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先月かなりいろいろなチェックを行う中で、痛切に感じたことがタイトルの制御と処理環境についてです。

現在ではどちらもPCを使用する状況が多いですが、制御と処理は分けて考えたほうが問題解決が容易になるように感じています。

制御に当たる部分は以下になります。
・マウント
・フォーカサー
・カメラ
・オートガイダー
・フィルターローテーター

この他にもドームやGPS、温度センサーなどさまざまです。

いずれも外部機器のリアルタイム制御になります。
カメラを除いて実は殆どの場合シリアル制御(現状ではシリアルUSB変換が主)です。
上記の機器が正常に動作するか否かはドライバとOSの機能(特にシリアル制御のコントロール機能)に依存します。

対して処理に関しては、ライブスタッキングなどリアルタイム処理を除いては全て後処理、殆どは画像や映像の処理になりますのでPC内部での演算になります。
どのような処理が可能なのかは、アプリの機能に依存します。

いろいろなOSで環境を作りチェックすると痛感しますが、現状ではOSによって得意分野が明確に異なります。。

OSのことを書くと宗派論争になりがちなので(なぜなんでしょうね?)細かくは記載しませんが、同じOSであっても、制御部分と処理部分では要求される要素が全く異なりますので分けて考えたほうが幸せになることができます。

個人的に注意が必要なのは制御部分だと考えています。
この部分が上手く動作しないと撮影が出来ませんし、マウントやカメラ、フォーカサーなどの制御が出来なくなります。
特にマウントについては動作が不安定であったり、暴走などすると他の機器の破損にも繋がります。
制御部分に関しては映像や画像部分を除いてはマシンスペックが必要になる部分はありません。
いちばん重要なので安定して全ての機器が制御出来ることです。

処理部分に関しては自分が望む処理機能が快適に使用できれば良いので、マシンスペックと自身が望む処理が可能なアプリの有無で決まってきます。

天体用PCと一括りに扱うのではなく、制御用、処理用と物理的にマシンを分けても良いでしょうし、特定のOSにこだわりがなければ得意分野に合わせてOSを切り替えるのも一案です。

遠征などでPCの不具合などは不快な思いしか残りません。

制御部分に関しては特に安定第一を心がけて環境をまとめましょう。
(後処理部分の機能は個人的には制御用マシンには不要と考えています。)






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以前こちらの記事に記載したこの2つの謎技術でフルリモートで多段ライブスタッキングを楽しんでいます。


スクリーンショット 2021-02-19 221152

晴れて観望出来れば1~2時間で数十の対象を楽しめます。(似たような写真ばかりなので一枚のみで他は割愛)
最初の頃はMiniPCの環境を切り替えたりしながら観望していましたが、最近はトラブルフリーのUBUNTU側が主になってきています。

写真の画像も1秒、2秒、5秒、10秒と切り替えながら多段ライブスタッキングしていますが、星が全く流れません。(経緯台なので時間と共に画像が回転していますね。)
秒数を変えると明るさや星の数が変わりますので見ながら秒数を変えて見やすく調整するような観望をしています。

StellaSolverにしても多少の障害物があっても物ともせず、数秒(大体は2~4秒)で位置解析が終了します。

どちらも本当に謎技術ですが、このおかげで機材を設置したらアライメントも取らずすぐ家に入り観望出来ています。
当地のような寒冷地での観望は身体にこたえるので本当にありがたいことです。

しかし、昨年ズーム観望の楽しさを知ってしまったので、早く暖かくなって外でリアルタイムズーム観望も楽しみたいです。
(まだ当分かかるかな。。)






以前デュアルブートのMiniPCを作ってから、星を見ながら色々試していました。

しかし私の環境ではリモートでのフル制御とPlateSolvingが必須になるため、Windows、ASCOM環境だと立ち上げるアプリも多くPlateSolvingの安定性がどうやってもかなり低くなってしまい若干使い勝手が悪く感じていました。

どうしたものかと考えたところ、KStarsの現在のバージョンでは全てのOSバージョンで新しいStellaSolver(とそれを動作させるためのサーバ一式)が内蔵されていることを思い出しました。
しかし、Windowsの場合、INDIサーバ・ドライバが動きませんのでMacかLinuxにインストールしたINDIサーバ・ドライバを使用しないとStellaSolverを使うことが出来ません。。。

。。。であれば、サーバ・ドライバだけが動作する軽いLinux環境をVirtulBoxで動かせば使えるのではないかと考え試してみました。


スクリーンショット 2021-02-19 082547

INDIサーバ・ドライバさえ動けばほかはWindows版のKStarsでまかなえますので、サーバ・ドライバのみをインストールした最小構成です。サーバ・ドライバのみの使用なので、仮想環境の割当メモリも1G、使用するCPUチップ数も1で全く問題なく動作します。

私はCUIがあまり好きでないのでデスクトップシステムにしましたが、Linux側で操作するのは、システム終了のコマンドくらいなので無くても問題ありません。(全くといっていいほどLinux側の操作は不要です。)


スクリーンショット 2021-02-19 082651

VirtualBoxでUSBを使用するとUSBシリアルの機器(マウント、フォーカサーなど)は問題なく認識され、INDIWebManagerでドライバも問題なく起動できます。
(カメラのドライバだけはNGだったので、シミュレーションドライバにしてあります。)


スクリーンショット 2021-02-19 082846

INDIWebマネージャーのドライバを読み込むにはプロファイルエディタでこのように設定しておきます。
これで起動したドライバを読み込んでくれます。

スクリーンショット 2021-02-19 083157

Ekosのアライメントモジュールからオプションを選び、WindowsにインストールしてあるAstrometry.netのインデックスファイルファイルを連携させます。


スクリーンショット 2021-02-19 083533

私はAllSkyPlateSolverを使用していましたので、AllSkyPlateSolverのインデックスファイルのディレクトリを追加します。
そうすればインデックスファイルを共用できます。


VirtualBoxのエミュレーション環境ではカメラドライバのみ動作しませんでしたが、Windowsでは苦しんでいたUSBシリアル機器(マウントやフォーカサー)は全く問題なくKStars・Ekosで快適に操作出来ました。
カメラ部分はシミュレーションドライバで起動しておけばEkosでアライメントモジュールが読み込めるのでStellaSolverが使用できます。
インデックスファイルなどもすでに他のアプリでインストールしてあれば共用出来ます。


Ekosのアライメントモジュールは画像ファイルを読み込んでPlateSolving出来ますので、カメラのみ他のWindowsアプリで動作させて保存場所をEkosアライメントモジュールで読み込めば問題なく使用できます。(マウントドライバやフォーカスドライバはEkosで直接操作出来るので自動導入はもちろんオートフォーカスやPlateSolvingでSyncも可能です。)

PlateSolvingの速度、安定性は非常に良いです。
ASCOM(というか、COMを使用するドライバ)の縛りが無くなりますので、天体アプリ全てを64ビット版が使用できます。

動作チェックなどしてみましたが、全く問題ありません。非常に安定して使えそうです。
今回作ったLinuxの仮想ドライブが別のマシンでも簡単に共用出来れば配布しようかと考えましたが、別環境で仮想システムを動作させるのにコツが必要になるので配布はペンディングにしました。(実はネットに上げてありますが。。)

サーバ・ドライバ、INDIWebマネージャー、GSCカタログを入れるだけなのでLinuxのインストールといってもそれほど時間も手間もかかりませんでした。(というか、インストールの方法をおぼえればLinuxは正直環境構築にそれほど時間がかかりません。コマンド数個実行するだけです。)

興味ある方はお試しください。





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色々工夫しながら星空を楽しんでいます。
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