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安定した天体環境を作るには

PCを使用した天体環境では非常に複雑で、かつ複数の制御を行っています。

それらの制御が安定して行えないと現地でトラブル修復を行う羽目になったり、最悪の場合は使用できなくなる可能性もあります。

安定した天体環境を作るために留意点を列記します。
これから天体環境を作りたい方は一つの考え方としてご確認ください。

1.容量にゆとりのあるバッテリーを用意(可能であれば2つ)
遠征などを行う場合はバッテリーを使用することになります。
気温などが低下するとバッテリーの性能が著しく低下します。
容量にゆとりをもたせ、リチウムなど低温でも性能が劣化し辛いバッテリーを使用することで電源関係の不具合をかなり減らすことができます。
PCなどで使用する場合はバッテリー本体に付属しているACインバータを使用するか、バッテリーにACインバータがついていない場合はステップアップorダウンコンバーターを使用することになります。
ACインバータを使用する場合は"正弦波"と記載されたものを選ぶようにしてください。"矩形波"や、"疑似正弦波"と記載されたものはトラブルの原因になります。
バッテリーにトラブルが出ると全てお手上げになるので、可能であれば同じものを2つ用意しておきましょう。

2.良質で耐久性のあるケーブルを用意
屋外環境は劣悪です。PCと接続するケーブル類は良質で耐久性のあるものを用意しましょう。
特に寒くなると低品質なケーブルだと硬化してしまい、断線する可能性が高くなります。
電源トラブルと並んで、断線や接触不良はよくあるトラブルになります。
こちらも予備を用意しておくと安心です。

3.夜露対策
湿度は電子製品の大敵です。電子部品が使用されている部分はビニール袋などで覆う、PCも使用しないときはビニール袋やダンボールなどをかぶせるなど可能な限り夜露対策を行いましょう。

4.遠征前にPCやアプリのアップデートを行わない
上記の通り、天体環境の構築は複数機器の複雑な制御環境の構築になります。
システムやアプリケーションのアップデートは、動作していた機器に不具合を与える原因になることが多々あります。
PCなどは動作チェックなどで、きちんと動作する環境ができたら、アップデートをしないのが一番確実です。

アップデートなどは時間にゆとりがあるときや、大幅な機能強化がなされたときに行いましょう。使用したい機能がなければアップデートしないほうが、安心して使用できます。
(アップデート後は全ての機器の動作チェックをやり直しになります。覚悟をもって望みましょう。天体系のアプリで制御機能があるものは依存関係の塊です。)

以上になります。

トラブルの多くは、電源周り(容量低下)、ケーブル周り(断線、接触不良)、システム・アプリの不具合必要なものを忘れるなどのポカミスになります。

ケーブル類やアダプタなどは密封できるケースにひとまとめにしておくことでトラブルを防ぐことができます。

冷静に考えれば全て当たり前のことですが、その当たり前のことができていないことで安定した環境ができなくなっていることがほとんどです。
このサイトによく記載されているような設定関係や、アップデートなどで安定するのではとお考えの方もいらっしゃるかと思いますが、設定は正しく使えるようにするためのものアップデートはシステムやアプリのバグや不具合を特定的に修正したものです。

これらの組み合わせがうまく機能するかは確認するまでわかりません。

天体環境のように複雑な制御の場合はアップデートだけでは改善されないことがかなり多くあります。
環境を作るためのコツは使用する機器が正常に動作すること、若干の不具合があっても対処する方法を掴んでおくこと、そして動作が問題無い状態になったら環境を変更しないことが一番大事になります。

現地で困らないためにも上記のことは事前にチェックしておきましょう。(私自身もですが(苦笑))

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仰る通りです

全く、仰る通りですね。
数年前(と言っても、天体観測の趣味は5年前からですが)ガイドカメラのケーブルが駄目になり、ちょっと不安でしたが、機材そのままで20kmトンボ帰り。
戻ったら、今度は、ガイドカメラが動きません。
あの時は、本当に疲れました。当然、機材を積んで帰宅しました。
以来、中々、プチ遠征でも、出かける時は注意してます。
最低限、庭撮りをしてPCや機材の動作を確認した状態で、updateが有ってもしないで出かけます。
家と違って、工具1つでも無いとお手上げの時、有りますからね。
バッテリーも、寒さには本当に弱いですよね。半分使えれば良い方。
(笑)

Re: 仰る通りです

天体環境もPC使うことで本当に便利になるのですが、トラブルの種でもありますね。
特にEkosのように自動制御でフルオートできるようになると、一箇所おかしいだけで破壊装置に変わりかねません。

私も忘れ物(ポカミス)、設定不足で現地で作業などありましたので今回の記事は自戒も含めての記載です。

リチウムイオン電池

リチウムイオン電池を開発された吉野彰さん。
天体観測でも、重い鉛バッテリーから、最近、リチウムイオン電池を使ったバッテリー電源をお使いの方も増えたように思います。
鉛のバッテリー、寒いと、本当に直ぐ弱って来ます。
リチウムイオン電池はどうなんでしょう。
余り、良くも・悪くも評判を聞かないので不思議に思っているのですが。(笑)
昨夜は、田んぼ遠征と同じ機材でニワトリしました。
でも暖かで、ソックスも履きませんでした。もちろん防寒着も。(笑)
12V20Ahの鉛バッテリー、12.9V有ったのが5時間後には12.4V
冷却カメラの冷却もしたので、こんなもんかと思うのですが、1Aも流れていません。(笑)
INDIで機材全体を構成できるようになって、ノートPCも省電力なのでOK、バッテリーも小さいのでOKになりました。
【追伸】
ご指摘いただいた、solverですが、昨夜はPolemasterを使って正確に軸を合わせました。マーカーもピタリ真ん中に表示されるようになりました。
ありがとう、ございました。

Re: リチウムイオン電池

やはり寒さにはどの電池も弱るようですが、リチウム系はその中でも強いほうだと思います。
前回氷点下の中でEAAを行いましたが、消費電力が少ない機材を選んでいるのもありますが、4時間屋外で放置してもまだ余力がありました。
リチウムもポリマーの方が安全性など高いようですね。
(ただ天体に使うようなサイズだとコストが。。)

Solverのズレ同期、やはり極軸でしたか。
ズレたところで固まっているとなると、緯度経度日時(のいずれか)か極軸になるかと思います。
ズレたところで固まっているということは機材(赤道儀)の精度が高いことの裏付けでもありますのでちょっと羨ましかったりします。(笑
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