fc2ブログ

★天体アプリのカテゴリー記事一覧


---------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------
メイン

このカテゴリでは私も観望、望遠鏡制御で使用しているSkySafariを紹介します。
このソフトを紹介するページはいくつかありますので、このサイトではインストール方法や、概要記事は省き、タイトルに使用目的、記事で説明というスタイルで紹介していきます。
タイトルでご自身の使用目的と照らし合わせ、記事で操作方法や、設定を確認する流れになります。
ソフト名の項目は上記に則って記載しますので、ご使用状況で必要な部分をお読みください。
スポンサーサイト



このカテゴリでは私も惑星撮影画像処理で使用しているLynkeosを紹介します。

このサイトではインストール方法や、概要記事は省き、タイトルに使用目的、記事で説明というスタイルで紹介していきます。
タイトルでご自身の使用目的と照らし合わせ、記事で操作方法や、設定を確認する流れになります。
ソフト名の項目は上記に則って記載しますので、ご使用状況で必要な部分をお読みください。
このカテゴリでは私も天体撮影、スタッキング、画像処理で使用しているNebulosityを紹介します。
このサイトではインストール方法や、概要記事は省き、タイトルに使用目的、記事で説明というスタイルで紹介していきます。
タイトルでご自身の使用目的と照らし合わせ、記事で操作方法や、設定を確認する流れになります。

ソフト名の項目は上記に則って記載しますので、ご使用状況で必要な部分をお読みください。
SkySafari(Plus以上)をインストールしたらまずはじめに行う設定を記載します。

SkySafariの特徴として

・観望計画リストが作りやすい(実際に対象を写真で確認できる。)

・設定ファイルをスマホのSkySafariと共有、同期できる。
(おそらく唯一の機能、自宅PCで設定を済ませればスマホの情報も同期してくれるため、現地での設定をしなくて良い)

・望遠鏡制御の対応機器も豊富、KStarsとも連動できるため撮影環境の望遠鏡リモート環境としても使いやすい。

この設定を事前にしておけば上記特徴を譲受できます。

では始めましょう。


1.必要な観望地の緯度経度の登録(ロケーション設定)
観望に行く場所すべてを事前に登録してしまいます。(Mac版のみ、iPhoneなどはGPS情報を取得させる設定にします。
(図の連番の順に操作します。設定画面はどのような設定でも常に左側に表示されます。)

1.ロケーションボタンを押す→2.地図から選択ボタンを押す→3.地図から観望地を探し、マウスをクリックホールドしてピンを出す。→4.名前を登録(半角英数字)→5.設定を保存
上記1〜5を必要数繰り返し6のボタンで終了します。

001.jpg



2.画面の表示設定を行います。
見やすいように図の赤枠部分ボタンの表示設定を行います。
左側の設定画面の一番上のチェックボタンを押すと以下項目が表示されます。
右から順にSolar Sys(惑星表示)、Stars(星)、Deep Sky(銀河、星雲、星団)、Milky Way(天の川)、Const(星座線)、Grid(赤道線、もしくは地平座標)です。

002.jpg



3.観望リストの項目設定
観望リストの項目を事前に登録しておきます。
私は春夏秋冬の4項目を追加して、季節ごとに見やすい対象を登録しています。
(観望対象の登録に関しては、別項目で扱います。初期設定としては、今後使いやすいリストの項目づくりになります。)

登録は以下のように行います。
1.Seachメニュー→2.Ovserving Listを選択→3.プラスボタンで項目を追加(必要数繰り返し)→4.終了後にDoneボタンで確定。

003.jpg



4.設定した情報の共有設定
SkySafariの他にない機能の一つ、設定した情報の共有設定を行います。
作業しやすいMacで初期設定を行ってしまえば、iCloud Driveを使用してiPhoneやiPadと同期してくれます。
家で画面を確認しながら観望リストを作り、観望地でiPhoneやiPadで確認といったことが可能です。
さらに、KStarsにはSkySafariの連動機能がありますので、SkySafariの観望リストから撮影対象を選び、望遠鏡制御を行い、KStarsのEkosを用いて、撮影スケジュールの設定、フォーカス制御、Plate Solving、オートガイドといった撮影機能と連携できます。

では設定です。

1.システム環境設定からiCloudを選択→2.iCloud Driveチェックボックスにチェックを入れる→3.iCloud Driveオプションボタンをクリック→4.SkySafariチェックボックスにチェックを入れる。(システム環境設定終了、以降SkySafari設定)5.Settingメニューをクリック→6.メニューからStorageを選択→7.iCloud Driveラジオボタンをクリックして選択→8.Doneボタンを押して終了。

004.jpg

005.jpg

006.jpg

007.jpg



5.所持する望遠鏡、アイピース、双眼鏡、カメラの登録
面倒ですが、あと一息です。
所持している望遠鏡、アイピース、双眼鏡、カメラの情報を登録しましょう。
この情報を登録しておくと、観望計画の際にその機材の視野を表示して観望シミュレーションができるようになります。

1.メニューTelescopeをクリック→2.Equipment...を選択→3.プラスボタンで所持する機器を登録、名前をつけて保存→4.Doneボタンで登録完了

img_0001.jpg



お疲れ様でした。

以上で観望用の初期設定は終了です。以降は機材が増えない限りする必要はありません。
スマートフォンもiCloud Driveの設定を行えば、Macで登録した情報が反映されます。




ここでは、SkySafariで必ず使用する基本操作を記載します。
画像に示した順番がだいたいの操作順になります。

009.jpg

※暗いところではボタンを押して赤色画面にしておきます。

1.対象をクリック→対象を選択

2.センターボタンを押して対象を中央に表示

3.対象の詳細表示(画面左側に表示されます、対象をダブルクリックでも表示されます)

4.ズームイン・アウト(2で対象を中央に表示しておけば拡大・縮小しても位置がずれません。スクロールホイール、トラックパッドを二本指上下でも操作可能です。)


その他の機能として
・星図をドラッグ→ドラッグ方向にスクロール(カーソルキーでも操作可能です。)
・対象を左クリック(コントロールキー+クリック)→メニュー表示(このメニューで、対象を中央に表示することも可能ですし、初期設定で準備した観望リストへの登録も可能です。)

以上です、3、4の順番は状況によって変わります。
対象が、銀河、星雲、星団であればズームしていけば写真がみえます。
惑星や月ですと、その時間の詳細な状況を確認できます。

基本となる操作は至ってシンプルで直感的です。

拡大表示で多くの天体の写真を見ることができるのはSkySafariの特徴です。
おそらく望遠鏡を使って目で見えるものはだいたい網羅してそうです。
観望対象・撮影対象の選定で大きな武器になります。

Mac版に慣れればスマホ版もすぐに使いこなせるようになりますので、使い慣れておきましょう。(なるべくボタン操作を中心にすると更にスマホ版に慣れやすくなります。)





設定の共有・同期と並んでSkySafariの特色となる便利機能です。
ハイライト表示された星図をプリントアウトすれば、おすすめ対象入りの星図ができあがります。
観望時・撮影時にも便利に使えますし、観望シミュレーションにおいてもハイライト表示をクリック、中央表示してズームインすると写真が見えるため、目で確認しながらどのような対象かを確認でき、非常に直感的に操作できます。

010.jpg

1.メニュー:Seachをクリック→2.Tonght's Bestを選択→3.フリップメニューから表示順を選択(私は明るい対象順をよく使用しています。リスト内容は変わりません。)4.Highlight Objectチェックボックスをチェック

以上の設定で上図のように青丸でおすすめ対象が囲まれます。
左側のリスト表示の文字が暗い対象は、現在見えないもの、明るい文字の対象が見えるものです。

対象を選択→中央表示→ズームインで写真付きでおすすめ対象を確認できます。
写真を見て良さそうであれば、対象を右クリックして、初期設定で作成した観望リストに登録しても良いでしょう。
左側リストをクリックしても対象を中央表示できます。
SkySafariのこの機能のおかげで知らなかった対象を数多く知ることもできましたし、なにより観望・撮影の効率が格段にあがりました。

ぜひお試しください。


この機能は望遠鏡制御機能が付いたプラネタリウムであればほとんど使用できますが、
SkySafariの場合は、拡大表示すると対象の写真を見ることができるのでその機材でどのように見えるか、撮影できるかをシミュレーションできます。

011.jpg

1.メニュー:Telescopeをクリック→2.Displayを選択→3.歯車マークをクリックして設定した機材の組み合わせを選択(下図参照))→4.設定した機材のチェックボックスをチェック


012.jpg

3の設定画面はこんな感じ。
フリップメニューから初期設定で登録した機材名で選択します。


013.jpg

上の表示は望遠鏡にデジカメを接続した視野、オフアキシスガイダーのCCDの視野、双眼鏡の視野を同時に表示しています。
(オフアキシスガイダーはガイドカメラの設定を修正してオフセットを入力すると上記のように表示できます。)

このようにカメラで撮影するとどのような画角になるか、双眼鏡で観望するとどのように見えるかをシミュレーションすることができます。

気に入ったら対象を右クリック(コントロールキー+クリック)で表示されるメニューから観望リストに登録しても良いでしょう。



初期設定で観望リストの項目を登録しました。
ここでは、その項目に対象を登録し、活用する方法を説明します。

img_0000.png

対象を右クリックして表示されるメニューから
Add ○○○ to Obserbing Listを選択します。(この例ではプレアデス星団)

そうすると下図のようなリストが表示されます。
初期設定で登録した項目が表示されますので、登録したい項目をクリックしてください。
プレアデス星団ですので冬が良いですね。

014.jpg

これで登録は完了です。

観望リストから登録した対象を見たい場合は以下になります。


015.jpg

1.メニュー:Seachをクリック→2.Observing Listsを選択→3.見たいリストを選択

これでリストが表示されます。
4のチェックボックスをクリックするとリストに登録された対象をハイライト表示できます。
項目のリストが全てハイライト表示されますので、便利機能1で記載したおすすめ対象のハイライト表示同様便利に使用できます。

便利機能1〜3を組み合わせると観望時、望遠鏡制御時、観望シミュレーション時など
いずれの場面でも効率よく対象確認や、選択ができます。

ぜひお試しください。




2018.12現在Ekosではまだライブスタッキングを行うことができません。
Macでライブスタッキングが可能なソフトはいくつかありますが、INDIクライアントでライブスタッキングを行うことができるCCDCielでの操作をご紹介します。



前提条件として以下の準備をしておいてください。

・マウントの緯度・経度・時刻の設定、ハンドコントローラーのアライメント操作を完了させる。(マウントが動作状態になっていること)

・プラネタリウムソフトの起動、マウント操作が行えるよう設定を完了していること
KStars・Ekos、またはCiel Sky Chartなど)



おすすめの操作としてはKStars・Ekossでマウント、フォーカサー、CCDなどを動作可能状態にしておいて、CCDCielを併用してライブスタッキングを行う使い方です。

(ここではKStars・Ekosと併用する使い方を紹介します。)

KStars・Ekosで動作確認後CCDCielを立ち上げます。




091.jpg

メニュー:File→Device Setup を選択




092.jpg

インターフェイスタブから

1.ラジオボタンを "INDI" にする

2. Connect and get devices list ボタンを押し、準備したデバイスを認識させる。(デバイスが見つかると下に表示される)




093.jpg

1. Camera タブをクリック

2. フリップメニューから使用するカメラを選択(ここではZWO CCD ASI120MC)

3. Load configuration on startup をチェック

4.ラジオボックスを "Network"




094.jpg

1. Focuser タブを選択

2. Use focuser をチェック

3.フリップメニューから使用するフォーカサーを選択(この例ではMoonLite

4. Load configurarion on startup をチェック




095.jpg

1. Mount タブを選択

2. Use mount をチェック

3.フリップメニューから使用するマウントを選択(この例ではSkywatcher Alt-Az)

4. Load configurarion on startup をチェック

5. OK ボタンで設定を終了。


※ローテーターなど他にも接続しているデバイスがある場合は同様の手順を繰り返します。




096.jpg

メニュー: Edit→Preferences を選択




097.jpg

1. Preview タブをクリック

2. カラー表示をする場合チェック(ドライバによっては外すことでカラーになるものもあり)

3.スライダーでカラー調整

4. Show preview stack oprion をチェック(チェックしないとスタッキングのチェックボックスが表示されない)

5. OK ボタンで確定




098.jpg

1.Control タブをクリック

2.Conect ボタンをクリック(下に動作可能なデバイスが緑色で表示される)

3.Stack チェックボックスをチェック

4.Loop ボタンをクリックして画像を表示




099.jpg

任意の星をダブルクリックして追尾を開始してください。
解除は再度ダブルクリックすることで可能です。

以上でライブスタッキングが可能になります。



Solverなどを実施したい場合は画像を下図のように右クリックしてメニューから選択してください。

100.jpg




ASTAPおそらくシングルボードコンピュータ、Windows、Macすべての環境で使用できるスタッキングアプリだと思うのですが、ファイル形式がFITS、またはRawファイルのみのため、私が所有している既存ファイルで検証することができませんでした。→Jpegファイルも使用できました。

サイトを見るとどうやらスタッキングの位置合わせを最初に読み込んだファイルをSolverで分析して(Solver機能も内蔵している)他のファイルの位置合わせもおこなってくれるらしい。

Solver機能に関してはAPTやCCDCielとも連携できるようで使いこなせばかなり面白い存在かもしれません。

私は現在EkosからローカルAstrometry.netサーバを参照して位置解析を行っていますが、このアプリをCCDCielと連携させて位置解析〜スタッキングまでを行う方法も面白そうですね。

選択肢が増えるのは大変喜ばしいことですが、習得には苦労します。

Astrometry.netよりは大分軽量なようなのですでに使いこなしている方がいらっしゃいましたらぜひ操作感を教えてください。

以前この記事で取り上げたASTAPをMacにダウンロードしてチェックしてみました。


116.jpg

Mac版はPlate Solveの解析ファイルも同封されているため、インストーラーでインストールすれば終了です。
(Linux版などは別々にインストールが必要)
今回は取り溜めたJpegファイルを使って単独でチェックしてみました。
Plate Solveとスタッキングの両方が行える便利なソフトとの触れ込みですが、Jpegファイルを読み込んでもPlate Solveができません。
(架台とつないである程度の位置情報をソフトに読み込ませないとダメなのでしょうか。。。)

スタッキングに関してはJpegファイルからも無事に行うことができました。
自動的に中間ファイルとしてfitsファイルが生成されます。

Macでは数少ないスタッキングソフトですし(しかも無料)、Plate Solve機能に関しては他の環境より大分軽いようですので、ある程度使い方がわかったら記事にまとめようかと思います。

天気が全く良くならないので、INDIサーバのシミュレーションドライバを使ってMac版のCCDCielの諸々の機能をチェックしました。

私はMac版をよく使用していますが、CCDCielはLinux版、Windows版が揃ったクロスプラットフォームのソフトなのでソフトの設定などはほぼ共通です。

INDIのシミュレーションドライバは機能チェックのときに非常に便利です。
特にCCDシミュレーションは内蔵のGSCインデックスファイルを参照するので撮影すると望遠鏡の向きに合わせたシミュレーションした星空が写ります

しかもフォーカスシミュレーションドライバを操作した際に映像のフォーカスまで連動する芸の細かさなので、アプリの動作チェックなどに非常に役立ちます。

私は今までCCDCielをライブスタックくらいにしか使用してこなかったので、このシミュレーションドライバを用いて各機能の使い方のチェック、動作確認などをしてみました。

プラネタリウムソフト(SkyCharts)との連動各ドライバ(CCDドライバ、フォーカスドライバ、マウントドライバ)の操作などは問題なく行えましたが、Mac版のCCDCielではSolverが使用できませんでした

私が試したのは、ローカルのAstrometry.netとAstapです。
おそらくですが、CCDCielはLinux版がメインになっているため、Solver機能はシステムに組み込まれていることを前提にしているため、Mac版では該当するサーバが見つけられない感じです。

Mac版はAstrometry.netもAstapも解析用のサーバがアプリケーションとして機能しており、アプリを立ち上げることでサーバが起動する仕様になっています。

とても簡単で便利なのですが、この仕様のため、CCDCielはこの機能に対応できない感じです。(残念。。)

他にも、Ekosには機能がある望遠鏡コントローラーが無いなど、使い勝手の面で若干劣る部分もあります。


SkyChartsと難なく連携していますのでSolver機能が使えないのがなんとも残念。。
とはいえ、これだけの機能を連動できるのはすごいですね。
今度ラズパイなどUbuntuではどうか確認してみようと思います。

148.jpg


追記

その後、ラズパイでも確認してみました。
ASTROTAP、ローカルAstrometry.netとも動作しますが、シミュレーションドライバの画像ではSolveが失敗するようです。(もうこれ以上は晴れないと試せませんね。。。)

ちなみに、同条件でEkosではSolveできています。

Mac版は本家サイトにスクリプトを使用するように記述がありました。
https://www.ap-i.net/ccdciel/en/documentation/astrometry.net

試してみましたが、やはり動かず。
ASTAPに関しては記述もありませんので、挫折です。。。


さらに追記

ラズパイに関しては、シミュレーションの撮影画像が良いと
ASTAP、ローカルAstrometry.netとも動作、Solverの解析も成功しました。
しかしEkosのアライメントモジュールと比較すると成功率は低いようです。
この辺はEkosに関してはシミュレーターの画像に最適化されているでしょうから、実際の空で検証しないと評価できないですね。(しかし晴れません。。。)

さらに追記の追記
Mac版を本家サイトの記述を再確認し設定し直しました。
ローカルAstrometry.netに関してはCloudMakersのAstrometry.netサーバアプリを起動し、サイトに記載されたスクリプトを読み込むと動作しました。(解析もOK)
CloudMakersのAstrometry.netサーバアプリはアプリケーションフォルダ直下に置きます。

マウントドライバの同期、プラネタリウムアプリへの反映もしています。
しかし、ログなどに表示されません。
解析に成功すると画像にカーソルを置くとその場所の赤経・赤緯が表示されるようになります。

ASTAPに関してはMacはアプリがパッケージ化されており、実行ファイルが中に入っているのでパッケージ内のプログラムを指定したりなどいろいろ確認しましたがエラーしか出ません。
お手上げです。

顛末
ASTAPとの接続の件をCCDCielの開発者に連絡してみました。
接続方法の返答があり、無事接続できました。。。が、シミュレーションドライバではエラーが出ます。。
説明サイトへの記述も追加されました。
後日接続方法を記事として記載します。
この記事でMac版CCDCielでPlateSolvingが使えるか検証していましたが、ローカルAstrometry.net、ASTAPいずれにおいても動作する設定がわかりましたので記載します。
(Mac版CCDCielで使用できるSolverは上記2つになります。今回はローカルAstrometry.netの設定を記載します。)

私はMac版をよく使用していますが、CCDCielはLinux版、Windows版が揃ったクロスプラットフォームのソフトなのでソフトの設定などはほぼ共通です。

ちなみにこの記事から読み始めた方もいらっしゃると思いますのでPlateSolvingの概略から記載します。


PlateSolvingとは
撮影した天体画像を解析して、その画像の位置情報を算出する機能になります。
撮影画像を解析サーバ、視野角に合わせたインデックスファイルと呼ばれる天体の位置情報が記載された書類と照合・解析し、撮影画像の位置情報を算出します。

Macではネットワーク経由で上記を利用できるAstrometry.netサーバ、Macにそのサーバ機能をインストールしてネットワークを使用せずに解析が可能なAstrometry.netAstrometry.netとは別の方法で解析するASTAPというアプリを利用する方法があります。

今回はMacのみでPlateSolverを利用できるAstrometry.netの設定方法を記載します。



Astrometry.netの利用方法

1.CloudMakersよりMac用のAstrometry.netをダウンロード

2.ダウンロードしたDMGファイルを開き、アプリをApplicationsフォルダに移動

3.Applicationsフォルダを開きAstrometry.appを起動

4.アプリのメニューから Window→Show Index Managerを選択

153.jpg


5.Index Managerで必要なインデックスファイルをダウンロード
(ダウンロードするインデックスファイルはTycho2は全て、2Massカタログ(左側)はこのサイトで計算します。)

154.jpg

注意)インデックスファイルのダウンロードには時間がかかります。


6.Astrometry.netアプリを起動したあとCCDCielを起動


7.アプリケーションメニューから Edit→Preferences  を選択

155.jpg


8.ポッポアップウインドウが表示されるので、赤枠部分をクリックしてタブを移動し、 Astrometryタブを選択

156.jpg


9.下記ポップアップウインドウを設定

157.jpg

a. From telescope driverをチェック
b. Astrometry.Netラジオボタンを選択
c.オプション設定を以下設定に記載
-O --no-plots --no-verify --resort
d. Use custom scriptチェックボックスをチェック、テキストボックスに以下内容を記載
/Applications/CCDciel/scripts/astrometry-macos.sh
e. OKボタンを押し、アプリを終了→再度起動

上記でMac版CCDCielでローカルAstrometry.Net Plate Solvingが使用できます。

尚、5の部分のインデックスファイルですがオプション扱いのtycho2インデックスは全てダウンロードしておくことをおすすめします。
詳細な理由は不明ですが、体験的にこのカタログをインストールしてから解析の失敗が減りました。
海外のフォーラムでも同様の意見が出ていましたので、解析の成功率に関係すると思われます。

Plate Solvingは撮影した画像の任意の星をコントロールキー+クリックでフリップメニューを表示して行います。






前回の記事でローカルAstrometry.netサーバの設定方法を記載しましたが、今回はASTAPでの設定方法を記載します。

私はMac版をよく使用していますが、CCDCielはLinux版、Windows版が揃ったクロスプラットフォームのソフトなのでソフトの設定などはほぼ共通です。

その前にPlateSolvingの説明から

PlateSolvingとは
撮影した天体画像を解析して、その画像の位置情報を算出する機能になります。
撮影画像を解析サーバ、視野角に合わせたインデックスファイルと呼ばれる天体の位置情報が記載された書類と照合・解析し、撮影画像の位置情報を算出します。

Macではネットワーク経由で上記を利用できるAstrometry.netサーバ、Macにそのサーバ機能をインストールしてネットワークを使用せずに解析が可能なAstrometry.netAstrometry.netとは別の方法で解析するASTAPというアプリを利用する方法があります。



ASTAPの利用方法

1.こちらのサイトよりASTAPインストーラーをダウンロード

2.ダウンロードしたインストーラからASTAPをインストール(インストーラが開けない場合はインストーラーを選択し、コントロールキー+開くで開始してください。)

3. CCDCielを起動


4.アプリケーションメニューから Edit→Preferences  を選択

155.jpg


5.ポッポアップウインドウが表示されるので、赤枠部分をクリックしてタブを移動し、 Astrometryタブを選択

156.jpg


6.下記ポップアップウインドウを設定

158.jpg

a. From telescope driverをチェック
b. ASTAPラジオボタンを選択
c.プログラムフォルダテキストボックスに以下内容を記載
/Applications/astap.app/Contents/MacOS
d.OKボタンを押し、アプリを終了→再度起動

上記でMac版CCDCielでASTAPのPlate Solving機能が使用できます。
ASTAPアプリは起動していなくても使用できます。


ASTAPは当初設定で苦しみましたが、開発者に確認を取り設定方法がわかってからは簡単でした。
(今は説明サイトに記載されています。)

Plate Solvingは撮影した画像の任意の星をコントロールキー+クリックでフリップメニューを表示して行います。

追記
上記で使用できるはずですが、シミュレーションドライバではエラーが出てしまいます。
星が出ないと検証できませんね。。。。

ASTAPはPlateSolver、スタッキング(位置合わせにPlateSolverを使用できる)、画像処理まで行える多機能なソフトです。(Mac、Windows、Linux全ての環境で使用できます。)

今回はASTAPでのスタッキング処理の手順のみを記載します。

私自身まだ未理解の部分も多いので簡易の手順としてご確認ください。


181.jpg

ASTAPを立ち上げると上図のウィンドウが表示されます。
赤枠部分をクリックしてスタッキングメニューウィンドウを表示してください。
※画像を読み込んだ際のプレビューは画像プレビュー部分に表示されます。

ASTAPはこの画面と下図で登場する上部にタブが多数あるStacking Menuウィンドウで操作する感じです。


182.jpg

1.上部の Image タブクリック
2. Browse ボタンをクリックし、処理する画像を選択する


183.jpg

1. Option ボタンをクリック
2.フリップメニューから選択する画像のファイルフォーマットを選択
3.リストから読み込む画像ファイルをコマンドキー(WinやLinuxはコントロールキー)+クリックで選択(複数枚選択可能です。)
4.Open ボタンをクリック


184.jpg

そうするとスタッキングメニューウィンドウに画像ファイルの情報がリスト化されます。
ちゃんと表示できるかリストをどれか一つをダブルクリックして画像プレビュー画面に表示されるか確認してください。(この作業を怠ると下記fitsファイルへの変換ができなくなるようです。)
リストが?で表示されています。

仕様的にfitsファイルに変換が必要なようなので以下操作を行います。


185.jpg

1.リストから読み込む画像ファイルをコマンドキー(WinやLinuxはコントロールキー)+クリックですべて選択
2. Analyse and orgainse images ボタンをクリック

fitsファイルへの変換が始まると青枠部分にログが表示されます。


186.jpg

赤枠部分が?から情報表示に変更されれば変換終了です。


187.jpg

ダークファイル、フラットファイルがある場合は上部タブをクリックして上記変換操作を行いましょう。


189.jpg


スタッキングのためのアライメント項目を設定します。
売りであるPlateSolverを用いた位置合わせもここで設定します。
(今回のファイルではPlateSolverが解析できなかったので推奨されているStar Alignmentを使用します。

1.Alignment タブをクリック
2.Star Alignment ラジオボタンを選択

上記で設定が終わりです。
イメージタブでスタッキングする画像を選択してから

3.Stack check marked image ボタンをクリック

これでスタッキング処理が行われます。
進行状況はログウィンドウに表示されます。


190.jpg

処理が終了したら
1. Results タブをクリック
2.リストにスタッキングされた画像ファイルがあるのでダブルクリック→プレビュー画像表示部分で確認
(何故か実際の画像の明るさと異なる表示になりますが、ファイルを書き出すと元に戻ります。)


191.jpg

1.アプリケーションメニューより File をクリック
2.書き出したいファイル形式を選択して保存(私はフォトショップで画像処理したいのでTiffにしました。)

192.jpg

私は画像処理は使い慣れたフォトショップで行いました。
ASTAPにも画像処理機能がありますが、まだ使いこなせておりませんし長くなりそうなので今回はスタッキング手順のみで終わりにします。

触り程度の内容になってしまいましたが、興味ある方はお試しください。













ASTAPは画像のスタッキング機能、画像処理機能、Plate Solver機能の3つの機能がセットになったソフトです。
Plate Solver機能に関しては、独自エンジン、Astrometry.netサーバの使用の2種類を選択できるようになっています。

この中でも独自エンジンのPlate Solver機能に関してはASTAPを起動しなくても他のソフトと連携できるようになっています。

それぞれのソフトでの連携方法を記載します。


CCDCielとの連携
CCDCielとの連携方法、設定などに関してはこの記事にまとめてありますのでご参照ください。

APT (Astro Photography Tool)との連携
APTを使用する場合はPlateSolve2代替で使用できます。

手順としては
1. ASTAPをWindowsにインストールします。
 64ビットの場合はこちら、32ビットの場合はこちら
2.インデックスファイルをインストールします。インデックスファイルはこちら
3.インストールしたASTAPアプリの名前を以下のように変更します。
 ASTAP.EXE→Platesolve2.exe
4.APTのpointcraft→settingsで上記変更したアプリ名を選択します。

以上です。

ASTAPの独自エンジンによるPlate Solverはインデックスファイルのサイズが小さく、計算も早いので便利に使用できます。(ASTAPを立ち上げていなくても使用できます。)

今までのPlate Solverエンジンでうまく機能しなかったり、インデックスファイルが大きすぎてインストール出来ず使用を諦めていた方にとって救世主になるかもしれません。

残念ながら日本での使用者が少なく説明しているサイトが見当たりませんが、便利に使えるソフトですので興味ある方はお試しください。

以前この記事で概要を記載しましたが、もともとはWindows用のIRISというスタッキング・画像処理ソフトをLinuxに移植したソフトだったようです。

しかし、現在はLinux以外にもMac、Windowsでもインストール可能になり、幅広いOSで使用できるスタッキング・画像処理ソフトになっています。

基となったIRISが非常に難しかったため敬遠していたのですが、少し使用してみたところスタッキングなど主要な操作はかなり使いやすくなっていると感じました。
フランス語や英語ですがマニュアルもしっかりしています。(Google翻訳でだいたい読めてしまいます。)

スクリプトを使用して機能を自動化出来たり、他のソフトと連携もできるようです。

多機能な割には使い方に癖も無く、おすすめできるソフトかなと思いましたので項目を新たに追加しました。
ASTAP同様日本語の説明サイトがありません。。。
少しずつになると思いますが、このソフトの使い方なども(わかる範囲で)記載していこうと思います。


余談
天体趣味を再開した頃はMacで使用できる天体アプリが非常に少なかったため、Windowsを使用していましたが今はとっても充実しました。
ラズパイなどのシングルボードコンピュータも実用になりましたし、環境構築の幅が拡がりました。
このサイトも皆様の環境構築の一助になれば良いなと感じています。
良い情報がありましたらぜひご連絡下さい。





以前紹介しましたSIRILでのスタッキング処理を記載します。

このソフトは静止画のスタッキング処理(星雲・星団)、動画のスタッキング処理(惑星)、画像処理などを行うことができます。
スクリプトを用いれば他のソフトとの連携も可能です。

スタッキング処理に関しては以下の流れで操作します。

1.画像(映像)の選択(画像の場合は複数枚選択可能)
2.シーケンスファイルの作成(スタッキング処理の管理ファイル)
3.フラットファイル、ダークファイルの選択
4.処理方法の選択、設定
5.処理の実行


特徴的な部分としてはシーケンスファイルを作成してスタッキング処理全般の設定(画像選択、前処理(フラット、ダーク)、スタッキング処理の設定)をファイルとして保存しておくことです。
これにより管理が非常に楽になります。

画面操作も上部タブを切り替えていけば作業が完了しますのでわかりやすく感じます。

では実際に操作してみましょう。

193.jpg

1.上部のFile conversionタブをクリック
2.Addボタンをクリック→ダイアログボックスでスタッキング処理する画像を選択
(Macの場合はコマンドキー+クリック、Windows、Linuxの場合はコントロールキー+クリック)
3.シーケンス名を入力
4.Convertボタンをクリック
5.(シーケンスの保存場所を変更したい場合は4の操作の前にChange dirボタンをクリック→ダイアログボックスで保存場所を選択

上記操作でスタッキング処理を管理するシーケンスファイルが設定されます。
Convertボタンをクリックすることで中間ファイルとして選択した画像のfitsファイルがシーケンス名+連番で生成されます。(すべての処理がシーケンス名と連携するので管理がしやすくなります。)

fitsファイルが生成されるとプレビューWindowが開き画像が表示されます。

195.jpg



194.jpg

1.上部のSequenceタブをクリック
2.先程作成したシーケンスを選択(自動選択されていると思います。)

このタブでの操作はこれだけです。作成したシーケンスが自動選択されていない場合は2部分をクリック長押しで選択します。



196.jpg

ダークファイル・フラットファイルがある場合は以下の操作を行います。
1.上部のPre-processingタブをクリック
2.フラットファイル、オフセットファイル、ダークファイルそれぞれのBrowseボタンをクリック→ダイアログボックスからファイルを選択
3.使用するファイルのチェックボックスをチェック
197.jpg

次にスタッキングの際のアライメント方法を決めます。

1.上部のRegistrationタブをクリック
2.フリップメニューよりアライメントメソッドを選択(種類は下図)
198.jpg

3.フリップメニューより処理アルゴリズムを選択(種類は下図)
199.jpg

4.Go rejisterボタンで処理を実行(処理中は下図のようにプレビュー画面にアライメントポイントが表示されます。)
200.jpg



201.jpg

スタッキング処理の設定を行います。

1.上部のStackingタブをクリック
2.フリップメニューよりスタッキングメソッドを選択(種類は下図)
202.jpg

3.ノーマライズを行う場合はフリップメニューより選択(種類は下図)
203.jpg

4.Rejectionを行う場合はフリップメニューより選択(種類は下図)
204.jpg

5.Start stackingボタンを押しスタッキング

上記でスタッキングファイルがfitsファイルで作成されています。

カラー画像をそのまま別ファイルで保存したい場合は RGB imageという別ウィンドウに表示される画像を右クリックするとファイル形式を選択して保存できます。(下図参照)

205.jpg



記事にすると大分長くなりますね。
実際の操作はあまり迷う部分もなく快適に行えました。

今回は静止画のスタッキング処理を行いましたが、惑星撮影で行われる動画処理もこのソフトで行えるようですし、面白い機能としては静止画から動画も作成できるようです。

今後はそれらの機能についても記載しようと思います。



















静止画のスタッキングが快適に操作できたので、少し期待しながら以前撮影した惑星の動画からスタッキングを試しました。

タイトルでお察しかもしれませんが、今回のチェックではスタッキングまでうまくいきませんでした。
静止画同様の手順だと大量のFitsファイルができてしまいます。(回避方法も見つけましたが、スタッキングがうまくいきませんので割愛)

掘り下げようかとも思いましたが、手順的にも惑星の動画スタッキングに関してはLynkeosに軍配が挙がりそうです。

スタッキングソフトを試す中で(私にとってですが)それぞれのソフトの得意とするところが見えてきた感じです。

・SIRILは静止画スタッキング、画像処理などが得意
(というか、使いやすい)

・ASTAPは独自のPlateSolverが売り
(Mac、Linuxであれば、CCDCielと連動、WindowsであればAPTと連動できます。)

・Nebulosityは売り物だけあって、スタッキングも画像処理も撮影もそこそこ使いやすい。
(それぞれの機能的には若干古さがあります。。)

惑星のスタッキングに関してはMacの場合はLynkeos、Windowsは選択肢が沢山ありますのでそれぞれが得意な部分で使用したほうが快適かもしれません。

SIRILでの惑星スタッキングも、もう少し試してみようと思いますが、私は今の所は使い分けが無難かなと感じています。
SkySafari(Plus以上)には非常に優れた望遠鏡のリモート操作が内蔵されています。
接続できるマウントの数も非常に充実しており、メーカーから発売されているオプションを使用すればスマホで架台のコントロールが可能になります。
PC、スマホの天体ソフト全般を見渡しても対応架台の数、接続の安定性などトップクラスの性能です。

SkySafariはMac版、iOS版(iPhone、iPadユニバーサル)、アンドロイド版がありますが、それぞれ望遠鏡との接続方法が異なります。
望遠鏡の架台の制御はほとんどがシリアル通信によって行われています。(最新の架台はシリアル→USB変換、またはシリアル→WiFiで操作を行うものもありますが、USBや、WiFiを通してシリアル通信を行っているので、それらの変換機器が内蔵されているとお考えください。)

対応する架台リストはこちらをご確認ください。

●Mac版SkySafari(Plus以上)の望遠鏡との接続方法
シリアル・USB変換ケーブル、SkyFi(シリアル→WIFI)、SkyBT®(シリアル→Bluetooth)と一番幅広い接続方法が選べます。
それぞれに説明します。

前提条件として、どの接続方法をとるにしても、原則として望遠鏡のアライメントは済ませてから望遠鏡とソフトを接続してください。(下記設定画面にあるSkyfiのSet Time & Locationラジオボックスにチェックを入れておくとアライメント時に日時、場所の入力を省くことが出来ます。)

・シリアル・USB変換ケーブルを用いる場合
Macの場合純正のシリアル・USB変換ケーブルがありませんし、アップルからも情報がありません。
機器を購入する際は、変換チップがどこのメーカーのものか調べる必要があります。
Mac用のドライバも入手かのうなFTDI社のシリアル・USB変換チップを用いた製品がおすすめです。

iBUFFALO USBシリアルケーブル(USBtypeA to D-sub9ピン)1.0m ブラックスケルトン BSUSRC0610BS

新品価格
¥1,617から
(2019/10/4 13:28時点)




上記の製品はFTDI社のシリアル・USB変換チップが使用されています。

1.まずは事前にここからOSのバージョンに合わせたドライバをダウンロードしてインストールしてください。

2.インストール後に架台に付属しているシリアルケーブル(多くの機器はハンドルコントローラに接続口があります。)とシリアル・USB変換ケーブルを接続して、MacのUSB端子に繋ぎます。

3.メニューから"Telescope"→"Setup..."を選択

4.赤枠部分を使用する架台に合わせて選択します。(インターフェイスの項目は接続したシリアル・USB変換ケーブルに変更してください。)


113-1.jpg



以上です。
接続できればコントローラーなどが表示されます。


・WiFiで接続する場合
SkyFiというシリアル→WiFiアダプタが必要になります。
残念ながら日本では技適審査を受けていないため、国内販売されていません。
購入したい場合は、メーカーから直接海外通販になります。

シリアル+USBに対応したSkyFi2、更にbluetoothにも対応したSkyFi3があります。

同様の機能を持つ機器を自作することも出来ます。

ラズパイ(3以降)で自作する場合はこちらの記事をご参照ください。

こちらのプログラムを使用すればESP8266を使用して自作することも可能です。
(この場合はお使いの架台のシリアル通信コネクタの配線を調べる必要があります。)

ラズパイ(3以降)、ESP8266共、技適マークがありますので技適対応のシリアル・WiFiアダプタを手に入れることが出来ます。

接続手順としてはSkyFiのアクセスポイントに接続する手順が追加される以外は上記2〜4と同様です。
インターフェイスはTCP/IPに変更、SkyFiとの通信をIPアドレス10.0.0.1、ポート番号が4030でおこないますので、上記4の設定画面の青枠部分に記入してください。
自作する場合もSkyFiのIPアドレス10.0.0.1、ポート番号4030に合わせておくと設定が楽です。
(SkyWatcher社やセレストロン社の一部の架台でWiFi通信を内蔵しているものはマニュアルに記載のIPアドレス、ポート番号に設定してください。)


・Bluetoothで接続する場合
SkyFi3か、SkyBT®(シリアル→Bluetooth)を購入すれば、事前にペアリングを行うだけで上記2〜4の手順で接続できます。(インターフェイスの項目は接続したBluetoothに変更してください。)
しかし、残念ながらいずれの製品も技適審査を受けていないため、国内販売されておらず海外通販でしか手に入りません。

実はBluetoothにはSPPというシリアル通信の規格があるため、自作も簡単に行なえますし他のメーカで発売されているBluetooth シリアル変換アダプターでも接続出来てしまいます。
興味ある方はアマゾンなどで上記ワードで検索してみてください。

スマホ版の接続方法は後日記載します。



SkySafari(Plus以上)でコントロール可能な架台の一覧表です。
(Plus、Pro両バージョン)

Mac版、iOS版、アンドロイド版がありますが、コントロール可能な架台の数は同じです。
他のプラネタリウムソフトではなかなか対応していないDSC(エンコーダーを用いた導入支援機器)や、古い架台まで対応しています。

Mac版の接続方法についてはこちら
スマホ版(iOS、アンドロイド)の接続方法についてはこちら

をご確認ください。

コントロール可能な架台リスト一覧
(Plus以上、Mac版、iOS版、アンドロイド版共通)

• Meade LX200 Classic / GPS / ACF
• Meade LX400 / LX600/850
• Meade LS / LT
• Meade ETX (when equipped with #497 or AudioStar Controller)
• Meade LXD 55 / 75 / 650 / 750 / LX 80/90
• Meade Magellan I & II
• Celestron NexStar 5i / 8i / GPS / SLT / SE / Advanced GT
• Celestron AVX / CGE / CGEM / CPC series /WiFi
• SkyWatcher SynScan
• Orion Sirius / Atlas / SkyView Pro / SkyQuest XTg / StarSeeker / HDX
• iOptron iEQ45 with 8406 controller
• iOptron 8407 / 8408 controllers
• Astro-Physics GTO
• Losmandy Gemini
• Vixen SkySensor 2000
• Sky Commander
• Losmandy DSC
• StellarCAT ServoCAT
• Takahashi Temma 2
• Celestron AstroMaster
• JMI NGC Max
• Lumicon Sky Vector
• Orion Sky Wizard / IntelliScope
• Takahashi Super Navigator
• Tangent Instruments BBox Encoder System (and compatible)

SkySafari(Plus以上)には非常に優れた望遠鏡のリモート操作が内蔵されています。
接続できるマウントの数も非常に充実しており、メーカーから発売されているオプションを使用すればスマホで架台のコントロールが可能になります。
PC、スマホの天体ソフト全般を見渡しても対応架台の数、接続の安定性などトップクラスの性能です。
Mac版、スマホ版(iOS、アンドロイド)で対応する架台に違いはありません。

対応する架台リストはこちらをご確認ください。

Mac版とスマホ版の違いは以下の3点になります。

違い1.スマホアプリにはメニューが無いため、設定の箇所へのアクセスが異なる。

違い2.iOS、アンドロイド共に異なる制約があるため、接続するアダプタが異なる。

違い3.Mac版のみが市販のUSB、もしくはUSBシリアルケーブルで直接Macと接続できる。(スマホ版はiPhone版のみ同社の変換ケーブルを購入すれば有線接続できるが、それ以外は無線接続になる)

Mac版でご使用の方は望遠鏡コントロールが可能な他のプラネタリウムアプリと同様の使い方ができますが、スマホやタブレットの場合は接続が無線メインになるので若干敷居が高くなります。

このような制約はありますが、非常に安定して、とても使いやすい(望遠鏡のコントロールがとてもしやすい)のでこのアプリをお持ちの方は是非この優れた操作をご体験ください。

違い1についてはスマホ版は共通の設定・接続の流れになるので下図に記載します。
(事前にスマホとアダプタをWiFiもしくはBluetoothで接続しておきます。)
前提条件として、接続、設定する前に原則として望遠鏡のアライメントは済ませてから望遠鏡とソフトを接続してください。(下図緑枠部分の"Set Time & Location"をオンにすると、アライメント時に日時、場所の入力を省くことが出来ます。)


114-1.jpg

1.画面下部分のSettingボタンをクリック(画像左側)
2.Setting画面をスクロールして"TELESCOPE"項目の"Setup"望遠鏡架台名称部分をクリック(画像中央)

以降Setup画面にて(画像右側)
・赤枠部分の架台名称部分をクリックして架台リストから所有の架台名を選択架台のマウントタイプ(赤道儀、経緯台など)を選択してください。

・青枠部分はSkyFiやWiFi内蔵架台を使用する際設定します。(画面の設定はSkyFi用です。)
・(スマホにGPSが内蔵されていれば)緑枠部分をオンにするとアライメント時に時間、緯度、経度の情報を架台に送信します。

上記設定が完了したら、画面右側に戻り、黄色枠の"Scope"ボタンをクリックします。
右側にConectボタンが表示されますので、クリックして接続してください。

以上で設定・接続の流れは終了です。

次に違い2に記載したiOSとアンドロイド版の制約事項についてそれぞれ記載します。

iOS版の制約事項
・有線接続は同社が販売するSkyWireを海外通販で購入しなければ出来ない。(市販のシリアル・USB変換アダプターは使用できない。)
・SPPに対応していないため、Bluetooth接続が出来ない。
・WiFi接続を行うためにはSkyFiを同社の海外通販で購入するか、もしくは同等の機能を持つ機器を自作する必要がある。

結論として同社の販売するSkyWireを購入して有線接続を行うか、SkyFiを海外通販で購入、もしくは同等品を自作してWiFi接続を行うかの二択になります。


アンドロイド版の制約事項
・USBホスト機能に対応した機器であれば変換ケーブルを用いて市販のシリアル・USB変換アダプターの使用が可能だが、実質ほとんどの機種がUSBホスト機能に対応していない。
・WiFiのアドホックモードに対応していない(アクセスポイントモードには対応)

iOSよりは縛りが弱いですが、機種が多様なため接続の動作確認はiOS以上に苦労するかもしれません。
上記の制約から実質確実に接続できるのはシリアル・Bluetooth変換アダプタを使用した方法がメインになるでしょう。
(市販品がありますが高価です。自作でも容易に作ることが可能です。同社でもSkyBTという名称で販売しています。)

WiFi内蔵機器はアクセスポイントモードに対応していれば理論上接続できます。

スマホ版は上記の制約からMac版よりは接続の敷居が高くなりますが、接続さえできれば望遠鏡のハンドルコントローラよりはるかに操作が簡単になります。(星図を見ながら見たい対象を選び、導入ができるので直感的に操作できます。)

SkyFi同等の機能を自作する方法はRaspberryPi(3以降)を用いる方法(シリアル・USB変換アダプターも必要)ESP8266を用いる方法などがあります。

SkyBT同等のアダプタはこの機器を用いれば簡単に自作できます。

ラズパイ3以上と当サイトで配布しているAstRPiを用いればすでに上記の設定などが組み込まれていますので、ラズパイにインストールするだけでSkyFi同様の使い方が可能になります。ラズパイのオンオフもWebブラウザーから行えます。
くわしくはこちら


興味ある方はぜひチャレンジしてみてください。


v0.9.278のASTAP(OSX、Linux、Windows全てのバージョンですが、SBC版は現在未対応)でライブスタッキングが可能になりました。
SBCなどではCCDCielで簡易的なライブスタッキングが可能でしたが、スタッキング・Solverが可能なASTAPにこの機能が搭載されたことは非常に可能性を拡げてくれると思います。

この情報はINDIフォーラムで取得しましたが、INDIの開発者、ASTAPの開発者、CCDCielの開発者が話し合って進行しています。(Ekosの次期バージョンでASTAPへの対応も行われるようです。)

ASTAPはソフトを起動しなくてもSolverが出来たりと連携に便利な機能がありましたが、使用できるのはCCDCielとAPTのみでした。
Ekosとも連携できるとなるとStellarMateやAstroberryなどRaspberryPiのディストリビューションにも組み込まれる可能性があります。

なかなか楽しみな状況になってきました。
先に記載しましたASTAPのライブスタッキングがシングルボードコンピュータも含め、全ての環境で使用可能になりました。

ダウンロードはこちらから。
(まだ本サイトにはライブスタッキングに関しての詳細の記載はありません。2019年10月23日付け以降、バージョン0.9.286以降であれば搭載されています。INDIのフォーラムが一番情報を確認しやすい状況(苦笑))

フォーラムでのやり取りでわかりましたが、指定したフォルダを監視して保存された画像を順次スタッキングするWindows版のASTROStackのような処理方法でした。

SharpCapのような実装を期待していましたので、少々残念ですが、EkosやCCDCielとの連携はこれから進行するため、使いやすくなることに期待したいと思います。

しかし、INDIドライバにはローカルでの使用であればネイティブドライバにも負けないほど高速なストリームモード(動画用)があるのに、なぜそちらを使用しないのでしょうね。
オートガイドやオートフォーカス、そしてライブスタッキングなどはリアルタイム性が求められるのでこのモードを使用したほうが快適になるのですが。。
INDIドライバを扱うソフトは標準で静止画をループ再生する仕様になっています。(とても遅くなります。)

リモートでドライバを使用できるというメリットを最大限に活かせるような仕様に変更されてほしいものです。
(ASTAPの新機能紹介がINDIドライバの愚痴に。。(笑)天気も悪く実践確認は当分先になりそうです。)

エンドユーザーにとっては3者ともオープンソースで多数の機器に対応してくれるありがたい存在です。

ブログタイトルがMacで天体と銘打っていますが、天体機器の制御に関してはWindows+ASCOMが実は一番長かった(過去形)りします。(ASCOMはかなり情報がクローズドなのであまり知識はありませんが。。)

私自身は現在天体機器の制御はシングルボードコンピュータのみで行ってしまっています。
速度的にも不満がありませんし、消費電力が少ないので重いディープサイクルバッテリーの呪縛から離れられるのが一番の要因です。
(Macで消費電力の少ないMINIPCが登場してくれたらおそらく乗り換えます。)

上記3者を使い比べてみて、私が感じたそれぞれの特徴を記載します。

これから始める方の参考になれば幸いです。

●ASCOM
.Net FrameWorkを利用する天体機器通信制御のサーバ・ドライバによるミドルウェアになります。
通信といってもTCP/IPではなく、シリアル通信をメインにして(USBもシリアル通信です。)動作しています。

.Net FrameWorkを使用しているためWindows専用になります。
大きな特徴としてはWindows環境でネイティブに動く唯一のミドルウェアなので、海外のメーカーなどはASCOM準拠のドライバを開発していることです。

●長所
・ドライバ開発にメーカーが参与している。
・使用者が多いのでネットに情報が多い。
・多数の機器のドライバがある。

●短所
・プラネタリウムアプリやCCDアプリが独自に組み込んでいるドライバよりかなり低速(特にCCDドライバ)
・不安定、ネットワークサーバ・ドライバなのに、INDIやIndigoのようにネットワークドライバとして使用できない。(ローカル接続のみ)
・技術情報がほとんど配布先に無い(PCがどのような処理をしているのかがいまいち不明)


●INDI
ネットワーク通信(こちらはIP通信)を利用した天体機器通信制御サーバ・ドライバセット、クライアントに対してはASCOM同様ミドルウェアのような存在で接続されます。
しかし、実質専用となるKStars・Ekosでほとんどの天体機器通信制御が出来てしまうため、この環境で使用される情報が多く、実質KStars・Ekosとのセット扱いになっています。
対応したクライアントもASCOMほどではないが多数あります。

●長所
・軽量、IP通信を利用しているためローカルのみならずリモート通信制御も可能。
・ネット上に開発情報が多数。
・多数の機器のドライバがある。

●短所
・メーカー関与がほぼ無い
・そのためかドライバの管理項目にばらつきがあり、不明要素が多数ある。
・ドライバにより初期状態の安定性のばらつきが多い(そもそも動作させるための初期設定がされていないドライバが多数。)

●INDIGO
INDI環境のMac用のサーバ・ドライバ、アプリなどを開発していた担当者が、INDIのプロトコルを基に独自に新規設計した制御環境。自社サイトにINDIに対しての優位性などが記載されていますが、技術情報が明確に示されていないため詳細は不明です。(実際に使用してみるとINDI環境との差異は操作系以外は不明です。大した違いはないような。。設定などはしやすいです。)

●長所
・軽量、IP通信を利用しているためローカルのみならずリモート通信制御も可能。
・サーバ・ドライバ以外にも自社が開発した天体機器制御アプリがあるため、それらを利用すれば一通りの環境が揃う
 (天体機器制御アプリはMacのみ)
・多数の機器のドライバがある。

●短所
・メーカー関与がほぼ無い
・情報がかなり少ない(INDI以上に人柱必須)
・自社が開発したアプリ以外でサーバ・ドライバをフルに利用出来るクライアントが無い。
(INDIドライバ互換モードも使用できますが、その場合はINDIバージョン1.7に低下(現在は1.85))



どれも一長一短です。
ポイントとなるのは最も高速に利用できるローカル環境(ASCOMはローカルのみ)でのクライアント対応状況ですが、INDI、Indigo共Windowsではローカル環境でサーバ・ドライバを利用できません。(リモートドライバでしか使用できません。)

INDIの場合はローカル環境でサーバ・ドライバを使用できるのはLINUX、MACの2択。
Indigoの場合もローカル環境でサーバ・ドライバを使用できるのはLINUX、MACですが、クライアントがMacの自社アプリ以外ありませんのでMac一択になります。

このように現状ではどこかピースが欠けた状態です。

・Windows+ASCOMは低速、不安定、しかしメーカー開発のドライバ有り。

・MacはINDI、Indigoどちらもローカル環境でサーバ・ドライバを使用可能、しかしどちらもメーカー開発のドライバ無し、Mac自体がWindowsのMINIPCに位置づけられる省電力のPCが無い。環境構築は最も楽(群を抜いて楽です。)

・LINUXはINDIでローカル環境でサーバ・ドライバを使用可能、しかしどちらもメーカー開発のドライバ無し、システムも軽量なのでシングルボードコンピュータでも利用可。但し、環境構築が面倒。

一番の解決策はWindowsでもINDIやIndogoサーバ・ドライバが動作してくれるか、Macが省電力のMINIPCを作ってくれるかのいずれかですが、現状どちらもありません。

私は現状ではシングルボードコンピュータ+INDIを選択しています。(消去法的な選択です。MINIPCくらいの処理能力ではASCOMは低速で不安定すぎました。処理能力の高いPCは電力消費量が。。それならMacMINIにINDIかIndigoでも良くなりますが(環境構築楽ですし)、メーカー開発のドライバが無いので、動作確認など自己責任になります。(電力消費量も。。))

うーん。。天体機器制御などはニッチな領域になるので劇的な変化が見込めそうにありません。
当分この状態が続きそうです。

皆さんならどの環境を選びますか?(っていうまでもなくWindowsですかね)


追記
現在2021.5
indigoはWindows環境でAPTとステラショットが対応しています。
Linuxでindigoネイティブのクライアントはありません。
以前にINDI環境について記載しましたので、ASCOM環境についても触れておこうと思います。

Windowsで天体環境を構築するために非常に重要な働きをしますが、思ったよりまとまった文献が無いようです。
これから環境を構築する方の参考用としてご活用いただけると幸いです。

・ASCOMはNetframework、DirectXを活用した天体機器のサーバ・ドライバセットである。
・Windowsのシステム機能との依存関係が高いため動作環境はWindowsに限定される。
・天体機器との通信としてCOMポートを利用する。そのため、原則としてドライバ・クライアントの対応関係は一対一になる。
・非常に多くのクライアントアプリが対応しており、ドライバ開発などにメーカーが参与している場合もある。
・ドライバのCOMポートの管理にはレジストリが使用されている。
・メインの開発・検証は32ビットで行われているため、64bitで使用する場合は制約がある。
・インストール後はサーバが常時起動しており、必要となるドライバを起動・設定して使用する。
ドライバの設定・保存はGUIのフロントエンドで行う。
・複数のクライアントでドライバを利用する場合は、ドライバが独自に仮想シリアル機能をもつか、ASCOM独自のPOTHドライバを経由する必要がある。
・レジストリを操作するため、サーバ・ドライバを管理者として実行する必要がある。
・Windows8、10に対しては正式対応していないため、動作しない場合は互換環境で動作させる必要がある。

実質PCで天体機器を扱う環境としてデファクトスタンダードとしての地位が確立していますが、上記の通りサーバ・ドライバの設計が現在となっては古びている部分や、Windowsのシステムにかなり依存する動作環境になっているためWindows10などで使用する場合は注意が必要な部分もあります。
以下に注意点も記載しましょう。

・サーバ・ドライバが管理者として実行されているため、使用するクライアントも管理者として実行しないと正常に動作しないことがある。(トラブルを避けるのであればクライアンをを含め全て管理者として実行する環境に整えておくほうが良い)

・クライアントアプリが64ビットの場合、ドライバの対応状況によっては動作しないことがある。(クライアント・サーバ・ドライバ全て32ビットで使用する場合が一番推奨環境に近くなる。)

・原則ドライバの設定はASCOM側で行い、保存しておく必要がある。(クライアントの対応にばらつきがある。)

・Platesolvingのように複数アプリ・サーバでドライバを共用する場合はPOTHドライバ、またはマウントのドライバがマルチクライアント仕様(バーチャルCOM)に対応している必要がある。



注意が必要なのはデフォルトが32bit、Windows10正式対応がされていない、レジストリを使用するため管理者として実行されている必要がある、複数アプリでドライバを共用するためにはPOTH、またはドライバ自体がマルチクライアントに対応が必要になることでしょうか。

プラネタリウムアプリでマウントドライバをコントロールするなど一対一の関係で使用することに留めれば、簡単に使用できますが天体撮影のように複数機器をまとめて、更に場合によっては複数アプリでドライバを共用するような使い方となると、制約を避けながらの環境構築が必要となり、かなり注意が必要になります。


現状で安定した環境を作るのであれば以下の項目を実施するのが無難です。

・ASCOMサーバ・ドライバは32bit版を利用、インストール時に管理者として実行する設定にしておく。

・ASCOMサーバ・ドライバは互換モードで動作させる設定にしておく。(推奨はWindows7)

・制御を行うクライアントアプリも全て32bit版を使用、管理者として実行する設定にしておく。

・マウントドライバがマルチクライアント対応の機器を使用する。(不可能な場合はPOTHでの動作チェックを念入りに行う)


上記はあくまで原則論での内容になります。
Windowsの場合、対応するクライアントも非常に多数ありますのでクライアント側でこれらの制約を払拭している場合もありますので、試してみるまでわからないというのが現状です。
いずれにしても上記原則部分を念頭において環境構築すればトラブルが起きづらくなるかと思います。

昨年あたりからINDIGOドライバにあったTCP/IPラッパー(TCP/IP環境でASCOMサーバ・ドライバ環境を使用できるようにするラッパー)のAlpacaがアナウンスされています。

Alpacaが普及すればWindows以外の環境でもTCP/IPを通じてASCOMサーバ・ドライバを使用することができるようになるようです。
これらの規格も期待したいところですが、まずはASCOM本体でCOMポートの扱いや、Windowsの最新環境に対応することが最重要な事項になると思います。

ASCOMが誕生してから20年になります。
現在においては事実上天体機器制御環境のデファクトスタンダードになっています。
しかし、現状はWindowsの高い互換性におんぶにだっこになっている部分が散見されます。
上記記載の通り、最新OSへのフル対応や、COMポートの扱い方などが改善されればさらに使いやすい環境が整うと思います。

Alpacaを開発したりなど、積極的に開発が行われているようなので、ベースとなる機器制御の安定性や拡張性が充実するように期待したいと思います。



SkySafarは観望や望遠鏡の制御など大変便利に使用できます。

こちらの項目で主要な機能をご紹介していますが、観望・導入支援に便利に使える季節ごとに分けた観望リストをアップロードしましたので興味ある方はご使用ください。

リストに選ばれた天体は観望でも撮影でも使いやすいものが選定されています。

春の天体リスト
QR_663205.png


夏の天体リスト
QR_663487.png


秋の天体リスト
QR_663651.png


冬の天体リスト
QR_663841.png


スマホ版をお持ちの方はQRコードを読み込みダウンロード→ファイルを開くアプリをSkySafariにして読み込んでください。
Mac版をお使いの方はリンクをダウンロード→ファイルを開くアプリをSkySafariにして読み込んでください。

いずれも季節毎のフォルダが作成され、その中にリストが表示されるようになります。


iPhoneを例に挙げ、簡単な使用方法をご紹介します。

IMG_3564.jpg

サーチボタンをクリック


IMG_3565.jpg

読み込まれた季節のフォルダを任意にクリック


IMG_3566.jpg

強調表示する場合はSettingsをクリック


IMG_3567.jpg

ハイライト表示をオンにするとリストの対象が星図上で強調表示されます。

観望リストに関してはこちらのページにも記載されていますので併せてご確認ください。
(こちらは登録方法が主体に記載されています。)





以前の記事でAlpacaについて少し触れましたが、その時は本家が作るASCOMのTCP/IPラッパーなのかなといった認識でしたが、詳しく調べていくとAlpacaサーバ・ドライバなる情報が出てきました。

どうやらAlpacaは既存ASCOMドライバをTCP/IPで他の環境で使えるようにするラッパーと、Alpacaサーバ・ドライバによるTCP/IPサーバ・ドライバの総称ということらしいです。

既存のASCOMはそのまま残し、ラッパーとなるASCOM RemoteでTCI/IPを使用したマルチクライアント対応を図り、新規に開発されるAlpacaサーバ・ドライバでマルチクライアント・TCI/IP対応(ASCOMドライバ互換)を行うといったことになるようです。

書いてあることだけ読めば理想的ですが、いくつか懸念があります。

・既存のASCOMサーバ・ドライバの改善はどうなるか?
正直ASCOMのネットワーク実装(COM)が現状不具合になることが多く、ASCOM自体も正式にWindows10に対応していません。ドライバをマルチクライアントで使用するにはメーカー側がマルチクライアント対応したドライバを開発しているか、POTHHubを使用する必要があります。
昨今流行りのPlateSolvingなどを使用するとなると複数アプリの連携が必須になりますのでマルチクライアント対応ドライバか、POTHHubでの連携が必要になりますが、私の環境(使用機器)では正直まともに動いたことがありません。

既存のASCOMの開発がこのような状態で別規格を作ってしまうと混乱するようにも感じてしまいます。
既存のASCOM環境をきちんとWindows10に対応させ、全てのドライバがマルチクライアント対応、及び64ビット・32ビット両対応になれば少なくともWindowsで動かす限りは安定するはずです。
少なくともASCOMで上記部分の改善はしっかり取り組んでほしいですね。(じゃないとAlpacaRemoteで他の環境でASCOMが使えるようになったとしてもまともに動きませんので。。。)


・Alpacaサーバ・ドライバってどこで入手できるの?
発表されてからそこそこ時間が経過しましたが、本家サイトにAlpacaサーバ・ドライバのダウンロードページがありません。
ネットなどでいろいろ探してみると個人の方がAlpacaドライバを配布していたりします。

どうやら、本家ではまだサーバ・ドライバの配布状態には至っていないようでドライバ開発キットやチェッカーの配布にとどまっているようです。

現状を見てのあくまでも予想ですが、既存ASCOMドライバを残しながらラッパーを被せて他環境でも使用できるようにしながら、緩やかにAlpacaサーバ・ドライバに切り替えていく作戦なのでしょうか?
そうなると切り替わるのに非常に時間がかかりそうです。(カオス状態になる予感も。。)
AlpacaでASCOMのCOM環境から脱却という姿勢は大いに評価できますが、これだけ発表されてから時間が経過しているのにラッパーしか発表されていないというのは非常に心配な状況です。
MacユーザーやLinuxユーザーはラッパー被せてまでASCOMを使いたいとは思っていないことをしっかり認識してほしいですね。(INDIやINDIGOで不自由なく機器制御ができますので、もしAlpacaがそれらより優れていたら乗り換えたいです。)

個人的にはずるずると古い環境を引っ張るのではなく、すっぱりとAlpacaに切り替えてほしかったです。

現在EAAで使用しているマウントがドライバのバグでまともに動作しなくなってしまいましたので、この機会にAlpacaを試そうかと考えましたが、まだ残念ながら試せる環境自体がなさそうです。

ドライバは天体機器を制御する上でもっとも重要な部分になります。
アプリの方はさまざまな連携ができる環境が整ってきましたが、ドライバの不具合で連携が出来ないことが散見されます。

天体機器のドライバは他の環境では当たり前になってきているPlug & Playに対応していませんし、ASCOMのデフォルトではドライバを一つのアプリでしか利用できません。(連携のためにPothHubがありますが、前出になりますが、私の機器では正直全てまともに動いたことがありません。。マルチクライアント対応のドライバはわずかです。)

現在は消去法的にINDI環境を使用していますが、Alpacaの動向によってはユーザー(特にWindows)が安定環境を手にするのは時間がかかるかもしれません。。。(共倒れになるとかは本当に勘弁してほしいです)

個人的には小難しいことを考えなくても繋げば動くという環境が早く整ってほしいと感じています。(まだ見ぬAlpacaはそのような環境を実現できるのでしょうか、そうなることを心より願います。)

規格ばかり増えて安定環境が作れないとか本末転倒ですね。
良い方向に進みますように。。。。。


追伸
冷静に考えると、ハードメーカー発の統合環境ってとても少ないですね。(ASIAirProくらい?)
ハートメーカーがアプリまでセットで面倒見てくれれば、動作の安定性は担保されそうです。
現状だとCelestronかZWOでしょうかね。
ZWO社のASIAirProがINDI本家のStellarMateより安定していたり、使いやすいのは自社のハードへの動作チェックや操作体系を考察しているからでしょう。
天体撮影が趣味のユーザーに頼っている割には天体望遠鏡メーカーからはこのような統合環境アプリが出てきませんね。
CelestronやSkyWatcherなどの大手がこれらの開発に着手してくれれば大分環境が整うのにな。。
(そう言えば、以前ミードで出していたような記憶が。。。会社自体が体力ダウンして過去のものになってしまいましたが)

なんか、今の天体機器のドライバの状況ってUVCが登場する前のWebCamに似てるように感じます。。。(独自ドライバの安定性に依存(大体安定していない(苦笑))、OSによってはドライバ自体が無い、自己責任の汎用ドライバの乱立など。。)

天体機器のドライバもUVCのように統一規格に。。。。ならないか。。。。。。

Alpaca RemoteというASCOMのネットワークラッパーが配布されてから約3年。

久しぶりにどのような進展があったか本家サイトを確認してみました。

Alpaca Remote以外で本家サイトから唯一リンクされているのがAlpacaScopeというASCOM環境をSkySafariで利用するミドルウェアのみ。。

ネットをくまなく探すと個人の方、アプリケーションの開発者などが非公式でドライバを配布しています。(Cielの開発者のパドリックがミード架台のドライバを開発、ArduinoのDSCのドライバを作っていたミッシェルのDSCドライバラズパイのディストリビューションAlpacaPiなど。。)

ASCOMの時のようにメーカーの参画もありません。。

発表されてからすでに3年以上経過しています。。一体なぜこのようなことになっているのでしょうか。(うすうす想像はつきますが。。。)

本家サイトの文献を見ても、開発元であるASCOM Initiativeの認識の甘さが散見されます。

ASCOMに関してはWindows環境下で天体機器を制御するプラットフォームを作るという意味で訴求がありましたが、Alpacaに関しては開発者にとって先行するINDIやINDIGOに対して差別化できるメリットが見えづらいです。(個人的にはCOM脱却は大賛成ですが)

ASCOMで培った協力関係をもとに、開発元自らがメーカーと協力してドライバを用意して移行を促すなどすればよかったのでしょうが、仕様だけ公開してあとは放置では開発者も賛同しないでしょう。

いっそのこと他ではやっていないコンシュマーに対してWebアプリでの提供とかしてくれれば大いにPRできそうですが、まずはドライバの開発が先決ですね。

このままズルズルと待ち状態が続いているとWindowsのCOM環境の互換性低下とともに制御環境の信頼性が低下しそうです。。。(ASCOMもWindows10に正式対応しないままWindows11が登場してしまいました。)

ASCOM Initiativeの今後の取り組みに期待したいと思います。








スマホ、タブレット用のプラネタリウムアプリとして完成度の高いSkySafari(Plus or Pro)がバージョンアップでINDI、Alpacaドライバに対応したようです。

https://skysafariastronomy.com/

今まではINDI側のブリッジドライバで使用可能でしたが、ネイティブ対応になったので色々便利になりそうです。
このアプリは定期的に割引などがありますので、安くなった時にアップデートして試してみたいですね。

CCDCielはマルチプラットフォーム、マルチドライバ(ASCOM、INDI、Alpca)、(簡易的な)ライブスタッキング対応と非常に多機能な統合撮影環境ですが、国内ではなぜかマイナーな存在です。(Windows環境下では後発のN.I.N.Aより知名度が低い)

しかし、このアプリにしかない便利機能もありますのでご紹介します。

1.Cartes du Ciel Sky chartsとの連携機能
多機能なプラネタリウムアプリCartes du Ciel Sky chartsはCCDCielと同じ開発者が制作しています。
そのため、連携機能が非常に優れています。
特にありがたいのはPlateSolving(画像による天体位置解析機能)の座標情報をASCOMを使用しなくても連携出来ることです。
これはCartes du Ciel Sky chartsのサーバ機能に対応しているからですが、特にWindows環境下では有料アプリ(TheSkyX+プラグイン、ステラショット)を除いてはASCOMのデバイスHUB(またはPothHub)を利用しないとできない天体画像の座標情報の連携が安定して機能します。

2.高性能なPlateSolving機能(特にAstrometry.net)
CCDCielはASTAP、Astrometry.net、Star Locator Elbrus、PlateSolve 2と多くのPlateSolving環境に対応していますが、(Windows環境において特に)Astrometry.net環境が優秀です。
Astrometry.netは本家のUnix環境では高速で優秀なPlateSolving環境ですが、Windows環境下においてはエミュレータでしか機能しないためかなりイマイチです。

しかし、CCDCielを利用すれば本家Unix環境と同様のオプション設定もできますし、速度なども他のエミュレータよりかなり優秀です。すでにAllSkyPlateSolverなど他のエミュレーション環境をインストールしてあれば、下図のようにパスを揃えてあげれば使用できます。この場合、オプションのTycho2インデックスをこのサイトからダウンロードして組み込みましょう。(PlateSolvingの成功率が非常に高くなります)

AllSkyPlateSolverの場合は
PlateSolvingのディレクトリ→C:\Users\ユーザー\AppData\Local\Astrometry
インデックスファイルの追加→C:\Users\ユーザー\AppData\Local\Astrometry\usr\share\astrometry\data
(不可視領域なのでエクスプローラーで表示可能にして追加してください。)

スクリーンショット 2022-04-19-1
赤枠部分が設定箇所、メニュー:Edit→Prefarence でアクセスします。
PlateSolvingに関しては本家UNIX同様のオプション設定が可能です。
Windowsの場合はインストールしたAstrometry.netエミュレータにより環境のディレクトリが異なりますので注意が必要です。(複数サーバをインストールした場合はインデックスファイルをシンボリックリンクで共用するなど工夫が必要です。画像はAllSkyPlateSolverのディレクトリです。)

長くなりましたので、続きは後日


追伸
Windowsの場合はAstrometry.netエミュレータが複数あり、エミュレータ毎にサーバのディレクトリが異なるので注意が必要です。(シンボリックリンクなどで共用しないとインデックスファイルがインストール分増えます。。。)
おすすめはAllSkyPlateSolverのみインストールすることです。(簡単なAstrometry.netサーバインストーラーとして利用)
インストール後はCCDCielで上記エミュレータディレクトリを読み込めば利用できます。(AllSkyPlateSolverアプリは使わないで利用します。)
Windows版KStarsに内蔵されたStellaSolverを除けばWindows環境で最も高速なAstrometry.netエミュレータとして利用できます。


前回の続きです。
前回の記事をお読みになっていない方はこちらからご確認ください。

実は今回ご紹介する機能が最も重宝しています。(数字は前回の続き連番です。)

3.強力な画像読み込み・書き出し機能(アプリ連携)
タイトルだけ見ると?な機能ですが、CCDCielはメインウィンドウがビューアになっているので非常に使いやすく、数ある天体ビューアの中でもトップクラスに多数の画像ファイル形式に対応しています。

そして特筆なのは読み込んだ画像もキャプチャ画像同様強力なPlateSolvingを利用でき、Cartes du Ciel SkyChartと連携してプラネタリウム画面に写真を表示したり、PlateSolvingで取得したWCSインデックスを含めたFitsファイルとして書き出してAladdinの複数カタログ検索機能を簡単に利用できます。

文字だけでは?なので、実際に操作手順を記載します。

スクリーンショット 2022-04-19-2
メニュー:File→FITS or picture file...をクリック→ダイアログボックスが表示されるので読み込みたい画像を選択してください。※
※デジカメ画像などピクセル数の多い画像は事前にリサイズしておくと処理が早くなります。


スクリーンショット 2022-04-19-3
画像の任意の星を右クリック1部分をクリック

スクリーンショット 2022-04-19-4
クリックすると上記ダイアログボックスが出るので何も入力せず赤枠部分をクリック(ブラインドSolverなので若干時間がかかります。)
2部分をクリックしてCartes du Ciel SkyChartとリンク(ASCOM(INDI)接続の機器を使わなくてもリンクできます。)

スクリーンショット 2022-04-19-5
このように画像に天体情報が表示されたらSolver完了です。
こんなノイズまみれのひどい画像でもちゃんと解析してくれます。(Astrometry.netのPlateSolvingは研究機関で使われてきただけあって本来は低画質に強いのです。)
その後再度画像の先程の天体を右クリック→3部分をクリックすると自動的にCartes du Ciel SkyChartが起動し、プラネタリウム画面に写真が表示されます。

スクリーンショット 2022-04-19-6
こんな感じです。Skycharsで天体情報を更に調べても良いですし、ASCOM(INDI)で天体機器を接続していればそのまま導入などができます。

スクリーンショット 2022-04-19-7
更に強力なのはこの画像をWCSインデックス付きのFITSファイルとして書き出せることです。Aladdinなどの高機能な天体検索アプリと簡単にリンクできます。
まずはメニュー赤枠部分をクリックしてFITS画像に変換します。

スクリーンショット 2022-04-19-8
Aladdinを起動して
メニュー:File→Load Local file...で先程の画像を読み込みます。

スクリーンショット 2022-04-19-9
画像が読み込めたら
メニュー:Image→Astrometrical calibration...をクリック

スクリーンショット 2022-04-19-10
1.WCSタブをクリック→2.CREATEボタンをクリック
これで写真の位置情報とカタログデータが同期します。

スクリーンショット 2022-04-19-11
あとはAladdinの膨大なカタログ情報を利用して画像の天体を調べることができます。

非常に簡単な手順でAladdinのデータベースを利用できますのでかなり便利です。
興味ある方はお試しください。


追伸
私は天体機器の制御はLinux+INDIを利用していますが、Windowsで天体機器を制御する場合はCCDCielが一番安定しているように感じました。理由は明確で星図アプリとの連携が上記のように簡単で運用によってはデバイスHubやPothHubを使わなくても複数機器を制御出来るからです。(シリアル機器の制約Windows環境のみの問題ですね。)

今回紹介した画像読み込み、PlateSolving→Fits書き出し機能はどの環境においても非常に便利に使えます。(Ekosにはこの機能がありません。)

OS環境に縛られず利用出来る高性能で便利なアプリなので利用者が増えてほしいなと感じています。







タブレットを新調したので、遅ればせながら長らくアップデートしていなかったSkySafariを最新版にしてみました。

実はこのアプリ前身のPCアプリであるSkyChartIIIというアプリの頃からずっと使用しています。
その頃から望遠鏡の制御が優秀でした。

スマホ(とMac)用のSkySafariになってから、前身のSkyChartIIIゆずりの望遠鏡制御機能に加え、拡大すると天体写真が見えたりと昨今のプラネタリウムアプリで便利に使用できる機能が早い段階から利用できたりとお気に入りのアプリでした。

対空双眼用にエンコーダーを利用したDSC環境を作ってありますが、その時はこのアプリで操作しています。

正直SkySafariになってから何度かアップデートしましたが(その都度購入)、正直あまりアップデートの必要性を感じないアプリでもありました。(それほど登場時から完成度が高かったとも言えます。)

今回の7シリーズは操作系が大分変わったようなのでチェックしてみました。


Screenshot_20221128-220524.png

黄色枠で囲った部分が新機能になります。対象を押しっぱなしにすると表示されます。”i”の部分は天体の詳細情報が表示されるので便利かな。。。(円盤部分のボタンはイマイチのような。。。。)


Screenshot_20221128-220803.png

UIが変わったことで使い慣れたFOV機能などがどこにあるのか迷いました。上記赤枠で囲った部分に移動しています。。。(正直直感的でなくなったような。。。)

INDI、Alpacaドライバに対応したり、星図をオンラインで友達と共有する機能なども追加されたようです。

正直使ってみて一番ありがたかったのは前バージョンから追加された日本語表示でした。

使い慣れたコマンドの場所が大分変更されているので、慣れるまでは少し大変かも。。。





以前からINDIのSkySafariドライバを使用すればマウントドライバをSkySafariで連携して使用できましたが、SkySafari7(Plus以上)からはネイティブにINDIドライバに対応しています。(Alpacaドライバにも対応しているようです、、、が発表されてから大分経つのにドライバが揃いませんね。。。)

試してみたら非常に便利に使えましたので記載します。

事前準備として経緯台であれば北、赤道儀であれば北極に鏡筒を向けて、マウントとINDIサーバ・ドライバのあるPCを接続し、電源を入れておいてください。


Screenshot_20230407-234143.png

1.”メニュー”をクリック
2.”設定”をクリック



Screenshot_20230407-234208.png

1.リストから”プリセット”をクリック
2.”プリセットを追加”をクリック


以前のバージョンは設定が一つしか持てませんでしたが、今回のバージョンから複数のプリセットが可能です。

Screenshot_20230407-234222.png

リストから”INDI接続”をクリック


Screenshot_20230407-234329.png

1.プリセット名を入力
2.”次へ”をクリック



Screenshot_20230407-234420.png

1.INDIサーバのIPアドレスを入力
2.時刻と場所を設定のチェックボックスをチェック(マウントドライバに現在の場所と日時情報を送信します。)
3.”保存”をクリック


これで設定は終わりです。
次はINDIドライバを起動します。

Screenshot_20230408-000506.png

私はINDIWebマネージャーでドライバを起動しました。ドライバが起動すると赤枠部分に表示されます。


Screenshot_20230408-000540.png

SkySafariに戻って
1.”望遠鏡”をクリック
2.”接続”をクリック



Screenshot_20230408-000931.png

接続されると赤枠のように表示が変わり操作出来るようになります。
この状態になれば自動導入が可能ですが、接続できない場合は以下を試します。


Screenshot_20230408-000702.png

1.”メニュー”→”設定”→”プリセット”をクリックし、INDIのプリセットを表示
2.”デバイスのIPポートを確認する”をクリック
矢印部分にマウントドライバが表示されれば認識
3.”次へ”をクリック→”保存”をクリックし星図画面に戻り、再度接続ボタンをクリック


この操作で操作出来るようになります。


Screenshot_20230408-002050.png

INDIドライバは複数のクライアントでドライバを共有できるのでこのように別のアプリでも同時に接続できます。(画像はKStars)


Screenshot_20230408-002442.png

試しにベガを導入してみましょう。


Screenshot_20230408-002421.png

このようにKStarsも同期します。(どちらのアプリでも操作可能です。)


Screenshot_20230408-005928.png
Screenshot_20230408-005909.png

マウント以外のドライバも起動(カメラやフォーカサーなど)していれば、EkosでPlateSolvingしたりストリーム画像を表示したり、フォーカス調整する事もできます。

設定なども以前のバージョンと比較して楽ですし、非常に使いやすくなりました。

興味ある方はお試しください。






SkySafariはスマホ用のプラネタリウムアプリとして一番重宝しています。

グレードが複数ありますが、Plus、Proはマウントの制御も可能で非常に使いやすく私も愛用しています。

バージョン7からは独自ドライバだけでなく、INDI、Alpacaにも対応しましたのでますます便利になりました。

こうなってくると家でリモート観望するときにPCでもSkySafariを使いたくなってきます。

実はPCでもSkysafariを利用できますので以下にOS毎に記載します。

●Windowsの場合
・ネイティブアプリは無い
・エミュレート環境で動作可能
・INDI、Allpacaでリモート接続可能(対応するAlpacaドライバが必要)


●Macの場合
・ネイティブアプリ有り(エミュレート環境でも動作可能、)
・INDIドライバでダイレクト接続(USB、無線共)、リモート接続いずれも可能(要INDIサーバ・ドライバのインストール)
・Allpacaでリモート接続可能(対応するAlpacaドライバが必要)


●Linux(Ubuntu)の場合
・ネイティブアプリは無い
・エミュレート環境で動作可能
・INDI、Allpacaでリモート接続可能(対応するAlpacaドライバが必要)


Macのみネイティブアプリがありますので、Skysafariのドライバ、INDIドライバとも有線・無線共直接繋げる環境が可能です。
カメラやフォーカサーなど他の機器も利用する場合はINDIを利用しましょう。

他のOSはネイティブアプリがありませんので、エミュレーション環境を利用することで使用できます。
マウントの制御もINDIやAlpacaで可能ですが、現状AlpacaではドライバがほとんどありませんのでINDIドライバを利用することになります。

INDIサーバ・ドライバはMacとLinuxしかインストールできませんが、クライアントは全ての環境で利用できます。

以下に全ての環境で利用できるエミュレーション環境での利用方法を記載します。

1.エミュレーションアプリ(BlueStacks)をダウンロード
”バージョン5”と書かれたボタンを押してダウンロード→インストールをしてください。

2.BlueStacksを起動して下図赤枠部分の”マルチインスタンスマネージャー”ボタンをクリック

スクリーンショット 2023-04-12 235259


3.ダイアログの”新規インスタンス”をクリック

スクリーンショット 2023-04-12 235951


4.バージョンを選択→”アンドロイド11(beta)”を選択

スクリーンショット 2023-04-13 000116


5.マシンスペックに合わせて1部分を設定→”作成”ボタンをクリック

スクリーンショット 2023-04-13 000452

これでエミュレーターにSkysafariをインストールする準備が完了です。

Skysafari7はデフォルトのアンドロイドバージョン(9)では動作しませんので、新しく作ったアンドロイドバージョン(11)を起動してください。

BlueStacksはGooglePlayストアが利用できますのでスマホで利用しているアカウントでログインすれば購入したSkysafariをインストールすることができます。

INDIドライバでの接続に関してはこの記事をご参考にしてください。

Mac、LinuxであればINDIサーバ・ドライバをインストールしておけばPCの無線・有線(USB、シリアル)いずれの接続でも利用できますし、複数のアプリでドライバを共有して利用できます。

Windows環境ではINDIサーバ・ドライバ環境を用意するというひと手間が必要ですが、サーバ・ドライバに接続したマシンにリモート接続することで同様の環境で利用できます。(ASCOMでいうところのPOTHHUB、デバイスHUB不要で複数アプリでドライバを共有して制御できます)

個人的にはかなり使いやすい環境だと感じています。(私はマウント操作はSkysafari、PlateSolving、オートガイドなどはEkos、ライブスタッキングはASILiveをシームレスに連携しながら使用しています。)

興味ある方はお試しください。






プロフィール

TーStudio

Author:TーStudio
色々工夫しながら星空を楽しんでいます。
興味あるカテゴリを選択してお楽しみください。

カレンダー
11 | 2023/12 | 01
- - - - - 1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31 - - - - - -
カテゴリ
最新記事
最新コメント
月別アーカイブ
アクセスカウンター