日本企業の衰退や、中国企業の台頭、自動導入など電子部分の向上や、大口径の鏡筒の価格低下などでしたが、思い立って再開したため無理のないスタートをと思い、廉価な手動赤道儀の反射望遠鏡を購入しました。(子供の頃に購入した望遠鏡は実家においてきたため)
その当時は大都市の中心部のマンションに住んでいましたが、ここで最も大きな約25年の変化を感じることになります。
「空が明るすぎてファインダーで星が探せない」
子供の頃に購入した望遠鏡も手動赤道儀でしたので、操作は覚えておりタカを括っていたのですが、2等星がようやく見えるかといった環境でブランク明けでの手動導入は惨敗に終わりました。
望遠鏡はレンズの天地左右が全て反対に見えます。倍率が高い場合視野も相当狭くなります。
そのため、対象の導入支援のためファインダーがあるのですが、こちらも昔同様天地左右反対に動くため、目印となる星からたどりながら目標天体を導入するためにある程度の慣れを必要とします。
空が明るすぎて目印となる星がほぼなく、更に天地左右が反対に見えるため、どこを見ているか全くわからなくなってしまいました。
過去に天体望遠鏡を操作したことがある人間でもこれですから、全くの初心者はもうこの段階で諦めるでしょう。。
そこでネットなどで導入支援を行う機器を検索すると正立ファインダーや、Digital Setting Circlesと呼ばれるエンコーダーを架台に設置して、PCのプラネタリウムソフトと連動して支援する機器を見つけました。
しかし、かなり高額だったため、悩んでいたところ、その機器を自作するサイトを見つけました。
日本での情報はごくわずかでしたが、海外では結構こういった自作を行うことが多いということがわかりました。
意を決して制作しましたが、電子工作自体も大変で、更にエンコーダーの架台への取り付けに関しては金属を加工しなければならず苦戦しました。
全て無事に動作するまで3〜4ヶ月もかかりましたが、その効果たるや絶大で、肉眼で見えない対象を大量に導入できました。
それはそれで、とても嬉しかったのですが、これだけの月日が経過して、技術の進歩があるにもかかわらず、入門機として販売されている機器が入門者への門戸を開く努力が全くされていないことにも大いに驚きました。
その後にも異なる機器のDigital Setting Circlesも自作したり、エンコーダーを取り付けられない架台には、プラネタリウムソフトを使用すると現在時刻の方位、方角が簡単にわかるため目盛環を使用する方法も試し、成功しました。
エンコーダーはマウスにも使用されているため、大手メーカーが少し工夫すれば、安価にファインダーなどよりはるかに高精度に導入支援をできる環境を提供できると思いますが、Digital Setting Circlesはおろか、目盛環すら設置されていません。
そのため、望遠鏡で星空を観望するためには高額な自動導入機器を最初から購入するか、メーカーに頼らず、必要とするものを情報を集めて自作するかのいずれかになります。(月と惑星だけではあっという間に飽きてしまいます。)
双眼鏡では低倍率で視野が広いため、一気に対象導入の敷居が低くなりますので、最初に観望する機器として双眼鏡をおすすめしますが、望遠鏡で対象を導入できず苦戦している方は経緯台に目盛環であれば僅かな工夫で劇的に導入支援効果を得られますので、ぜひ頑張って取り組んでみてほしいと思います。
電子工作も現在では日本語で丁寧にDigital Setting Circles の説明をしてくれている。なずな工作室さんや、Ardiunoを用いてほとんどPCでプログラムを書き込むだけで完成する機器もあります。(Digital Setting Circles以外にも便利な天体用のプログラムがいくつかあります。)
今後の記事で私が作成した自作機器をご紹介しようと思います。
興味ある方は是非チャレンジしてみてください。