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何回かにわたってスマホのみで観望を楽しむ方法について考察しましたが、アプリの機能を上手く使えば肉眼~星座望遠鏡(光学ズーム機構のあるスマホの場合)ブースター、天体導入支援として利用できそうです。

スマホカメラの視野角はズームが付いていたとしてもかなり広角なので、星景を楽しむような形になります。

カメラの感度不足をアプリの機能(露光時間、ゲイン、撮影する場合はスタッキングなど)で補いましたが、それでも私が使用している高感度カメラよりは数段劣ります。(それでも肉眼よりは見えますが)

写真を基に天体を調べる機能に至ってはそのようなアプリがありませんので今後に期待したいところです。

わずかな機能追加で劇的に効果を上げそうなのはZWO社の天体カメラにある”ソフトウェアビニング”機能です。名前の通りソフトウェア機能で実現できますし、カメラの感度を数倍上げることができます。

今回この特集を行うことで改めて感じましたが、デジタルの力を借りれば広角での観望(探索や調査)の可能性が広がるということです。

小さいながらもメジャーな対象が見える→見えた対象がなんであるのか表示(アノテーション機能)→興味ある対象をクリックすれば詳細情報が表示されるという流れがシームレスに一つのアプリで完結すれば入門者にとっても、ベテランにとっても有用になるのではと感じました。

shot.jpg

このようにライブビューで写っているものを撮影すれば自動的に位置解析(PlateSolving)→写野内の天体情報を取得→任意の天体をクリックすることで詳細情報を表示が可能なアプリが登場すれば、スマホのような広角視野の観望をより楽しむことができるのではないかと感じました。(しつこく言っていたドラゴンボールのスカウターみたいなアプリ)

住環境が変わる度、その環境に合わせた観望、撮影環境を多数作ってきて感じたことは、天文趣味の情報が写真、高倍率(狭視野)の情報に偏りすぎているということです。(個人的にはもっと多くの楽しみ方があるように感じています。)

そして研究分野においては非常に多くの有用な情報が公開されていますが、ユーザビリティに欠けた状態であると感じています。
せっかくのデータベースが活用されずもったいない状況のように感じています。

今回スマホで星見をするというテーマで取り組んでみましたが、スマホだけでもかなり充実した観望(というより探索、調査)が可能です。。。。が、データベースの活用などに関しては操作体系に難ありです。
上記の架空アプリのように初心者でも簡単に肉眼より見える(ソフトウェアビニング、ライブスタッキングなど)機能を用いて、多くの対象を可視化→自動解析→データベースの有効活用を、わかりやすい操作で実現できれば楽しそうです。

広角で更に感度を高める環境を作れば、かなり多くの天体を確認できますし、天体が確認できれば目的の天体を見つけるのも簡単になります。撮影するにしても地球の自転にシビアになる必要もありません(シビアになる必要があるのは拡大率が高く、視野が狭いからです)
そして、天体情報へのアクセスが非常に容易になります。(見える範囲が広いから探すのも簡単です)

まあ、この方法(スマホのみで完結)では惑星や、銀河など強拡大が必要な対象のディテールを見ることはできません。(月なども米粒程度です)、が、より多くの天体を知ることが出来るきっかけにはなるかと思います。

スマホの発展を見ると、天文においてもスマホから新しい流れが出てくるかもしれませんね。
既成概念をひっくり返すような革新的なアイデアの登場に期待したいと思います。

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スマホのプラネタリウムアプリで見たい方向に向ける→カメラアプリに切り替えてライブビューで観望

という流れでスマホを手軽な星見アイテムとして利用する方法を紹介しました。
観望にカメラアプリを使用しているのでそのまま撮影すればスマホに見ている場所の画像が保存されます。

この画像を使って画像に写っている天体の情報をより詳しく調べてみましょう。
残念ながらこの目的に適したスマホアプリがありませんのでWebサービスを利用します。

●画像の位置解析(PlateSolving)
QR_374394.png

PCではおなじみのAstrometry.netエンジンを利用した画像の位置解析(PlateSolvingと呼ばれています)サイトです。
まずはQRコードを読み取って表示されるサイトをホームボタンに登録しましょう。

使い方は簡単です。

2023-08-30-1.jpg

1.”ファイルを選択”ボタンを押して撮影画像を選択します。
2.”アップロード”ボタンを押してサイトに画像を転送します。


2023-08-30-2.jpg

1.”Success”と表示されれば解析完了(数分かかる場合もあります)
2.”Go to results page”をクリックして解析結果を表示します。


2023-08-30-3.jpg

このように画像に星座線、星座名が追加されます。
ページをスクロールすると。。。


2023-08-30-4.jpg

右下の矢印部分が撮影した画像の大まかな地上座標の位置になります。
よく使うのは右上部の2箇所、” new-image.fits(FITS画像の保存)””browse the sky(星図に画像位置表示)”です。

ここでは画像からより詳しい情報を取得できる”browse the sky(星図に画像位置表示)”を使ってみましょう。


2023-08-30-5.jpg

ちょっと見づらいですが、中央のオレンジ枠が撮影した画像の画角になります。
表示オプションの矢印部分をクリックして、赤枠で囲んだ部分にチェックと入れると星座線や星雲・星団・銀河などの情報が表示されます。


2023-08-30-6.jpg

星図をズームすると画像のエリアにある星雲・星団・銀河が名前とともにマーキングされています。
クリックするとポップアップが表示されますので”シンバットで調べる”をクリックしましょう。


2023-08-30-7.jpg

するとこのようにクリックした天体の詳細情報が表示されます。

PC用のサイトなのでスマホではちょっと操作し辛いですが、観望地で携帯の電波が届きインターネットに接続出来る状態であればこのように撮影画像を基にして位置情報や画像内の天体情報を知ることが出来ます。

願わくば使いやすいスマホ専用アプリが欲しいですね。。。ドラゴンボールのスカウターのような(しつこい)

私のiPhoneSE2は光学ズームがありませんが、光学ズーム機能が付いたスマホであれば、星座とその周辺にあるメジャーな星雲・星団・銀河あたりはライブビューでも写真でも確認できるかと思います。

使ってみた感想は気軽な観望ツールとして充分に使えるように感じました。

このような使い方に特化した使いやすいアプリが登場すると非常に便利になりそうです。
まあ、このような使い方する方がいないのでいつ登場するかわかりませんが。。。。

前回の記事でプラネタリウムアプリを紹介しましたので、今回はスマホを観望機材にするためのカメラアプリを紹介します。

前回のプラネタリウムアプリの役割は各種センサーを利用した位置合わせです。
望遠鏡のファインダーにするには地磁気センサーの精度が厳しいですが、スマホのカメラは広角なので少々のズレがあっても問題なく対象が捉えられます。
プラネタリウムアプリで見たい対象に移動→カメラアプリのライブビューで観望という流れになります。

カメラアプリで注意する点としては以下
・ライブビューの感度、露出時間を変更できるアプリを選ぶこと
・三脚に取り付ける前にカメラアプリ(プラネタリウムアプリも)を立ち上げ、ライブビューや撮影の設定を終えておくこと


とにかく重要なのはライブビューで星が見える状態にしておくことです。

そうすればプラネタリウムアプリで天体を探し、カメラアプリに切り替えれば星が見える状態で観望もできますし撮影もできます。

私が所有するスマホはiPhoneSE2でおすすめできるアプリは以下でした。

●AstroShader(iOS版)
このアプリ以前紹介したものですが、スマホでライブスタッキングが可能です。

IMG_5673.png

このようにライブビューやスタッキングの設定を変更できます。(設定すれば感度の悪いiPhoneSE2のカメラでも星見えてますね)


IMG_5675 (1)

撮影した画像はJPG、PNG、TIFFなど様々な形式で保存可能です。


●星取りカメラくん2(iOS用)">●星取りカメラくん2(iOS用)
こちらはiPhoneではおなじみのアプリです。ライブビューの感度はいまいちですが、撮影すると蓄光機能が働きすぐに天体が見えるようになります。


IMG_5671.png

ライブビューの感度はいまいちですが、モードを星空に変え撮影ボタンを押すと。。。


IMG_5680.jpg

リアルタイムに星が浮かび上がってきます。(もちろん画像として保存可能)
こちらはライブスタッキング(位置合わせ有り)ではなく、一部の監視カメラで採用されている蓄光機能になりますがスマホのカメラは広角なので三脚に設置していれば10秒位は余裕で星が点像になります。(3秒位蓄光すれば肉眼よりかなり見えます)

簡単操作→星取りカメラくん2
細かな設定が可能→AstroShader


とお好みに合わせてお選びください。

アンドロイドの方は
●SkyEyeCam(アンドロイド用)">●SkyEyeCam(アンドロイド用)
調整可能なライブビュー、ライブスタッキング、PlateSolving(画像による天体位置解析)とフルセットの機能があります。
設定は少し難しいですが、事前に立ち上げて設定を済ましておけば上記の流れで使用できます。

スマホのカメラはだいたい画角が100~120°の広角カメラなので三脚などで固定しておけばけっこう長時間露光しても星が点像で写ります。

光学式の望遠レンズがあるスマホをお使いの方は3倍ズームだと画角が30~40°になり、星座が画面いっぱいに見えます。(星座周辺のメジャーな星雲・星団も見えるでしょう)

見たものを撮影して画像にしておけば

2023-08-29 012940

こんなことや


2023-08-29 013338

こんなこと


2023-08-29 013438

さらにはこんなことまで出来ますね。

願わくはドラゴンボールのスカウターのようにライブビューの映像に天体情報を写し出してくれるアプリがあると良いのですが。。。

20230830.jpg

探す→見る→調べるがシームレスに可能なアプリがあれば楽しそうです。

現状そのようなアプリはありませんので、次回は最終回として上記のような撮影した画像のアノテーション→天体データベース検索の操作法を記載します。

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