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撮影画像を解析して正確な天体導入が可能になるということで市民権を得たPlateSolving機能ですが、実は環境を上手く構築すれば自動導入補助以外にもかなり便利に使用することが可能です。

PlateSolvingの代表的な存在であるAstrometry.netにしてもコマンドラインで操作すればSource Extractor(SEPとかSExtractorと呼ばれる天体検出機能)や、アノテーション機能の利用(天体の注釈や星座線の表示)、world coordinate system(WCS、Fitsヘッダに天体の座標情報などの追加)情報を追加したFitsファイルの生成などかなり豊富な機能を持っています。

上記の機能が利用できれば以下のことが可能になります。

●VO(Virtual Observatory 仮想天文台)利用した天体情報調査
世界中の天文台で撮影・解析された天文データベースの情報に簡単にアクセスできます。対応したアプリを利用すれば複数データベースの参照も可能です。

●アノテーション機能の利用(天体の注釈や星座線の表示)
撮影画像に注釈や星座線を簡単に加えることができます。以前はコマンドラインでの操作が必要な機能でしたが、最近は多くのアプリが利用出来るようになってきました。アプリによってはプラネタリウムアプリに画像を貼り付けることも可能です。

●画像を用いた自動導入
PlateSolvingの一般的な使い方は天体導入後にPlateSolvingを行って正確な位置合わせを行うことですが、アプリがこの機能に対応していればすでに撮影した画像以外にもネットからダウンロードした画像などでも自動導入の対象として利用することも可能です。(アプリによっては複数の画像を用いたスケジュール撮影も可能)

Astrometry.netなどではコマンドラインを使用すれば上記全て実現できますが、GUIのアプリから実現するにはアプリに以下の機能が必要になります。

・画像を読み込んでPlateSolvingを行い、WCS情報を含んだFitsファイルとして書き出す機能。

必要なのは上記1点だけですが、より便利に使用するのであればSAMP(Simple Application Messaging Protocol)PLASTIC (PLatform for AStronomical Tool InterConnection)といった天文アプリ間連携機能を持ったアプリがあれば複数アプリで情報を連携しながら操作することが可能になります。

撮影画像からの解析はもちろん、以前はINDI環境でしか利用できなかったシミュレーションドライバからのWCS情報付きのFits画像生成がASCOM環境でも可能になったため、工夫次第でかなり便利な環境を構築できます。

不定期にはなりますが、アマチュアでも使いやすいGUI環境での操作方法や、実際の使用方法などを紹介していく予定です。


追記
ASIAirの特集も途中(寒すぎて実環境での検証が。。。。)なので、だらだら不定期更新になると思います。
いずれもサイト右側に項目として独立してありますので興味ある方はご利用ください。(それぞれ特集の終了は未定)


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以前の記事で高感度監視カメラ+Cマウント電動ズームレンズの観望システムと天体カメラを使った通常のEAAシステムを比較しながら試しました。

現状天体カメラのEAAは安定して使えていたのですが、使用するアプリも多いためどうしても手順が増えますし、CCDCielでのPlateSolvingの速度の遅さや、CielSkychartの動作の重さなどに関してはやはり気になりました。

遅い、重いながらも安定して動作していましたし、PlateSolvingも遅いけれど以前SharpCapで試したときのように全く失敗せずアプリのクラッシュやドライバのクラッシュも皆無です。

どうしようかな。。。と調べていたところ昨年の10月頃にSharpCapにSharpSolverという独自のPlateSolvingが搭載されたことを遅ればせながら確認しました。

他の方のブログ記事を読むとかなり高速なようです。(そして新しいSolverを称賛する記事と併記して、以前のSharpCapでPlateSolvingの成功率が低いことや、ドライバやアプリのクラッシュについても記載されていました。(やはり家だけではなかったようです))

SharpCapでスタッキング、PlateSolving+マウントへの同期が高速に安定して行うことが出来れば使用するアプリを減らす事ができます。

と、いうことで試しに使ってみました。


スクリーンショット 2024-01-17 204258

たしかにPlateSolvingは高速になりました。EkosのStellaSolverとほとんど遜色がありません。
以前と比べてSolverの成功率もかなり高くなりました。(ほぼ失敗しません)

が、しかしマウントと同期→中心に移動する際、マウントドライバが今晩だけで2回もクラッシュしました。。。そして同期も何回か失敗しました。(CCDCielの時にはこのようなことはありませんでした。やはりマウントドライバを接続したときには安定性に難がありそうです。)

以前のようにアプリまでクラッシュなどはありませんが、マウントをホームポジションに戻して、マウントドライバの再接続→アプリの再起動→使用する各アプリのドライバを接続する手順が必要になりました。。。。
Solverでの同期が上手くいかない時はCCDCiel側で一度Solver+同期すると正常に動作するようです。

SharpCapはネイティブのカメラドライバやライブスタッキングが優秀なのですが、ASCOMでの連携に難があるように感じています。

以前よりは大分ましになりましたが、CCDCiel+CielSkyChartの安定性と比べると見落とりしてしまいます。。。


スクリーンショット 2024-01-17 221352

気を取り直してスタッキングを行ってみます。
SharpCapは無料状態でもASILiveよりは設定項目が多く、調整幅が広いのですが一番ありがたいのはカラー24ビットモードが使用できることです。

このモードだとZWOカメラの場合はカメラ側でカラーソフトウェアビニングを行えるため露出時間を抑える事ができます。
便利なのでINDI環境でも多用しているのですが、ASILiveではこの機能がありません。。。(今回はASILiveと比較のためRaw16ビットにしました)

手順は異なりますがSharpCapもASILive同様多段露光スタッキングも簡単に行えます。(スタッキング中に露出のスライドバーで変更するだけ)


スクリーンショット 2024-01-17 221543

露出時間を短く変更して中心部の飽和部分を減らします。


スクリーンショット 2024-01-17 221727

続けて露出時間を長く変更してガス星雲の暗い部分の情報も集めます。

スタッキングした画像は16ビットのFITSで保存します。


スクリーンショット 2024-01-17 223904

FITSビューアで見るとこんな感じ


ASILive.jpg

ちなみにASILiveで多段露光スタッキングするとこんな感じです。(同日データ)
どちらのアプリでもやっていることが同じなので大して変わらない画像になります。


スクリーンショット 2024-01-17 222030

あれこれ試しているうちに曇ってきたので撤収。

SharpSolverはなかなか高速で解析の成功率も高く優秀ですが、マウントドライバがクラッシュしたり同期が取れない事があったりと常用するには悩ましい状態でした。

うーん。。。どうしようかな。。。


追記
以前から沢山経験していますが、WindowsでASCOMを使用する場合同じドライバでもアプリによって安定性が大分異なります。
複数ドライバの連携となると更に難易度が上がる傾向になります。(早くAlpacaに切り替わってほしいです)

動作はもっさりですが、パドリックが配布してくれているCielシリーズはどの環境、どのドライバでも安定しているように感じます。
SharpCapは汎用ライブスタッキングアプリとして唯一の状態が続いています。多機能で良いアプリだと思いますが、正直複数ドライバを連携する使い方をすると不安定と感じています。

正直マルチOSに対応してほしいです。(ライバルアプリの登場も期待、選択肢が増えてほしい。)



今までの調べで以下の事がわかりました。

1.ハードはオリジナル基板のSBC(おそらくPlusの世代から、それ以前はラズパイ)

2.マウントドライバのみINDIを利用

3.カメラドライバ(ZWO社製カメラ、対応デジカメ)、フォーカサー、ローテーターなどのドライバは独自規格

4.WIFIはAP(親機)、クライアントモード(子機)併用可能(よってスマホで本体親機にWIFI接続しながら、WIFI接続の天体機器を接続可能)

5.本体側のサーバプログラムもオリジナル(INDI+独自ドライバを扱うサーバを開発)、スマホアプリもオリジナル(オリジナルサーバに最適化した信号制御)


と、想像以上に独自開発されたソフト、ハードでした。

実際操作したところ、オリジナルドライバ部分は必要最低限の機能になっており自由度が低いかわりに操作は簡単になっています。

マウントドライバのみINDIを利用していますが、この部分は知識として基となるINDIドライバの概要を把握しておかないとならない部分があります。

前回例として最も複雑なSkyWatcher社のマウントドライバの説明を行いましたが、今回はマウントドライバ全体のまとめをしておこうと思います。

INDIドライバは一つのドライバで複数機器の制御ができるマルチドライバ(一つのドライバを起動すると、接続された複数機材がそれぞれ別に認識される)と、カスタムドライバ(マルチドライバを事前に機種ごとに設定して、別ドライバとして扱う)が混在しています。

本家INDIがややこしいのは上記に加え更に設定用のコントロールパネルで設定を行って動作確認後、その設定を保存しないと動作しない、更に全てのドライバにTCP/IP接続機能が付属(マウント本体に機能が無くても)している状況があるためです。


どうやらASIAirではZWO社が設定したカスタムドライバのみになっているようです。(設定変更は不可能、よって自身が利用する環境に合わせたドライバの選択と接続方法(有線、無線)の設定が重要)

以上を踏まえ、マウントを接続する際の留意点を記載します。


1.自身の所有するマウントが経緯台、赤道儀(ドイツ式、フォーク式)の三種類いずれになるか、ハンドコントローラがあるか(WIFIを用いてスマホアプリで制御する架台はASIAirで直接接続して利用可能です)

ホームポジションが同じでも(例:北極)経緯台、赤道儀(ドイツ式、フォーク式)でホームポジションから目的の対象までの座標が異なります。そのためドライバ名称から推測して架台に合わせたドライバを選定する必要があります。


2.経緯台、赤道儀(ドイツ式、フォーク式)の三種類いずれのドライバもホームポジションが北極

以前のINDIドライバでも全てのドライバでホームポジションが北極(現在は経緯台は北)の時期がありましたが、メーカーの仕様と異なっている部分です。
ハンドコントローラーから接続するマウントの場合はハンドコントローラーの設定終了後に接続するため、あまり心配はありませんが、ダイレクトドライバで直接接続して動作させる場合は注意が必要です。(ホームポジションが間違っているとその後の動作が狂いますので。。。)


3.エンコーダー内蔵のマウントの場合は接続後、”ホームポジションに移動”ボタンでホームポジションを設定する

高級架台やSkyWatcher架台(廉価機種にも搭載されているものがあります)のいくつかの架台で両軸にエンコーダーを搭載しているものがあります。
このような架台は電源を落としても架台の各軸をエンコーダーで座標管理しています。

本家INDIドライバには”ホームポジションに戻る”ボタンが無く、設定できませんでしたが、ASIAirにはホームポジションに戻す機能がありますので、エンコーダー内蔵のマウントを利用している場合はこの機能を利用してホームポジションに戻してから操作してください。


4.全てのマウントドライバにTCP/IP接続機能がある(INDIドライバの特徴)

使用可能か否かに問わず全てのマウントドライバにTCP/IP接続機能があります。
これはINDIドライバの特徴ですが、TCP/IP接続に関してはマウント側も対応していないと利用できません。(シリアル→TCP/IP変換器とかを利用すれば別ですが。。。)

本家INDIと異なり、マウントドライバでユーザーが設定する部分は接続部分のみです。(シリアルであればシリアル接続の選択と通信速度くらい)

各種設定などはZWO社がすでにしてあり、ユーザー側から変更できません。
そのため、正しい接続設定をしていれば接続されるはずです。(繋がらなかったらバグ扱い)


5.マウントの機種数とドライバ数が同一ではない(ばらついている)

ZWO社がカスタムドライバ設定していますが、ドライバ数がマウントの機種数分あるわけではありません。
AZGtiのように同じマウントでもファームウェアの種類、経緯台として使うか、赤道儀として使うかで使用するドライバが変わる機種もあります。(セレストロンのマウントもなかなかカオスです。。。)

厄介なのは機種によっては複数のドライバで接続だけはできてしまうことです。(異なる座標のドライバを選ぶと。。。。動作した際に明後日の方向に移動します。)

ドライバ名から推測できない場合は事前に動作確認が必要になります。(必須といっても良いです)
この場合は鏡筒は外して行いましょう。(経緯台なのに赤道儀の動きをされたら。。。逆も然りです。機器を壊さないためにも初回のみ座標に沿った動作をするか鏡筒を外して確認してください。)

今回も文字ばかりで長くなってしまいました。。。

マウントドライバは間違いがあると、接続されても想定外の方向に動作して機材が壊れる可能性があるため必ず動作確認をしてください。


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