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表題の件ですが、久しぶりにフォーラムを除いてみていくつかの問題がありましたので以下に記載します。

INDIサーバ・ドライバを v2.0.1にアップデートする時の注意(というか問題点)

・アップデートするにはUbuntuであれば22.04が必須(先にシステムのアップグレードが必要)
・Ubuntu22.04にアップグレードするとKStars、Ekosのリポジトリが削除される
・Ubuntu22.04にアップグレードすると一部のシリアルデバイスが認識されなくなる


連鎖反応的になかなかのダメっぷりです。。。

では順番に解決方法を記載します。
コマンド部分はターミナルで実行してください。

・アップデートするにはUbuntuであれば22.04が必須(先にシステムのアップグレードが必要)

以下のコマンドを実行

sudo apt update
sudo apt upgrade
sudo apt autoremove
sudo do-release-upgrade

これでシステムがアップグレードされます。
20.04だと1回ですが、それ以前だとdo-release-upgradeが複数回になります。
この時、INDIのリポジトリが自動的に外れます。

アップグレードが終わったら再度
sudo apt update
sudo apt upgrade

で最新の状態にします。
万が一upgrade時にエラーなどが出たらエラー番号を確認し

sudo kill -9 エラー番号
でプロセスを削除して

sudo apt upgrade

終了後再起動すると自動起動が外れています。。。

設定ファイルを開く
sudo nano /etc/lightdm/lightdm.conf

以下を入力して保存

[Seat:*]
autologin-guest=false
autologin-user=ユーザー名
autologin-user-timeout=0

保存後再度再起動します。

これでようやくINDI環境のアップグレード準備ができました

・Ubuntu22.04にアップグレードするとKStars、Ekosのリポジトリが削除される

以下で再登録、インストールします。

sudo apt-add-repository ppa:mutlaqja/ppa
sudo apt update
sudo apt install indi-full kstars-bleeding gsc

・Ubuntu22.04にアップグレードすると一部のシリアルデバイスが認識されなくなる
ドライバアップデート後、機器をドライバに接続してみるとシリアルデバイスで認識されないものがあります。(これはubuntu側の問題)

以下を入力します。

sudo apt remove brltty

その後システムを再起動すれば認識されます。

それぞれの理由まで記載するとページが何枚あっても足りませんので対処法のみ記載しました。

実はINDIサーバ・ドライバを v2.0.1にアップグレードするとドライバの管理方法が変わります。
(オプティカルトレインという機能が追加されドライバセットを切り替えて使用する状態になります。)

こちらはまた後日にでも。。。

追伸
上記アップグレードかなり時間がかかります。。。(システムのアップグレードとその不具合解消までセットになるため)
必要性がなければそのまま継続して使用、どうしてもアップグレードする必要がある場合は時間を取って望んでください。




以前に紹介したDWARF IIに続き、今度は最近元気のよいZWO社からも同価格帯のスマート望遠鏡Seestar S50が発表されました。

スクリーンショット 2023-04-18 171012

Seestar S50
・50mmトリプレット250mm(視野角約1.3°☓0.7°)
・水平センサー内蔵
・ヒーター内蔵
・バッテリー内蔵
・ASIAir相当のSBC内蔵
・スマホで制御可能な電動架台
・撮像素子SONY IMX462 Starvis(1920☓1080)

スクリーンショット 2023-04-18 171057

DWARF II
・24mm100mm、6mm(予想)のデュアル焦点距離(視野角 約3.2°☓1.8°(望遠)、53.2°☓30°(広角※))
※広角は推測値
・SBC内蔵(4 コア Cortex-A7 1.5GHz)
・バッテリー内蔵
・AIによる動体追尾機能
・スマホで制御可能な電動架台
・撮像素子SONY IMX415 Starvis(3840☓2160)

価格帯は同じですが、コンセプトが大分異なるように感じます。

Seestar S50は天文メーカーのZWO社の製品なので、ヒーターやトリプレットアポ、ASIAir相当が内蔵されるなど既存の天文ファンにフォーカス、一方DWARF IIはデュアル焦点や小型軽量、動体追尾可能な4Kビデオになる(こっちの需要の方が高かったりして)など、天文ファンだけでなくバードウォッチングやアウトドア全般にPRするようなアプローチですね。

個人的に非常に興味があるのはどちらがどれほど売れるのかになります。

この価格帯、このスペックで両者共世界で1万台売れないような状態であれば結構深刻に潜在ユーザー層というのは天文機材に散財しない人たちと言えるかと思います。(天文イベントがあったら遊びに行くって感じですかね)

個人的にはアプローチ幅の広いDWARF IIの方が若干売れるのかななんて感じていますが、どうなるでしょうか。

一番うれしいのは両者とも売れてさらに魅力的な後続が登場することですね。(SkyWatcherとかが本腰入れたら面白そうです)

以前からZWOサイトでINDI関連の記述が消されていた事を疑問に思っていました。(INDIはZWOのカメラ、フォーカサー、ローテーターなど全ての製品をサポートしています。)

https://www.webastro.net/forums/topic/194650-coup-de-gueule-zwo-asiair-et-lopensource/
https://www.indilib.org/forum/development/10380-asiair-and-opensource-software-licences/90782.html?start=0

原因はおそらく上記のリンク先の議論ですね。。。

要約するとINDI環境はLGPL2なので、改変部分(スマホアプリと連携出来るように改変したバイナリ部分)のソースを公開しろということですが、(おそらく議論しているのは全てStellaMateユーザー)個人的にはINDIコミュニティにとってマイナスにしか働かない言動であるように感じます。


答えは簡単です。

・StellaMateもASIAir同様改変部分(スマホアプリと連携出来るように改変したバイナリ部分)のソースが公開されていない。(よって、StellaMateを購入しなければスマホアプリを利用できない)

・ASIAirはハードを含め、INDI環境を初心者に容易に使える環境を用意(適切な設定、優れた操作性のアプリなど)してくれましたが、おそらく既にINDIドライバを使用しなくても同様の環境を提供できる。(INDI環境を撤退してもダメージが無い)


皮肉な話ですが、基となるINDI環境で不足する部分(設定不要ですぐに使えるドライバ環境、クライアントアプリのユーザビリティ)、ラズパイを天体機器制御として利用する場合のハードウェア的に不足する要素(高速な内蔵ドライブのeMMC追加、RTCの追加、12V電源ポートの追加など)を追加して、購入者がすぐに天体機器を制御して撮影が出来るようにしてくれた製品がASIAirです。
(個人的には潜在的には非常に優秀ですが、ユーザビリティがかなり残念なINDI環境を使って、このような使いやすい製品を提供してくれたことに感謝しているくらいです。)

対するStellaMateは。。。。(ユーザーであればINDI環境、及びラズパイでLinux環境を扱うのがとても難しいということを実感させられたことでしょう(苦笑))

その上、最低でも有料OSを購入しないとスマホアプリが使えないバイナリが追加されています。(LGPLとしてどうなんでしょうね。さらに、スマホアプリもASIAirのように洗練されていませんので基となるINDI環境の難しさは残ったまま(ドライバ設定や動作確認がほとんどなし(大本のINDI環境同様ユーザーが適切に設定しないと動かない)での提供です。。。)

ASIAirも最初こそ微妙でしたが、現在発売されているASIAir製品群は天体機器制御商品として非常に価値が高いものであると感じています。(私自身Linux、特にラズパイでの環境構築には苦労しましたしね)

ユーザーの浅はかな言動で、非常に優秀なINDI環境開発会社を無くしてしまわないか心配です。

"INDI inside"とか表記してもらい存在をPRしたほうがよっぽどメリットありそうです。
そうすればZWO社以外の製品を持っている人の中でINDIシステムに移行する人も出てくるでしょうし。。。(まあ、今のままではStellarMateの二の舞いになりそうです。INDI本体も本気になってユーザビリティを上げる必要があるでしょう。)

泥沼化してIndigoに逃げられたり、裁判とかで争い開発が止まるとかになったらユーザーにとってデメリットしかありません。(公平に見ても今回の件だとZWO社にはほとんど非がなさそうに見えますので、裁判になっても勝てない可能性が高いように感じます。)

追伸
私はStellaMateが登場する1年前くらいに可能性を感じてそれまで使用していたWindows環境から、ラズパイ3+INDIの天体機器制御環境に移行しました。(電力食わない、動作も軽い、途中で理不尽に止まらないなど今までの環境よりメリットが大きかったため)
今では信じられないですが、フォーラムも活気があり私もさまざまな質問や要望を挙げ、開発者もユーザーの声に積極的に応えていてとても良い雰囲気でした。
ユーザーから有用な情報(バグ情報や有用な機能追加項目など)をプログラム的に追加(あくまでプログラムレベル)し終えたころに突如有料のStellaMateが登場しました。

ユーザーからの声で機能が上がったとたんに有料移行なの???
と、ツッコミを入れたくなる状況でしたが、ユーザビリティを考慮しないままの機能向上だったため結果は。。。。

世界中のStellaMateユーザーからの膨大なバグレポート(実際は設定できていないだけ)がフォーラムに溢れかえり、開発者もそれに追われユーザーの声もほとんど届かない状態になりました。。。

フォーラムは現在もそんなかんじですね。。。自業自得かもしれませんが、あの時もう少しユーザーと交流してユーザビリティが高い環境になっていたら。。。とも感じました(ひょっとしたらそのフォーラムの様子をZWOが見ていて美味しいとこ取りしていたりして(笑))


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