以前の記事で環境構築を行ったAstroberry2.0ですが、以前のAstroberry(RaspberryPi3or3+用)と比較していくつか変化した部分、若干の修正が必要だった部分がありましたので記載しておきます。
変化した部分
●OSがUbuntuMateからRaspbian(Buster)に変更(一番大きな変更点)
●それに伴いシステムの日本語化設定が変更sudo raspi-config→(メニューより)4 Localisation Option→I1 Change Locate→ja_JP.UTF-8 UTF-8にチェック
以上で日本語フォント、インプットメソッドなどが入るようです。システムのメニューなども日本語化されます。
KStarsを日本語化するには従来同様の手順です。
sudo apt-get install kde-l10n-ja
KStarsメニューの"ヘルプ"をクリック→アプリケーションの言語を変更を選択→日本語に変更
●リポジトリの追加これも大きな変化ですね、今までDebian系には天体系のソフトのリポジトリはほとんどありませんでした。
もしかしたらRaspberryPi4以外のSBCでもBusterを使用すれば同様の環境が構築できるかもしれません。
リポジトリの登録方法は
こちら●ASTAPの追加EkosのSolverがASTAPにも追加されたことによりインストールされています。
環境によりSolverの使い分けができるようになりました。
機能が削除・もしくは調整が必要な部分大筋順当なバージョンアップでしたが、OSがRaspbianに変更されたことでいくつか以前使用できていたものがインストールされていない、または不具合がある部分もありました。
以下に列記します。
●SynapticがインストールされていないGUIでリポジトリ管理ができる便利なSynapticがインストールされていません。使用する方は以下コマンドでインストールしましょう。
sudo apt-get install synaptic●GPSの不具合GPSDなどはインストールされており、設定を合わせれば使用できましたがシステムとの同期、ドライバへの変更などが機能していませんでした。
raspberryPiは4になってもRTCが内蔵されていないため、屋外でシステム時計を設定するにはその都度手動で合わせるか、GPSと同期して合わせるか、RTCモジュールを追加するしかありません。
以下にインストールされているGPSDから同期する方法を記載します。
sudo apt-get install ntp
sudo nano /etc/ntp.conf→設定ファイルが表示されたら以下を追加
#server ntp.ubuntu.com
server ntp.nict.jp
server ntp.nict.jp
server ntp.nict.jp
# time from shared memory provided by gpsd
fudge 127.127.28.0 time1 0.512 flag1 1 refid GPS
# Kernel-mode PPS ref-clock for the precise seconds
fudge 127.127.22.0 refid PPS
server 1.server
server 2.server
server 3.server
server 127.127.28.0
server 127.127.22.0
(server ntp.ubuntu.com3つをコメントアウト後上記を追加して保存)
NTPサーバも入っていませんでしたので入れてから設定ファイルを変更してGPSに同期させます。(PPSは自信なし)
●VNCの挙動が遅いなんかもっさりして使いづらさがあります。以下の方法いずれかを追加して改善しましょう。
・リモートデスクトップサーバsudo apt-get -y install xrdp
sudo systemctl enable xrdp
sudo systemctl start xrdp
上記コマンドでインストール、VNCサーバと同居可能
・NoMachinehttps://www.nomachine.com/
上記よりダウンロードしてインストール、VNCサーバと同居可能
いずれもVNCサーバと同居できます。
私はずっとx11VNCサーバを使用してきたので入れ替えようかと思いましたが、面倒なので上記を追加して使用しています。
●GUIから自動起動アプリを設定できない。
Mateでは使用できていたgnome-sessionなどが使えないため、気軽に自動起動アプリを設定できなくなってしまいました。面倒ですがsystemdのサービスファイルを設定しないとダメなようです。(新たに自動起動アプリを追加しないのであれば問題ありませんが。。)
ざっとこんな感じです。
RaspberryPi4で作業しましたが、初期段階としては安定していると思います。海外と半年発売のズレがあったのが幸いしたかもしれません。
リポジトリの追加は他のSBCでは試していませんが、使える可能性があります。(Armbian、Busterなど)
体感としてはあまり高速になったとは感じませんでした。(VNCサーバの問題があるかも)
USBブートにもまだ対応していないので他のSBCと比較すると劣る部分もありますが、イメージファイル焼き込みで環境構築終了の手軽さは魅力です。
興味ある方はお試しください。
(他のSBCで導入にチャレンジする方はぜひご報告ください。)