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ASCOM環境を使うため覚えておくことのまとめ

以前にINDI環境について記載しましたので、ASCOM環境についても触れておこうと思います。

Windowsで天体環境を構築するために非常に重要な働きをしますが、思ったよりまとまった文献が無いようです。
これから環境を構築する方の参考用としてご活用いただけると幸いです。

・ASCOMはNetframework、DirectXを活用した天体機器のサーバ・ドライバセットである。
・Windowsのシステム機能との依存関係が高いため動作環境はWindowsに限定される。
・天体機器との通信としてCOMポートを利用する。そのため、原則としてドライバ・クライアントの対応関係は一対一になる。
・非常に多くのクライアントアプリが対応しており、ドライバ開発などにメーカーが参与している場合もある。
・ドライバのCOMポートの管理にはレジストリが使用されている。
・メインの開発・検証は32ビットで行われているため、64bitで使用する場合は制約がある。
・インストール後はサーバが常時起動しており、必要となるドライバを起動・設定して使用する。
ドライバの設定・保存はGUIのフロントエンドで行う。
・複数のクライアントでドライバを利用する場合は、ドライバが独自に仮想シリアル機能をもつか、ASCOM独自のPOTHドライバを経由する必要がある。
・レジストリを操作するため、サーバ・ドライバを管理者として実行する必要がある。
・Windows8、10に対しては正式対応していないため、動作しない場合は互換環境で動作させる必要がある。

実質PCで天体機器を扱う環境としてデファクトスタンダードとしての地位が確立していますが、上記の通りサーバ・ドライバの設計が現在となっては古びている部分や、Windowsのシステムにかなり依存する動作環境になっているためWindows10などで使用する場合は注意が必要な部分もあります。
以下に注意点も記載しましょう。

・サーバ・ドライバが管理者として実行されているため、使用するクライアントも管理者として実行しないと正常に動作しないことがある。(トラブルを避けるのであればクライアンをを含め全て管理者として実行する環境に整えておくほうが良い)

・クライアントアプリが64ビットの場合、ドライバの対応状況によっては動作しないことがある。(クライアント・サーバ・ドライバ全て32ビットで使用する場合が一番推奨環境に近くなる。)

・原則ドライバの設定はASCOM側で行い、保存しておく必要がある。(クライアントの対応にばらつきがある。)

・Platesolvingのように複数アプリ・サーバでドライバを共用する場合はPOTHドライバ、またはマウントのドライバがマルチクライアント仕様(バーチャルCOM)に対応している必要がある。



注意が必要なのはデフォルトが32bit、Windows10正式対応がされていない、レジストリを使用するため管理者として実行されている必要がある、複数アプリでドライバを共用するためにはPOTH、またはドライバ自体がマルチクライアントに対応が必要になることでしょうか。

プラネタリウムアプリでマウントドライバをコントロールするなど一対一の関係で使用することに留めれば、簡単に使用できますが天体撮影のように複数機器をまとめて、更に場合によっては複数アプリでドライバを共用するような使い方となると、制約を避けながらの環境構築が必要となり、かなり注意が必要になります。


現状で安定した環境を作るのであれば以下の項目を実施するのが無難です。

・ASCOMサーバ・ドライバは32bit版を利用、インストール時に管理者として実行する設定にしておく。

・ASCOMサーバ・ドライバは互換モードで動作させる設定にしておく。(推奨はWindows7)

・制御を行うクライアントアプリも全て32bit版を使用、管理者として実行する設定にしておく。

・マウントドライバがマルチクライアント対応の機器を使用する。(不可能な場合はPOTHでの動作チェックを念入りに行う)


上記はあくまで原則論での内容になります。
Windowsの場合、対応するクライアントも非常に多数ありますのでクライアント側でこれらの制約を払拭している場合もありますので、試してみるまでわからないというのが現状です。
いずれにしても上記原則部分を念頭において環境構築すればトラブルが起きづらくなるかと思います。

昨年あたりからINDIGOドライバにあったTCP/IPラッパー(TCP/IP環境でASCOMサーバ・ドライバ環境を使用できるようにするラッパー)のAlpacaがアナウンスされています。

Alpacaが普及すればWindows以外の環境でもTCP/IPを通じてASCOMサーバ・ドライバを使用することができるようになるようです。
これらの規格も期待したいところですが、まずはASCOM本体でCOMポートの扱いや、Windowsの最新環境に対応することが最重要な事項になると思います。

ASCOMが誕生してから20年になります。
現在においては事実上天体機器制御環境のデファクトスタンダードになっています。
しかし、現状はWindowsの高い互換性におんぶにだっこになっている部分が散見されます。
上記記載の通り、最新OSへのフル対応や、COMポートの扱い方などが改善されればさらに使いやすい環境が整うと思います。

Alpacaを開発したりなど、積極的に開発が行われているようなので、ベースとなる機器制御の安定性や拡張性が充実するように期待したいと思います。



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