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★天体撮影ー惑星のカテゴリー記事一覧


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惑星撮影の撮影で注意する事項を記載します。

惑星や月は初心者でも望遠鏡で探しやすい対象ですが(星雲や星団と違って目で確認できるので)、撮影となるといくつか注意点があります。

撮影方法によって変わる部分もありますし、共通事項もありますので分けて記載します。


惑星撮影の注意点(共通事項)
・ファインダーの位置合わせを事前に正確にしておく。(高倍率・狭視野のため)
惑星撮影は高倍率・狭視野で行うことになるのでファインダーの正確な位置合わせが重要なポイントになります。
ここがずれていると導入が非常に困難になりますし、カメラの取付け時に位置がずれたときなど導入できなくなったりします。


・ピント合わせが非常に重要
高倍率のため、非常に難しい部分です。眼視と異なり僅かなずれも覿面に画像品質に影響しますし、カメラのプレビュー画像だとピント合わの際の僅かなブレで画像がまともに見えなくなります。
私は初期の頃はタイラップをフォーカサーに巻いて、結束先を固めてテコの原理で軽く回せるようにして対処していましたが、現在は電動フォーカサーを利用してブレを防いでいます。
人間の目だと僅かなズレは目の方で調整してくれますが、カメラでの撮影ではシビアな調整が必要です。


・大気と筒内の気流
ピント同様画像品質を大きく変化させるポイントです。大気は上空のジェット気流などが強い日は星が瞬いて見えます。このようなときは高倍率で撮影しようとしても揺らいでボケての繰り返しになり、うまくいきません。
ベランダで撮影する際は下の階の室外機の影響も受けますので下の階の室外機から離れたところに設置しましょう。
筒内の気流に関しては口径の大きな望遠鏡が強く影響を受けます。屈折より反射望遠鏡の方が光路反復があるため影響が甚大になります。
筒内気流は外気と慣らす(1〜2時間)、または筒内で対流が起こらないよう外気から断熱するなどさまざまな方法がありますが、まずは最も簡単な外気と慣らす(1〜2時間)からはじめてみましょう。
筒内は対策でなんとかなりますが、大気の場合はなんともなりません。。
想像以上に惑星を撮影するのに適した大気の状態は少ないことを覚えておきましょう。尚、星雲・星団ほど空の暗さは影響ありませんし、月が出ていても撮影できます。


・静止画ではなく映像で撮影する
銀塩写真の時代は惑星をうまく撮影するのは非常に困難でした。高倍率では気流や筒内気流、ピントの影響が非常にシビアで一枚撮りではボケたりぶれたりした画像しか撮影できなかったからです。
現在でも静止画一枚で惑星を綺麗に撮影するのは非常に難しいです。
現在の主流は惑星は動画撮影して画質の良い部分を集め、スタッキングと呼ばれる処理で一枚の画像に仕上げる方法になります。
一枚撮影の画像と比較して、圧倒的に画質が向上できますので、撮影は動画で行いましょう。
 

上記が共通の注意点です。

惑星の撮影方法はいくつかの種類がありますので以下それぞれの注意点を記載します。


コリメート撮影での注意点
望遠鏡の接眼部にカメラを近づけて撮影する方法です。望遠鏡に接眼レンズ、カメラにレンズがある状態で撮影します。
そのためコンパクトデジカメやスマホでも撮影できるなど最も簡単な撮影法になります。

手持ちでもなんとかなりますが以下注意点を考慮して撮影しましょう。

・望遠鏡の接眼レンズに触れないように撮影する
接眼レンズにふれるとぶれてしまい撮影できません。接眼レンズにふれない範囲でカメラレンズをぎりぎりまで近づけて撮影しましょう。

・望遠鏡の接眼レンズと光軸をあわせる
望遠鏡の接眼レンズとカメラのレンズが傾いていたり、ずれていたりするとうまく撮影できません。最も簡単なのは撮影アダプタを使用することです。

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上記はスマホ用ですが、コンパクトデジカメでも使用できるものも販売されていますので利用しましょう。

・カメラがズームレンズの場合は望遠側で
カメラがズームレンズの場合はまず広角側で光軸を合わせ、それからズームして程度な大きさになったところで撮影しましょう。


拡大撮影での注意点
望遠鏡の接眼レンズをリレーレンズとして撮影する方法です。この方法はカメラのレンズ部分を取り外せないと撮影できません。望遠鏡に接眼レンズ、カメラのレンズを外した状態で撮影します。(専用のアダプターが必須です。)
焦点距離の短い望遠鏡などで高倍率の撮影をする場合に使用する方法です。


・撮影は動画で行う
上記コリメートと同様です。

・高感度設定に
カメラに動画の高感度設定(もしくは夜間撮影モード)がある場合はそれを使用しましょう。
拡大撮影は合成焦点距離が非常に長くなるので感度が必要になります。

・望遠鏡の接眼レンズの選定
拡大撮影は望遠鏡の接眼レンズがリレーレンズとして働くため、眼視とは異なる視点で接眼レンズ選定する必要があります。一般的にはオルソやプローセルなど古典的なレンズ枚数が少ない接眼レンズが拡大撮影に向いているとされています。
手持ちの接眼レンズをチェックして最も良く見える接眼レンズを使用してください。


(バローレンズを用いた)直焦点撮影の注意点
望遠鏡にバローレンズを接続してレンズ交換式カメラを直接接続する方法です。
この撮影法を行える方はすでに大口径の望遠鏡を持っている中級以上の方だと思いますので、特段ここで注意を記載することは無いでしょう。


以上惑星撮影の注意点について記載しました。
これから惑星を撮影しようと考えている方はぜひお試しください。





追伸
現在私が惑星撮影で検討している事項を記載します。
現在私が最も検討している事項は筒内気流になります。
今まで気流のせいだと思っていた部分の多くは実は筒内気流が影響しているのではないかと考えています。
私が惑星撮影に使用している鏡筒はC9 1/4ですが、外気との順応が終わって、非常によく見えるときと途中から見えなくなるときにわかれます。気流が変化したのかと考えていましたが、望遠鏡の材質がほとんどアルミであることを考えると、外気の気温変化が非常にセンシティブに筒内気流に影響を及ぼすのではないかと考えるようになりました。
閉鎖鏡筒の場合はいくら外気と順応させても外気の温度変化があれば対流が起こってしまいます。
その変化を追うように順応させたとしてもレンズや反射鏡のようなガラス材がアルミ部分のように俊敏に温度変化してくれません。
と、なると閉鎖鏡筒の場合は筒内の温度を外気とは関係無く一定に保つような工夫をすれば安定するのではないかと考えています。(開放鏡筒の場合は対策が異なります。)

このところあいにくの天気で全く撮影できませんが、いくつかアイデアがありますので成果が出ましたら記事にしようと思います。(それにしても全く晴れませんね。。。。)



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