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シングルボードコンピューターを屋外で使用する場合の電源について

RaspberryPi4やNanoPi-M4、RockPi4など、INDI環境を構築すれば天体機器の制御がまかなえるシングルボードコンピューターがそろってきました。

私自身も現在の場所に引っ越してからはRaspberryPi3、4、NanoPi-M4などシングルボードコンピューターで全ての処理を行っています。

画像の保存を高速なメディアにしたり、一眼デジカメの場合は本体のSDなどに保存すれば制御、Platesolvingなど全く問題なく使用できています。

屋外で天体機器を制御する際に特に注意が必要になるのはシングルボードコンピューターに供給する電源になります。
これらの機器はUSBで接続して電源を供給する機構になっていますが、通常のUSBの電力をはるかに超えた電力が必要になり、電力不足になると様々なトラブルが出てしまいます。

上記に挙げたシングルボードコンピューターの電源用のUSBポートの仕様などを列記してみます。

●RaspberryPi3
・電源端子形状:マイクロUSB
・必要電力量 5V、2.5A
・電力端子仕様:USB2OTG
※オプション機器を接続すればPOEでの電源供給が可能

●RaspberryPi4
・電源端子形状:USB TypeC
・必要電力量 5V、3A
・電力端子仕様:USB2OTG
※オプション機器を接続すればPOEでの電源供給が可能
※PD、QC対応の記載なしのため不明

●NanoPi-M4
・電源端子形状:USB TypeC
・必要電力量 5V、3A
・電力端子仕様:USB2OTG
※PD、QC対応の記載なしのため不明

●RockPi4
・電源端子形状:USB TypeC(PD対応)
・必要電力量 PD2.0(9V / 2A、12V / 2A、15V / 2A、20V / 2A)、QC2、3(9V / 2Aおよび12V / 1.5A)
・電力端子仕様:USBPD、QC2、3対応
※オプション機器を接続すればPOEでの電源供給が可能

電源の仕様だけ見れば圧倒的にRockPi4が使いやすいですね。PD、QCいずれの規格にも対応しています。
ラズパイやNanoPi-M4は5Vに限定された上、高い電力が必要なので特殊な扱いになります。
ラズパイシリーズやNanoPi-M4の電力端子はUSB2OTGになっているので、条件が揃えばいろいろな活用ができそうですが、電源確保+USB使用ができる条件を満たした製品が見つかりません。(PCに直結して簡単なデータのやり取りなどは可能なようですが、天体での使用に便利な状況(電源供給しながらUSB端子を拡張)を作るとなると自作しかないかもしれません。)

しかも、天体機器を制御する場合はUSB端子に多くの機器を接続するため推奨値は確保しておかないと電力不足になることがあります。

AC電源がとれるときは専用のACアダプタが一番無難でしょうが、屋外で使用するとなると以下の条件を揃えてあげる必要があります。

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・シガレット端子(ディープサイクルバッテリーや車用のポータブルバッテリー)+正弦波DCインバーター、もしくは5V3Aの出力が可能なUSB端子を備えた機器


上記の機器はいずれも私が現在使用しているものになります。
電力にゆとりをもたせているため、屋外使用で電力に起因する問題が出たことはありません。

RockPi4であればPDに対応したものを揃えておけば良いので楽ですね。
(マイナーなので使っている方の情報がありませんが。。)

多くの方はラズパイをご使用になっていると思います。
屋外で、特に天体機器の制御で使う場合には電力にゆとりをもたせておかないとトラブルの元になります。
RockPi4を除いては電源ポートがUSB2OTGになっていますので、ラズパイやNanoPi-M4で使用する場合はUSB2ーTypeCのケーブルにすれば制御チップの問題は絶対に出ません。(特にNanoPi-M4)

特殊な仕様のため煩わしいですが、上記注意して安定した環境を構築してください。

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はじめまして。
天体観測初心者ですが、徐々に機材を揃えており、
Mac、raspiを使って撮影環境を構築中です。
撮影中のファイル保存について質問がございます。
カメラは冷却cmosを使う予定でして、撮影したファイルの保存場所はどうされていますか?
raspi 上に保存されているのか、外部記憶媒体(SDカード、外付HDDHDD等)に保存されているのでしょうか。
冷却cmos は初めてで、raspi 上の処理速度が気になるところです。(raspi のスペックに依存すると思うのですが。)
raspi で運用されていると思いますが、撮影環境について、使用感等お聞かせいただければと思います。
どうぞよろしくお願いいたします。

Re: タイトルなし

kiyoさん

こんばんは、T-Studioです。
ご質問の件ですが、冷却カメラであればUSB3の外付けケースを利用してM.2タイプのSSDを増設していただくのが最善です。
冷却カメラは非圧縮のFITSでしか保存ができませんのでシステムが入ったSDカードに保存すると極端に遅くなります。(マイクロSDの保存が遅いため)

皆さん誤解されがちですが、処理速度に関しては適切な設定をすれば、ラズパイ4であれば全く問題ありません。
(私はラズパイ3でも問題ありませんでした。)
むしろ、重い画像などの転送・保存が一番作業速度に影響します。

ラズパイ4からUSB3、ギガビットイーサが搭載され、足回りも改善されましたので、外付けSSDを追加すれば充分利用できると思います。(むしろ、PCで同等の速度で動作する環境を作るほうが大変です。)

私は撮影には一眼デジカメを使用していますが、Platesolvingやフォーカス制御の画像はJPEGを使用しています。
そして、撮影画像の保存はカメラのSDカードに保存しています。
これだけで処理速度が10倍程度早くなります。

重い処理と思われがちなPlatesolvingでもラズパイ4ででは2~4秒で終了します。


メインアプリとなるKStars・Ekosでの設定などは

https://tstudioastronomy.blog.fc2.com/blog-category-3.html

上記項目に複数記事を書いてありますのでご確認ください。



No title

なるほど、参考になります! 私の環境でも安定しそうなバッテリーとの組み合わせを見ておいたほうがいいような気がしてきました。

Re: タイトルなし

T-Studio様
ご丁寧にありがとうございます。
仰るとおりUSB接続できるSSDだと良さそうですね。
教えていただいた情報を取り入れながら構成を検討したいと思います!

消費電力の不思議

TーStudioさんには、オヤジのBlogにコメントを頂いてますが、ラズパイにどんな電源を使うか、オヤジはナメテました。(笑)
一昨日、天気も悪いので、取り敢えず、
・冷却CMOSカメラ
・ガイド用カメラ
・フォーカサー
・赤道儀AZEQ5GT 12V(USBのポートをラズパイ4へ接続)
こんな環境で、スマホやタブレットを買った時オマケで付いてくる充電用ACアダプター(容量2A前後です)色々を繋いで、実践風なテストをしましたが、やはり、WiFi(astrpi)のSSIDが見えません。(笑)

で、車等で使う12V→5Vのアダプターは3Aの容量がありますが、電流値を計っても2Aも流れてないのですよね。(1A前後でした)
勿論、WiFiはastrpiが見えます。
現状では、オマケの充電アダプターを使った時の電流値を図る仕組みが、今、無いので解りませんが、負荷を掛けた時の電圧降下が多いのか、何れにしても、流れる電流値には感心をはらう必要があることを再認識しました。
と、言うか、オマケのアダプターで使う人って居ませにょね。
オヤジ以外!(爆)



Re: No title

にゃあさん

屋外だとバッテリーを使うことになりますが、ラズパイ4の場合5V3Aという特殊な値のため、なかなか対応した製品がありません。

PDやQCに対応していてくれれば楽なんですが、そのような情報も見当たらないのでチップのついていないUSB2TypeCのケーブル(PD、QC用は機器の電圧チェックのためのチップ入です。)と5V3Aを明記したバッテリーの組み合わせが一番無難かと思います。

電流や電圧が高いと壊れますし、電流が低いと多数のUSB機器を接続した際に原因不明のエラーが出ます。

Re: 消費電力の不思議

オヤジさん

TypeCは本当にカオス状態になっています。
ラズパイ自体は最低電流では0.6Aから動作するようですが、この場合デスクトップなども使えなくなるようです。(SSHのみ)

天体機器制御のように多くの機器をUSB端子に接続するような状況だとある程度電力にゆとりを持たせないと誤動作の原因になります。
PC用のACアダプタは独自仕様になっている場合があり、この場合ラズパイ4に使用すれば壊れる可能性があります。
(高い電圧や、電流を流してしまうため)

ラズパイ4やNanoPi-M4の5V3A(しかもUSB2OTG)というのもかなり特殊な仕様です。
ケーブルもUSB3TypeCのものだとQCやPD対応になっているのでチップが入っています。

私はACの場合はNanoPi-M4購入時に同サイトで購入したACアダプタとケーブル(5V4A、USB2TypeCケープル)、バッテリーを使う場合は上記の製品を使用しています。(ラズパイ4に合う規格の製品を探すのは大変でした。。。)

Re: Re: タイトルなし

kiyo さん

もし、Linuxにふれるのが初めてであれば今ならZWO社のASIAirProなどもいいと思いますよ。
エンジンやドライバは私がまとめたディストリビューションと同じINDIを使用していますが、メーカーが独自にフロントエンドを開発してユーザーが操作や設定で混乱しないようにインターフェイスがまとめてあります。

開発元が配布しているKStars・Ekosなどはできることは非常に多いですが、ドライバの設定などユーザーインターフェースがややこしいところが幾つかあります。
設定さえ決まってしまえば問題ありませんが、Linuxということも相まって操作に戸惑う方も多いです。

私のブログに大量に説明が記載されているのは、この使いづらい部分の解説と解釈してください。
(てなづければ、安定して高速な環境が手に入ります。)

No title

T-Studioさん

こんばんは。
電源の問題はやっかいですね。私は12V→5VをDCDCコンバータ(Amazonの中華製です)で作ってラズパイ4に供給しております。それでも、カメラはセルフパワーのHUBを経由させて使わないと不安定でした。
このあたり、もっと簡単に扱えたらいいのですがねぇ…

Re: No title

taka_umeさん

規格自体も特殊な上に、更に天体で使用する場合USB端子をフルに使い、屋外で使用という特殊条件が重なります。
私が今までトラブルに合わずに済んだのもNanoPi-M4用のACアダプタ(5V、4A)とゆとりがあるものを使うことが多いからかもしれません。

RockPi4のスタイルがユーザーには一番親切ですね。
(環境作るのが人柱になりますが。。)

Re: Re: タイトルなし

R-Studio様

返信いただきましてありがとうございます。
AstroberryServerはインストールしておりまして、おかげさまでEkos-Kstarsで冷却CMOSやガイドカメラは認識できました。
追加で確認したいことがございまして...
Ekos-Kstarsのprofileでデバイスを選択する項目がありますが、
Mountの一覧にない機器を接続することはできるのでしょうか。
ビクセンのGP赤道儀をOnStepで(AlThiba2)使おうとしておりまして、
ビクセンのStarbookやSkySensor2000PCは選択できるのですが...GPやOnstepは一覧にないようでして。
度々申し訳ありませんが、何卒よろしくお願いいたします。

Re: Re: Re: タイトルなし

Kiyoさん

お使いのディストリビューションは何になりますでしょうか。(海外のAstrometry、私が以前配布したAstrometryーJ、現在配布中のAstRPi)

海外製のAstroberryは非常に良くできた環境ですがドライバのポートをWebサーバでリダイレクトしているので画面がブラックアウトして表示されなくなる問題がありますのでご注意ください。

ご質問の件はINDIのLX200-Onstepのドライバを選択すれば良いです。
Ekosのプロファイルエディタで登録でも良いですが、ここで設定するとローカルルールが多い(リストに無いものは登録できない、ドライバを個別に再起動できないなど)のでINDIWebマネージャーを使用する流れに切り替えたほうが後々楽ですよ。

Re:Re: Re: Re: タイトルなし

T-Studio様
ディストリビューションについては、www.astroberry.ioから入手したものになります。
ブラックアウトの問題があるのですね...
ドライバの件、試してみようと思います。
色々と教えてくださり、勉強になります。ありがとうございます。

Re: Re:Re: Re: Re: タイトルなし

Kiyoさん

当初は私もブラックアウトの原因が分からなかったのですが、構成を調べたところINDIの制御信号をWebサーバ(nignx)
にリダイレクト(バーチャルサーバに信号を送る)した上でSSLで暗号化していることで処理速度の低下とブラックアウトなどの不具合が出ることがわかりました。

AstroberryーJでそれらを外す対処したのですが、スクリプトが複雑に設定されており、アップデートで当方が設定した環境が壊れることから新規にAstRPiを作成した経緯があります。

対処するにはSSHでアクセスできるアプリを用意しておき問題が出た場合はSSHからリブートを行うようにしてください。
あわてて電源オフにすると最悪システムが壊れます。
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