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現在ベランダで撮影環境を作るために中国からの部品待ちの日々が続いています。。。(POE関連とRS232Cレギュレータ)

私の赤道儀(初期型のセレストロンAdvancedーVX)はハンドコントローラー下部からシリアル端子(現在のものはUART変換されたMINIUSB端子)が出ているのでこの部分に改造を加えて無線化する予定ですが、天体機器の制御信号を無線化する障壁の多さに辟易としています。

環境整備の一助にもなるかと思いますのでそれぞれの問題を記載していきましょう。

●シリアル(またはUART機器)・・・一番問題が多い部分
マウント、フォーカサー、オートガイド端子(おそらく)、ローテーターなど多くの機器がシリアル(RS232C)で制御されています。
メーカーごとにシリアル端子の信号ピンの配列がバラバラ、シリアルにUART機器を追加してUSB端子が出ているものなどバラバラです。


問題なのは以下
・シリアルでそのまま通信を行うものと、UART(シリアル→USB変換)に変換されたものが混在(それぞれ対処が異なる)

・シリアル→無線LAN、及びBluetooth変換機器が気軽にメーカー、販売店から入手しずらい※

※天体機器メーカーや販売店が販売している機器は海外製で技適が取得されたものが皆無です。。。

・Windowsに関しては無線化したシリアルを変換するアプリを追加しないと利用できない。

・iOSはシリアル→無線LANには対応しているが、シリアル→Bluetoothには対応していない(SPP未対応)

・アンドロイドに関しては無線LAN(アドホック通信)は未対応、シリアル→Bluetooth(SPP)が対応。

・機器のシリアル端子のピン配列がメーカーによって異なる(調べないと正常に動作しない)


本当に問題だらけですね。。。
天体機器からシリアル端子がそのまま出ている(UART変換されていない)場合は以下の製品が利用できます。

ラトックシステム Wi-Fi RS-232C変換アダプター REX-WF60

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WIFIで接続する場合(iOS、Mac、Linux)Windowsは変換アプリが必要


ラトックシステム Bluetooth RS-232C変換アダプター REX-BT60

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Bluetoothで接続する場合(アンドロイド、Windows、Mac、Linux)

産業用のものであれば他にもありますが、数倍高額になります。。。


UART機器の場合は更に面倒です。

サイレックス・テクノロジー USBデバイスサーバ DS-520AN

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Windows、Mac限定であればUART機器くらいの転送量であれば上記製品で動きます。(利用するためにドライバが必要になるのでiOS、アンドロイド、Linuxでは利用できません。。。)

私が配布しているAstRPiにはser2netと呼ばれるプログラムを組み込んでありますのでUART機器の無線変換器として利用できます。(SkySafari用に一台のみ接続できるように設定してありますが、設定ファイルを書き換えれば複数台のUART機器を無線化出来ます。)

UARTを無線化出来る商品にはSkyFiがありますが、残念ながら日本では販売されていません。(技適問題もあります。)

あとはESP8266やESP32の開発環境から自作でしょうか。。。
ガラパゴス化した日本の法律と、メーカー、販売店の非対応でユーザーが環境を構築しづらい状況がつづいていることは残念でなりません。。


●カメラなど(天体カメラ、一眼デジカメ)
天体カメラと一眼デジカメでは対処が異なります。(画像処理エンジンの有無)

INDIやINDIGO(Alpacaもここに加わるはずですが、発表されてから4年も経つのにドライバが揃っていません。。。)などネットワークドライバを利用することになります。

原理的には上記のようなUSBデバイスサーバも利用できるはずなのですが、私が試した機器では映像信号のような転送量が大きいものはまともに使えませんでした。

以前から記事に記載していますが、天体カメラのデータ処理方法は無線転送するには重すぎます。(使えるには使えますが、かなり工夫しないと快適に動きません)

デジカメに関しては画像処理エンジンやバッファが利用できますのでプレビューをJPEG、保存をカメラのSDにすれば快適に利用できます。(画像処理エンジンを利用して画像の転送量を減らすことができます。ライブビューはデフォルトで画像処理エンジンによって軽量化されています。)

この目的であれば市販されているものでもっとも簡単に利用できるのはZWO社のZWO-ASIAIR Pro(中身はINDI)でしょう。
アストロアーツのステラショット2+ギアボックス(中身はINDIGO)もサポートが日本語で受けられますので良いかもしれません。

私が配布するAstRPiとラズパイ4で頑張ってご自身で環境を作ることも出来ます。


天体機器はEAAを行うにしても、撮影を行うにしても複数機器の制御が必須になります。

但し、現状では制御信号を無線化して利用するためには非常に多くの障壁があります。。。
障壁のいくつか(ガラパゴス化した法律、製品の販売体制など)はユーザーでは対処出来ない部分に問題があるのも残念ですね。(この部分は調べれば調べるほど残念な気分になります。。。。)

まあ、迷路のような状態ですが、自身が使いやすいように環境をまとめていきましょう。



追伸
一部のOSに関してはシリアル機器を複数接続するだけでも厄介なのに、無線化となると更に輪をかけて面倒になります。

電波法なんかはとうの昔に国際化されているはずなんですが(じゃないと飛行機飛べません。。)、なんでmWレベルの少電力機器に輪をかけて独自規格設けるんでしょうね?(なんのための国際規格なんでしょうか。。しかもその管理運営に使われているお金は我々の税金です)

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赤道儀での撮影環境も中国から部品が届くまでお預けです。(それ以外の部分は大体準備できました。)

天気も良かったのでリモートEAAを楽しみました。(ちょっと霞空ですが晴れ)

スクリーンショット 2022-01-22 222014

M42


スクリーンショット 2022-01-22 222115

馬頭星雲


スクリーンショット 2022-01-22 222208

バラ星雲


スクリーンショット 2022-01-22 222314

M47


スクリーンショット 2022-01-22 222340

M46

冬の観望だとカメラレンズくらいの画角が楽しいですね。(ズームを180mm程度に調整しています。)
いつもどおりINDI環境でKStas・Ekosで制御、ASILiveでライブスタッキング、そしてKStasのFitsビューアで開いて調整した画像です。(スクリーンショットという手抜きですが。。。)

今までASILive上で画像を見ながら調整していましたが、KStasのFitsビューアで開くとFits画像の情報を手軽に最適化出来ることがわかったのでEAAはこの組み合わせが定番になりそうです。

対象によりスタッキング枚数は異なりますが、2秒、5秒、10秒で多段露光しています。(これ以上の秒数は経緯台では流れてしまいNGでした。)

私のEAA用のカメラはZWO224MCですが、これだけ手軽に写るのなら画素数の多い天体カメラだともっと楽しいだろうなと感じました。(294MCとか533MCProとか)

まあ、ちゃんとした撮影はこれから仕上げる赤道儀環境に任せましょう。(こちらも手抜き仕様ですが(笑)


追伸
改めて人工衛星の数の多さにげんなりしました。。。
スタッキング始めると気付きます。。(光跡が伸びるので)

私は観望メインだからまだいいけど、撮影の方は大変だろうな。。。



今回のアップデートはトラブルで知りました。。。

初期設定やカスタムドライバが消えるアップデートなのでアップデートする方は必ずバックアップを取ってから行ってください。

ドライバの初期設定→/home/ユーザー名/.indi(不可視ファイル)
カスタムドライバ設定→/usr/share/indi


ご自身が所有している機器のドライバやカスタムドライバを利用している方は保存しないと消えます。(何度目でしょうか。。。いい加減学習してほしいです。)


●OnStep
・フォーカサーが無い場合は表示しないように変更(#1567)
・Lynxドライバではステップサイズとデバイスタイプの追加(#1570)
・ドライバ切断時にフォーカサーを削除(#1569)
・同期前にマウントするアライメントデータを保存(#1566)
・バージョンを1.13に更新、ネットワークに基づくタイムアウトを導入(2秒と0.1秒)、可能な場合は入力検証を追加

●CCDドライバー:標準のエポック位置のスヌーピングと高速の問題露出モードが修正(#1574)

●SkyWatcherAlt-Az反復GOTO

●修正しようとしています#1580(#1581)→不明?(なんでしょうね、これ)

●ベイヤーフレームソフトウェアビニングの提案(#1586)(機能追加されたんでしょうか?)

●Rigelsys / Astrogene1000 nFrameローテーターのドライバーを追加(#1590)

●「Craftのリンクの問題を解決するためのCURLの更新」(#1594 )

●バグ1359の修正(#1593)→これもなんだかわかりません。。

●パルサー/リゲルドームドライバ:開始時にコマンドを送信して、シリアルラインをフラッシュします(#1596)


原文がとてもわかりづらいのでかなり意訳しています。
以前から不明な番号が列記されていましたが、Githubの問題提出ページの番号みたいです。
https://github.com/indilib/indi/issues

これによるとバグ1359はマクロが機能していないバグ、1580はindi_pegasus_upbのUSB関連のバグ、1586のベイヤーフレームソフトウェアビニングは追加されているようです。

INDI環境をお使いの方はフォーラムだけでなくたまにGithubも見たほうが良いですね。。。(情報錯綜しすぎです。。さすがにオフィシャルページでこのレベルの文章が開示されるのは問題だと思います。)
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