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2024年2月加筆

エンドユーザーにとっては4者ともオープンソースで多数の機器に対応してくれるありがたい存在です。

私自身は現在天体機器の制御はLinux、WindowsMINIPCなどで行っています。
速度的にも不満がありませんし、消費電力が少ないので重いディープサイクルバッテリーの呪縛から離れられるのが一番の要因です。(MacはPCの中では最も環境作りが楽なので消費電力の少ないMINIPCが登場してくれたらありがたいのですが。。。)

INDI、Indigo、ASCOM、Alpacaをセットで比較できる情報が少ないためそれぞれの特徴を記載します。
これから始める方の参考になれば幸いです。

●ASCOM
.Net FrameWorkを利用する天体機器通信制御のサーバ・ドライバによるミドルウェアになります。
通信といってもTCP/IPではなく、ローカルのシリアル通信をメインにして(USBもシリアル通信です。)動作しています。

.Net FrameWork、COMなどを使用しているためWindows専用になります。
特徴としてWindows環境で普及したミドルウェアなので、海外のメーカーなどはASCOM準拠のドライバを開発していることです。

●長所
・オープンソースにも関わらずドライバ開発、配布にメーカーが参与している(個人・ソフトウェアベンダーも参加)
・使用者が多いのでネットに情報が多い
・多数の機器のドライバがある

●短所
・ドライバの種類が32ビット、64ビット、32・64両対応、管理者権限で動作、ユーザー領域で動作、管理者・ユーザー領域共になど開発メーカーによりばらつきがある
・プラネタリウムアプリやCCDアプリが独自に組み込んでいるドライバよりかなり低速(特にCCDドライバ)
・不安定、ネットワークサーバ・ドライバなのに、INDIやIndigoのようにネットワークドライバとして使用できない。(ローカル接続のみ)
・ハンドシェイク接続が基本となっているのでドライバ接続を自動化できない(複数アプリでのドライバ共有は同社が提供するHub機能を利用)


●Alpaca
.Net FrameWorkを含め、全てのOSで動作することを目指したミドルウェアになります。
通信にはINDI・Indigo同様TCP/IPを利用し、同社が提供するライブラリを組み込んだ場合は.Net FrameWork環境でも動作します。
2018年に仕様が公開された新しい規格のため、機器のドライバは海外有志が開発した数種類にとどまっています。

●長所
・マルチOS対応
・TCP/IP利用のネットワークを利用するため接続の柔軟性が高い
・ASCOM環境との親和性が高い

●短所
・方針としてASCOM同様メーカー参加を前提としているが、ASCOMがすでに普及しているためメーカーサイドのドライバ開発が進んでいない


●INDI
ネットワーク通信(こちらはIP通信)を利用した天体機器通信制御サーバ・ドライバセット、クライアントに対してはASCOM同様ミドルウェアのような存在でTCP/IPにより接続されます。
ドライバはLinux、Macのみ、クライアントはマルチOSに対応。現状実質専用となるKStars・Ekosでほとんどの天体機器通信制御が出来てしまうため、この環境で使用される情報が多く、実質KStars・Ekosとのセット扱いになっています。
対応したクライアントもASCOMほどではないが多数あります。

●長所
・軽量のため、SBCでも動作可能
・IP通信を利用しているためローカルのみならずリモート通信制御も可能
・多数の機器のドライバがある
・Macのみ全ての依存関係がアプリ内に組み込まれているため環境構築が容易(Linuxは難しい)

●短所
・メーカー関与がほぼ無い
・そのためかドライバの管理項目にばらつきがあり、不明要素が多数ある
・ドライバにより初期状態の安定性のばらつきが多い(そもそも動作させるための初期設定がされていないドライバが多数。)
・Linuxの場合は環境構築が難しい
・サーバ・ドライバの組み込みはWindowsに対応していない(クライアントのみ)
・開発先の情報提供の更新が古くドライバ対応状況など正確な情報が無い


●INDIGO
INDI環境のMac用のサーバ・ドライバ、アプリなどを開発していた担当者が、INDIのプロトコルを基に独自に新規設計した制御環境。自社サイトにINDIに対しての優位性などが記載されていますが、技術情報が明確に示されていないため詳細は不明です。(実際に使用してみるとINDI環境との差異は操作系以外は不明です。大した違いはないような。。設定などはしやすいです。)

●長所
・軽量、IP通信を利用しているためローカルのみならずリモート通信制御も可能
・Macに関してはドライバが依存関係などを全て組み込んだアプリとして無料提供、ラズパイに関しては無料ディストリビューションが開発サイドで無料で提供されているためそれらの環境においては環境構築が容易
・サーバ・ドライバ以外にも自社が開発した天体機器制御アプリがあるため、それらを利用すれば一通りの環境が揃う
 (Macは有料、Linux、Windowsは無料)
・多数の機器のドライバがある

●短所
・メーカー関与がほぼ無い
・使用者情報がかなり少ない(INDI以上に人柱必須)
・自社が開発したアプリ以外でサーバ・ドライバをフルに利用出来るクライアントが少ない
(INDIドライバ互換モードも使用できますが、その場合はINDIバージョン1.7に低下)
・サーバ・ドライバの組み込みはWindowsに対応していない(クライアントのみ)



どれも一長一短です。

・ASCOMはドライバ環境構築がWindowsのみ(ASCOMリモートを用いればAlpacaドライバとしてマルチOS対応可能)

・Alpacaはドライバが登場すればマルチOSに対応可能予定(現状はLinuxで有志による配布が少数、Windows、Mac共無し)

・INDIはローカル環境でサーバ・ドライバを使用できるのはLINUX、MACの2択。(クライアントはマルチOS対応)

・IndigoはINDI同様ローカル環境でサーバ・ドライバを使用できるのはLINUX、MACの2択。(クライアントはマルチOS対応)になります。


このように現状ではどこかピースが欠けた状態です。

ASCOMの開発基がAlpacaを発表したので変動があるかと思いましたが当分この状態が続きそうです。

皆さんならどの環境を選びますか?

個人的にはPCを利用する環境構築はどんどん難易度が高くなっているように感じています。(OSのセキュリティ強化(制御にとっての大敵)や、シリアルなど古い規格への対応低下のため複数機器を連動させる環境を作ることが難しいです)

ASIAirのような専用機やドライバ・制御アプリ含め全て自社開発のステラショットなどが一番お手軽かもしれませんね。

追伸
制御をPCなどで行うことは全て自己責任になります。(フリーウェアを利用する場合は特に)
機器も高額ですし、サイズによっては事故の危険もありますのでくれぐれも安全第一で環境構築をおこないましょう。




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個人的にはWindows含め全てのPCでAlpacaドライバが開発される状況を望んでいましたが、この記事を読む限り以下のように推測されます。

・Windowsは今まで通り.Net、Com環境を継続

・他のOS(Mac、Linux)に関してはAlpacaドライバに.Net、Com用のライブラリを追加することでWindowsとの互換性を図る


どうやら開発側はWindows環境において.NET、COMからは脱却しないようです。。。

過去の経緯から考えるとメーカーがMacやLinuxでAlpacaドライバを作るとは考えづらいので(今までは、MacやLinuxに関しては個人、ソフトメーカー、オープンソースのみでハードウェアメーカーがドライバを配布することは知る限り一度もありませんでした)なので、Windowsでは従来どおりASCOM(.NET、COM)を利用、Mac、Linux側からドライバが登場することはなさそうです。。。

ドライバとしてASCOMを利用する上で不具合が起こる原因としては以下があります。

・ドライバが32ビット専用、64ビット専用、32ビット・64ビット両対応が混在(メーカーにより対応が異なる)

・ドライバの実行権限が管理者権限のみ、管理者権限+ユーザー、ユーザーのみが混在(メーカーにより対応が異なる)

・ドライバのマルチクライアント対応が希少(殆どはHubが必要)

・制御アプリの対応もさまざま(32ビット専用、64ビット専用、混在可能、管理者権限のみ、管理者権限+ユーザー、ユーザーのみなど)



考慮する事項が多すぎますね。。。

ドライバ、アプリで上記の条件が全て合致しないと使えないという仕様です。

単体利用では安定していても、PlateSolvingなど複数アプリを連携する機能を使う場合使えなくなる機器があるのはこのためです。(はっきり言って問題がある仕様だと思います。。。。)

ドライバが配布されているサイトに上記対応状況が記載されていれば良いのですがほとんどの場合は記載が無いので今まではASCOM Diagnosticsを使ってしらみ潰しにドライバが32ビット、64ビット、またはどちらも対応なのかを調べた後、アプリでの動作確認(これも32ビット、64ビット)、繋がらない場合は実行権限を管理者に変更してみたりと非常に時間がかかりました。。。(そこまでやっても上記の通り繋がらない可能性もあるということです。)

現状ではN.I.N.AやAPTなど撮影用アプリを利用する方が多いと思いますが、このようなアプリでパルスガイドを利用したり、プラネタリウムアプリと連携して自動導入をするとなると、マウントドライバがマルチクライアントに対応する必要があり、対応しない場合はデバイスHub(ユーザ領域のみ)、PothHub(管理者権限のみ)で動作を確認する必要がありました。

はっきり言って面倒でしたが、現状下においてもASCOM Remoteを利用することでこのようなこのような面倒な制約から開放されます。


用意するもの

ASCOM Remote

CCDCielCielSkyChartなどAlpacaに対応した制御アプリ(この2つのアプリはAlpacaも安定動作するので動作確認のリファレンスとしてセットでインストールしておくのが望ましい)

要は既存のASCOMドライバをASCOM Remoteを利用してAlpacaドライバとして認識させ、Alpaca対応アプリと接続するということです。

AlpacaはINDI、Indigo同様ネットワークドライバなので、上記のようなドライバ、アプリの接続制限を受けません。
単体利用で問題なく動作するドライバであれば、全てTCP/IPリモート(ローカルも含めて)で連携使用が可能になります。

(ローカルで複数アプリの同時接続も可能ですし、ネットワーク接続されたアプリでも動作します。)

ASCOM Remoteを使うことで、既存のASCOMドライバをTCP/IP通信で利用できるAlpacaドライバとして利用できます。
Alpaca対応クライアントでAlpacaドライバとして接続すれば、ASCOMドライバの制約をほとんど回避出来るということです。(
アプリ側はドライバにリンクしているだけになりますのでHubが無くても複数アプリで接続、連携利用ができますし、ネットワーク接続された別のマシンのクライアントでも利用できます。)

既存のASCOMドライバがINDIやIndigoなどのTCP/IPネットワークドライバと同様に扱えますので自由度が上がる上、複数アプリの連携が必須だったPlateSolvingなどの不具合を回避できます。

おそらくASCOM環境下では上記ASCOMの仕様からPlateSolvingを使った同期や、マウントドライバのみで利用出来るパルスガイドの使用に不具合を抱える方が多いのではないかと思います。

今回記載したようにASCOM RemoteでドライバをAlpacaとして扱うことで.NETやCOMが抱える制約、不具合をかなり解消できますのでお困りの方はお試しください。


追伸
上記の通り、ネイティブAlpacaドライバがWindows環境でも登場する状況は低そうなので(他のOSも同様)、Windows環境下においてはASCOMRemoteを使用してAlpaca環境で運用するのが現状ではベストかと思います。

Hubと異なりドライバ自体を仮想化するわけではなく、ドライバをTCP/IP接続できるリモコンを追加するようなものなので、接続の自由度があがる上、上記の.NETやCOMのしがらみから抜けることができます。

Raspberry5が日本でも発売になりました。

AstRPi、AstRPi64共ラズパイ4、8GBが登場した後のファームウェアに更新、INDIドライバ他各種アプリの対応確認までは行っています。(ラズパイ4、8GB登場時、ラズパイ4更新版の登場時にファームウェアが変更になったため)

Raspberry5に関してはファームウェア更新などの記載が無いためおそらく動作すると思うのですが、動作しない場合はお知らせください。

お願い事項としては動作した場合、操作に慣れるまではアップデートを行わず天体機器との接続などを行ってください。(動作報告もいただけると助かります。)

調査したところ、現状ではRaspberryPi5に正式対応しているのはRaspberryPiOS(Kernel version: 6.1、Debian version: 12)の組み合わせのみのようです。(32ビットは全機種、64ビットは一部機種)

AstRPi→RaspberryPiOS(Buster)32ビット(INDIドライバは一部動作確認の取れたバージョンに変更)
AstRPi64→UbuntuMate(22.04)64ビット(INDIドライバは一部動作確認の取れたバージョンに変更)

は現状では正式な対応策が無いようなので、対応するカーネルが出た場合対応、それまでは4Bまでの対応とさせていただきます。


アップデートを行うと組み込まれたアプリ(特にINDI)の動作不良、組み込みスクリプトの動作不良が起こり使えなくなる恐れがあります。(毎回修正に相当時間がかかります。。。。)

配布してあるバージョンは当家にある実機での動作確認済みですが、RaspberryPi5に関してはファームウェア更新のあったラズパイ4の時と同様、当家で購入予定が無いためご報告頂いた内容を基に修正します。(可能性があるとすればファームウェア更新→更新後の不具合チェックなどを試すことになると思います)

現状ラズパイなどARM系のLinuxは天文系のアプリに関しては32ビット版でしか動作しないものが多数です。(一部64ビット版しかないものもあります)

そのため、32ビット版64ビット版を配布しています。

INDIなどはアップデート毎にトラブルが頻発するため、安定動作が確認できたバージョンで配布しています。

AstRPi、AstRPi64共天文で必要になりそうなものは全て組み込んでありますので動作すればそのまま開始出来ますが、動作しない場合はその機種での不具合箇所を潰す→再配布の作業が必要になります。

その際、ご報告頂いた内容を基に確認を進めることになりますので、お手数ですが動作不良があった場合はご連絡ください。


プロフィール

TーStudio

Author:TーStudio
色々工夫しながら星空を楽しんでいます。
興味あるカテゴリを選択してお楽しみください。

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