架台の制御端子をそれぞれが干渉しないように配線しなくてはならない)

・鏡筒側、架台側とも制御するためには電源が必要になる。(圧倒的に鏡筒側の方が処理要素が多い)

・制御するためには更にPCなどが必要になる→鏡筒側、架台側、バッテリー、PCとそれぞれ位置が異なるため配線が非常に煩雑になる。

・このような複数の制御を一括して簡単に操作できるフロントエンドが無い(通常は複数ソフトを立ち上げて制御、現状ではEkosで一括制御が可能だが複雑)


と、現状ではPCなどで制御しようとするとケーブルだらけになります。

複雑な制御を行っているため、やむを得ないとも感じますが、鏡筒側、架台側に制御を前提にした設計があれば解決できる部分も多々あるのではないかと感じています。

現状の機器で環境を構築する提案も後日行おうと思いますが、上記を解決できる提案要素を2つ記載したいと思います。
(現状では自作しか手立てがありません。)


●解決策その1・望遠鏡の形状を四角(箱型)にする
(電子ファインダー、複数の制御端子、バッテリー、SBCを鏡筒内部に組み込み)

現状で配線が最も複雑になる要因の一つは望遠鏡の機構、形状が私が小学生の頃(40年近く)から全くもって変化していないことです。
変化したのは接続する周辺機器(カメラ、電動フォーカサーその他)や架台のみで、望遠鏡そのものにはほとんど機構の変化がありません。。

望遠鏡を四角くすることで以下の要素が改善されます。

・鏡筒の強度増加
・鏡筒の迷光処理の向上(空間にゆとりが出来るため)
・電子ファインダー兼オートガイダーの組み込み
・SBC、バッテリーの組み込み
・モーターフォーカス機構の内部組み込み
・制御端子の設置(USB、LAN端子など)
・運搬時に転がらない(笑)


四角い箱型になることで、屈折望遠鏡であれば鏡筒後部に、反射望遠鏡であれば鏡筒前部に広いデットスペースができます。(シュミカセなどカタディオプトリック式は結構効率的に光路が使われているのでデッドスペースは少なくなりますが、それでも上記要素を組み込むくらいのスペースを作ることはできると思います。)

メーカーも利益の高い写真鏡筒や、周辺機器に力を注いている割には望遠鏡そのものの機構に手をつけないのには、なにか理由があるのでしょうか?

上記要素のいくつかはオプション扱いでも構わないと思いますが、鏡筒の形が四角くなるだけでこれだけの要素を内部に組み込めるようになることはユーザーにとって大きなメリットになると思います。


●解決策その2・電源ケーブルの廃止
(制御信号と合わせてPoE LAN、USBなどに統一する)

機器それぞれに電源ケーブルが追加されるのもなかなか前時代的です。。
現在ではUSBーC、PoE LANなど信号端子で電力供給ができる機構がありますので制御機器を多数用いる天体機器であれば、これを利用することで非常に配線を整理することが可能です。

上記の機材が実現すれば、現状の配線数を数分の1に減らすことができます。
(機材状況によっては0、もしくは1にすることも出来るでしょう)

最も改善の効果が高いのは鏡筒です。
(メーカーが作ってくれたら楽なのに。。。現状では自作するしかないかな。。。)

無いとは思いますが、メーカーの方、見ていたら是非ご検討ください。(笑)
(草案は固まっています、もし検討してくれるなら打ち合わせ時間作りますよ(笑)、この構造にすることによってオプションによるシステム化の可能性も非常に向上します。(コストメリットも))

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※この記事で掲載された内容に合わせてまとめたディストリビューションを配布しました。
今後使い方などこちらに掲載していきます。

前回のその1で実現してほしい要望を記載しましたが、現状では市販品にその要件を満たす製品は現れていません。。。

今回は市販されている製品を組み合わせた現実的な落とし所を探りたいと思います。

まずは予算→すべて合わせて5〜6万円程度
入門用の予算として5〜6万円を設定しました。
大人が趣味としてちょっと頑張ってみよう、子供と一緒に取り組んでみようと考えるとき、都合がつけやすい金額として想定しました。デジカメや廉価なPCなどと同程度の金額設定です。
入門機として1〜2万円程度のものも多数ありますが、以下に記載するような機能を持ち合わせたものは存在しません。

入門用として実現したい機能
・見たい対象を確実に探せる、確認できること(自動導入、PlateSolver、プラネタリウムソフトの星図とシンクロ)
・惑星や月をスマホなどで撮影出来る程度の光学性能
・星雲・星団を眼視でも確認できること
・一眼デジカメなどと組み合わせてある程度の撮影が出来ること(星景、簡便なオートガイド撮影など)
・眼視より暗い対象を電子観望などで確認できること

かなりハードルが高いですが、これだけのことができればやりがいがあります。
(少なくとも月、惑星を確認して押入れの肥やしになるといったことはなくなるでしょう。。)

機材選定

Kenko 天体望遠鏡 Sky Explorer SE-AT100N プラネタリウムソフトセット 反射式 口径100mm 焦点距離450mm 卓上型 簡易追尾機能付 SEAT100N

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【国内正規品】 Sky-Watcher 天体望遠鏡 自動導入 AZ-GTi 三脚付き SW1240020327

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【国内正規品】 Sky-Watcher 天体望遠鏡 鏡筒のみ MAK90 AZGTi用 BK SW1240010741

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架台、鏡筒はこのあたりになりそうです。
どちらもSkyWatcher社ですが、なんとこの価格で自動導入、エンコーダを用いた手動での位置解析が可能です。
この価格でこの2つの機能を併せ持つものは他にはありません。

AZ-GTiの方が形状的に使える鏡筒の種類が多くなりますが、値段は高くなります。
上記マクストフカセグレンタイプの望遠鏡とセット販売されていることもありますので価格が安ければおすすめでしょう。

SE-AT100Nであれば、架台、鏡筒がセットでこの価格で済んでしまいます。
発売されてから大分経つので、これ以下の金額で購入できる可能性もあります。
この機種だけでは自動導入などができませんが、メーカーから専用のオプションが販売されましたのでそれと組み合わせることでAZ-GTi同様の使い方ができます。
私も所有していますが、鏡筒の作りなどプラスチック感満載でお世辞にも上質とは言い難いですが、驚くことに口径なりの性能はしっかりとあります。単焦点の反射なので低倍率での運用が出来ることも魅力です。

眼視で楽しめる天体は実は低倍率の方が圧倒的に多いです。

Sky Watcher SynScan USB
このおもちゃみたいなボックスで上記架台2種類ともPCやSBCとUSB接続できます。
AZ-GTiはWIFIで接続できますが、USBで確実に動作するこのアダプタも購入しておいた方が安心です。
SE−AT100Nは必須です。

LABISTS Raspberry4 4B-32GB(技適マーク入)MicroSDHCカード32G/NOOBSシステムプリインストール/カードリーダ /5.1V/3A Type-C スイッチ付電源/MicroHDMI-to-HDMIケーブルライン/三つヒートシンク/簡単に取り付けケース/日本語取扱説明書/24ヶ月保証

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セット品を記載しましたが、シングルボードコンピュータとしてラズパイ4を選定しました。
MicroSDカードは32GB程度、運用しやすいようにケースなども同時に購入しましょう。
PC同様の環境がパッテリーで動作します。
Linuxの扱いに慣れていない方に向けて後日コピーするだけで動作するディストリビューション(OS、必要なソフト一式)も紹介します。

唯一の欠点としてラズパイ4には電源OFFの後、時刻を保持する機能がありません。以下のモジュールを本体に取り付けてください。

・Raspberry Pi用RTCモジュール v1.1


25800mAh 大容量モバイルバッテリー パワーバンク Type-C QC3.0 急速充電器 3つ出力ポート(2USBポート type-C) 2つ入力ポート バッテリー残量表示 携帯充電器 チャージャー 旅行/出張/アウトドア活動などの必携品 USBケーブル付 PSE認証

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Mauknci USB 12V 昇圧 ケーブル USB A(5V) → DC(12V) 5V 12V 昇圧 DC USB 変換 外径5.5mm内径2.1mm 5V-12V DC ケーブル

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ポータブルバッテリー、USB12昇圧回路内蔵アダプタです。
これで架台、シングルボードコンピュータの電源を確保します。

私はラズパイ3で同様の構成を使用していますが、3〜4時間観望しても余裕があります。しかし、ラズパイ4になり消費電力が最大3Aにアップしています。
対応しているバッテリーを確認して購入しましょう。


ZWO ASI 120MM-Mini
モノクロですが高感度の天体カメラです。
電子ファインダー兼、オートガイダーとして使用します。
ラズパイ4のディストリビューションと組み合わせることで高速なPlateSolver(撮影した天体の位置解析→架台同期)が可能になります。

以下のレンズと組み合わせることで手持ち双眼鏡程度(光学ファインダー程度)の視野になります。

(バシュポ) Pixco CCTVレンズ 35mm f/1.7 Cマウント テレビカメラレンズ - Pentax Q カメラ ( ブラック ) Cマウントアダプター 撮影 用 (C-Pentax Q)

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上記にスマホなどがプラスされます。

天体望遠鏡/望遠鏡/双眼鏡/単眼鏡/顕微鏡アダプター 金属制 スマホ取り付け 携帯電話アダプター 撮影用クランプ スマートフォンホルダー iPhone/Android機種対応 フィールドスコープ 天体望遠鏡の接眼レンズ ユニバーサルアクセサリー パーツ 軽量 接眼レンズ径25mm-48mm

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スマホでちょっとした撮影するのに上記のようなアダプタもあると便利です。

アマゾン価格を中心に掲載しましたが、SE−AT100Nを中心とした構成でだいたい6万円ちょいくらいですね。。
SE−AT100Nならば頑張って探せばもっと安いところもあるかもしれません。

次回はこの構成で実際にどんなことが出来るのか記載します。





※この記事で掲載された内容に合わせてまとめたディストリビューションを配布しました。
今後使い方などこちらに掲載していきます。

その2の記事に記載した機材構成でどのようなことが出来るのかをまとめます。

見た目玩具風ですが(笑)驚くほど簡単に自由な方法で目的の天体を導入できる環境が整います。


●面倒なアライメント操作が非常に簡単になる(天体導入が非常に容易)
通常自動導入架台はアライメントと呼ばれる操作が必要になります。
架台をホームポジション(初期設定となる方向)に向けて、ハンドコントローラに緯度、軽度、時刻を入力し、ハンドコントローラが指定した天体をファインダーなどで自力で導入して、望遠鏡でも中心に見えるようにする、という面倒な工程を数度行う必要があります。

はっきりいってこの工程は非常に面倒です。
ハンドコントローラが指定する天体はマイナーなものばかりですし、複数のアライメント地点が非常に離れているため、初心者の方は一体どこに動かしたら良いのかわからなくなってしまいます。。
なんとかアライメントが取れたとしても、他の天体を導入したときにど真ん中に導入されるわけではありません。
ずれていた場合はまたハンドコントローラで微調整する必要があります。

しかし、ここで提案する組み合わせを用いれば、この工程が劇的に楽になります。

ホームポジションに設置して、シングルボードコンピュータのアプリを立ち上げ、ドライバを起動して接続されれば、
プラネタリウムの星図上に望遠鏡の位置が表示されています。
緯度、軽度、時刻も自動的にプラネタリウムソフトと同期します。

面倒なアライメント基準星の導入も必要ありません。
架台をモーターや、クランプを緩めて手動で適当な位置に動かし、EkosのPlateSolverボタンを押せば、数秒で自動的に電子ファインダーで撮影した画像を基に位置解析→星図上に撮影した画像の位置が枠で表示され、正確な位置情報が架台と同期します。


この工程を2〜3度繰り返せば自動的にアライメントが終了していますので、その後は星図から目的の天体を選んで導入すれば天体が導入できます。
(上記の操作を行わなくてもある程度は星図とのマッチングがドライバ接続時に取れていますが、数箇所異なる場所でPlate Solverを行えばラズパイ4が自動的にアライメントしてくれますので自動導入の精度が上がります。)

目的の天体がわからなかったり、ずれて導入されるようであればEkosのPlateSolverボタンを押すだけで再度解析→星図に正確な位置表示→架台が正確な位置情報に更新されます。

その2で記載した架台はエンコーダを内蔵していますので、クランプを緩めて手動で操作しても星図に鏡筒の位置が正確に表示されます。

星図から目的の天体を選んで導入しようが、適当に架台を動かして導入しようが自由な方法で目的の天体を導入できます。

たとえ、星図との位置表示がずれたとしても、PlateSolverボタンを押すだけで、架台、星図表示とも正確な位置に同期してくれます。

●複数のプラネタリウムソフトを連動して操作出来る。
ラズパイ4にインストールされているKStarsですべての動作を行うことも可能ですし、スマホ用のSkySafari(Plus以上)と連動して操作することも可能です。
PlateSolverなどの解析はKStarsのEkosで、望遠鏡操作や、天体の検索・導入はSkySafari(Plus以上)でといった使い方が可能です。
このように連携して使用しても架台の位置情報は常に同期していますので、非常に快適に操作できます。

●WIFIに対応していない一眼デジカメのリモート操作が可能になる。
複数の方法で一眼デジカメのリモート操作が可能になります。
スマホアプリのqDslrDashboardを購入すれば、ラズパイ4をハブにして対応した一眼デジカメのフルリモート制御か可能になります。

●スマホ、タブレット、PCなど好みの環境でラズパイ4を操作できる。
複数のリモートデスクトップサーバを組み込んであるのでお好みの操作環境ででラズパイ4のデスクトップを操作できます。組み合わせれば複数の画面表示で操作することも可能です。

組み込まれているリモートデスクトップサーバは以下
・VNC
・リモートデスクトップ
・NoMachine


●EAA(電子観望)が可能
望遠鏡の眼視だけでなく、電子ファインダーを用いたEAA(電子観望)も可能です。
電子ファインダーの視野は双眼鏡や光学ファインダーと同程度なので、双眼鏡での観望時にも天体の導入や、確認(電子ファインダーの方が暗い星まで見えます。)に役立てることができます。
上記のように、プラネタリウムソフトの星図、電子ファインダーの映像と天体の位置やどのような天体なのかを確認しやすい環境が整っているため双眼鏡での観望や、肉眼での天体位置の確認にも役立てることができます。

●星景、オートガイド、惑星など様々な撮影方法が可能
ラズパイ4にインストールされているソフトを使用すれば様々な撮影方法による天体撮影が可能になります。
最初が経緯台モードで簡単な撮影からはじめて、ウェッジなどを用いて経緯台を赤道儀化して長時間露光の撮影などを行うことも可能になります。

だいたいこんなところでしょうか、初心者にとってもっとも壁になる天体導入の敷居が大幅に下がります。撮影環境やリモート操作環境も完備しているので慣れればハンドルコントローラなどを用いる操作より圧倒的に簡単です。

一番快適なのはPlateSolverで常に正確な位置情報を同期出来ること、エンコーダが架台に内蔵されているのでクランプを緩めて手動で操作してもいいし、モーターを使用して自動導入をおこなっても位置情報が常にプラネタリウムソフトと同期しているので操作の自由度が高く、今何処を見ているのかが視覚的に確認しやすいことです。

どうでしょう、これだけ環境が整えば天体観望や撮影がしやすくなると思いませんか?

ラズパイ4のディストリビューション(コピーすれば必要な環境が全部入りで動作するファイル)や操作方は、後日新たに項目を設けて説明しようと思います。

興味ある方は是非挑戦してみてください。

現在は新ディストリビューション移行のため配布を停止しました。
継続してご使用になられている方の参考資料として記事を残しますのでご了解ください。

ラズパイ4用の天体機器用ディストリビューションとしてAstroberry-Jをまとめました。


基となるのはrkaczorek氏がまとめたAstroberry-Serverです。
(詳細は上記リンクをご確認ください。)

ID:astroberry
PASS:astroberry


すべての操作で共通して使用できます。

こちらの記事で紹介した機材構成ですぐに使えるようドライバ、KStars、Ekosなどの設定を行っています。
今回ダウンロード出来るディストリビューションは以下の変更を加え、ライトユースにも使用できるよう設定してあります。

・システム、主要なソフトの日本語化
・KStars、Ekosのカスタマイズ
リモートでも操作しやすいようにアイコンなどの設定を変更、星図に表示される画像ファイルの追加、EkosのPlateSolver機能の設定の最適化、SE−AT100Nと記載した電子ファインダーの視野情報の追加
・複数のリモートデスクトップサーバの設置
NoMachine(マルチシステム対応)、RDPサーバ(Windows標準)、VNCサーバ(Mac標準)、noVNCサーバ(Webブラウザでデスクトップのリモート操作環境)
・qDSLRサーバの設置
スマホアプリのqDslrDashboardをインストールすることでラズパイを4を対応するデジカメのWIFIハブとして使用することが可能。
・ser2netサーバの設置
SkyFi同様SkySafari(Plus以上)のWIFIハブとして機能
・SpaceFMの追加
GUIからファイルのルート操作が可能なファイルブラウザ
・Synapticの追加
GUIから簡単にRepository管理
・煩わしいKStars・Ekos、INDIドライバの初期設定ファイルの組み込み(一部機種)、動作確認
ZWO天体カメラ(120MC)、Canon一眼デジカメ(X5)、Advanced-VX、SkyWatcher SE-AT100N架台、SkyWatcher AZi-GT※
・SiriL追加
画像処理、画像のスタッキング処理など多機能な天体画像処理ソフト
・GPIOに設置したGPSへの対応
USB接続のGPSを使用する場合は一部設定ファイルの書き換えが必要
・SMBによるファイル共有
Windows、Macなどと簡単にファイル共有が可能

などです。
※部分のAZi-GT架台に関しては私が所有していないため、こちらのブログ動作確認をとってくださったろんろんさんの設定ファイルを組み込んでいます。ろんろんさん、ありがとうございました。

Solver設定も電子ファインダーで使用するよう調整してありますので解析がとても早く快適です。

インストールはEtcherなど使用してMicroSDに書き込んでラズパイ4に装着するだけです。
インストール方法などは多数記載されたサイト(上記Astroberryサーバにも)がありますので割愛します。

使用方法などは後日順を追って記載していこうと思います。
Astroberryサーバ同様GPL3のライセンスになりますので、どなたでもお気軽にご使用ください。

快適な天文ライフの一助になれば幸いです。


現在は新ディストリビューション移行のため配布を停止しました。
継続してご使用になられている方の参考資料として記事を残しますのでご了解ください。

使い方などは新機能以外変化ありませんので以降のページでご確認ください。

書き込みはご自宅のPCから行います。
書き込みソフトのためのソフトとして以下を用意します。

・SDメモリカードフォーマッター

まずはこのソフトでSDカードをフォーマットします。(Mac、Windows対応)

書き込みソフトは
Windowsの場合
・Eetcher(書き込み専用)
・win32diskimager(バックアップ用)

Windowsの場合は更に
・iTunes
をインストールしてください。

Macの場合
・ApplePi-Baker v2(書き込み、バックアップ両用)

を用意します。

イメージファイルはZipで圧縮されています。
通常はこのまま書き込めるはずですが、書き込みがうまくいかない場合は事前に圧縮を解凍してimageファイルから書き込みを行ってください。

その間に、購入したRaspberryPi4に
・Raspberry Pi用RTCモジュール v1.1
を取り付たり、ケースに取り付けを行いましょう。
(現在配布のバージョンはブラウザから時刻取得できますのでRTC不要でお使いいただけます。)

書き込みが終了したRaspberryPi4にMicroSDカードを取り付け、RaspberryPi4をLanケーブルで接続してから電源を入れてください。

●RaspberryPi4のデスクトップへアクセス
さまざまなアクセス方法が行えるようにしてありますが、ここではまずいちばん手軽なWebブラウザからアクセスしてみましょう。

ブラウザに以下アドレスを記入します。

http://astroberry.local

セキュリティの警告が出る場合がありますが、許可してアクセスします。

すると以下の画面が出ます。

0295.jpg

真ん中にある緑色の"開始"ボタンをクリック


0296.jpg

"Connect"ボタンをクリック


0298.jpg

するとこのようにデスクトップが表示されます。
デスクトップが表示されたらまず、右上の赤枠部分の時計の表示をクリックして現在時刻、日付があっているか確認してください。
Lanケーブルで接続されていれば自動的に日時が同期しているはずです。

RaspberryPi4にRTCが接続されていれば、ネット接続を行わなくても日時が更新されます。

確認が終わったら左側の赤枠にある"KStars"をダブルクリックして立ち上げてください。


●KStarsの立ち上げ、設定

0299.jpg

ウィザードは設定不要なのでキャンセル(以降同様)


0300.jpg

今日の一言もOKで表示を消してください。(以降同様)


0301.jpg

一箇所設定変更箇所があります。(計画変更箇所)
メニューの"設定"をクリック→"KStarsを設定"を選択してください。


0302.jpg

1.INDIタブを選択→2.ラジオボタンを"KStars Update All Device"に変更→3."適用"ボタンをクリック→4."OK"ボタンをクリックしてください。
(当初SkySafariから緯度経度日時情報を読み込ませようと考えていましたが、混乱する可能性があるためKStarsで設定した緯度経度日時を使用する方向で進めます。)


0303.jpg

1.日時情報がシステム時計と同じか確認してください。(以降同様)→2."地球アイコン”をクリック→3."+"ボタンをクリック→青枠部分を入力してご自身の観測場所の緯度経度などを入力→4."ディスクアイコン"をクリック(設定の保存)→5."OK"ボタンで終了です。

複数箇所ある場合は3〜4を繰り返してください。

重要:緯度経度、日時は自動導入の際に非常に重要です。必ず確認する癖をつけましょう。


0304.jpg

ここまでできたら一度終了しましょう。
1.左端のアイコンをクリック→2.”Shutdown”をクリック→表示されたボックスから”Shutdown”をクリック→Lanケーブルのアクセスランプが消えたら電源を抜いて終了です。

●WIFIホットスポットにアクセス
Lanケーブルを抜いて電源を入れてWIFIでアクセスできるかの確認もしておいてください。
(WIFIはホットスポットとして自動的に立ち上がっています。)

IPアドレスはMac、iPhone、iPad、iTunesをインストールしたWindowsの場合は
astroberry.local

アンドロイド端末はボンジュール機能が無いため以下になります。
10.42.0.1

パスワードは
astroberry

でリモートデスクトップ接続できます。
VNCビューアによってはポート番号を設定する必要があるものもあります。

ポート番号
5900

WIFIでのリモートは遠征の際に使用します。遠征で使用する端末に接続設定を登録してください。


重要:VNCサーバは稀にクラッシュすることがあります。(その場合はNoVNCもNG)複数のリモートデスクトップサーバをこのシステムにインストールしてある理由は、VNCサーバがクラッシュしても他のサーバからデスクトップにアクセス出来るようにするためです。遠征でリモート表示に使用する端末には複数のリモートデスクトップビューアをインストールしておいてください。遠征時に画面が表示されなくなった場合非常に苦労します。私はVNCViewew、NoMachineの2種類とSSHクライアントをインストールしてあります。

動作環境が整ったら必ずバックアップしてください。
(私はトラブル対策用に、遠征時同じ設定をしたSBCを2台持っていきます。それが無理ならせめて同じ設定のMicroSDカードを用意しておくと安心です。)

今回は以上です。

次回はドライバチェック、電子ファインダーの設定について記載します。



追伸
RTC動作にシステムを設定する必要がありました。
https://wiki.52pi.com/index.php/DS1307_RTC_Module_with_BAT_for_Raspberry_Pi_SKU:_EP-0059#Compatibility_List

sudo nano /boot/config.txt
以下の2行を追加
dtoverlay=i2c-rtc,ds1307
dtparam=i2c_arm=on


既存のフェイククロックを解除
sudo apt-get -y remove fake-hwclock
sudo update-rc.d -f fake-hwclock remove


スクリプトファイル/lib/udev/hwclock-setを編集
sudo nano /lib/udev/hwclock-set

次の3行をコメント化(下記文章を探し#をつける)して保存
if [ -e /run/systemd/system ] ; then
exit 0
fi

#if [ -e /run/systemd/system ] ; then
#exit 0
#fi

その後再起動でRTCが動作するようです。
確認が不足しており申し訳ありませんでした。










現在は新ディストリビューション移行のため配布を停止しました。
継続してご使用になられている方の参考資料として記事を残しますのでご了解ください。

その1でAstroberry-Jの動作確認、リモートデスクトップでの操作、RTCの設定などが完了したら、次はいよいよ用意した機器との接続、観望準備の設定になります。

私の機材構成は以下になります。
・RaspberryPi4(32GBMicroSDにAstroberry-J、GPSモジュールをGPIDに組み込み)
Kenko スカイエクスプローラーSE−AT100N(各部名称などはリンクの取説で確認してください。私の機材は自作電動フォーカサーをつけていますが、今回は使用しません。)
・ZWO ASI120MC互換機+35mmF1.7 Cマウントレンズ(この組み合わせで電子ファインダーとして使用)
・ポータブルバッテリー
・USB12V昇圧ケーブル
・Sky Watcher SynScan USB(私が使用するのは同様の構成の自作ケーブル)
・スマホアダプタ(スマホでの撮影用)


と、以前こちらの記事で記載した機器構成とほとんど同じになります。(ZWOのカメラは私の所有するものは旧型ですが、同じドライバ、CMOSチップセットを使用していますので説明箇所と同じ操作で動作します。
自作ケーブルなども同様です。)

この機材構成でこちらに記載した内容が実現できます。

SE−AT100Nの組み立てなどは上記取説やこちらのYoutube動画を参考にしてください。(この要素まで記載するとあまりに記事量が増え、私のサイトでお伝えしたいAstroberry-Jを使用して簡単、便利な天体環境を作る。が伝わりづらくならないようにしたいので、取説やネットなどで情報を確認できる部分はご確認ください。)

さて、この構成で唯一の自作箇所は電子ファインダーの取り付けになります。
幸いなことに少し工作すれば付属のファインダー脚にカメラを取り付けることができますが、カメラ後部を固定しないと
ファインダーの調整ができません。(固定してもカメラの傾きが調整できるようカメラを回転出来るようにする必要があります。)
この部分が自作要素になります。(この趣味をはじめると、このような細かな自作が増えます。)
皆さん工夫して取り付けてください。
(私の所有するZWOASI120MCは本体が全てアイピースサイズなので下図のように改造しました。)


0305.jpg

いきなり破壊改造(笑)出っ張りを削り、プラスチックなのでライターで炙ってカメラが接続できるまで穴をひろげました。
ZWO ASI 120MM-Miniを購入した方は後部に冷却フィンがあるので、最初レンズを外して3本の調整ネジがあるリングに取り付けてからフィン側の後部を工作して固定する必要があります。

天体カメラはWebカメラなどと異なり、フォーカス・露出などをすべて手動で調整しますので上記の調整位置を覚えておいてください。

この電子ファインダーは正立像で表示できますので、双眼鏡などでの観望補助や、モノクロですが、EAA(電視観望)としても使えます。画角も通常のファインダーや双眼鏡などとほとんど一緒なので使いやすいです。

電子ファインダーをファインダー脚に取り付けることができたら鏡筒に取り付け、接眼レンズや電源ケーブル、USBケーブル、Sky Watcher SynScan USB、ラズパイ4などを一式取り付けます。


0306.jpg

見づらいですが、赤枠のコントローラ端子(RJ12)、電子ファインダーのUSBは緑枠のラズパイ4のUSB端子に接続します。

黄色枠の架台電源端子、ラズパイの電源端子(USB-C)はポータブルバッテリーに接続します。

電子ファインダーを取り付けたので、鏡筒の前部分が重くなり、クランプを緩めた際前に倒れるようになりましたので、ポータブルバッテリーを鏡筒にスポンジを緩衝材にしてくくりつけてバランスを取りました。(みすぼらしいですが。。)
この架台での取り付けの注意点は鏡筒が真上を向いたときにも架台にぶつからないように取り付け、かつクランプを緩めてもバランスが取れるようにすることです。
まあ、経緯台なので、赤道儀のようにバランスにシビアにならなくても架台と干渉さえしなければクランプを締めてモーターのみで運用しても実用上問題ありません。
(見るからに雑然としますよね。。私が四角い望遠鏡を提案したのもこのあたりを改善したいからです。)

ここまででもうこんな記載量になってしまいました。。
ドライバの動作確認、電子ファインダーの位置調整などは次回にしましょう。




現在は新ディストリビューション移行のため配布を停止しました。
継続してご使用になられている方の参考資料として記事を残しますのでご了解ください。

本当は前回の記事でまとめたかったのですが、記事量が多すぎると読みづらいと思いますので分けました。
(機能が追加されましたので加筆しました。)

今回はドライバの動作確認と電子ファインダーの調節などを記載します。
ここまで準備できれば便利な環境で観望できますのでしばしお付き合いください。

前回接続までできていますので機器確認を行います。
ラズパイ4の電源、機材の電源を入れてラズパイ4のアクセスポイントにアクセスしてください。(パスワードはastroberry)

最初にQRコードを用いて以下のページにアクセスしてください。

0365.png

このページにアクセスすることでラズパイ4のシステム時計を合わせることができます。
下にボタンが3つついています。
リモート操作を行う端末名のボタンを押してください。
ANDROID端末のみBonjour機能が使えないため、前回同様WIFI接続限定です。
注)WindowsでiTunesをインストールしていない場合はANDROIDボタンをクリックしてください。機能も同様に限定されます。Bonjour機能は非常に便利なのでiTunesをインストールすることをおすすめします。

GPSをお使いの方はNTPとも同期するようになります。



QR_810759.png

Bonjuor機能有の場合(iOS、Mac、iTunesをインストールしたWindows)
http://astroberry.local/a.html




QR_811128.png

Bonjuor機能無しの場合(Android、iTunesをインストールしていないWindows)
http://10.42.0.1/a.html
(WIFI接続のみ)

下にボタンが3つついています。
リモート操作を行う端末名のボタンを押してください。
ANDROID端末のみBonjour機能が使えないため、前回同様WIFI接続限定です。
注)WindowsでiTunesをインストールしていない場合はANDROIDボタンをクリックしてください。機能も同様に限定されます。Bonjour機能は非常に便利なのでiTunesをインストールすることをおすすめします。

RTCがなくてもこの機能を使えばシステム時刻を合わせることが出来るようになります。
GPSをお使いの方はNTPとも同期するようになります。


次にWebブラウザのメニュー画面からINDI Web Managerを選択します。

0347.jpg

INDI Web Managerの詳しい使い方はこちらをご確認下さい。
INDI Web Managerでは接続機器の登録、保存、サーバ・ドライバの起動が行なえます。

Webブラウザ画面ではこの他にiGPS(スマホのGPS情報を取得できる機能)、Astro Panel(天体情報の確認)、GPS Viewer(GPS情報の確認)、noVNC(ブラウザベースのリモートデスクトップ)、システムの再起動・終了が行えます。

ブラウザでの操作を終えたらリモートデスクトップアプリを起動してリモートデスクトップ接続を行ってください。
RDP、NoMachine、VNC、ブラウザベースのnoVNCが使用できます。
デスクトップ画面が表示されたら、Kstarsを立ち上げます。

0307.jpg

赤枠部分は今回は動作確認なので使いませんが、システム時計、KStarsの時刻、設定した緯度経度が正しく表示されているか常に確認する癖をつけてください。

水色枠のアイコンをクリックして制御環境のEkosを呼び出します。


0308.jpg
1.ポッポアップメニューから登録してある"SkyWatcher"を選択(今回の機材が登録されています。)
2のボタンで登録した機器を確認できます。

3.このボタンで登録した機器のドライバを一式起動→接続します。接続したらドライバのコントロールパネル画面が表示されます。


INDI Web Managerで機材を登録、サーバ・ドライバの立ち上げをしておけばEkosの設定は非常に簡単になります。
(以下を参照してください。)


Ekos側はINDI Web Managerのチェックを外し、リモート側のラジオボタン、ドライバ類はシミュレーションドライバを選んでおけば、Ekos側で選択しなくても読み込んでくれます。(ドライバ選択しなくて良くなります。)

0348.jpg


ドライバが起動するとコントロールパネルが表示されます。
ドライバのコントロールパネルはタブで整理されています。
最上部のタブはドライバ、その下のタブはドライバの設定項目になります。

ではそれぞれのドライバの確認項目をチェックしていきましょう。

●マウントドライバの確認項目

0310.jpg

1.上部タブからマウントドライバの"SkyWatcher ALT-AZ Serial"をクリック
2.ドライバ項目タブから"Main Control"をクリック
3.コネクト表示が緑色なら5の”Site Management"を、赤色なら4の”Conection"タブをクリック

・正常に接続されている(3が緑色)場合

0311.jpg

赤枠の”Site Management"をクリックして、青枠部分に緯度・軽度、日時が以前設定した数値になっているか確認します。空白だった場合や、緯度経度が設定した数値と異なっている場合はこちらの設定を再度おこなってください。その後Ekos画面の緑枠ボタンをクリックし、ドライバ接続を解除してEkos画面3のボタンを押して停止してから再度3のボタンでドライバをスタートしてください。

・正常に接続されていない(3が赤色)場合

0312.jpg

1.ドライバ項目の"Connection"をクリック
2."Scan Port"ボタンをクリック
3.読み込まれたポートがボタン内部に表示されます。表示されたらボタンをクリック
4.3で読み込まれたポートと同じ表記になったかを確認

その後、ドライバ項目タブの”Main Control"タブをクリックし、”Connect"ボタンをクリックして緑色表示が変わればOK

上記で設定が問題なく読み込まれ、ドライバが起動するようになったらその設定を保存します。

0313.jpg

6.ドライバ項目の”Option”タブをクリック、赤枠の”Save”ボタンを押し、上記の設定を保存。

これで次回から問題なく起動、設定読み込みがされるはずです。(念の為、5の”Site Management"タブ項目は毎回確認する癖をつけましょう。)



●CCDドライバの確認項目

こちらはマウントドライバほど面倒ではありません。

0314.jpg

1.最上部のドライバ項目から”ZWO CCD ●●●●"を選択(●●●●は機種名)
2.ドライバ項目の”Main Control"タブを選択
3.赤枠部分が緑色に表示されていればOK

後は、Ekosで動作確認できますが、念の為初回のみ4.ドライバ項目"Image Settings"タブをクリック→下図赤枠部分が正しく設定されているか確認→設定が正しくない場合は青枠部分を入力しセットボタンで反映→5.ドライバ項目"Option"タブをクリックして”Save”ボタンで保存してください。

0315.jpg
0316.jpg


●電子ファインダーの調整
このファインダーは正立像で表示されます。
せっかくなので地上風景などを確認して正しく正立像になるようにカメラを回転してください。

カメラでの映像表示は以下になります。

0317.jpg

Ekosでドライバを起動すればこのようにさまざまなモジュールを使用できます。
ここでは赤枠のカメラモジュールを使用します。ここでは今回必要な部分のみ説明します。
・緑枠部分が露出(左上数字部分)、試し撮り(下のボタン部分)
黄色枠部分がデジカメのライブビューに似た”ライブビデオ”ボタンになります。

確認のため、試し撮りのボタンを押してみてください。

0318.jpg

ポップアップで撮影された画像が出ます。昼間に高感度カメラで1秒も露出をかけるので白1色ですが、カメラは正常に動作しているのでこれでOKです。


次にライブビデオボタンを押します。

0319.jpg
この画面が表示されない?という方はEkosのウィンドウを移動してみてください。(下に隠れています。)
上部赤枠数字部分で露出の数字を入力→ボタン部分で確定します。
電子ファインダーのレンズ部分のフォーカス、絞りを調整して景色がきちんと映るように調整してください。
Webカメラなどとは異なり、長時間の露出設定も可能です。(2〜3秒に設定すればかなり星が映ります。)

この状態で電子ファインダーを調整してください。
1.望遠鏡に取り付けた状態で地上風景が正しく表示されるように電子ファインダーを回す。
2.望遠鏡に接眼レンズをつけ、遠くの鉄塔の先端が見える状態にする。
3.電子ファインダーの3本のネジ部分を調整し望遠鏡と同じく真ん中に鉄塔の先端が表示されるようにする。


このあたりはマニュアルにも記載されています。
ファインダー調整は昼のうちに位置合わせする癖をつけてください。
これも毎回使う前にチェックが必要になります。

お疲れ様でした。。。
これで観望準備完了です。。

次回はこの機材での観望方法を記載しようと思います。(ここまでくれば簡単ですよ。ここまでが大変ですが。。)

現在は新ディストリビューション移行のため配布を停止しました。
継続してご使用になられている方の参考資料として記事を残しますのでご了解ください。


今までに記載した準備が完了したら、いよいよこの環境で観望を行いたいと思います。

設定にかかった手間と比較すると使い方は拍子抜けするほど簡単です。

いくつか留意点もありますので記載します。

●マウントドライバに既知のバグがあります。
・パーク機能※の設定が反映されない、マウントコントローラーでパークオフしないと架台の操作ができないが、オフにすると動き出す。→マウントコントローラーのストップボタンを押すことで回避。
・マウントドライバがGPS情報の時刻を取得しない。→KStarsから緯度経度、時刻情報を取得するので今回の環境では関係なく使用できる。

上記は操作手順で回避できますので以下の手順に沿って操作してください。

●操作手順
1.架台の水平をチェックし、鏡筒をホームポジション(北極)に向けクランプを固定する。
架台に付属の水準器を使用して大まかに水平を出します。その後、北極星が見える場所であれば大まかに鏡筒を北極星位置に動かし、クランプで固定します。
北極星が見えないベランダなどで使用する場合は、スマホのアプリなどを使用して北方向に向け、架台の緯度目盛りを利用して北極星と同じ高度にします。(KStarsで設定した緯度に合わせてください。日本の場合大体33〜40度位の数字が緯度になります。)

0320.jpg

これが、ホームポジション(初期値)になります。ホームポジションの設置は厳密にしなくても大丈夫です。
水準器で架台の水平を出し、北極星が見えれば望遠鏡を北極方向に向ける程度、北極星が見えない環境であればスマホアプリのコンパスで北を調べ、望遠鏡を北向きにして架台の目盛りを使用して緯度の高さまで鏡筒を傾ければ問題ありません。

2.機器類を接続し、電源を入れます。
・架台のコントローラー端子(RJ12)にSynScanUABアダブタを差し、USBケーブルをラズパイ4のUSBに差します。
・電子ファインダーの天体カメラにUSBケーブルを差し、ラズパイ4のUSBに差します。
・架台とラズパイの電源はポータブルバッテリーから補給します。ラズパイ4への電源補給は最後に行います。
これらの接続が終わったら、マウントのスイッチをオンにしてラズパイ4に電源を補給しましょう。

3.スマホでラズパイ4のWIFIにアクセス
QRコードのアドレスにアクセスし、時刻取得→INDI Web Managerでサーバ・ドライバの起動→リモートデスクトップ接続を行い、KStarsを起動。

4.KStarsを起動→システム時刻、KStarsの緯度経度、日時をチェック
リモートデスクトップ接続を行い、KStarsを起動→Ekosアイコンをクリックします。
その際、システム時計、KStarsの緯度経度、日時も確認します。

0307.jpg

5.Ekosでドライバ起動
下図3をクリックします。(設定変更は1,2、ドライバを終了する際は緑枠→3)
※現在配布のディストリビューションはINDIWebマネージャーでドライバを起動→Ekosでモジュール起動(3のボタン)で使えるよう設定済みです。

0308.jpg

6.ドライバコントロールパネルで接続チェック、マウントに緯度経度時刻が設定されているかチェック

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0332.jpg
マウントドライバ確認箇所
重要:マウントドライバの緯度経度日時は必ずチェックする。


0333.jpg
天体カメラドライバ確認箇所

7.Ekosマウントモジュールを選択→緑枠部分電子ファインダーの情報を確認→マウントコントローラーを表示

0334.jpg
(マウントモジュールは赤枠三脚のアイコンです。)

7.1."UNPARK"ボタンをクリック→2.すぐに”STOP”ボタンをクリック(バグ回避)

0335.jpg
"UNPARK"ボタンを押さないと操作できないのに、押すと架台が動き出す既知のバグです。すぐに”STOP”ボタンを押して回避してください。


8.そのままマウントコントローラーで東方向に適当に移動
0336.jpg
星を選ぶ必要はありません、マウントコントローラー赤枠部分を適当に押し、東側方向の星の見える場所に望遠鏡を移動してください。(クランプを緩めての操作でもOK)


9.Ekosアライメントモジュールで"Capture & Solve"ボタンをクリック

0337.jpg

"Capture & Solve"ボタンを押すと自動的にキャプチャ→天体位置解析→解決後架台と位置同期→アライメントポイントの自動追加が行われます。

EkosのPlate Solver機能(画像による天体位置解析)は非常に早くキャプチャから解析終了まで5〜6秒で動作します。

解析終了後にはKStarsの星図にも電子ファインダーの視野で位置表示(白枠)されますので星図上での照らし合わせが簡単です。


8、9を再度繰り返しアライメントを完了→あとは自動導入で目的天体を導入
自動導入機をご存知の方は目からウロコのアライメント方法でしょう。
架台を適当に動かして"Capture & Solve"ボタンを押すだけで架台位置の同期→アライメントポイントが追加されてアライメントが終了します。

自動導入方法も星図から目的の天体を右クリック→表示されるメニューからマウントドライバ名を選択→GOTOの手順でも可能ですし、スマホなどでの操作ならこちらのページに記載したWhat's & Interesting..機能を使えば星図をクリックするだけで目的天体が真ん中に移動→右側に天体詳細情報が表示→Slew TerescopeをクリックでGOTOができます。

確認箇所も併記したため、長文になりましたが、慣れれば数分の操作でアライメントが完了し自動導入が可能です。更にこの状態でクランプを緩めて手動操作も可能です。(星図の望遠鏡マークが現在の望遠鏡の位置を表示してくれます。

見ている場所が目的の天体なのか不安な場合は再度"Capture & Solve"ボタンを押して解析すれば、架台位置の同期、アライメントポイントの追加、指定した目的の天体とズレがあった場合には自動で中心に移動します。

至れり尽くせりに便利なので是非使い方をおぼえてください。

(尚、上図の黄色枠部分は念の為の確認部分です(設定されているはずです)上からSync、BIN2x2、Astronet、Offlineになっていれば正解です。なっていない場合は直してください。緑枠部分はSolverの進行確認部分です。チェックマークが付けばSolver成功です。)

見たい天体を登録する機能はこちら

いろいろな天体を見てみたくなったら、季節ごとのおすすめ天体の情報などはこちらに記載しています。

スターパーティーのオーナーさんが双眼鏡で楽しめる天体をまとめ、独自のカタログとして紹介しています。
実観測に基づく見どころ案内として素晴らしい内容ですので、ぜひご確認ください。

SE−AT100N鏡筒は短焦点なので低倍率観望にも力を発揮します。上記双眼鏡用の対象はこの望遠鏡でも楽しめる内容になるかと思います。

快適な観望環境で星空をお楽しみください。



現在は新ディストリビューション移行のため配布を停止しました。
継続してご使用になられている方の参考資料として記事を残しますのでご了解ください。


もうすでに何名かの方が、ダウンロードしてご使用いただいているようです。(ありがとうございます。)

ご報告いただく中から、いくつか注意する事項が見えて来ましたので記載します。

ご確認の上、有効にご活用いただけると幸いです。

●Astroberry-Jはこちらの機器構成で観望支援、撮影補助などに有効に使用できるようにカスタマイズされたディストリビューションです。
ドライバに関しては、INDIが対応したものすべてをインストールしてありますので、ご使用可能ですが設定などはされておりませんのでご自身の環境に合わせて設定を行っていいただく必要があります。

PlateSolverに関しても電子ファインダー用に絞ってインストールしてありますので、他の機器でご使用になる場合はインデックスファイルを追加する必要があります。(こちらは他のディストリビューションも同様です。)

個別の環境でPlateSolverを快適に動作させるにはカメラドライバ、Ekosなどの設定が必要になります。
こちらこちらの記事などに情報をまとめてありますのでご確認ください。
(Solverに関してはブログでのやり取りから、機種構成ごとの設定が大分見えて来ましたので後日まとめ記事を掲載する予定です。)

高解像度での天体カメラや、一眼デジカメでのご使用をご検討されている方は現状ではラズパイ4はUSBブートやSSDからの起動ができないため、MicroSDカードの転送トラフィックをシステムと共用する形になってしまいます。
一眼デジカメであればカメラのSDカードに保存すれば回避できますが、高解像度天体カメラでバッファを持たない機種をご使用の方はUSB3接続の外付けSSDなどを保存領域として追加してご使用ください。

INDI環境以外の使い方もできるようカスタマイズしていますが、まだ記事化できていません。
こちらに関しては後日記載します。

●環境により、SDカードの容量最大に自動的に拡張されない場合がある。
日本語環境や、追加ソフトをインストールしているため、本家Astroberry2よりファイル容量が大きくなっています。
配布時可能な限り圧縮処理していますが、イメージファイルをMicroSDカードに書き込む際、書き込みアプリによってMicroSDカードの記憶容量最大に自動展開されないことがあるようです。

その場合はお手数ですが、インストールされているRepository管理ソフトのSynapticを用いてGpartedを追加してください。GUIで簡単にパーテーションサイズを変更できます。

Gpartedの使い方はこちらのサイトがわかりやすくまとめてあります。

コマンドラインからは以下(ろんろんさん、情報提供ありがとうございました。)
sudo raspi-config
7 Advanced Options→A1 Expand Filesystem


●システムやドライバのアップデートに関して
動作確認時に私の環境で問題なく動作するバージョンに設定ファイルなどを追加してディストリビューションにしてあります。(現在はメインでNanoPi-M4を使用していますので、検証が充分ではありません。)
本家Astroberryには無かったRepository管理ソフトのSynapticをインストールしてありますので、アップデートも簡単に行なえますが、天体環境でシステムやドライバのアップデートを行った際、トラブルが多発する傾向があります。
(天体環境のアプリなどはは依存関係が非常に多いため)

動作不良箇所などに関してはアップデートを行っていなければ私が確認した範囲でお答えできますが、アップデートや、アプリの追加を行った場合は設定など含め環境が異なってくるため検証が困難になります。
アプリの追加、システムやドライバのアップデートはご自身の責任で行ってください。

●ライセンスに関して
本家Astroberry2に準じます。(GPL3)

本家は撮影目的に特化した構成ですが、日本語化、観望支援、撮影支援など補助目的としての使い方も考慮し、追加した構成になっています。
現状では既存アプリの寄せ集めなので、入門用として簡便に使用できる適切なフロントエンドがありません。
実はINDIはフロントエンドとドライバさえあればさまざまな制御環境を構築できます。
もしプログラムが書ける方でこのような天体環境や制御環境に興味がある方がいらっしゃいましたらお声がけください。
(フロントエンドや、INDIをどのように連携させるかの草案はありますので、協力させていただければと思います。)

現在は新ディストリビューション移行のため配布を停止しました。
継続してご使用になられている方の参考資料として記事を残しますのでご了解ください。

KStars・Ekosを使用しての望遠鏡制御や電子ファインダーを用いた天体位置解析(PlateSolver)の使い方は記載しましたのでこれからは私もよく使うqDslrDashBoardで一眼デジカメのリモート操作を紹介します。

KStars・Ekosでも一眼デジカメを操作出来るのですが、固定撮影やポータブル赤道儀、タイムラプスなどでの撮影をしたいとき統合制御環境だと操作箇所が多くなるので一眼デジカメだけリモート操作したいときなどに便利です。

お詫び事項
ラズパイ4にqDslrDashBoardのサーバを組み込んだのですが、スペルミスでサーバの自動起動が機能していませんでした。チェック時すでにサーバが起動していて気づかなかったようです。。→現在配布のバージョンは修正済みです。

ご使用になる方は以下ターミナルで修正してください。

sudo nano /etc/rc.local
テキストが開きます。
下から2行目の記述を以下に変更して保存してください。
sudo /usr/bin/DDServer/DDServer→sudo /usr/bin/DDServer/ddserver

小文字に変更するだけです。。(ポカミスですね。。)
再起動後、サーバが自動起動します。


使用の仕方としては、以下になります。

1.ラズパイ4と一眼デジカメをUSBケーブルで接続
2.ラズパイ4と一眼デジカメの電源を入れる
3.スマホでラズパイ4のWIFIホットスポットに接続
4.スマホアプリのqDslrDashBoardでラズパイ4のIPに接続


スマホアプリが有料になってしまいますが、一眼デジカメのフル機能を制御できますのでおすすめです。
(現状iOS版が利用できなくなってしまっているようです。何があったんだろう。。)
ノートPCやWindowsタブレットで操作する場合、PC用のアプリは無料で以下から入手できます。

https://dslrdashboard.info/downloads/

接続で一箇所だけ分かりづらいところが、4のラズパイ4のIPに接続です。

では実際に接続してみましょう。(私は以前購入したiOS版です。スマホをラズパイ4のホットスポットに接続する以外は操作方法は同じなのでご参考にしてください。)


0338.jpg

WIFIでラズパイ4のホットスポットに接続→接続情報を確認



0339.jpg

赤枠部分がラズパイ4のアドレスです(固定)



0340.jpg

赤枠部分のボタンを長押し(長押ししないとIPを設定するウィンドウが出ません)



0341.jpg

ラズパイ4のIPを入力(10.24.0.1)



0342.jpg

接続されるとこのようにコントロールするボタン類が表示されます。
(赤枠部分がカメラ操作系、黄色枠部分がカメラ撮影パラメータの変更、青枠部分が設定項目という分類になってます)




0343.jpg

左上のライブビューボタンを押すと、ライブビューが表示されます。ライブビュー表示画面に出てきた矢印はフォーカス調整ですね。


と、このようにスマホからデジカメをフル制御できます。スケジュール撮影や、SkyStackなど、天体撮影で便利そうな項目もあります。

WIFIに対応していない一眼デジカメでもスマホからフル制御できるのでとても便利です。

興味ある方はお試しください。


現在は新ディストリビューション移行のため配布を停止しました。
継続してご使用になられている方の参考資料として記事を残しますのでご了解ください。


提案した組み合わせでの使用方法などはだいたい記載できたと思いますので、他に組み込まれている機能などをご紹介しておきます。

●天体機器制御関連
・SiriL
多機能な画像処理ソフト、スタッキング処理などが優秀。簡単な使い方はこちら

・ASTAP
多機能な画像処理、高速なPlate Solvingが特徴。簡単な使い方はこちら

・CCDCiel
INDI環境に対応した多機能な撮影統合環境。使い方はこちら

・Ciel Skychart
マルチプラットフォームの多機能なプラネタリウムソフト、INDIドライバ使用可能。CCDCielと連動して天体機器の統合制御が可能。

・HNSky
多機能なプラネタリウムソフト、INDIドライバを使用して天体機器の制御が可能。

・Stellarium
描画が美しいプラネタリウムソフト、INDIドライバを使用して天体機器の制御が可能。

・PHD2
使用者が多いマルチプラットフォームのオートガイドソフト。

・Oacapture
惑星撮影に特化した動画撮影ソフト。

・GPSDサーバ
多用途に使用できるGPSサーバ、GPSとシステム時計を同期済。

・SER Player
ムービー再生ソフト、Ekosで撮影したムービーの再生・ファイル形式の変更が可能。

・VLC
高機能なムービー再生・変換ソフト。

・ser2netサーバ
SkyFi同様のWIFIシリアル通信が可能。使い方はこちら


●リモートデスクトップ関連
・RealVNCサーバ
メジャーなVNCサーバ。

・NoVNCサーバ
RealVNCサーバと連動してWebブラウザからデスクトップを制御可能。

・RDPサーバ
Windows標準のリモートデスクトップサーバ、高機能。

・NoMachine
マルチプラットフォームのリモートデスクトップ環境、どの環境でも簡単なインストールでトラブルフリー。


●他サーバ関連
・NTPサーバ
インターネットから時刻を取得、GPSとも同期済み。

・SMBサーバ
マルチプラットフォームなファイル共有。
ユーザ名:astroberry
PASS:astroberry

でアクセス可能。

・INDI Web Manager
WebブラウザでINDIサーバ・ドライバの起動が可能。使い方はこちら

・SSHサーバ
ターミナルでシステムのリモート制御。


●システム関連
・gdebi
GUIでパッケージのインストールが可能。

・Space FM
多ペイン表示や不可視ファイル表示、ルート操作が可能な多機能なファイルブラウザ。簡単な使い方はこちら

・Synaptic
GUIで簡単にRepository管理が可能。

だいたいこんな状態だったと思います。(忘れている部分があるかもしれません。)
環境を作って安定したところで更新を止めていますので、環境自体は最新版ではありません。
このディストリビューションをベースにカスタマイズするもよし、この環境を使い込んで操作をおぼえるもよしご自由にお使いください。


現在は新ディストリビューション移行のため配布を停止しました。
継続してご使用になられている方の参考資料として記事を残しますのでご了解ください。

表題の件、記事を記載中にいくつか検討する場所が見つかったので追加機能を付加したディストリビューションを配布するか検討しております。

しかし、いくつかの箇所でなかなかうまくいきません。。
以下進捗状況です。

不足要素(ポカミス要素)
・qDslrサーバの自動起動→追加済

追加検討要素
・トップページのリニューアル(スマホやタブレットから操作しやすいよう、noVNCボタン以外に、INDIWebマネージャー、再起動、終了などのボタンを追加)→機能が実現できたら最後に作成

・プラウザからのシステム終了機能→成功
・プラウザからのシステムリブート機能→成功
・プラウザからの時刻取得機能→変数の送信がうまく行かず失敗
・スマホのGPS情報をブラウザ経由で取得→ブラウザのssl化にひっかかり失敗、古いブラウザのみ成功
・ページのリダイレクトの廃止→従来どおりポート番号での管理に変更(現状のリダイレクトでたまにブラックアウトがあるため)
・Webサーバの変更→Apache2に
・PHPの追加(上記機能を実現するために)
・サーバ関連の管理を容易に→Webmin追加

初心者にも使いやすいようにと言いながら、結構操作が煩雑に感じていたのでブラウザから可能な限り簡単に上記機能にアクセスできるようにと検討しましたが、想像以上の大変更になってしまいました。

ブラウザからシステムにアクセスできるようにするとなると、サーバ関連に手を付けねばならず、あっちが上手くいけば
こっちは駄目の繰り返しに。。。
PHPを入れて、ブラウザからシェルスクリプトを送信出来るところまではこぎつけましたが、予想以上に困難なのがスマホからの時刻取得や、スマホのGPS利用です。

ラズパイ4がRTCすら持っていないため、天体系のアプリで最も重要な要素になる日時取得を簡単にできる方法がありません。。。
そのため、スマホの時刻情報を取得してシステム時計をあわせるスクリプトを検討したのですが、時刻情報が変数になるため一筋縄ではいかなくなりました。。

スマホGPSに関しては実はSkySafariを利用すれば情報獲得できますので、当初はその説明を記載しようかと考えていましたが、操作が煩雑になることや、そもそも紹介記事の架台のドライバがGPS情報の取得にバグがあるため路線変更した経緯があります。(事前に入力しておけば、現場で慌てなくてすみますし)
以前見つけたスクリプトでブラウザからGPS情報を取得出来るものがあったので、組み込んだのですがブラウザの仕様変更でSSL接続以外からはGPS情報を受け取らなくなってしまったため、この部分だけSSLにリダイレクトしないと使えないことになってしまいます。
なんとも面倒な状態なので、GPSは保留にしようかと思っています。

しかし、日時は毎回入力しなければならないためなんとかしたい。。。

現状ジャバスクリプトで取得した日時情報をPHPに渡すところで躓いています。

と、ここまで進んだところで、スマホやタブレットがiOSであれば、とても簡単に時刻所得出来ることがわかりました。

しかし、iOS限定です。

うーん。。どうしようか。。

もう少し思案してみます。
(ジャバスクリプトで取得した日時情報をPHPに渡すプログラム書ける方いますか?現状ではPHPからシェル操作ができる状態まではこぎつけましたが、このプログラム部分がなんとも動きません。。プログラム明るい方いらっしゃいましたらお助けください。。)

現在は新ディストリビューション移行のため配布を停止しました。
継続してご使用になられている方の参考資料として記事を残しますのでご了解ください。


表題の件、空いた時間で黙々とこなしていましたが、目処が立ちましたので準備ができましたら配布します。

改定どころかほぼ作り直しに近い状態になりました。

以下追加機能

・ボタンメインのWebUIの追加
ラズパイのWebサーバに大幅に手を加えて、INDIドライバの選択や起動、iPhoneのGPS機能の利用、GPS状態の確認など主要な機能をブラウザのボタンからアクセス出来るようにしました。

・ブラウザからシステムのリブート・終了機能の追加
追加したブラウザのUIからシステムのリブート、終了が行えます。

・iGPS機能の追加
iOSのGPS機能にアクセスできるようにしました。GPSD、NTPと連動していますのでシステム時刻合わせにも使えますし、INDIGPSDドライバを使用すれば、天体機器に緯度経度日時情報をiOS端末から取得できます。

・VPNサーバ機能の追加
SoftEtherを組み込みましたのでVPNサーバ機能を利用できます。
今回の改定でセキュリティに関する要素を大幅に変更しましたので、遠隔地などから制御を行う場合は、VPNで暗号化してからご使用ください。(屋外などでの利用であれば気にする必要は無いと思います。)

・iOSアプリ・ショートカットに対応
iOSに標準付属するアプリのショートカット(紛らわしい名前です)に対応しました。
SSHコマンドをショートカットに事前に登録しておけばボタン操作でラズパイのシステムを操作できます。

・INDIドライバの通信速度の向上
以前の仕様ではSSLにリダイレクトしていましたのでアクセス低下や、VNCの画面が出ないなど不具合がありました。
今回はドライバ類をリダイレクトから外しましたので高速になるはずです。

・Webmin追加
ネットワークに関わる要素が非常に多かったため、GUIからWebサーバをコントロール出来るWebminを追加しました。
(使わない方は必要ないものです。)

・ラズパイの緯度経度日時登録アプリを追加
GPSが連動しなかった場合の緊急手段用としてラズパイのデスクトップに緯度経度日時登録アプリを設置しました。こちらは手入力になりますが、できないよりはマシです。(通常は使わなくて済むはずです。)

今回の改定で初心者の方から上級者の方まで幅広く対応できるようになったと思います。
ドライバの速度低下につながるSSLへのリダイレクトをドライバ経路から外しました(リダイレクトはiGPSのみ使用)ので高速になるはずです。
このため、時代には逆行しますが、INDI他サーバへのアクセスはhttp+ポート番号になります。
(マニュアルどおりの動きになります。)

システムにアクセスする機能が多かったため、Webサーバからシェル操作が行えるようセキュリティ部分を外してあります。
屋外での観測使用に特化させた状態にしてありますので、くれぐれもクレジット番号など大事な情報はラズパイに入れないでください。(まあ、このシステムでそのようなことをする方はいらっしゃらないと思いますが、念の為)

本格的な遠隔リモートで使用する場合には、このままではとても危険です。(セキュリティを外してあるため)
そういった用途でご使用になれるようSoftEtherも組み込みましたので、ルータのポート設定を行えばVPNを使用した本格的な遠隔リモートも可能になります。
(ID、パスワード、共有シークレットはすべてAstroberryのパスワードと同様でL2TPで接続できます。本格稼働する場合は設定を変更してください。)

https://ja.softether.org/

準備ができたら配布しようと思いますが、かなり大掛かりな改定なので念の為、前回のイメージファイルは保管しておいてください。(まだダウンロードしていない方はお早めに)

現在は新ディストリビューション移行のため配布を停止しました。
継続してご使用になられている方の参考資料として記事を残しますのでご了解ください。


何度かお知らせしておりましたAstroberry-J ver2が完成しました。

ダウンロードはこちらから
(修正済みです。)

今回はかなり大規模に構成を変更しているため、以下ご注意ください。

1.ファイルサイズが7G以上あります。

2.そのため、前回の配布ファイルは来週くらいに削除します。(必要な方はお早めに)

3.Bonjour機能に依存する部分がいくつかあります。Windowsからリモート操作する方はiTunesをインストール、アンドロイド端末からリモート操作する方は下記QRコードのアドレスをご利用ください。(アンドロイドの方のみnoVNCでの機能に制約がありますが、新規UIで補完できます。)

4.Webサーバの依存関係が非常に複雑なのでアップデートなどを行いたい場合は後日記載する手順に基づいて行ってください。(最重要です、気無しにアップデートなど行うとWebサーバ絡みの機能部分が止まります。)

5.基となったAstroberryとはほぼ別物です。Astroberryのサイトに記載してある情報は役に立ちませんので、このブログに記載した情報をご確認ください。

6.MicroSDカードは64GB以上のものをご用意ください。展開後、32GBに収まりますが、機能を追加した分空き容量が少なくなっています。今回の改定で本格運用も視野に入ると思いますので、Solverのインデックスファイルをフルに入れるためにも最低64GBは必要とお考えください。


注意事項が多くなりましたが、ドライバの信号経路をWebサーバーから外しましたので、そのままお使いになるのであれば非常に安定しています。

天体カメラの大きなファイルをUSB3接続の外付けSSDに変更すれば、本格的な撮影にも充分対応できます。
(現状ラズパイ4がUSBブートに対応しておりませんので、マイクロSDカードの速度がボトルネックになります。)

GigabitEthernetを利用したネットワークドライバでも問題なく使用できると思います。


基本的な考え方としては以下になります。

・屋外で面倒な作業なく撮影、観望ができるように不足部分をWebUIとして追加。(下図参照)

0344.jpg
ドライバの設定や、スマホGPSでの緯度経度日時合わせ、システムリブート・終了ほかいくつかの機能がブラウザから可能です。

0345.jpg
iPhoneのGPS情報を取得して緯度経度日時が合わせられます。(私の環境ではアンドロイド端末でも機能しました。)

・ドライバの通信トラフィックを独立させ、速度向上を図る。

・どのようなスタイルにも対応できるよう操作機能のカスタマイズ性の向上。

・システム時計のセット方法を複数用意し、少なくとも使えない状態にならないよう工夫。
(ブラウザからスマホGPS情報の取得、ラズパイでの手動設定アプリ、iOSアプリのショートカットでのセットなど)


・今後USBブートができるようになったときにも快適に使用できるよう考えられるフル環境を準備。

・本格的な遠隔リモート制御も視野に入れ、VPNサーバも設置。

・屋外では無線親機としてリモートデスクトップ操作(アドレス固定)、LAN環境ではルータのDHCPに対応(アドレス可変)、Bonjour機能を利用して無線親機の場合もLAN環境で使用する場合もAstroberry.localで統一して操作ができるようにした。(屋外、屋内とも設定不要で使用できる。)

・iOSアプリのショートカットで使用できるSSH機能にフル対応できるようにした。(ボタン操作でSSHコマンドの送信が可能)、シャットダウンやリブートなどよく使うコマンドはWebブラウザで操作ができるようにした。(拡張可能)


ラズパイ4がUSBブートに対応したとき、私自身もすぐに本格稼働して使えるよう徹底して環境構築しました。
今までで一番安定しているかもしれません。

しかし、カスタマイズ要素が多いので絶対に全てのリポジトリを更新しないでください。

新機能の説明は後日追記します。

以下QRコードで無線接続、またはLAN接続すればアクセスできます。

必要なものをコピーしてプリントアウトしてご利用ください。

QR_810759.png

Bonjuor機能有の場合(iOS、Mac、iTunesをインストールしたWindows)
http://astroberry.local/a.html


QR_811128.png

Bonjuor機能無しの場合(Android、iTunesをインストールしていないWindows)
http://10.42.0.1/a.html
(WIFI接続のみ)


アンドロイドのみ調べた限りBonjour機能が使用できないため、WIFI接続のみ、一部機能(noVNCのボタン部分)が使用できないなど制約があります。
他の環境はBonjour機能で名前解決してくれますので、無線有線とも上記アドレスで接続できます。


http://astroberry.local/
で従来のAstroberryの画面にもアクセスできます。


追伸
今回の改定で私が必要としていた機能をほぼ全て組み込んでしまいましたので、ドライバの不具合などが無い限りアップデートは当分行わない予定です。(安定して動けば専用機として使い倒します。)
現状では以前紹介した機器では問題なく動作しています。
(天候が悪く私の所持する機器全てをまだチェックできていません。)













現在は新ディストリビューション移行のため配布を停止しました。
継続してご使用になられている方の参考資料として記事を残しますのでご了解ください。

現在配布のディストリビューションは下記内容修正済みです。
ただし、私自身がBluetoothシリアル機器を使用しておりませんので動作確認は取れていません。

私はBluetoothシリアル接続を使用しておりませんでしたので気づきませんでしたが、RaspberryPi4のRaspbianはデフォルトでBluetoothシリアル接続されないようです。
(山下さんご連絡ありがとうございます。)

この部分は何もいじっていませんので、今回配布のディストリビューションもそうですが、前回配布のディストリビューションもおそらくBluetoothシリアル接続ができないと思います。

ご使用の方は以下お試しください。

ターミナル作業になります。
sudo nano /etc/systemd/system/dbus-org.bluez.service
表示される以下の部分を変更
ExecStart=/usr/lib/bluetooth/bluetoothd→#ExecStart=/usr/lib/bluetooth/bluetoothd

上記の下に以下を追記
ExecStart=/usr/lib/bluetooth/bluetoothd --compat

その後
sudo sdptool add --channel=22 SP

sudo systemctl disable modemmanager.service

ここまでしたら再起動です。

おそらくこれで使用できるようになるはずです。
今回カスタマイズして感じましたがRaspbianは非常に設定箇所が多く、かつ設定がターミナル経由になります。

Bluetoothシリアル接続をご使用の方は上記お試しください。

現在は新ディストリビューション移行のため配布を停止しました。
継続してご使用になられている方の参考資料として記事を残しますのでご了解ください。


今回配布しましたAstroberry-J-ver2 の変更点を記載します。

見た目は大して変更されていませんが、中の設定を大分いじっています。

当初は屋外使用でと考えていましたが、機能などをまとめる中、Lan環境などで使用するのに適しているように感じています。(ラズパイ4の仕様など)
システム時刻設定に関していろいろ手を加えましたが、屋外使用する場合はやはりRTCは装備しておいた方がなにかと安心かと思います。

変更点その1 Webインターフェイスの追加
屋外で使用する場合、どうしてもリモートデスクトップ環境の操作の煩わしさがつきまといます。
特にタブレットやスマホなどで操作する場合、ドラッグや右クリック操作がしづらくなります。

Webブラウザのインターフェイスにしておけば、スマホネイティブの操作で作業できるので、少しは楽になるかと思います。

PC、タブレット用、iPhone用、アンドロイド用と3つに分けましたが、インターフェイス自体は2種類です。(iPhone用、アンドロイド用は同じ)アンドロイドのみボンジュール機能に対応できないためインターフェイスのリンクなどをIPアドレスにしてあります。

原則横位置使用でインターフェイスを作りましたが、iPhone用、アンドロイド用は縦位置でも使えます。

0346.jpg

PC、タブレット用を例にあげて説明しますが、iPhone用、アンドロイド用も丸いボタンが下についているだけで機能は同じです。(縦位置使用も配慮したため)

赤枠部分が従来のAstroberryにもついていた機能(INDI Web Manager、天体情報、GPS情報、noVNCへのアクセス)、青枠部分が新規に追加した機能(システムリブート、シャットダウン、iGPS)になります。

従来ではINDI Web Manager、天体情報、GPS情報などがnoVNCの左枠部分に追加されていたため、見づらいのとnoVNC以外でアクセスした場合発見し辛い仕様だったため、大きなボタンにしました。

タブブラウザで使用すれば下画像のように切り替えながら操作できるようになります。

0347.jpg

(タブで立ち上がるので機能切り替えが楽)

特にドライバ選択などはEkosをリモートデスクトップで操作する場合小さくドラッグ操作が頻繁で煩わしいことこの上なかったので、今回の仕様変更でINDI Web Managerから設定を行えば、スマホなどでもブラウザを操作になるのでかなり楽になると思います。

Ekos側はINDI Web Managerにチェック、リモート側のラジオボタン、ドライバ類はシミュレーションドライバを選んでおけば、Ekos側で選択しなくても読み込んでくれます。(ドライバ選択しなくて良くなります。)


0348.jpg

INDI Web Managerを使用する設定は上図の設定を一回行っておくだけです。

1.シミュレーションドライバを選択
2.鉛筆ボタンで編集画面に
3.ラジオボタンをリモートに
4.INDI Web Managerチェックボックスにチェック
5.設定保存


これで、Ekos側では常にシミュレーションドライバに固定しておけば、INDI Web Managerで設定したドライバを自動的に読み込むようになります。


変更点その2 iGPSの追加
大分前にネットで発見したこの機能を利用できるようにしたものです。(以前は繋がらず諦めました。)

文面からてっきりiPhoneのGPSのハック機能だと思っていたのですが、実際に動作させることができいろいろ試したところ、どうやらPCやスマホの位置情報機能をGPSDで読めるように変更できる機能のようです。

よって、iPhoneだけでなく全ての環境(GPSが無いPCでもネットに繋がっていれば)で多分使えます。(みなさんご検証ください)

使い方もとても楽です。ブラウザで表示し”Enable”ボタンを押すだけ。
(この機能のみSSL通信が必要でしたのでリダイレクトにして自己認証をかけています。初回アクセス時警告画面がでますが無視して表示していください。)
後はINDIのGPSDドライバを追加しておけば勝手に同期します。

0349.jpg

Enableボタンを押して数字が位置情報や時刻が出てくれば、ブラウザ操作側の情報を取得しています。(この例ではGPSを持たないMacから操作しています。)


0350.jpg

INDIのGPSDドライバにも情報が転送されます。


以前チェックしたときは動作しなかったのでどんな機能か不明でしたが、位置情報機能をもつ端末(おそらく今のPCやスマホ、タブレットなど全て)であれば全て接続することができ、緯度経度日時情報をGPSDに渡せるようです。

予想の斜め上をいく結果になりました。(笑)
環境によっては非常に便利に使用できると思います。

ただし、通常のGPSとは排他関係になり両方同時には使用できません。

この機能ではなく、GPSを使用したい方は以下コマンドをターミナルから送信してください。
sudo systemctl stop i-gps.service
sudo systemctl disable i-gps.service

sudo nano /etc/default/gpsd
下記部分をお使いの機器に書き換え
DEVICES=""→DEVICES="○○○○○○○"

sudo systemctl enable gpsd.service

再起動


これでGPSを使用できますが、iGPSは機能しなくなります。(ボタンをクリックすればインターフェイスは表示されますが、機能しません。)


変更点その3 Webブラウザからシェル操作が可能
インターフェイス上でリブートとシャットダウンはこの機能で操作しています。

簡単なPHPスクリプトで書かれていますのでコマンドを追加することも可能です。

現状では頻繁に使用するリブートとシャットダウンをボタンにしました。
以下手順で追加できますので興味ある方はお試しください。

sudo nano /var/www/html/sys/○○○○.php
(○○○○部分は英数小文字で任意の名前)

白紙の画面がでますのでこのテキストファイルの内容をコピペ

○○○○部分にシェルコマンドを入力します。
□□□□□□□□□□部分はシェル動作後にブラウザに表示される内容です。適当に入れてください。

入力し終わったら保存してください。

これで
http://astroberry.local/sys/○○○○.php

にアクセスすればコマンドが実行されます。
ブラウザのブックマークなどに登録すれば登録したコマンドを簡単に実行できるようになります。


iOSであれば標準付属のショートカットアプリでもっと簡単にSSHコマンドをボタンにして送信できます。

今回の改定でブラウザ、iOS標準付属のショートカットアプリでsudo権限を含めた全てのコマンドを送信できるようにしてあります。

使いやすいようにカスタマイズしてお使いください。

長くなりましたので、今回はここまでにします。
次回おすすめの操作法やその他の機能、アップデート方など記載したいと思います。









現在は新ディストリビューション移行のため配布を停止しました。
継続してご使用になられている方の参考資料として記事を残しますのでご了解ください。


今回はおすすめの使い方などや、その他の機能、アップデートに関してなどをご紹介します。

おすすめの使い方
●屋外で使用する場合
スマホで前回配布したQRコードを読み込みWebインターフェイスを表示し、INDI Web Manager、iGPSなどを立ち上げてドライバ接続、GPS情報の取得、リブート、シャットダウン操作を行い、タブレットやPCでラズパイ4のKStars・Ekosをリモートデスクトップで操作する。

簡単に言えば目的ごとに操作端末を2つに分ける使用法です。
屋外ではインターネット接続ができるのはスマホだけになると思いますので、iGPSで位置情報、日時を獲得し、INDIドライバの選択や立ち上げをWebブラウザで行ってしまい、諸々のリモート操作は操作しやすいタブレットやPCでリモートデスクトップ環境で行います。

カチョレクがnoVNCを用意してくれているのですが、はっきり言って使いづらいのでタブレットやPCの操作はRDP、VNC、NoMachineいずれかのクライアントをダウンロードして操作します。(サーバはすでに入っています。)

タブレットだと右クリックやドラッグ操作が行いづらいのでこちらの設定をご参考にしてください。(アイコンなどはすでに設定済みです。)

これでほとんどの操作をクリックのみで行うことが出来るようになります。

システム終了やリブートなどもスマホのインターフェイスでボタンクリックで行えます。
データなどは帰宅後、LANにつないでSMBでファイル共有して取り出せますが、MicroSDで大きなファイルの保存はストレスになりますので、USB3接続の外付けSSD(NAND NVMe)を追加して保存領域にすることを強くおすすめします。
データが外付けディスクに保存されていれば家に帰ってから自宅のPCに外付けSSDを接続すれば更に簡単にデータを移動できます。


●遠隔操作などで使用する場合
別棟の観測小屋や、離れた位置で固定設置などをされている方は、WIFI機能を止めて(セキュリティホールになりますので、インターネット接続がある場合は必ずWIFIは止めてください)今回導入したVPNサーバをご利用ください。
LANやインターネット接続で快適に使用できます。
Gigabitであれば、リモートドライバでの使用も現実的になってくると思います。

現状ユーザ名、パスワード、秘密鍵など全てastroberryで設定してありますので、実稼働する場合はこちらからクライアントをダウンロードして設定変更してください。

インターネット接続で使用する場合はラズパイのIP固定、ルータのポートフォワーディング、プロバイダ側でのWAN側IP固定orDDNSへの登録なども必要になります。
現状はスマホなどでもアクセスできるようL2TP接続にしてありますので、ポートはtcp、udp共4500、500、1701の3つをフォワーディングします。

サーバ自体はすでに動作していますので、あとはご自身の環境に合わせて設定してください。
ラズパイ4のMicroSDカードでは大きなファイルのやり取りは現実的ではありません。
HDやSSDをUSB3で接続して画像などの保存はそちらで行うように環境構築してください。
SMBサーバも可動させてありますので、外付けHD、SSDの共有パスを追加すれば遠隔地でもセキュアにファイル共有が可能です。

消費電力の少ないVPNサーバ兼天体機器制御ハブとして遠隔リモート環境でご利用いただけると思います。


アップデートに関して
通常アップデートなどはsudo apt update && upgrade などでRepository全てを更新、アップグレードしますが、
今回のこのシステムはカチョレク氏がディストリビューションとしてまとめたシステムに多数の変更を加えています。

sudo apt update && upgradeを用いるとカチョレク氏が用意したアップグレードスクリプトが働き、変更部分はそのまま放置され、基のAstroberry用の環境アップデートが働くため多くの機能が使用不可能になります。

RaspbianはSystem自体が登録アプリが少ないのでほとんどの操作でRepository登録、CUIによる設定ファイルの書き換えなどが必要になります。(はっきり言って面倒です。)

現状、INDIサーバ・ドライバはじめ、天体機器制御で必要になりそうなものは全て組み込んでおりますので、不具合が出なければそのままお使いください。

もし、ドライバなどにバグがあって動作しないため、ドライバの更新などが行いたい場合は選択的にそのドライバのみアップグレードしてください。

操作としてはSynapticを用います。


0351.jpg

左上アイコンをクリック→”設定”をクリック→”Synapticパッケージマネージャーを選択し、起動


0352.jpg

フリップメニューより”Astroberry”を選択、パスワード(Astroberry)を入力
(AstroberryはpiとAstroberryの2つのユーザー名で登録されているようです。必ずAstroberryを選んでください。)



0353.jpg

1.検索ボタンをクリック
2.検索窓にアップデートしたいアプリやドライバの名称を入力
3.検索ボタンで検索

この操作でインストールされたパッケージを絞り込むことができます。


0354.jpg

検索後の結果から目的のアプリorドライバを探して
1.目的のアプリorドライバの表示を選択してから右クリック
2.フリップメニューより”アップグレード指定”を選択
3.”適用”ボタンをクリック

以上で必要な部分のみアップグレードできます。
一番左端にある”再読込”ボタンがsudo updateになります。
こちらは押して更新していただいても構いません。(読み込み時に更新されるようです。)

しかし、その右隣にある”すべてをアップグレード”は操作しないでください。
こちらがsudo upgradeに該当するボタンになり、環境にインストールされた全ての内容が更新されてしまい、押してしまうと高い確率で動作不良をおこします。

今回環境構築時も非常にアップグレードやインストールでのトラブルが多かったため、アップグレードを行う場合は必ずバックアップをとってからおこなってください。

トラブルがない場合はそのままお使いください。
(環境構築時トラブルの嵐で私自身もへばりましたので。。早くラズパイ4でもUBUNTUが使えるようになってほしいです。。。)






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継続してご使用になられている方の参考資料として記事を残しますのでご了解ください。

配布したディストリビューションは下記内容修正済みです。

一箇所設定漏れがあり、ボタンを押した後タブに並んでくれませんでした。
該当箇所は

/var/www/html/1/index.html

になります。
タブレット・PC用のアクセス箇所になります。

このファイルに差し替えていただければ治りますが、面倒な場合は
http://astroberry.local/0/index.html

上記iPhone用のQRコードアドレスをご使用ください。
(若干殺風景ですが、機能は同じです。)

今回は最終編として、iOS標準付属のショートカットアプリを使用して現在時刻をラズパイ4のシステムに登録する方法を記載します。

この機能、なんとかWebブラウザの操作で実現したかったのですが、できませんでした。
iOS限定、今回配布のディストリビューション限定の方法になります。


0355.jpg

まずはショートカットを作成をクリック


0356.jpg

アクションを追加をクリック



0357.jpg

1.上部検索窓で ssh と入力
2."SSH経由でスクリプトを実行”をクリック


0358.jpg

赤枠部分のSSHアクセス情報を入力



0359.jpg

スクロールして入力欄に sudo date -s" を入力し、その下にある変数入力欄を横にスクロールして”現在の日付”を選択


0360.jpg

日付フォーマットをカスタムにし、以下フォーマットに変更

yyyy/MM/dd HH:mm:ss



0361.jpg

最終的に以下のコマンドにする

sudo -s "現在の日時"

上部完了をクリック


0362.jpg

名前をつけて登録
(この時アイコンや色も選択できます。)


以上でiOSの時刻情報をボタンでシステムに登録可能です。

SSHのコマンドとしては以下になります。

sudo -s "yyyy/MM/dd HH:mm:ss"
例)
sudo -s "2020/03/02 12:12:12"

記載すると面倒ですが、登録するのに大した手間はかかりません。
ボタンを複製できますのでコマンド部分のみ変更すればさまざまな操作をボタン操作で行うことができます。

特に日時の登録は変数を用い、上記特定のフォーマットに変更しないとシステムに設定できなかったので面倒でしたが、この機能を使えばボタン一発でできます。(今回配布のディストリビューションのみ)

興味ある方はお試しください。



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配布したディストリビューションは下記内容修正済みです。
iGPSをGPSDドライバで使用する際、ローカル時刻とのズレが出るようです。
(ろんろんさん情報ありがとうございました。)

どのような修正が最も簡単に済むか検証しましたが、ファイル配布→差し替えや書き換え方法などの違いでエラーが出てしまうようなので、ご使用の方はターミナルから以下に記載の手順で修正してください。

sudo nano /home/astroberry/iPhone-gpsd.py

td = datetime.datetime.fromtimestamp(time_sec) の次の行に以下を追加
td = td.astimezone(timeizone('UTC'))

その後、再起動。
上記方法が一番安全に修正出来るようです。

作業に失敗した場合は同ディレクトリに"iGPS"という名前のフォルダの中にiPhone-gpsd.pyがありますので、それと差し替えて再起動してください。

上記の通り、動作中のサーバに手を加えることになるので状況によってはトラブルが出る場合があります。
私は上記の手順を踏めばトラブルなく修正を行うことができましたが、どうしても上手くいかない方はコメント欄にこの情報をご提供して頂いたろんろんさんとのやりとりをご参照ください。(もちろん私にご質問頂く形でも構いません。)

テキストエディタからの書き換えや、別環境でファイル修正して差し替えなどを行うとGPSDとの通信ができなくなったり、ブラウザでBad Gate Way502 などが発生してしまうようです。

ただし、この機能を使用しても(GPSを装着しても)残念ながら屋外でシステム時刻の設定までは行えないようです。

そのため、dateコマンドをインストールし、ブラウザから強制的に認識させるプログラムを試しましたが残念ながらうまくいきませんでした。

iOSのショートカット以外にシステム時刻が手軽に合わせる方法が無いのでラズパイを屋外で使用するには面倒ですがRTCは必須になると思います。

ブラウザで時刻合わせするプログラムの作業途中のファイルが以下に入っています。
/var/www/html/sys/date.php
/var/www/html/sys/index-old.html

上記ファイル途中の状態になっています。(どのような状態のときに配布したか忘れました。。)
JAVAスクリプトでブラウザ表示側の時刻を取得→シェルスクリプトでコマンドを送信という流れで設定させようと考えましたが、JAVAスクリプトで得られた変数がスPHPに反映されないため挫折しました。
通常このような操作はサーバサイドで行ってしまうのですが、天体で使用する場合サーバサイドのラズパイの時刻をあわせたいのでこのような流れにしています。
JAVAスクリプト、PHPで途中まで作成してありますのでチャレンジして上手く行った方は是非ご連絡ください。

注意点としてはこのためにインストールしたDateコマンドですが、時刻設定の書式が何通りかあります。
私は以下の書式でシステムに登録しました。

sudo -s "yyyy/MM/dd HH:mm:ss"

iOSのショートカットの設定で記載した書式です。
上記の書式以外にも受け付ける書式がありますが、厄介なことに書式を変更すると一度エラーを出してから認識されます。

そのため、iOSのショートカットの設定、JAVAスクリプト、PHPに記載する書式、SSHなどでコマンドで送信する場合など同じ書式で統一しておかないとその都度エラーが出てしまいます。

SSHなどでエラーが出た後も再度同じコマンドを入力すれば登録されるようです。
複数の運用でDateコマンドを扱う際は同じ書式で運用してください。

今回初めてDebian系のArmbianを操作しましたが、なかなか厄介です。。。
設定ミスなどで頻繁に止まります。

現状問題が出たときにも切り分けられるよう全てパラレルに立ち上げてあります。(iGPSのみSSLがないと動かないためnginxでSSLリダイレクトしています。)
少々メモリの無駄遣いですが、経路が分かれていたほうが安全なのでそのような措置にしました。

以下に付属したサーバの一覧を記載しておきますので、トラブルが出た際の参考にしてください。

・Apache2+PHP+Webmin ポート80、10000
(ブラウザインターフェイスに使用、PHP、CGIなど稼働状態)
・Nginx ポート8090、443
(iGPSのSSLリダイレクトに使用)
・SMB ポート137〜139、445
・VPN ポート4500、500、1701
・INDI Web Manager ポート8624
・iGPS ポート5000をSSLでリダイレクト
・AstroPanel ポート8626
・GPSViewer ポート8625
・noVNC ポート8080
・ser2net ポート4030
・ssh ポート22
・vnc     ポート5900
・RDP     ポート3389
・noMachine ポート不明 https://www.nomachine.com/AR01L00770参照

主要なところではこのくらいだったと思います。
WIFIのAPで接続する場合は問題ありませんが、LANなどで使用する場合は環境によってはセキュリティで引っかかりますので、今回組み込んだVPNサーバを利用してください。(もしくは上記ポートの許可)



現在は新ディストリビューション移行のため配布を停止しました。
継続してご使用になられている方の参考資料として記事を残しますのでご了解ください。


ずっと機能しなかったWebブラウザからの時刻取得機能がようやく使えるようになりました。
(Astroberry-J-ver2専用機能です。)

ここからダウンロードしてください。

機能の組み込み方
1.上記よりファイルをダウンロード(time.zipにa.html、back_line.pngの2つのファイルが入っています。)

2.a.html、back_line.pngを以下ディレクトリに追加(追加にはルート権限が必要になります。デスクトップにあるSpaceFMのルートウィンドウ機能を使うと簡単に追加できます。SpaceFMのルートウィンドウ機能はこちら
/var/www/html

3.ターミナルより以下コマンドを入力してシステムにインストール
sudo apt-get install php7.1-xml

4.再起動

以上で追加された時刻取得ページを使用できるようになります。
この機能を使う場合は最初に追加されたページにアクセスしてください。
アクセス後ブラウザから時刻取得→システム時計のセットが自動的に行われます。
(システム時刻が更新されるとブラウザ上に時刻が表示されます。)

0365.png

下にボタンが3つついています。
リモート操作を行う端末名のボタンを押してください。
ANDROID端末のみBonjour機能が使えないため、前回同様WIFI接続限定です。
注)WindowsでiTunesをインストールしていない場合はANDROIDボタンをクリックしてください。機能も同様に限定されます。Bonjour機能は非常に便利なのでiTunesをインストールすることをおすすめします。

RTCがなくてもこの機能を使えばシステム時刻を合わせることが出来るようになります。
GPSをお使いの方はNTPとも同期するようになります。


以下にQRコードも用意しましたのでご利用ください。
この機能からそれぞれのトップページに飛べますので、今回用意したQRコードがあれば事足ります。

QR_810759.png

Bonjuor機能有の場合(iOS、Mac、iTunesをインストールしたWindows)
http://astroberry.local/a.html




QR_811128.png

Bonjuor機能無しの場合(Android、iTunesをインストールしていないWindows)
http://10.42.0.1/a.html
(WIFI接続のみ)


修正箇所などもありましたが、これでようやく計画していた機能が全て実現しました。
今回は初心者だけでなく、上級者の方まで幅広く使えるように設定しましたのでご活用ください。

現在は新ディストリビューション移行のため配布を停止しました。
継続してご使用になられている方の参考資料として記事を残しますのでご了解ください。


今回の改定でいくつか修正事項、追加事項があったので都度記事にまとめましたが、これから始めようという方にとっては作業が大変になるかと感じましたので、イメージファイルを変更しました。

記事に掲載した変更・追加事項を反映させた内容になっています。

全て修正・追加したと思いますが、Bluetoothシリアルだけは手持ちの機材がありませんので修正しましたが検証できていません。
他の部分は一通りチェックしました。


合わせて、記事もV1からの変更点を加味し辻褄が合うように加筆しました。
使い方などはこちらの一覧からAstroberry-Jその1〜その6までをご確認ください。

これでディストリビューション関連は一区切りする予定です。

使い方などご不明点がありましたらお気軽にご連絡ください。
現在は新ディストリビューション移行のため配布を停止しました。
継続してご使用になられている方の参考資料として記事を残しますのでご了解ください。


taka_umeさんより素晴らしい情報をいただいたのでiGPSに組み込んでみました。
(taka_umeさん情報ありがとうございました。)

ここからダウンロードできます。

設置はとても簡単です。
圧縮ファイルを解凍し、中にある2つのファイル(index.html、getdate.php)を以下ディレクトリに配置してください。
/home/astroberry

index.htmlファイルは現状のものと差し替え、getdate.phpは追加になります。
その後再起動してください。

ブラウザインターフェイスのiGPSボタンをクリックすれば更新されたiGPS Plusが表示されます。

igpsplus2.png

このように下に”時刻・位置 取得”というボタンが追加されますので、これを押すことでシステム時刻の変更が可能です。
懸案だったシステム時刻を簡単に合わせる手法が昨日のQRコードからと、今回のiGPS、iOSのショートカットと複数の方法から選べるようになりました。
RTCを取り付けるのが難しいと感じる方でも抵抗なくAstroberry-Jをお使いいただけることが出来るかと思います。

では、これで本当にAstroberry-J関連は一区切り。

後は皆様でお楽しみください。
(使い方などはお気軽にご相談ください。)





Astroberry-JVer2にはさまざまな機能が組み込まれていますが、その中でもVPNサーバ機能は環境によっては非常に便利に使える機能です。

Astroberry-JVer2に組み込まれているのはSoftEtherVPNというサーバになります。
非常に多機能で設定変更なども専用のアプリで簡単に行なえます。
(私も家で他のSBCに組み込んで使用しています。)

今までに書いた記事を確認したところVPNに関してはあまり触れていなかったので何回かに分けてご説明しようと思います。

VPNをご使用になったことがある方はその便利さがわかると思いますが、使ったことが無い方にとっては???になると思います。
なので、概略説明から実際の使い方までを回数をわけて記載しようと思います。

VPNとは?
Virtual Private Networkの頭文字を取った略語になります。
VPNサーバを設置してあるとWANから安全にLANにアクセス出来る機能になります。通信間が暗号化されるのでセキュリティに関しても安心できます。
外にいながらファイル共有や、プリンター共有など家の中で操作していることが全て行える便利なものです。

どんな活用ができるのか?
上記の通り、家のルータ配下につながったPCやプリンタをWAN側から操作出来ます。
ファイル共有で家のPCからファイルを取得することもできますし、VNCやRDPなどで接続したPCを操作することも出来ます。

VPN接続さえすれば、ルータが配布するIPアドレスでそのままLAN環境にアクセスできますし、MacなどではBonjour名(○○○.local)でもアクセスできます。

ネットワークプリンタやNASなどを設置していればLAN環境同様それらを使うことが出来ます。

最近良く使われる方法としてはスマホなどで公衆WIFIに接続する際のセキュリティ対策として活用されています。
公衆WIFIを使用しても家のVPNサーバまでセキュアに接続され、家にあるルータからネットに接続されますので安全に使用することが可能になります。

天体機器での活用は?
最も恩恵を受けるのは遠隔地からのリモート制御になります。
INDIサーバ・ドライバ自体もネットワーク対応なのでVPNとの親和性が非常に高くなります。
VPNサーバを通してネットワークドライバとしてWANからクライアントアプリで制御することも出来ますし、Astroberry-JVer2に天体機器制御に必要なものが全て組み込まれていますのでリモートデスクトップなどで快適に遠隔リモート環境を活用することも出来ます。

組み込まれたINDIドライバの中にはArduinoを使用してリレー回路を制御出来るものもありますので、その気になれば天体機器の電源ON・OFFなど全てのコントロールをWAN側から安全に行うことが出来ます。

簡単に言えば今まで家で天体機器を操作していた作業を全て遠隔地からWANを通じて安全に行うことができます。
(唯一追加される手順はVPNサーバへのアクセスのみです。)


どうでしょう、なかなか便利だと思いませんか?
私は以前勤務地が遠方だった時、家のPCに簡単にアクセスするためにVPNサーバを設置していました。
打ち合わせの際、ノートPCにデータが無くてもその場で家のPCからデータを取得できたり、外で作ったファイルを家のプリンタで出力したりと非常に便利に使えていたので、今回配布のディストリビューションに組み込みました。

今回のディストリビューションではすでにWIFI、有線とも接続設定までしてあります。(ID、PASS、秘密鍵全てAstroberry(AstRPiはID astrpi、PASS astrpi、秘密鍵 astrpiastrpi)です。)

Wan側から接続できるようにするにはルータの設定、プロバイダでの固定IPの取得かダイナミックDNSの設定が必要になります。
具体的な操作・設定方法や設定の変更方法などは後日ご説明します。
天体機器制御以外にもさまざまな利用法がありますので興味ある方はお試しください。










前回概要を記載しましたので今回は実際の設定について記載しようと思います。

現状組み込んだサーバは無線・有線とも有効になっています。
動作確認を行いたい方は無線APに接続してお試しください。

iOSなどであれば
設定→VPN→VPN構成を追加

タイプ→L2TP
サーバ→astroberry.local(AstRPiはastrpi.local)
アカウント→astroberry(AstRPiはastrpi)
パスワード→astroberry(AstRPiはastrpi)
シークレット→astroberry(AstRPiはastrpiastrpi)


以上で接続できます。(下図赤枠部分が設定箇所です。)

0369.jpg

上記はあくまで接続確認です。
(パスワードで接続出来るWIFIを自分だけ暗号化して接続している状態なので。。)

では、実際に使用するにはどうするのかを記載します。

●プロバイダやネットサービス申請する項目
・固定IPまたはダイナミックDNSサービスの申請

上記はいずれかになります。どのプロバイダも固定IPサービスは行っていると思いますのでご確認ください。
すでに固定IPになっている方はWAN側のIPアドレスが接続するアドレスになります。

●AstroberryーJの変更箇所
IPアドレスを固定します。(AstRPiは192.168.1.100に固定済み)
ターミナルで以下を入力

sudo nano /etc/dhcpcd.conf

カーソルを一番下に移動して以下をコピペして追加

interface eth0
static ip_address=192.168.1.100/24
static routers=192.168.1.1
static domain_name_servers=192.168.1.1

コントロールキー+oキーで保存
上記の例はIPアドレス→192.168.1.100、ルーター192.168.1.1の場合の設定になります。
固定したいIP、ルーターのIPアドレスなどはご自身のLAN環境に合わせて変更してください。

●ルータの変更箇所
・ポートフォワーディング(ポート転送など他の呼び方をしているルータもあり)もしくはDMZにラズパイを登録

DMZに指定するとポートが全て登録した機器に転送されるので楽ですが、セキュリティ対策をしっかりとしておかないと危険です。
若干面倒ですがポートフォワーディングでVPNで使用するポート番号のみをラズパイに転送するように設定することをおすすめします。

設定するポートは以下になります。
ポート番号 4500、500、1701

上記をラズパイの固定IPにフォワーディングするように設定してください。

実はもうこれでWAN側からVPN接続が出来ます。
スマホなどで確認する場合は上記のサーバ部分をプロバイダから配布された固定IP、または登録したダイナミックDNSに変更するだけです。

ただ、パスワードもシークレットも全てastroberryなので、実際の運用にあたってはパスワードやシークレットは変更したほうが良いと思います。

パスワード、シークレットを変更するには以下アドレスから操作する端末に合わせたSoftEther VPN Server Managerをダウンロードしてください。

https://www.softether-download.com/ja.aspx?product=softether

長くなったので、パスワード、シークレットを変更設定は次回記載します。

今回でVPNサーバについては最後になります。

前回の設定でVPNでの接続はできますが、パスワードやシークレットがAstroberry-J ver2は全てastroberry(AstRPiはID astrpi、 Pass astrpi、 シークレットは astrpiastrpiです。)となっているのでセキュリティのために、パスワード、シークレットを変更します。

まずは前回以下アドレスからダウンロードしたSoftEther VPN Server Managerを立ち上げます。
https://www.softether-download.com/ja.aspx?product=softether

0370.jpg

上図のような画面が表示されるので赤枠部分をクリック


0371.jpg

1.設定名を入力(わかりやすいように名称で)
2.ホストネームは固定したIPアドレス、またはastroberry.local(AstRPiはastrpi.local)
3.接続用のポート番号は 5555→Vrtul Hub Nameが自動的に”astroberry"(AstRPiは”astrpi")
になっていることを確認
4.パスワードを入力→astroberry(AstRPiはastrpi)
5.OKをクリックして設定完了

上記設定で設定画面を開くことができます。


0372.jpg

設定画面での操作箇所は以下2箇所です。

赤枠A=シークレット設定変更
赤枠B=パスワード変更(ユーザ名の変更や追加もできます。)



では、赤枠Aをクリックしてシークレット設定変更をしてみましょう。


0373.jpg

赤枠部分を任意のシークレットに変更してください。
OKボタンを押し、設定に戻ります。


つぎは赤枠Bをクリックしてパスワード変更をしてみましょう。

0374.jpg

赤枠部分をクリック


0376.jpg

ユーザーastroberry(AstRPiは”astrpi")はすでに登録されているのでリストに表示されます。
パスワードを変更するので、赤枠のEDITボタンをクリック
(ユーザーを追加したい場合は左隣のNEWボタンを押します。)



0375.jpg

開いたウィンドウで赤枠のパスワード部分を任意に変更します。

以上で設定変更ができます。

上記の通りastroberry(AstRPiは”astrpi")以外にも複数のユーザーを登録することもできます。
VPNは天体機器のリモート以外にもセキュアな公衆無線LANの使用や、WANから自宅PCの共有ファイルへのアクセス、WOLで遠隔地からPCの起動、リモートデスクトップなどさまざまな用途で便利に使うことができます。

ラズパイの消費電力なら繋ぎっぱなし運用も負担にならないので、普段はこのために使っても良いでしょう。
接続もすべて暗号化されており安全に便利な環境を整えることができますので興味ある方はお試しください。







今週末に予定している新ディストリビューション配布に伴いAstroberry-J ver2のダウンロードを停止します。

Astroberry-J ver2に興味があるけれどまだダウンロードしていない方はお早めに。
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