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Ekosのアライメントモジュール(天体撮影位置解析、PlateSolving)について

Ekosのアライメントモジュールにはとても便利に使用できる天体撮影位置解析(PlateSolving)があります。

現状では
・Astrometry.netにインターネット接続
・ローカルにAstrometry.netサーバを構築(Linux、Windowsの場合はサーバ、インデックスファイルのインストール、Macの場合はインデックスファイルのインストールが必要)
・ASTAPのPlateSolving機能を利用(Linux、Windowsの場合はインデックスファイルのインストール、Macの場合はアプリをインストールすれば利用可能)

の3種類から利用できます。
今回はネットワーク接続がなくても使用できる、ローカルAstrometry.netサーバと、ASTAPのPlateSolving機能を利用する場合の設定などを記載します。
(配布したRaspberryPi4用のAstroberry-Jにはすでにサーバなどがインストールされています。)

INDIドライバはローカル接続、ネットワーク接続のいずれにも対応しているため、このPlateSolving機能を快適に利用するためには処理の流れを把握することが重要になります。


解析の流れとしては以下になります。

カメラ撮影画像の送信(USB接続、ネットワークドライバで使用している場合は+ネットワーク転送)→Ekosを使用するPCまたはシングルボードコンピュータファイル変換(Fits、ダウンサンプル)解析

使用する場合は上記解析の流れでボトルネックになる部分を探り、それに合わせた設定にするか速度重視の設定にするかを検討します。

●ネットワークドライバで使用する場合
ネットワークで画像データを送信する部分が一番のボトルネックになります
この部分の転送量を抑えるのが快適に使用するコツになります。
一眼デジカメと天体カメラでは設定が異なりますのでそれぞれに記載します。

一眼デジカメの場合
・ファイル形式をJpeg、クオリティを一番低いものにします。
・INDIドライバの転送形式はRaw(直接送信)、ネイティブ(ファイルをFit形式にしない)
・Ekosのオプション設定でDawn Sampleを2〜4に
・アライメントモジュールの解析範囲をデフォルトの30→15程度に

一眼デジカメの場合は画像処理エンジンがありますので、これを利用してカメラ側で処理を行いクオリティの一番低いJpegデータにすることでファイルサイズを抑えます。
ドライバとの転送はデータをそのまま送信するRawがもっともトラブルが出づらいです。
一眼デジカメの場合はEkosの画像ファイルの取扱いでネイティブ(デジカメ画像をそのまま操作)ができますので、これを行うことでFitsファイルへの変換工程が無くなるため更に高速になります。
これでかなりボトルネックとなるネットワーク送信の時間を減らすことができます。


自動導入機の場合はアライメント時にある程度しっかりした座標がすでに取得されていますので、アライメントモジュールデフォルトの解析範囲30の数字を減らした方が解析時間が少なくなります。
私の実運用では10〜15程度で充分エラーなく機能しています。

Ekosのオプション設定にDawn Sample項目があります。
この項目は処理解析の時間短縮に非常に重要になります。

これもローカルAstrometry.netサーバと、ASTAPのPlateSolving機能では適する設定が異なります。

・ローカルAstrometry.netサーバの場合
Dawn Sample項目を2の乗数で可能な限り大きく→4くらいがベスト
インデックスファイルはオプション設定になっている右側のTycho2はすべてダウンロードしてチェックボックスが入っている状態にすると、解析エラーが減少し、高速処理になります。

・ASTAPのPlateSolving機能の場合
Dawn Sample項目を2の倍数で、画像の縦方向が1500〜2000程度になるように→2がベスト


天体カメラの場合
・KStarsのオプション設定でDeBayer、3Dcubeのチェックボックスを外す→モノクロにする
・INDIドライバの転送形式はRaw(直接送信)、Fits形式、カメラの画像形式はRaw8ビット・モノクロに
・アライメントモジュールのBinning設定をカメラが対応する最大値に(だいたい2〜4)
・Ekosのオプション設定でDawn Sampleを2〜4に


天体カメラの場合は一眼デジカメと異なり、カメラ内部に画像処理エンジンがありません。
そのため、処理を行うPCやシングルボードコンピュータにRawファイルが直接送信されてきます。
結果として転送量が多くなり、ネットワークドライバでは非常に速度が落ちてしまいますが、画像をモノクロで扱う・Binningをハードが対応する最大値・ファイル形式をRaw8ビットに落とすことでかなり転送を抑えることができます。
ドライバでファイル形式・モノクロ、KStarsのオプションでモノクロ処理、Ekosオプション設定でBinningとDownSampleと設定する場所が分散しているので若干面倒ですが、この設定を行っておくことでかなり快適に使用できるようになります。

ダウンサンプルに関しては一眼デジカメと同様の扱いになります。
(ローカルAstrometry.netは可能な限り画像が小さくなるように2の倍数で設定(4程度がベスト)、ASTAPは画像の縦方向ピクセルが1500〜2000程度(2程度がベスト)


●ローカルドライバで使用する場合
基本的に上記のネットワークドライバ設定と同じにしておけば良いです。
ネットワークドライバより画像ファイルの転送がないぶん高速になります。


注意が必要なのは撮影で行う設定のままPlateSolving機能を使用しないことです。
撮影の画像設定などはEkosのキャプチャモジュールから行います。しかし、残念ながらカメラの機種によっては、一部の項目に関しては撮影・PlateSolving機能の使用ごとにドライバ設定→保存をして変更しなくてはならない場合もあります。
そのような機種をお持ちの方は若干面倒ですが、PlateSolving機能を使用後にドライバ設定を変更→保存してください。


上記の設定がきちんと行えていれば、非力なラズパイ3などでPlateSolving機能を使用しても、ネットワークドライバの場合は15秒以内、ローカルドライバの場合は8秒程度で解析が終了します。

私はシングルボードコンピュータ(NanoPi-M4)ローカルドライバ、VNCのリモートで使用していますが、PlateSolving機能の解析で10秒以上かかっているときは停止してしまい、別の場所で解析します。

使い方のコツを押さえればベテランの方だけでなく、天体撮影を始めた方にとっても非常に便利なツールになります。
撮影のみならず観望でも非常に便利に使える機能なので是非使いこなしてお楽しみください。









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位置解析

INDIを知らなかった昨年までは、windowsのascomからAPTに繋ぎ、オンラインのastrometry-netで、自動導入やってました。
成功率1/10、解析時間リミット120秒でした。10回目に導入成功すると、もう、20分も経過してました。笑
それが、オフラインになって数秒。Ekosさま様ですよ。
こちらの記事で、INDIへ移行する方もでるでしょうね。
オヤジもその1人、USBのdeviceの不安定は全く無くなり、解析の速さとシステムの安定感には感謝感激です。

Re: 位置解析

オヤジさん

Ekos(INDIもですが)は設定系がごちゃついており、そこで躓くことが多いように思います。
UI部分ってなかなか開発者には理解されませんし、フォーラムなどであまりそのことにふれると信者が荒れます。(笑

動作が軽いことや、マルチサーバ組めるなんて売りの要素になると思うですけどあまり活かし切れてない感じがしますね。。
ASIAirはそのへんを上手くやったのかな、と思います。
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