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天体機器を使用する場合、特にPCや撮影機材などを併用する場合には安定した電源の確保が最重要になります。

私自身は以前ノートPCを使用していたので100Ahの非常に重いディーブサイクルバッテリーを使用していましたが、数年使用しただけで2台オシャカになってしまいました。

天体撮影などで使用する場合、長時間使用することになりますしPCも使用するとなると安定した純正弦波のインバータなども揃える必要があります。

なにかにつけて大掛かりになってしまう状況でしたが、最近は状況が変わってきました。

・MiniPCやシングルボードコンピュータなど省電力のPCが実用的に利用できるようになった。

・ポータブル電源の性能が向上し、省電力のPCであれば余裕で一晩使用することができ、今まで別に揃えなければならなかった純正弦波インバータも内蔵される機器が出てきた。

私自身も現在はMiniPCとSBC(ラズパイ4)のいずれかで天体機器の制御を不自由なく賄っています。
ラズパイ4はフルに稼働したとしても15W以下ですし(通常の使用ではかなり省電力です。)、MiniPCも省電力機種を選べば最大で20W程度の消費電力に抑えることができます。


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このくらいのスペックであればWindowsで使用しても天体機器の制御であれば不自由なく使用できますし、Linuxであれば非常に軽快に動作します。(Linuxを使用する場合にはこの機種のようにチップセットがインテルのものを使用するのが無難です。)

私はタブレットからリモート操作していますのでモニターを使用していませんがモニターで運用したいのであればHDMI端子のついたデジカメ用のポータブルモニターや、ポータブルテレビが非常に省電力に運用できます。


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色の再現性などはモニタの方が優れているかと思いますが、どちらもHDMI入力端子を備え、非常に少ない消費電力で運用できます。(テレビの方は私の遠征用モニタと同じものです。モニタのセッティングがテレビ用になっていますが、色調整やシャープネスを低くすればPCのモニタとしてもそこそこ利用できます。(画面が大きいのが一番ありがたいですね(笑))

これらの機種であれば、ポータブルバッテリーで一晩余裕で稼働できます。
最近では低温環境に強く、繰り返し充電回数が非常に多いリン酸鉄リチウム電池を搭載したポータブルバッテリーが登場しました。


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どちらの機種も天体機器制御の利用で不可欠である”純正弦波インバータを内蔵”しています。
さらにはMPPTという高性能なソーラーパネル充電回路まで搭載していますので高効率でソーラーパネルから充電まで可能です。
(違いは容量のみです。バッテリー、インバータ、MPPT回路など個別に揃えるより安価ですね。。)

リン酸鉄リチウム電池( LiFePO4電池)は長寿命(リチウムイオンの4倍以上)なメリットもありますが、天体で利用する場合にもっとも恩恵を受けるのは低温時の安定性でしょう。(公称値-20~60度に対応するようです。)

今まで頭痛の種だった屋外でのPC利用(消費電力、安定した電源の供給)が、機種を選べば驚くほどコンパクト・軽量に実現できるようになってきました。

掛け声だけで全く実用化がされていない燃料電池より現実的なソリューションになりそうです。

私が使用している機材とほぼ同等の内容になりましたが(笑)、実際稼働してみてまったく不自由していません。
(ノートPCを動かしていたときより遥かに快適に制御できています。)

これから機材を構築される方の検討要素の一つになれば幸いです。


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衰えをしらないコロナ渦が続く中、アウトドアなど過密状態を避ける趣味を持つ方が増えたようです。
天体趣味というのもアウトドア活動ですね。(夜専門ですが。。)

キャンプなどと同様天文も道具沼があるところなどもよく似ています。(苦笑)

天文趣味は高齢層が多いようですのでまずは大人買いで道具から揃えてしまわれる方もいらっしゃるかもしれません。(ますますキャンプと似ている。)

機材を買ったら試したい、が、いきなり大変な思いをしたくないという方はベランダ(もしくは庭)でデビューしてみましょう。
都心部などで条件が悪いところでも以前紹介したZoom観望やEAA(電視観望)、眼視でも双眼鏡などがあれば肉眼よりはるかに星が見えますし、カメラや望遠鏡などに光害用のフィルターなどを装着すればさらに対象が確認しやすくなります。(撮影などでも対象が写りやすくなります。)

星を見たり、撮影したりするには天の川が見えるような場所が最高ですが、不慣れな道具を持ち出して設置や設定ができずに苦しむより、星を見る条件が悪くても、気軽に設置して試せる環境からスタートしたほうが長続きするように感じます。

天体機材は専門性が高く難しいものが多いので、気軽に設置できるベランダ(もしくは庭)で積極的に実戦経験をつんで機材の扱いに慣れましょう。

最初は月からスタートして、低倍率で散開星団や大型の星雲(M42など)にチャレンジしてみましょう。
高倍率が必要になる惑星はある程度機材の扱いに慣れ、星空の位置関係を覚えてから挑戦したほうが観望や撮影の選択肢が増えます。

キャンブ道具なども結構天体活動で使えるものが多いので一緒に楽しむのも良いかもしれません。

どちらもある程度機材の扱いに慣れたらぜひ天の川が見えるような空の暗いところに挑戦してみてください。
都心部ではうっすらとしか見えなかった対象が驚くほど鮮明に大きく見えます。
(天の川を双眼鏡で見ると視界一面星で埋まりますよ。)

趣味でストレスを貯めないためにも(機材の扱いや対象探索など、慣れないとけっこうストレスになります。。)お気軽にベランダ(もしくは庭)でのんびり楽しみながらスキルアップしましょう。






Windows以外をご使用になっていない方にとってはLinuxやMacといった異なるOS環境で動作するINDIは敷居が高く感じるかもしれません。

しかし、ドライバやアプリのインストールさえ出来ていれば実は非常に効率的にセットアップを行うことができます。

私自身今年の2月に現在天体機器を制御している機器をMiniPCに変更した際、WindowsとLinuxのデュアルブート環境でいずれのOSでも天体機器を操作できるように設定しましたが、OSの設定やドライバ・アプリのインストールにかかる時間を除けば、INDI環境自体の設定は4~50分で終わっています。(かなり細かくチェックしてこのくらいです。)

当方が配布するAstRPiや、StellaMateやAstroberryなどのディストリビューションをご使用の方は煩わしいシステムの設定やINDI環境のインストールが完了していますので以下の手順を踏めば非常に効率的に機器のセットアップが室内で完了します。

INDI環境を設定する際に覚えておくこと

・INDIドライバはドライバコントロールパネルで機器の制御ができるため動作確認はドライバコントロールパネルで行う→設定の保存を必ず行う。

・KStars、Ekosの各モジュールはそれぞれが別のソフトと考える。
 -KStars→自動導入機能が付いたプラネタリウムアプリ
 -Ekosのプロファイルモジュール→サーバ・ドライバの起動アプリ
 -スケジューラーモジュール→天体機器の全自動制御アプリ(完全に自動化できますので、設定の不具合などがあると機器の故障に繋がります。他のモジュールの使い方をしっかり覚えてからお使いください。)
 -キャプチャーモジュール→カメラの設定、撮影アプリ
 -フォーカスモジュール→オートフォーカスアプリ(簡易のカメラ設定変更機能付き☆)
 -アライメントモジュール→PlateSolvingアプリ(簡易のカメラ設定変更機能付き☆)
 -ガイドモジュール→オートガイダー(簡易のガイドカメラ設定変更機能付き☆)

・ご自身でINDI環境をインストールした方は必ずGSCカタログをインストールする。(ディストリビューションをご使用の方は不要)
 
UBUNTU、Debianは
 sudo apt install gsc

Macはこちら

・緯度経度日時の設定、マウントへの読み込み設定などは メニュー:設定→KStarsの設定→INDI→Time & Location update の項目を設定してください。(下図参照)

スクリーンショット 2021-04-22 205240

☆部分に関してはカメラの設定をそれぞれのモジュール(アプリ)で使用しやすいように変更できるようになっていると考えるとわかりやすいです。


上記を踏まえて以下のステップで作業します。


Step1-CCDドライバの設定→保存
最初は撮影用、ガイド用のカメラのみ接続します。

ドライバのコントロールパネルで以下の項目をチェック→オプションタブにある”設定保存ボタン”で調整したパラメータを保存してください。(すべてのドライバで共通です)

・静止画の撮影チェック
・動画の撮影チェック
・CCDのピクセル数、ピクセルサイズを正しい数字に設定
・(カラーカメラの場合)色調整


Step2-(カメラ以外で)使用する機器のドライバコントロールパネルでの動作確認→保存
カメラ、ガイドカメラの動作確認、パラメータ保存が終了したら、ご使用の機器全ての動作確認を行います。

このときのポイントはカメラ、ガイドカメラをシミュレーションドライバに変更してください。

(CCD、ガイドカメラ用のシミュレーションドライバのピクセル数やピクセルサイズをご使用の機器と同じ設定にしておくとなお良いです。)

フォーカサーはステップ数の設定、モータの動作などをチェックしてください。設定が終わったらオプションタブに移動して設定を保存します。

マウントは緯度経度日時が正しく読み込まれているか、モーターの動作チェックなどを行います。

一つ注意が必要なのは使用する望遠鏡の口径、焦点距離の設定をマウントドライバで行う必要があるということです。

動作確認、望遠鏡の口径、焦点距離の設定などの記載が終わったら同様にオプションタブに移動して設定を保存してください。


Step3-KStars・Ekos各モジュールでの動作チェック
上記の設定が済めば、あとはKStars・Ekos各モジュールでの動作チェックになります。

ドライバはCCD、ガイドカメラのみシミュレーションドライバにして他の機器は電源を入れ接続します。
PlateSolving、オートガイドなど全ての確認を室内で行うことができます。


KStarsのプラネタリウム画面で自動導入を行ってみてください。
上記のドライバ設定が正しく行われていれば指示した方向にマウントが移動します。

キャプチャーモジュールで撮影すれば、マウント位置と連動したシミュレーション画像が撮影されます。

フォーカスモジュールでフォーカスを制御すればシミュレーション画像でフォーカス状態が確認できます。

アライメントモジュールでPlateSolvingを行えばシミュレーション画像で位置解析が行われます。

ガイドモジュールでガイドを行えばシミュレーション画像でオートガイドの動作確認が可能です。

万が一上手く動作しない部分がある場合は不具合が出ている機器のドライバコントロールパネルのチェック、Ekosモジュールのパラメータの確認をします。(ほとんどの場合は必要ありません。)

上記が正常に動作すればチェック完了です。
実際の星空では設定したCCD、ガイドカメラのドライバに切り替えてください。

CCD、ガイドカメラのシミュレーションドライバがマウントの位置情報、フォーカスと連動するため、全ての動作確認を室内で効率的に行えます。

他の環境では実現できない特筆すべき特徴なので有効にご活用ください。(動作の不具合がでなければ上記全てチェックしても数十分で動作確認できます。)


KStarsやEkosの各モジュールの機能説明、ドライバ設定などはこちらを(操作手順や注意点なども記載してあります。)









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Author:TーStudio
色々工夫しながら星空を楽しんでいます。
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