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おそらくですが、研究機関でのPlateSolving(画像による位置解析機能)は以下のような利用がされているのではないかと感じます。

1.大量に撮影された画像の一括PlateSolving→WCS情報を追加したFITSデータへの書き出し

2.作成したFITSデータに調査データの記載→FITSヘッダに保存

3.調査データ、WCS情報を追加したFITSデータをデータベースに一括登録

4.他の研究機関で調査された情報の参照(複数可能)


アマチュア用のアプリでは自動導入時の位置合わせに使っていますが、研究機関では撮影画像の一元管理のために使用しているように感じました。

所有する画像をPlateSolvingしてWCS情報が追加されたFITSファイルとして保存しておけば、画像を使って自動導入もできますし、様々な研究機関が調査したデータベースの情報を参照することもできます。

上記のような処理はワークステーションをコマンドラインで操作しているようですが、実はアマチュアが無料で利用できるGUIアプリがありますので紹介します。(マルチOSで使用できるものに限定します。)

Aladin(リンクからダウンロード→インストールして利用)

VO(バーチャル天文台→天文台の観測データベース)情報の参照、複数枚のローカル画像をWCS情報に合わせて座標に割付、簡単な注釈・作図を追加できるアプリです。

このアプリを使えば全てのデータベース情報がWCS座標で一元化して参照できますし、ローカルの複数画像をWCS座標にマッピングして表示可能です。

全ての情報はレイヤーとして個別に扱われるので個別の表示切り替えやレイヤーの上下関係をあとから変更して利用することも可能です。

さらにSAMPというアプリ間の情報共有機能もありますので(デフォルトでオン)クリックした座標位置を対応アプリと連携することが可能です。

2024-02-12-1.jpg

赤枠部分2箇所(膨大な数の一覧とよく使うデータベースを厳選したブックマーク)からVOデータを選択できます。(おすすめはブックマークに登録されたDSS(全天カラー画像)、Simbad、Gaiaなど)

選択したデータベースは青枠のレイヤー部分に表示されます。(表示の切り替えも可能)

上記の画像ではDSS(全天カラー画像)、Simbad、Gaiaが画面に表示されています。
任意の対象をクリックすれば、紫枠部分にデータベース情報が表示されます。

黄色枠部分をオンにしておけば天体名、等級など最低限の情報がポップアップ表示します。


2024-02-12-2.jpg

メニュー:ファイル→ローカル画像を開く。。。をクリックすると図のようなダイアログが出ます。
ここでコントロールキー+クリックで複数画像を選択して読み込むことができます。



2024-02-12-3.jpg

このようにWCS座標に合わせて自動的に回転、縮尺合わせされて画像が表示されます。(赤枠レイヤー部分に追加されています。)

表示されている画像の任意の天体をクリックしても同様に座標箇所にある天体データの情報を表示します。

選択対象はSAMP機能で連携しており対応したアプリで選択箇所をリンクできます。


CCDCiel

天体撮影用の統合環境ですが、同じ開発者のCielSkyChartとの連携、各種画像の読み込み→PlateSolving→WCS情報付きのFITSファイルの書き出しも可能な非常に便利なアプリです。対応する天体機器のドライバ(ASCOM、INDI、Alpaca)やPlateSolvingも多く、プレビュー画面に表示された画像(読み込み画像も、撮影画像もいずれも表示)を見ながらPlateSolvingや自動導入などの各種操作が行えるため、非常に直感的に操作できます。


2024-02-12-4.jpg

プレビュー部分には接続したカメラの画像や、赤枠メニュー部分(メニュー:ファイル→Open FITS or Picture File...)で読み込まれた画像を表示できます。(読み込みはFits以外にもJpeg、PNG、Tiffなど多数ファイル形式に対応)
PlateSolving後の画像書き出しも同様に赤枠部分(メニュー:ファイル→Save FITS File)でヘッダにWCS情報を追加したFITSファイルとして保存できます。(基の画像形式がなんであってもWCS情報を追加したFITSファイルで書き出せます)

青枠部分をクリックするとCielSkyChartを立ち上げて連携作業ができます。


2024-02-12-5.jpg

プレビュー画面を右クリックすると図のようにフリップメニューが出ます。まずは青枠部分でPlateSolving(処理後アノテーションを表示)を実行します。(画像が解決するとアノテーションが表示されるので視覚的に終了がわかって便利です。)

画像が解決したら再度右クリックしてメニューを表示→赤枠部分1(画像の中心座標に自動導入)、または2(画像のクリック部分の座標に自動導入)をクリックして自動導入できます。(CCDCielは画像の中心座標にも、任意のクリック位置の座標にも導入可能です。)

黄色枠部分をクリックすればCielSkyChartに表示画像または画像枠を天体位置に合わせてプラネタリウム画面に表示します。


ASTAP

ライブスタッキング、独自のPlateSolving機能で人気のアプリですが、ASTAPもさまざまな画像の読み込み→WCSヘッダ付きのFITSファイルへの書き出しが可能です。

更に特筆すべき機能として(GUIアプリでおそらく唯一可能)画像のバッチ処理(複数画像のWCSヘッダ付きのFITSファイルへの変換)が行なえます。

大量の画像をWCSヘッダ付きFitsに変換したい場合は試してみる価値はあります。

一つのファイルだけならCCDCiel同様ファイルメニューで画像読み込み→Solve→FITSファイルへの書き出しで可能ですが、複数画像のバッチ処理の場合はメニュー:Tools→Batch Processing→Batch Solve images FIT & TIFF(ASTAPのSolve)、またはBatch Solve images useing local astrometry.net(Astorometry.netのSolve)で実行出来ます。(下図参照)※以前記載したスタッキングウインドウのブラウズで画像を読み込み→アライメントタブで実行する行う方法でも出来ますが、このコマンドを使うのが従来の方法のようです。(試してみるとどちらも上手く行かないことがあります。)→追記:Astorometry.netを使う場合はこちら、そうでない場合はスタッキングウィンドウで行うほうがFits以外のさまざまな画像形式を読み込みできるので良いかと思います。


2024-02-17 005115


ちなみに以前記載した方法は以下

2024-02-12-6.jpg

スタックボタンを押してスタックウィンドウを表示。


2024-02-12-8.jpg

1.Astrometric alaignmentを選択
2.サーチエリアを180°に(ブラインドソルバー)
3.データベースをオートに
4.Stackボタンで解析・Fitsへの変換


こちらはJpegなどもFitsに変換してくれますが、肝心のWCS情報が記載されないことがありました。
上記の方法はSolveがエラーで処理されなかったりとどちらも完璧ではありませんが、大量の画像を処理するのであれば試してみる価値はあるかと思います。


CielSkyChart

天文趣味の方であれば一度は触れたことがあるであろうプラネタリウムアプリです。
CCDCielとの連携、SAMP機能による天体情報の連携、天体機器の制御(ASCOM、INDI、Alpaca)と便利に使用できます。

上記アプリを用意しておけば、自身で撮影された画像のみならず、ネットで拾ったJpegファイルや広角画像(広角用のインデックスファイルを用意、Astronomy.netの場合4107~4119を追加、ASTAPの場合はG05とW08を追加)もPlateSolving後、WCSヘッダ付きのFITSにして活用できます。(事前に対象が中心になるようにトリミングしておけば、FITS画像を利用した自動導入機能を持つアプリ全てで便利に使えます。(CCDCielは任意対象のクリック導入も可能ですが、ほとんどのアプリは対応していても画像のセンター位置への導入のみなので)

WCS天体座標で一元化される上、一部アプリはSAMP機能も使えますので画像を見ながら天体導入や、画像の任意対象の情報収集など連携しながら行うことができます。

次回は実際の使い方(私の場合)を紹介しようと思います。


追記
KStarsは撮影画像を全自動でWCSFITSにすることができますが、操作するためにINDI環境が必須なため、今回は紹介しませんでした。
上記のアプリは全てのOSで利用可能なのでOS環境に縛られることなく利用可能です。(全てのアプリがこうなってほしいです)
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