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★天体撮影ー星雲・星団などのカテゴリー記事一覧


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天体カメラで撮影やEAAを行う場合、ほとんどの方がFitsファイル(ヘッダに天体情報を付随したRaw画像)形式で保存して画像処理をされているかと思います。

実はFitsファイル自体は画像としてJpegなども格納出来るのですが、撮影を行うアプリが対応しておらずカメラのRaw画像とヘッダに天体情報を付随してFitsファイルとして取り扱うような設計になっています。

天体撮影においては雑誌・マニアの情報からデジカメでもRawファイルをする方が多いと思いますが、いずれにしてもRaw画像部分に関しては注意が必要になる部分がありますので覚書として記載しておきます。

1.そもそも天体カメラのRaw画像もデジカメのRaw画像も真のRaw画像ではない。(何らかの画像処理がなされている)

2.天体カメラのFitsファイルに関してはカメラの特性に合わせた校正情報(デジカメで言うところのプロファイル)がない。

3.Fitsファイルを開くアプリにおいても天体カメラの場合は校正情報、デジカメの場合はプロファイルに対応した機能がない(デジカメに関してはプロファイル対応したものもある)

4.Fitsファイルを開くアプリによってFitsヘッダの反映が異なる

5.Fitsファイルを開くアプリによってデータ値のモニタ表示が異なる


てんこ盛りですね。。。
1に関しては私が所有するASI224のメーカー公表グラフをご確認いただけるとわかるのですが、ゲイン60でSNが向上するポイントがあります。
本来このカメラの撮像素子は防犯カメラやドライブレコーダーでの利用を意識して撮像素子に対応したDSPチップで様々な画像処理が行えるようになっています。(3Dノイズリダクションや、暗所でのノイズ軽減処理など多数の機能を持っています。)

ZWOのカメラは撮影時にカメラのDSPを利用した場合、8ビットカラーのソフトウェアビニングとゲインアップ時のノイズリダクションが利用できるようになっています。(どうせなら防犯カメラで使われているような画像処理機能も内蔵してほしかったですが。。。)

このことからPCに転送される際にDSP処理後の画像が送信されていると考えて間違いないでしょう。

デジカメに関しては画像処理エンジン自体がブラックボックスになっていますが、同様にDSP処理後のデータが送信されていると思います。

2~5に関しては実際に画像を見ながら確認したほうが早いでしょう。

スクリーンショット 2022-11-07-5

上の画像は以前多段スタッキングの記事で撮影したものです。
カメラはASI224、撮像アプリはASILive、ゲインはHigh(300)で、5秒(適正露出)20枚、10秒(オーバー)20枚、2秒(アンダー)80枚をスタッキングしています。
経緯台のため、あまり長時間スタッキングすると視野回転が大きくなりすぎますので、暗電流ノイズ除去のためアンダー画像を増やしましたので、スタッキング時の画像はアンダーに見えます。

ではこのFits画像をそれぞれのFitsビューアで開いてみましょう。


スクリーンショット 2022-11-19 005610

まずはZWO純正のASIFitsビューアーです。
アンダーで撮影したのに明るくなっています。
おそらく自動でASILiveの設定値やヒストグラム調整をして表示しているようです。
撮影時の明るさとは異なりますが、画像処理はこの方がしやすいですね。(色もそんなにズレてませんし)


スクリーンショット 2022-11-19 005758

次はスタッキング+画像処理アプリのSiliLです。
何故か上下反転していますね。
ASILive撮影時同様アンダー画像ですが、色が大分異なります。


スクリーンショット 2022-11-19 005829

同じくスタッキング+画像処理アプリのASTAP(PlateSolvingも優秀です。)
これまた上下反転。。。
色や明るさもSiriLと異なりますね。


スクリーンショット 2022-11-19 005700

お次はGIMPです。
あまり知られていませんが、GIMPはFits画像を開くことができます。
これまた上下反転しています。
色や明るさはSiliLと似ていますね。(同じエンジンかも)


スクリーンショット 2022-11-19 005938

最後はわたしがよく使用しているKStarsのFitsビューアです。
こちらは上下反転していませんね。
以前からですが、KStarsはPlateSolvingやガイド機能で星の識別を良くするために自動的に画像調整(星の輝度とバックグラウンドの分離)が行われていました。そのためPlateSolvingの成功率が非常に高かったのですが、最近更にPlateSolvingにStelarSolverが搭載され、SEP (SExtractor)機能も内蔵されましたので、画像調整機能が向上しています。

実際の画像よりかなり明るく鮮明に見えています。(ノイズも見えますが)

私が以前記載した記事はKStarsのFitsビューアのSEP (SExtractor)自動処理機能を画像処理として利用して処理の手間を省くものでした。

デジカメのようにプロファイルがあればアプリ間の色や明るさを統一出来ますが、デジカメもRawで撮影した場合はアプリ側がデジカメのプロファイルに対応していないと同様のことが起こります。

Fitsファイルの場合は更にFitsヘッダの反映もアプリにより異なりますのでこのようにバラバラな状態になってしまいます。

撮影時のモニタ表示とFitsビューアで色や明るさが異なるのは困りますね。。。(画像処理が一手間増えます。)

校正情報が無いので完全な対処法はありませんが、撮影用ソフトでホワイトバランス(昼の曇りの日に白い紙を写し、白くなるようにカラーバランスを調整)を取っておけば後の調整が若干楽になります。

画像処理アプリに関しては撮影時の色や明るさに合わせるパラメーター設定を行う方法もありますが、設定によっては天体のシグナル情報が減ることになるので、私が行っているようにビューアの自動処理を利用して見やすい状態で処理しても良いかと思います。(そもそも天体の色や明るさなどは正解がありませんので。。。)


PS
とはいっても、正直カメラ、ビューアーともプロファイル機能はほしいですね。
天体カメラの撮像素子は高性能なので、校正用のプロファイルがあれば測光や等級識別など観測用途にも利用できるのに。。。ちょっともったいない気がします。

個人的には撮影に慣れるまではデジカメのJpeg撮影(プロファイル、ホワイトバランス、ISO、カメラの画像処理エンジンなどを利用できます)で天体の適正な露出値の把握や、見やすい画像(適正露出ならモニターで見やすいですね)で画像処理のイロハを習得したほうが近道のように感じます。(スタッキングすれば処理に適した16ビット画像にもできますし)









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なんと驚いたことに今晩も快晴です。(ここ数ヶ月の悪天候が嘘のよう)

昨日高感度カメラ+ズームレンズでのリモート観望を行いましたが、長らく機材を使用していなかったからか、接続不良など不具合が出たため今晩はEAA機器のチェックも兼ねて観望します。


IMG_4793.jpg

こちらのシステムはMINIPCで制御しています。
安定したバージョンで運用していますので、昨日のような接続不良などがない限り問題が起きないと思いますが。。。


2022-10-20-9.jpg

2022-10-20-8.jpg

機材の自動接続→リモートでの架台操作→フォーカス調整→PlateSolveing→ASILiveでのスタッキングと一連の操作をしてみましたが問題無しです。

環境が安定していると快適ですね。

ベランダは南側なので、北側の対象は機材チェック後双眼鏡で短時間観望しました。(若干霞があるようで、小口径の手持ちだとイマイチでしたので力技で7cmを手持ち観望しました。このくらいの集光力があれば若干の霞があっても結構見えます。)

昨晩同様冬の対象まで粘ろうかとも思いましたが、昨日のコントロールボックスの修理で結構遅くまで作業しましたのであまり無理せず撤収します。。。


追伸
撤収しようと外に出たら屋根からギリギリプレアデス星団が顔を出したので、スタッキング。

2022-10-21-1.jpg

2022-10-21-2.jpg

以前記事でご紹介したKStarsのFitsビューアで表示するとこれくらいに見えます。
霞があると星が肥大しますね。
ガスなどはこちらのほうが見やすいです。
更にこれまた以前ご紹介した多段スタッキング→KStarsのFitsビューアだとこんな感じ

2022-10-21-3.jpg

2秒+5秒+10秒の多段スタッキングです。(最初のは5秒のみ)長時間露光の画像が増えたのでアンプノイズが若干増えてしまいましたが、ガス星雲などの情報はこちらのほうが多いです。

もう少し枚数増やしてランダムノイズ減らせば情報量の多い画像を取得出来るので画像処理が楽になりますよ。

天体という特殊な対象を撮影して更に画像処理などをして仕上げる場合、撮影前にさまざまな注意が必要になります。
その場合、単項目だけに着目しても改善されません。
以前も少し触れましたが、今回は撮影前段階の留意点に絞り記載します。

●モニタの問題
きちんとキャリブレーションされているでしょうか?色温度は?ガンマ値は?
私はコマーシャル・フォトの設定(色温度5000、ガンマ値1.8でホワイトバランス調整)で調整してありますが、この部分の調整がなされていないと撮影後目視で画像処理の調整を行う時にミスが起きやすくなります。
EAAなどのようにモニタ鑑賞をする場合は更にモニタが果たす役割は大きくなります。

必ず調整してホワイトバランスを取り、バンディング(階調飛び)などが出ない設定にしておきましょう。


●架台の問題
天体機器で最も無理な操作をしている部分の一つになります。
(バーベルでバトンをするような作業を続けていますね。)

オートガイドなどで制御信号を加えてもエラーが出やすい状況です。
可能な限り、制御信号を入れなくても追尾状態が安定する状態(正確な極軸合わせ、架台に無理をさせないガイド設定)にしておきましょう。

架台の状態は撮影画像の解像度に非常に影響を与えます。
(ブレればブレるほど解像度が下がります。)


●大気の状態

・空の透明度
・シンチレーション(大気のゆらぎ)
・空の明るさ(外光+大気上のチリ)


上記が少ない環境で撮影できるのが一番ですが、残念ながら日本にはこの条件を全て満たせる所がほとんどありません。
(島国ゆえにシンチレーションは避けられませんし、空の明るさは世界でもトップクラスです。)

空の透明度以外はある程度回避出来る手段があります。
・シンチレーション→ラッキーイメージング(短時間露光+他枚数スタッキング)、スタッキング+画像処理でも効果があります。
・空の明るさ→フィルターワーク(理想はモノクロの撮像素子でカラーフィルター撮影ですが、カラー撮像素子+バンドパスフィルターでもある程度の効果はあります。)、ただしフィルターワークを行うということは露光時間がその分伸びますので架台に対する要求がより高くなります。


●撮像素子の設定
使用する撮像素子がどのようなものかにより、設定が全く異なります。

●一眼デジカメ+画像処理エンジンを使用する場合
カラーバランス、ノイズ処理などが画像処理エンジンで自動的に調整されます。
ただし、長期露光時のデットピクセル、アンプノイズにまで配慮されていません。
冷却機構もありませんので、長期露光時はアンプノイズ+暗電流ノイズ+デッドピクセルの対策も必要です。

とここまで書いていますが、実は最も簡単にある程度の画質で撮影できる方法です。
なぜなら画像処理エンジンが自動的にノイズ処理、カラーバランス設定などを行ってくれているので、画像が破綻しづらいからです。
天体撮影では何故かカラーバランスに触れられることが少ないですが、後処理を考えると非常に重要な部分です。

欠点はJpegでしか撮影出来ないので、自動的に8ビットの色領域に狭められてしまうことですが、これはスタッキングでかなり解消できます。

●一眼デジカメ+Rawを使用する場合
一眼デジカメを使用する場合、もっともメリットが少ない方法です。ISO、ホワイトバランス、いくつかのノイズリダクションがバイパスされます。(チップレベルで前処理が働いているものはバイパスされません)
唯一メリットになるのは16(または12)ビットのデータを取り出せることです。

画像処理エンジンが行っていた前処理要素、後処理要素を全てユーザーが手動で行う必要があります。
データも重くなり、転送時間もかかりますので時間あたりの撮影数が減りますし、PCに転送などを行えば不要なアンプノイズの原因(転送エラー)が増えることにもなります。

唯一のメリットであるハイビット画像の取得に関してもスタッキングを行うのであれば画像処理エンジンを使用した場合との差を付けづらくなりますので正直現状ではおすすめできません。


●天体カメラの場合(カラー)
原則的にRaw(天体位置情報をつけてFitsになっている場合も)での撮影になります。
一眼デジカメ+Raw画像の撮影に近い状況ですが、冷却機構を持っている場合は温度に起因するノイズを大幅に減らすことが出来ます。

実はRawといっても多かれ少なかれDSP(撮像素子の事前処理)の設定が撮影結果に影響してしまいます。
その中で一番影響が出るのがGainと撮像素子の電荷量、撮像素子の感度になります。

・Gainについて
撮像素子が受け取った電荷を増幅する機構になります。
回路上での増幅と計算上での増幅の2種類があります。
いずれにしても撮像素子が電荷を受け取っていないと増幅のしようがありませんので、撮像素子が電荷を受け取れるだけの露出時間が必ず必要になります。(モニタで見えることと同義ではありません)

・撮像素子の電荷量について
露出時に取得出来る電荷量が多いほど、長時間露光が可能になります。
電荷量を超えた露出は情報が切り捨てられますので意味がなくなります。(が、淡い対象を取得するためにその部分のみの情報をSN高く取り出す目的においては利点があります。この場合は露出が少ない画像とセットで扱います。(多段露光))

・撮像素子の感度について
撮像素子が撮影をした場合、電荷として蓄えることができる最小の明度を記します。
気をつけないといけないのはある程度露出をかけないと電荷の有無を目視で確認が出来ないことです。

撮像素子には固有のノイズがあり、明度0の状態で撮影してもノイズの影響で真っ黒に写りません。(暗電流ノイズ、アンプノイズ、デッドピクセルなどなど)

高感度の撮像素子は短い露出時間で電荷を受け取れるのですが、露出時間が短い場合はノイズと判別が出来ません。

この状態で識別する方法は2つです。
・Gainを高くする
・露出時間を少し長くしてノイズと目視で見分けられるようにする

Gainを高くする方法は後処理でトーンカーブを調整するのとほとんど同義になります。(多枚数のスタッキングを行えば、ノイズと信号を見分けやすくなりますが、情報が少ないので階調が少なく、輝度の高い情報は破綻します。)
露出時間を少し長くしてノイズと目視で見分けられるようにする方法は電荷量が増えますので確実に画質がよくなります。

ここでもう一つ問題があります。
撮像素子は色により感度が異なってくるということです。
しかも、天体カメラの場合カメラ側で感度の違いに対する校正値をもっていません。
そのため、カラーによっては電荷が飽和したり、露出が不足したりといった不具合が出ます。
ユーザー自身が校正情報を事前に取得しておく必要があります。(フィルターを使用する場合もカラー画像にしたいのであれば同様です)


最も簡単な方法は暗闇で白い紙が白く写るように設定しておくことです。
この場合感度を犠牲にしないのであれば、信号が弱い情報を強調、画質を優先するのであれば飽和しやすい信号の情報を低く設定します。

撮像素子の感度が高く、飽和電荷量が大きいものを使用するのがもっとも効率良く撮影が出来る方法になりますが、一眼デジカメのような画像処理が行われませんので、前処理的な情報を事前にユーザーが準備する必要があります。
(一眼デジカメで言えば、ISO、ホワイトバランスに該当する要素、ノイズは後処理しかありません。)


●天体カメラの場合(モノクロ+フィルター処理)
Raw(fits)で画像を扱うのはカラーカメラと同様ですが、カラーカメラのようなカラーフィルターに起因する留意事項が無くなりますので問題の切り分けが明確になります。

このカメラを使いこなす方にとっては上記の情報などは釈迦に説法になるでしょう。
事前にフィルター特性に合わせた校正値の取得などは必要ですが、ユーザー側でほとんどの撮像項目を調整出来ますので、もっとも高品質が画像を取得出来ます。

カラーにするにはフィルター撮影が必要ですが、飽和電荷量と感度の関係を意識して設定すれば良いです。

唯一の注意点はGainになります。
撮像素子の特性グラフで最もレンジが稼げる設定で撮影するのが最も効率的でしょう。


と、いろいろ注意点がありますね。
ネットなどを拝見していて少し気になるのは非常に側面的な情報に偏ってしまっていることで、本当の問題点が洗い出せない状況になっていることかと思います。

目で見て最も多くの情報を取得するのはモニタですが、この設定について触れている記事はほとんどありません。
いわば、盲目状態で自分のモニタに写っている状態を判断している状況が多いのではないかと感じます。(しかもそのモニタですら調整されていたとしても8ビット(カラー24ビット)の情報が確認できるだけです。)画像をスタッキングなどで仕上げるには程度撮像素子の特性に合わせた撮影計画を事前に立てて調整する必要があります。
(調整されていないモニタ情報のみに頼った場合、必ず出口の無い迷宮に迷い込みます。撮像素子の特性に合わせた撮影(撮影時の設定を含め)も非常に重要な要素になります。)

上記欠けているピースを埋めることが問題解決の早道になると考えます。

。。。と記載しましたが、天体の趣味ってもっと幅広く楽しめると思うんですけどね。(眼視観望だって楽しいですし、機材の自作なども楽しめ(苦しいかも(笑))ます。)

人口分布から撮影部分(もしくはスペック情報)に話題が集中しがちですが、多くの人に天文を楽しんで欲しいなと個人的には考えています。(これから始めようとする方がドン引きして逃げませんように、いろいろ楽しめる趣味ですよ!!)


追記
上記の通り一眼デジカメのRawと天体カメラのRawは完全に同じではないと思います。
一番異なる点として露出時の各フィルタでのデータ取得の段階で前処理が働いているのが一眼デジカメ、ユーザー任せなのが天体カメラと認識しています。一眼デジカメの画像処理の詳細は技術者にしかわからないですが、データ取得段階で自社の撮像素子の能力を引き出す調整は行われているでしょう。
このあたりの敷居がもっと下がれば良いなと思います。(賢いオート設定など)


先に記載しましたASTAPのライブスタッキングがシングルボードコンピュータも含め、全ての環境で使用可能になりました。

ダウンロードはこちらから。
(まだ本サイトにはライブスタッキングに関しての詳細の記載はありません。2019年10月23日付け以降、バージョン0.9.286以降であれば搭載されています。INDIのフォーラムが一番情報を確認しやすい状況(苦笑))

フォーラムでのやり取りでわかりましたが、指定したフォルダを監視して保存された画像を順次スタッキングするWindows版のASTROStackのような処理方法でした。

SharpCapのような実装を期待していましたので、少々残念ですが、EkosやCCDCielとの連携はこれから進行するため、使いやすくなることに期待したいと思います。

しかし、INDIドライバにはローカルでの使用であればネイティブドライバにも負けないほど高速なストリームモード(動画用)があるのに、なぜそちらを使用しないのでしょうね。
オートガイドやオートフォーカス、そしてライブスタッキングなどはリアルタイム性が求められるのでこのモードを使用したほうが快適になるのですが。。
INDIドライバを扱うソフトは標準で静止画をループ再生する仕様になっています。(とても遅くなります。)

リモートでドライバを使用できるというメリットを最大限に活かせるような仕様に変更されてほしいものです。
(ASTAPの新機能紹介がINDIドライバの愚痴に。。(笑)天気も悪く実践確認は当分先になりそうです。)

放置プレーだったMacProが怪物になって再登場するようです。(詳細はこちら

4K映像や3Dアニメ制作用でしょうか。。
(中身はすごいけど外観はかなり微妙。。)

天体用だとWindowsで言う所のMiniPCのようなものが欲しいのですが、最軽量なMacMiniでもオーバースペックです。(特に遠征時の電力消費量が。。)

現在INDIサーバ・ドライバやINDIGOサーバ・ドライバなどを最も簡単に使用できるのはMacですが、天体向けのマシンがありません。。

逆転の発想としてサーバを高性能なSBCに任せ、処理をMacでといった使い方もありますがそうなるとSBCにも10Gbitイーサが欲しくなります。。。

まあ、少し様子見ですかね(金も無いし。。((泣))

v0.9.278のASTAP(OSX、Linux、Windows全てのバージョンですが、SBC版は現在未対応)でライブスタッキングが可能になりました。
SBCなどではCCDCielで簡易的なライブスタッキングが可能でしたが、スタッキング・Solverが可能なASTAPにこの機能が搭載されたことは非常に可能性を拡げてくれると思います。

この情報はINDIフォーラムで取得しましたが、INDIの開発者、ASTAPの開発者、CCDCielの開発者が話し合って進行しています。(Ekosの次期バージョンでASTAPへの対応も行われるようです。)

ASTAPはソフトを起動しなくてもSolverが出来たりと連携に便利な機能がありましたが、使用できるのはCCDCielとAPTのみでした。
Ekosとも連携できるとなるとStellarMateやAstroberryなどRaspberryPiのディストリビューションにも組み込まれる可能性があります。

なかなか楽しみな状況になってきました。
静止画のスタッキングが快適に操作できたので、少し期待しながら以前撮影した惑星の動画からスタッキングを試しました。

タイトルでお察しかもしれませんが、今回のチェックではスタッキングまでうまくいきませんでした。
静止画同様の手順だと大量のFitsファイルができてしまいます。(回避方法も見つけましたが、スタッキングがうまくいきませんので割愛)

掘り下げようかとも思いましたが、手順的にも惑星の動画スタッキングに関してはLynkeosに軍配が挙がりそうです。

スタッキングソフトを試す中で(私にとってですが)それぞれのソフトの得意とするところが見えてきた感じです。

・SIRILは静止画スタッキング、画像処理などが得意
(というか、使いやすい)

・ASTAPは独自のPlateSolverが売り
(Mac、Linuxであれば、CCDCielと連動、WindowsであればAPTと連動できます。)

・Nebulosityは売り物だけあって、スタッキングも画像処理も撮影もそこそこ使いやすい。
(それぞれの機能的には若干古さがあります。。)

惑星のスタッキングに関してはMacの場合はLynkeos、Windowsは選択肢が沢山ありますのでそれぞれが得意な部分で使用したほうが快適かもしれません。

SIRILでの惑星スタッキングも、もう少し試してみようと思いますが、私は今の所は使い分けが無難かなと感じています。
以前紹介しましたSIRILでのスタッキング処理を記載します。

このソフトは静止画のスタッキング処理(星雲・星団)、動画のスタッキング処理(惑星)、画像処理などを行うことができます。
スクリプトを用いれば他のソフトとの連携も可能です。

スタッキング処理に関しては以下の流れで操作します。

1.画像(映像)の選択(画像の場合は複数枚選択可能)
2.シーケンスファイルの作成(スタッキング処理の管理ファイル)
3.フラットファイル、ダークファイルの選択
4.処理方法の選択、設定
5.処理の実行


特徴的な部分としてはシーケンスファイルを作成してスタッキング処理全般の設定(画像選択、前処理(フラット、ダーク)、スタッキング処理の設定)をファイルとして保存しておくことです。
これにより管理が非常に楽になります。

画面操作も上部タブを切り替えていけば作業が完了しますのでわかりやすく感じます。

では実際に操作してみましょう。

193.jpg

1.上部のFile conversionタブをクリック
2.Addボタンをクリック→ダイアログボックスでスタッキング処理する画像を選択
(Macの場合はコマンドキー+クリック、Windows、Linuxの場合はコントロールキー+クリック)
3.シーケンス名を入力
4.Convertボタンをクリック
5.(シーケンスの保存場所を変更したい場合は4の操作の前にChange dirボタンをクリック→ダイアログボックスで保存場所を選択

上記操作でスタッキング処理を管理するシーケンスファイルが設定されます。
Convertボタンをクリックすることで中間ファイルとして選択した画像のfitsファイルがシーケンス名+連番で生成されます。(すべての処理がシーケンス名と連携するので管理がしやすくなります。)

fitsファイルが生成されるとプレビューWindowが開き画像が表示されます。

195.jpg



194.jpg

1.上部のSequenceタブをクリック
2.先程作成したシーケンスを選択(自動選択されていると思います。)

このタブでの操作はこれだけです。作成したシーケンスが自動選択されていない場合は2部分をクリック長押しで選択します。



196.jpg

ダークファイル・フラットファイルがある場合は以下の操作を行います。
1.上部のPre-processingタブをクリック
2.フラットファイル、オフセットファイル、ダークファイルそれぞれのBrowseボタンをクリック→ダイアログボックスからファイルを選択
3.使用するファイルのチェックボックスをチェック
197.jpg

次にスタッキングの際のアライメント方法を決めます。

1.上部のRegistrationタブをクリック
2.フリップメニューよりアライメントメソッドを選択(種類は下図)
198.jpg

3.フリップメニューより処理アルゴリズムを選択(種類は下図)
199.jpg

4.Go rejisterボタンで処理を実行(処理中は下図のようにプレビュー画面にアライメントポイントが表示されます。)
200.jpg



201.jpg

スタッキング処理の設定を行います。

1.上部のStackingタブをクリック
2.フリップメニューよりスタッキングメソッドを選択(種類は下図)
202.jpg

3.ノーマライズを行う場合はフリップメニューより選択(種類は下図)
203.jpg

4.Rejectionを行う場合はフリップメニューより選択(種類は下図)
204.jpg

5.Start stackingボタンを押しスタッキング

上記でスタッキングファイルがfitsファイルで作成されています。

カラー画像をそのまま別ファイルで保存したい場合は RGB imageという別ウィンドウに表示される画像を右クリックするとファイル形式を選択して保存できます。(下図参照)

205.jpg



記事にすると大分長くなりますね。
実際の操作はあまり迷う部分もなく快適に行えました。

今回は静止画のスタッキング処理を行いましたが、惑星撮影で行われる動画処理もこのソフトで行えるようですし、面白い機能としては静止画から動画も作成できるようです。

今後はそれらの機能についても記載しようと思います。



















以前この記事で概要を記載しましたが、もともとはWindows用のIRISというスタッキング・画像処理ソフトをLinuxに移植したソフトだったようです。

しかし、現在はLinux以外にもMac、Windowsでもインストール可能になり、幅広いOSで使用できるスタッキング・画像処理ソフトになっています。

基となったIRISが非常に難しかったため敬遠していたのですが、少し使用してみたところスタッキングなど主要な操作はかなり使いやすくなっていると感じました。
フランス語や英語ですがマニュアルもしっかりしています。(Google翻訳でだいたい読めてしまいます。)

スクリプトを使用して機能を自動化出来たり、他のソフトと連携もできるようです。

多機能な割には使い方に癖も無く、おすすめできるソフトかなと思いましたので項目を新たに追加しました。
ASTAP同様日本語の説明サイトがありません。。。
少しずつになると思いますが、このソフトの使い方なども(わかる範囲で)記載していこうと思います。


余談
天体趣味を再開した頃はMacで使用できる天体アプリが非常に少なかったため、Windowsを使用していましたが今はとっても充実しました。
ラズパイなどのシングルボードコンピュータも実用になりましたし、環境構築の幅が拡がりました。
このサイトも皆様の環境構築の一助になれば良いなと感じています。
良い情報がありましたらぜひご連絡下さい。





ASTAPは画像のスタッキング機能、画像処理機能、Plate Solver機能の3つの機能がセットになったソフトです。
Plate Solver機能に関しては、独自エンジン、Astrometry.netサーバの使用の2種類を選択できるようになっています。

この中でも独自エンジンのPlate Solver機能に関してはASTAPを起動しなくても他のソフトと連携できるようになっています。

それぞれのソフトでの連携方法を記載します。


CCDCielとの連携
CCDCielとの連携方法、設定などに関してはこの記事にまとめてありますのでご参照ください。

APT (Astro Photography Tool)との連携
APTを使用する場合はPlateSolve2代替で使用できます。

手順としては
1. ASTAPをWindowsにインストールします。
 64ビットの場合はこちら、32ビットの場合はこちら
2.インデックスファイルをインストールします。インデックスファイルはこちら
3.インストールしたASTAPアプリの名前を以下のように変更します。
 ASTAP.EXE→Platesolve2.exe
4.APTのpointcraft→settingsで上記変更したアプリ名を選択します。

以上です。

ASTAPの独自エンジンによるPlate Solverはインデックスファイルのサイズが小さく、計算も早いので便利に使用できます。(ASTAPを立ち上げていなくても使用できます。)

今までのPlate Solverエンジンでうまく機能しなかったり、インデックスファイルが大きすぎてインストール出来ず使用を諦めていた方にとって救世主になるかもしれません。

残念ながら日本での使用者が少なく説明しているサイトが見当たりませんが、便利に使えるソフトですので興味ある方はお試しください。

ASTAPはPlateSolver、スタッキング(位置合わせにPlateSolverを使用できる)、画像処理まで行える多機能なソフトです。(Mac、Windows、Linux全ての環境で使用できます。)

今回はASTAPでのスタッキング処理の手順のみを記載します。

私自身まだ未理解の部分も多いので簡易の手順としてご確認ください。


181.jpg

ASTAPを立ち上げると上図のウィンドウが表示されます。
赤枠部分をクリックしてスタッキングメニューウィンドウを表示してください。
※画像を読み込んだ際のプレビューは画像プレビュー部分に表示されます。

ASTAPはこの画面と下図で登場する上部にタブが多数あるStacking Menuウィンドウで操作する感じです。


182.jpg

1.上部の Image タブクリック
2. Browse ボタンをクリックし、処理する画像を選択する


183.jpg

1. Option ボタンをクリック
2.フリップメニューから選択する画像のファイルフォーマットを選択
3.リストから読み込む画像ファイルをコマンドキー(WinやLinuxはコントロールキー)+クリックで選択(複数枚選択可能です。)
4.Open ボタンをクリック


184.jpg

そうするとスタッキングメニューウィンドウに画像ファイルの情報がリスト化されます。
ちゃんと表示できるかリストをどれか一つをダブルクリックして画像プレビュー画面に表示されるか確認してください。(この作業を怠ると下記fitsファイルへの変換ができなくなるようです。)
リストが?で表示されています。

仕様的にfitsファイルに変換が必要なようなので以下操作を行います。


185.jpg

1.リストから読み込む画像ファイルをコマンドキー(WinやLinuxはコントロールキー)+クリックですべて選択
2. Analyse and orgainse images ボタンをクリック

fitsファイルへの変換が始まると青枠部分にログが表示されます。


186.jpg

赤枠部分が?から情報表示に変更されれば変換終了です。


187.jpg

ダークファイル、フラットファイルがある場合は上部タブをクリックして上記変換操作を行いましょう。


189.jpg


スタッキングのためのアライメント項目を設定します。
売りであるPlateSolverを用いた位置合わせもここで設定します。
(今回のファイルではPlateSolverが解析できなかったので推奨されているStar Alignmentを使用します。

1.Alignment タブをクリック
2.Star Alignment ラジオボタンを選択

上記で設定が終わりです。
イメージタブでスタッキングする画像を選択してから

3.Stack check marked image ボタンをクリック

これでスタッキング処理が行われます。
進行状況はログウィンドウに表示されます。


190.jpg

処理が終了したら
1. Results タブをクリック
2.リストにスタッキングされた画像ファイルがあるのでダブルクリック→プレビュー画像表示部分で確認
(何故か実際の画像の明るさと異なる表示になりますが、ファイルを書き出すと元に戻ります。)


191.jpg

1.アプリケーションメニューより File をクリック
2.書き出したいファイル形式を選択して保存(私はフォトショップで画像処理したいのでTiffにしました。)

192.jpg

私は画像処理は使い慣れたフォトショップで行いました。
ASTAPにも画像処理機能がありますが、まだ使いこなせておりませんし長くなりそうなので今回はスタッキング手順のみで終わりにします。

触り程度の内容になってしまいましたが、興味ある方はお試しください。













以前この記事で取り上げたASTAPをMacにダウンロードしてチェックしてみました。


116.jpg

Mac版はPlate Solveの解析ファイルも同封されているため、インストーラーでインストールすれば終了です。
(Linux版などは別々にインストールが必要)
今回は取り溜めたJpegファイルを使って単独でチェックしてみました。
Plate Solveとスタッキングの両方が行える便利なソフトとの触れ込みですが、Jpegファイルを読み込んでもPlate Solveができません。
(架台とつないである程度の位置情報をソフトに読み込ませないとダメなのでしょうか。。。)

スタッキングに関してはJpegファイルからも無事に行うことができました。
自動的に中間ファイルとしてfitsファイルが生成されます。

Macでは数少ないスタッキングソフトですし(しかも無料)、Plate Solve機能に関しては他の環境より大分軽いようですので、ある程度使い方がわかったら記事にまとめようかと思います。

ASTAPおそらくシングルボードコンピュータ、Windows、Macすべての環境で使用できるスタッキングアプリだと思うのですが、ファイル形式がFITS、またはRawファイルのみのため、私が所有している既存ファイルで検証することができませんでした。→Jpegファイルも使用できました。

サイトを見るとどうやらスタッキングの位置合わせを最初に読み込んだファイルをSolverで分析して(Solver機能も内蔵している)他のファイルの位置合わせもおこなってくれるらしい。

Solver機能に関してはAPTやCCDCielとも連携できるようで使いこなせばかなり面白い存在かもしれません。

私は現在EkosからローカルAstrometry.netサーバを参照して位置解析を行っていますが、このアプリをCCDCielと連携させて位置解析〜スタッキングまでを行う方法も面白そうですね。

選択肢が増えるのは大変喜ばしいことですが、習得には苦労します。

Astrometry.netよりは大分軽量なようなのですでに使いこなしている方がいらっしゃいましたらぜひ操作感を教えてください。

このカテゴリでは私も天体撮影、スタッキング、画像処理で使用しているNebulosityを紹介します。
このサイトではインストール方法や、概要記事は省き、タイトルに使用目的、記事で説明というスタイルで紹介していきます。
タイトルでご自身の使用目的と照らし合わせ、記事で操作方法や、設定を確認する流れになります。

ソフト名の項目は上記に則って記載しますので、ご使用状況で必要な部分をお読みください。
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TーStudio

Author:TーStudio
色々工夫しながら星空を楽しんでいます。
興味あるカテゴリを選択してお楽しみください。

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