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ここの所ろんろんさんとAstRPiのVPN設定についていろいろとやり取りをしている際、AstRPiのネットワーク設定、INDIドライバも含めいろいろチェックした所以下の問題が確認できました。

・後からインストールしたNetwork Managerが設定した様々なスクリプトに悪影響を与える(インターフェイスをMacアドレスで固定してしまうため)

・INDIドライバ1.9.4以降、SkyWatcher ALT-AZドライバ(他にもあるかも)でシリアル接続が出来ない→ねこめしさんが配布するドライバに差し替えることで動作可能(本家対応はまだ)

・INDIドライバ1.9.4以降ドライバ項目に追加があると自動接続の際ドライバがクラッシュする。→設定ファイルを破棄→再設定を行うことで回避可能

・配布しているAstRPiのネットワークブリッジ(br0)が機能していない→Network Managerの管轄から外し、設定ファイルを記述することで動作

・新しいラズパイのハードが変更されたためAstRPi3のシステムが動作しない→AstRPi5にてファームウェアを全て更新(私が該当するラズパイを所有していないため動作確認は取れていない)


前回AstRPi5でファームウェアとINDIドライバを最新版にして配布しましたが、色々検証する中で、Network Managerで管理することで設定してあるスクリプト(WebインターフェイスからAPのオンオフ)が機能しなくなったり、別のマシンにインストールする際、固定IPが外れてしまう問題がありました。

設定ファイルを追記して有線のネットワークをNetwork Managerの管理から除外することで問題が解決することがわかりました。

更新版は以下のようになっています

・etc/network/interfece の記述で192.168.1.100を固定、eth0との間にbr0のネットワークブリッジを設定

・アクセスポイントに関してはWebインターフェイスで確実にオンオフ可能(オフにした場合はNetwork ManagerのGUIでWIFIを選択できるようになる(Network Managerの管轄に戻る)

・私の所有する機器で不具合が出たドライバ(SkyWatcherALT-AZ、INDI-Webcam、v4l2(これもWebCam)、Arduino Sinple Switcher)の改善(SkyWatcherALT-AZはねこねしさん配布のドライバに入れ替え、他は設定ファイルの記述を書き換え)


などを行いました。
INDIドライバのアップデートポリシーが改善されていませんのでアップデートするとまた同様の問題が起こる可能性はありますが、ネットワーク周りに関しては今回配布する予定のバージョンで解消されるのではないかと思います。

現在一通りチェックが終わりましたので、イメージの圧縮・書き出しを行ってから配布します。

上記不具合部分が影響無い方はアップデートしなくても良いですが、Network Manager関連の不具合が解消されますので、Webインターフェイスの動作は改善されると思いますので、AstRPiをご使用になっている方はできることなら次回配布のバージョンをお使いください。

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3回にわたって天体写真を撮るためにおぼえておくことを記載しました。

天体写真の場合は対象が非常に暗く、昨今では光害などの影響もあり撮影する環境としてはかなり難易度が高い状態になります。

対象が暗いので露出時間が長くなる、地球の自転に合わせて精密に追尾しないと星が点に写らない、光害などで対象が適正露出になる前に飽和してしまうなど困難な条件をクリアする必要があります。

それでも昔と比べたら圧倒的にできることの領域が広がりましたので天体写真に取り組みたい方は問題となる項目を一つづつクリアしながらチャレンジしていけば目的を達成し易い環境を作ることが可能になります。
(昔と比べて物理的に不可能なことはかなり減りました)

現在デジタルカメラで撮影されている撮像素子は歴史的にビデオが先行して商品化しています。
そのため根幹の信号処理などに関してはビデオの技術が現在でも使われている部分があります。

長らく使用されてきたフィルムをビデオ技術がベースのCCDやCMOSに置き換える作業は、メーカーにとって非常に大変な作業であったと思います。

私が業務でデジタル画像の研究をしていた頃は海外の研究論文や、特許情報を取得するのは非常に大変でしたが現在ではインターネットの発達でそれらを見ることができるようになりました。

撮像素子に関する特許や画像処理に関してもいくつか論文がありますので興味ある方は調べてみてください。
(メーカーが開発した画像処理エンジンのいくつかは公開していないものもありますが。。。)

天体写真もそうですが、技術的に難易度の高いことを習得するためには、技術や知識の習得はもちろんですが統計分析や以外ですが行動心理学が非常に役にたちました。

統計分析は関連する情報を積み上げ、目的達成のための仮説づくりに役立ちます。
行動心理学に関しては以外ですが、統計分析に使うベース情報の取得の判断の一助になります。(研究者といえども人です、置かれている状況、背後にある財源などを考慮していくと情報のバイアスを整理しやすくなります

今回は初心者の方が陥りやすい部分、理解すれば簡単に実践できる部分に焦点を当てて記事にしました。

対象が露出不足にならないように露出時間を設定する(今はプレビューを見ながら確認できます。)、光害の悪影響を抑えるためにフィルターをかける、撮像素子の性能をフルに発揮できる設定で撮影するなど、言われてみれば当たり前、少しの注意で取り組めることから、オートガイドや画像処理などある程度の知識を身につけないと出来ない部分もあります。

できる所から進めて行けば目的を達成しやすくなるかと思います。

かくいう私も画像処理などで欲しい機能を作る技術(プログラミング)や、マウントなどの機械整備や調整が苦手です。
特に機械整備や調整は安定した追尾にかかわる部分なのでいつも苦労しているというのが現状です。(私の架台はギアが少し偏心しているようです。。)

天体写真は天体趣味の中でもかなり幅広い知識や技術が必要になる領域です。
結果だけを追うと正直あまり楽しくなくなる可能性もありますが、そこに至るプロセスで技術や知識を増やす喜びや気付きがあります。

○○を使うとすぐにできるとか、○○をするためには☓☓が必要など、浅薄な情報が溢れているのも事実です。
それらを盲信するのではなく、客観的に分析して、自分に必要なものだけを取り入れることを心がけましょう。

(人の心は弱いものです、甘い言葉や、権威の言葉に騙されがちです。自戒の念も含まれた言葉と理解してください。)

基本となる技術や知識を習得して、それらを組み合わせながら自分ならではの仮説を立て、検証すれば実現する可能性が高くなります。

趣味は仕事と異なり、結果を強制的に必要とされることがありません。
それぞれ自分のペースで楽しんで取り組んでいきましょう。

(おぼえることもてんこ盛りに多いし(笑)撮影環境を整備するのも結構大変ですが、失敗した所で怒られることもありませんし、結果を強要されることもありません。好奇心を持ち色々挑戦することを楽しめることが趣味の良さですね。)


前回の記事までで、撮像素子に最も多く情報を取り込むためには露出時間が非常に重要であることを記載しました。

天体のような情報量の少ない対象の場合は

・撮影時に不要な情報をカットする(フィルターを利用する)

・ヒストグラム上欠けが出ないくらい充分に露出をかける


ことが何よりも重要になります。
当たり前のことのようですが、このことがしっかりと明記されている記事がほとんどありません。。。(とくにカラーカメラの場合は輝度情報以外は補完処理になりますし、輝度情報に関してもフィルター分損失がありますので露出時間を多めに取る(少しオーバーになるくらい)ことが重要になります。)


しかし、デジタルの撮像素子を利用するといわば抜け道とも言える方法である程度の画像を取得することも可能です。

今回はそのことに触れて、このシリーズの締めにしようと思います。

その1の記事で記載したのですが、実は撮像素子はかなり微細なシグナルも感知する感度を持っています。合わせて暗電流ノイズと呼ばれる信号がなにも無くても出てしまうノイズがあります。

実際どのくらいのシグナルを受信できるのか、暗電流ノイズの量がどのくらいあるのかは撮像素子により異なります。

デジタルカメラのISOなどは撮像素子の特性を考慮して国際基準に合わせて定義付けしたものであり、実際の撮像素子の感度とは無関係です。

今回の記事で書く内容を効率的に実践しているのがEAA(電視観望)になります。

以下に方法を記載します。(露出時間を除けば写真撮影であっても同様です)

1.短い露出秒数(2~30秒のいずれか)で露出を固定

2.天体カメラの場合はゲイン、デジタルカメラの場合にはISOを最大に上げる

3.その状態で対象が捉えたい部分まで見えるか確認(ノイズは無視)

4.見えない場合は秒数を伸ばして2.3を確認

5.見えた場合は見えるギリギリのところまでゲイン、ISOを下げライブスタッキング


以上です。
EAAの場合はライブスタッキングと呼ばれる手法でスタッキング操作が自動化されます。

撮影の場合は画像をPCに取り込んでスタッキングアプリで後処理します。

自動導入経緯台を用いたEAAの場合は星が点に見える秒数が最大になります。

赤道儀、オートガイドなどで追尾する場合は露出時間に制限がありませんが、この方法を試すのであれば、10~30秒露出で露出を設定してください。(あまり長くするとモニターでチェックする時、効果がわかりづらくなりますので。。。)

両者とも1~3の準備は変わりません。
準備後に撮影、またはライブスタッキングするという流れです。


この操作を行うことで暗電流ノイズがスタッキングにより平均化されます。(フラットなグレースケールになります)
暗電流ノイズがフラットなグレーになるため、微細な信号と選別しやすくなります。

この状態で再度、画像処理としてグレー部分を暗く、信号部分を明るく見えるよう調整します。(名称はアプリによりことなりますが、ヒストグラム上の特定領域のレベルを上下する操作になります。)

この操作を行うことで、本来撮像素子が設定した露出時間で取得しているシグナルを効率よく見えるようにすることが出来ます。(しかもけっこうきれいに)

スタッキング枚数の目安としては対象の明るさにより異なりますが、暗い対象だと最低でも数百枚無いと完全には平均化されません。(暗い対象ほどノイズと選別しずらくなりますので。。)

そして、スタッキングを行う場合は撮影時の露出時間のダーク画像は必須になります。(スタッキングだけだと長時間露光で顕著になるアンプノイズやデットピクセルが増加します。)

明るい対象であれば、少ないスタッキング枚数でそこそこ綺麗になりますが、暗い対象の場合はゲイン(ISO)を上げることになるためかなり大量のスタッキングが必要になります。(暗い対象ほど歩詰まりが悪くなります。)

さて、ここまで書いて簡単に感じる方は何人いらっしゃるでしょうか?

適正露出で撮影する方法と比べるとPCでの画像処理が必須になるため、難易度は高くなります。(そして暗い対象ほど歩詰まりが悪くなります)

この方法は本来撮像素子が露出時間で取得しているシグナル情報を見やすくするための方法です。
誤情報があふれていますが、スタッキングを何枚重ねても露出時間が増えるわけではありません。(誤った情報が錯綜しています。。。あくまでも取得できる情報量は露出時間に依存します。

あくまでも露出時間で得られたシグナルが見やすくなるだけです。(ただし、ダーク処理を施さないと、アンプノイズとデットピクセルは増えます)

とはいえ、PC操作に慣れた方なら気軽に対象を確認できる方法とも言えます。(しかもそこそこきれいに見えます)
モニタ上で観望するだけであれば、ダーク画像を取得しなくても気にならない方もいるでしょう(アンプノイズやデットピクセルは増えていますが)

現在ではライブスタッキングが可能なアプリなどもありますので、PC操作に慣れている方であればEAAなどからこの方法を試してみるのも面白いと思います。


追記
将来4Kビデオなどで星雲などが写るような感度を持つ機材が出現したら、惑星処理で利用されているラッキーイメージング法(ビデオのフレームをスタッキング→強調処理)が可能になります。(この方法も誤情報が多いですね。。。デジカメで数秒露出ではラッキーイメージング法になりません、上記のスタッキング利用した暗電流ノイズを平均化する方法になります。)

ラッキーイメージング法は暗電流ノイズを低減するだけで無く、分解能も高めることが可能です。(ビデオのフレームのように短い露出時間でスタッキングすると大気のゆらぎなどを平均化できます。その後の画像処理である程度大気の悪影響をキャンセルできます。)

画像処理に関してはその原理を把握し、適切に準備や処理を行わないと目的に到達することが出来ません。

端切れの情報や方法論に振り回されるのでは無く、対象にとって最適な露出時間の把握や、それぞれの処理法に取り組むのであればどのような原理なのかを理解するように心がけてください。

個人的には初心者の方はカメラ側で国際基準の測定値に順した設定を持つデジタルカメラ(天体カメラの設定値は基準がありません)を用いて、カメラ側の画像処理結果をプレビューできるJPEGで撮影を行い、最適な露出時間の把握や、機材の制御を最優先して、RAWでの撮影や画像処理などの知識はある程度撮影に慣れてからの方が迷子になりづらいように感じます。(デジタルカメラの場合ISO、ホワイトバランス、プロファイルといった基準となる設定値がありますが、天体カメラはそれらが全てありませんので、ある程度自身でパラメーターの関連性を把握する必要があります。(上級者向けです))

更に追記
最も綺麗な画像が得られる方法は、一部のマニアの方が実践しているカラーフィルタ-を持たないモノクロ撮像素子のカメラ+カラーフィルターでそれぞれを個別に撮影し、画像処理で合成するLRGB合成になります。(感度的にはCMYフィルターを利用するほうが有利です)
画像処理必須、手間もかかるので完全なマニア向けです。

が、しかしカラーカメラでも露出時間さえ適正であればそこそこ良い写真になるはずです。

短時間露光+スタッキングで撮像素子本来の感度を見やすくする方法は上記に比べて数段劣る画像になります。(なにせ元の情報量が少ないですから。。。)

しかし、画像を確認するモニターもプリンタも8ビットさえまともに見えていないような状況なので、それらの違いが大差なく感じる方もいるかもしれません。(それも誤情報を招く一つの要因になりますが。。。現状はそれ以前に感じます。)

更に追記
撮像素子の受光特性を正確にシミュレーション出来る画像処理技術が確立されれば、もしかしたらビデオ映像からフレームスタッキングにより長時間露光のシミュレーションが出来るかもしれません。(かなり複雑な処理になりそうですが。。。)

これができれば記録時間の半分(フレーム分シャッターが閉じていますので)の長時間露光のシミュレーション画像を映像から作り出せます。

惑星画像を映像のスタッキングから解析処理して作り出すことも出来たので、この技術が確立されれば映像から天体写真を作ることが出来るかもしれませんね。

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