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Windowsの最小INDI環境 AstrPC

以前記事として記載しましたが、Windows版のKStarsはV3.5からStellaSolverが内蔵されています。

ASCOMのPOTHに苦しんでいる方、高速なPlateSolvingを利用したい方はお試しください。
ダウンロードはこちら

VirtualVox用のVHDファイルと設定用のVBOXファイルのセットです。
(AstRPiのようにハード固定ではないので環境により上手く動作しない可能性があります。起動エラーが出る場合は強制終了(仮想環境のウインドウを閉じる)して、仮想環境を再度起動時、リカバリーモードで起動してみてください。それでも起動しない場合は動作しない可能性が高いです。)
ダウンロード後解凍してください。

用意するものは以下
64ビット版のVirtualVox
Windows版のKStars

使い方は簡単です。
VirtualBoxを起動

スクリーンショット 2021-03-01 220147

メニュー:仮想マシン→追加 を選択


スクリーンショット 2021-03-01 220422

上記VBOXファイルを選択


スクリーンショット 2021-03-01 220613

1.読み込まれた仮想マシンを選択
2.起動ボタンをクリック

設定などは行ってありますので上手くいけばこれで使えます。(私は若干設定が必要でした。あれこれ操作したので詳細は忘れましたが使えるようになりました。このファイルは自己責任でご利用ください。)

スクリーンショット 2021-03-01 223800

システムが立ち上がったら、VirtualBoxで使用するシリアル機器を登録(上図赤枠のアイコンで行います。)

Linux部分を使用するのはこれだけです。
(後はシステムを終了するときに右上のアイコンを選ぶだけ。)

その後Webブラウザを立ち上げて localhost:8624 にアクセスしてINDIWebマネージャーを起動します。
カメラドライバをシミュレーションドライバに設定し、後はご自身が使用されている機器のドライバを選択してドライバを起動します。
このあたりの流れは上記の過去記事をご参照ください。

これで超高速なStellaSolverとシリアル機器をKStarsで連動操作出来る環境が整います。

StellaSolverはSextractorとAstrometry.netを活用したPlateSolving環境です。
非常に高速で安定しているので、私自身がWindowsでもこの環境を使用したかったのですが、この機能を使用するためにはINDIサーバ・ドライバが必要になります。(残念ながらINDIサーバ・ドライバまでは移植されませんでした)

そのためだけににLinuxマシンを使うというのが面倒だと感じ、Windowsで手軽にINDIサーバ・ドライバを利用する方法がないかといろいろ考えました。

CygWinを利用する方法や、Windowsネイティブの拡張環境で利用できるWSLなどを検討しましたが、CygWinに関してはソースからでないとサーバ・ドライバを利用できない、WSLはリポジトリで簡単に環境を作れるけれど外部機器の制御(USBやシリアル)が不十分などなんとも使いづらい状態でした。

色々検証したところ、上記VirtualVoxを利用すれば、USBをダイレクトに使用するカメラドライバ以外は問題なく動作することがわかりました。

INDI環境さえ動作すればカメラ部分はシミュレーションドライバで流用出来ますし、Windowsで最も泣かされるCOMドライバ(ASCOMなど)の連携部分がINDIでまかなえますのでKStarsを用いて自動導入、オートフォーカス、StellaSolverによるPlateSolvingの連携が実現できます。(PlateSolvingのインデックスファイルはAllSkyPlateSolverなどと共用できます。)

カメラ部分のみSharpCapなどのキャプチャソフトを利用すれば良いのでキャプチャアプリの安定性も向上しますし、ASCOMの32ビット縛りからも開放されます。(StellaSolver以外に不安定なCOMから開放されるのも実はうれしい要素です。)

VirtualVoxでのエミュレーション環境での動作も制御するドライバがマウントやフォーカサーなどのCOM(シリアルUSB変換)部分のみであればINDI環境の軽量さと相まって全く問題ありませんでした。

配布するファイルも動作保証できるものではありませんので、ASCOMのPOTHに苦しんでいたり、PlateSolvingの速度や成功率に不満がある方はお試し要素の一つとしてご利用ください。(おまけ機能としてWindowsでホットスポット作成すればスマホのSlySafariとも連携できるようにしてあります。ポート番号は4030です。)

追記
新しいカーネルが配布されたようで起動後、UPGRADEを促す表示がされますが、キャンセルしてください。
(新しいカーネルにするとブラックアウトします。)






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No title

これはまた面白そうな! ラズパイをつかわずに、直接デバイスをWinPCにつなげばよいのですね。時間のあるときに試してみますー

No title

にゃあさん

WindowsでStellaSolverが使いたかったので作ってみました。
INDIサーバ・ドライバとINDIWebマネージャー、sar2netをインストールした軽量な仮想環境用Linuxです。ちょっとこれは他のマシンで動く保証は無いですが、動作さえすればWindowsでEkosの新機能が使えます。



No title

ご無沙汰しております。
ろんろんです。

最近、Windows11のミニPCを入手したため、AstrPCを試してみました。
最初、”astrpc のクローン.vhd” を使うという設定になっていたため、
astrpc.vbox を修正して astrpc.vhd が使えるようになりました。
これでなんとか起動したのですが、indiwebmanagerで profileの修正や追加ができません。
can't save となります。
どうもファイルシステムの空きがゼロで修正や保存ができないようです。

パーティションの拡張とかを試してみたのですが、何か操作を入れると起動時にブラックアウトしてしまいます。
私の知識ではお手上げ状態です。

解決方法をご教授いただければ助かります。
ヒントだけでもいただければ頑張ってみます。
よろしくお願いいたします。

Re: No title

ろんろんさん

VHDの容量変更などはVirtualboxで行います。(私が配布した状態では10GB、可変サイズにしてあります。)

1.Virtualboxアプリを起動
2.左側上部にある”ツール”アイコンをクリック
3.表示される画面でastrpc.vhdを選択
4.ウインドウ上部のアイコンから”プロバティ”を選択

この画面で容量の変更が出来ます。
可変サイズだと通常自動的に容量を変えてくれるのですが、この部分がうまく働いていないかもしれません。(上記プロパティで可変状態になっているかも確認できます。)

変更後、astrpcを起動してください。
変更したHDサイズで利用できるようになります。

minipcであれば、SDDをもう一台買い足してデュアルブートにする方が使いやすいですが、現バージョンだとskywatcher-ALTAZドライバがUSBシリアルで接続しなくなってしまいました。。。(私はラズパイ4で使用していますので、ARMのシステム固有の問題かもしれませんが)

No title

T-Studioさん
ろんろんです。

お返事ありがとうございます。
VirtualBoxでサイズを変える方法は試しました。
しかし、ルートの空き容量は増えなかったので、エラーは解消できませんでした。

miniPCを購入した理由はWindowsだけでIndi環境を用意したかったからです。
実は、KStarsの魅力を私の周りの星仲間に広めようとしているのですが、皆さんのPCはWindowsなんです。
Windows用のIndiサーバーは既に開発が止まっていて満足の行くアプリを入手できません。
昔のIndiサーバーアプリは何とか入手できたのですが、いろいろ問題があって使えないと判断しました。
シミュレーションドライバで星が表示されないのが一番の問題で、これではプレートソルブやフォーカスのシミュレーションが行えません。
シミュレーションできるのがIndiの最大の魅力と思っているので、これが使えないのは大きな痛手です。
かといって、Windowsの他にIndyサーバーを動かすMacなりラズパイなりを用意してくださいとは言えません。
そういう状況なので、T-StudioさんのAstrPCに期待した訳です。

うまくいかないので、VirtualBoxに最新のUbuntu、最新のIndiを導入してindiwebmanagerをインストールすることで何とかWindowsのKStarsからIndiドライバーを使えるようになりました。
しかし、コンパクトとは言えない環境になってしまいました。

ちなみに使用したminiPCは、BMAX B3 Plus Silverという製品で、
・Celeron N5095、4コア4スレッド、最大2.9GHz
・8MBメモリー
・256GB SSD
というスペックで、なかなかこぎみよく動いてくれます。

AstrPC、なんとか使いたいのですが...

「skywatcher-ALTAZドライバがUSBシリアルで接続しなくなってしまった」という件も困りものですね。
私もラズパイ4を使っているので確認してみます。




Re: No title

ろんろんさん

AstrPcの件、解決しなかったようで残念です。(仮想HDだと環境で動作しないことが多いようです。)
実はAstrPcを制作したのは私もほとんど同じ理由です。
(私の場合はWindows環境で高速なステラソルバーを利用したいことがメインでした。)

現状Windowsだけがネットワーク環境が独自仕様になっているので移植が困難みたいです。(COMは本当に改善してほしいです。)

軽量に済ませるということであればUBUNTUサーバーか、LUBUNTUなどでAstrPc同様の環境を作っても良いかもしれません。
(INDIさえ動けば良いので必要最小限のシステムで)

・・・が、Windowsをお使いの方がVirtualBoxで仮想環境を動かすというのも敷居が高いですね。。
最初は配布が容易なISOにしようと思ったのですが、これだとインストールしない限り設定が変更できませんし、容量も4GBに制限されます。

OSの国境は高く面倒です。。。

現状ではラズパイ用意して頂いてAstRPiなどのバックアップをコピーするのが一番簡単かもしれません。(仮想環境だと映像ドライバが使用できませんし、マシンのチップセットで互換性が限られてしまうようです。)

No title

T-Studioさん
ろんろんです。

なるほど、Ubuntuサーバーというのもあるのですね。
VirtualBoxではいろいろなゲストOSを簡単に試せるので、やってみたいです。

>現状ではラズパイ用意して頂いてAstRPiなどのバックアップをコピーするのが一番簡単かもしれません。

実はこれ、やってみましたが問題が発生しました。
ラズパイを購入したチャレンジャーな方がいたので、私のラズパイの環境をコピーしたmicroSDカードを送って試してもらおうとしたのですが、動かなかったのです。
ブート画面で「ソフトウエアの更新が必要」とうメッセージが出て進まなくなったそうです。

問題が起こったラズパイは4Bの4GB版ですが、最近のロットはチップが変わったみたいです。
ネット情報では、CPUクロックが旧ロットが1.5GHzだったのに対して新ロットではチップを変更することで1.8GHzになったとのこと。
このあたりが原因と思われます。

確認はできていませんが、素のままのAstRPiも動かないのではないでしょうか。

Re: No title

ろんろんさん

ラズパイ4は8G版はNGでしたが(チップセットが異なる)、4G版は不具合情報聞いていませんでした。
「ソフトウエアの更新が必要」という表示が出ているとき、ネットには接続されていたのでしょうか。

ファームウェア更新であれば、ネット接続されれば使えるはずなんですが使えないとなると前の筐体を持っているユーザーからクレーム来そうですね。

不具合が起こったのは新ロットの方です。
私のラズパイはかなり前からのものでチップが変わる前のロットです。
これからラズパイを購入して試そうという方が問題に遭遇する可能性がありますね。
私の手元には新ロットがないので、残念ながら検証できません。

Re: タイトルなし

ろんろんさん

私もラズパイ4を現在は2台所有し、稼働していますが新ロットではないのかもしれません。
その表示が出たときにネット接続されていたのでしょうか。
ネットに接続されていてもアップデートできないとなると、OS自体が根本的に置き換わってしまっているのかもしれません。

そうなると、お手上げです。。。

Re: Re: タイトルなし

あ、一つだけ手があるとすればデスクトップは動かなくてもターミナルに入ることが出来ればraspi-configやrpi-eeprom-updateで書き換え出来るかもしれませんが、Linux初心者の方にそれをさせるのは酷ですね。。。

いずれにしても8G版や新しいクロックアップ版が手元に無いと検証、書き換えできないようなので(現在配布しているものは8GB版が出た後に最新ファームにアップデートしたものですが、8GB版で使えなかったようです)
修正版を出すのが難しそうです。
(機種ごとにファームウェアが個別に組み込まれるような仕様になっていたりしたらもう完全にお手上げです。。。)


No title

T-Studioさん
ろんろんです。

新ロットで起動した際はネットには繋いでいたと思いますので、ファームの更新は働かなかったようです。
ラズパイ側としては改良なのでしょうが、ソフトの互換性に問題が出るようでは困り者で、この件についてはもう少し検証数が欲しいところです。
誰か協力してくれる人はいないですかね。
AstRPiは「何もしなくてもすぐに使える」有難いディストリビューションなので。

別件ですが、AstRPiにsoftEtherを組み込んでVPN接続できるようになりました。
ネットの回線は上りスピードが5Mbps程度のいわゆる格安SIMを使っていろいろ試しています。
シミュレーション環境ですが、画像が1MByte以下であればリモートドライバ操作でもプレビューやプレートソルブがストレスなく行えることを確認できました。
クライアントはMacです。
山の中のインターネット天文台の構築を夢想しています。

No title

ろんろんさん

ラズパイは互換性重視のはずなのに、新機種出るたびに新しいOS使わないと動かなくなるようでは不便極まりないですね。。。
当方も検証のためだけにラズパイ何台も買えないのでどのような状態なのかがつかめません。。

SSHだけでも動作してくれていればなんとかなりそうですが、その手前で止まっているともう完全にお手上げです。

softEtherですが、AstRPiに組み込み済みですよ。
https://tstudioastronomy.blog.fc2.com/blog-entry-256.html

VPNサーバ対応ルータを購入する前は、我が家のVPNサーバとして利用していました。

Wan越しの操作はVPN、AnyDesk(Wan越しで利用できるリモートデスクトップ)、INDIHUBの3つの方法がありますが、手軽に済ますのであればAnyDeskもいいですよ。(リモートデスクトップだけでなくファイル送信も出来ます。)

ラズパイ版は32ビットしかないですが、AstRPiは32ビットなのでインストール出来ます。
https://tstudioastronomy.blog.fc2.com/blog-entry-464.html

No title

追記

Wan越しだとおっしゃるようにプレビュー画像を軽くしてネットワークドライバとして使用する方法と、処理はメインマシン側で全て済ましてリモートデスクトップする方法の2種類があります。

リモートドライバではネット速度に依存するので、オートガイドも利用するのであればWan越しのリモートデスクトップがおすすめかもしれません。(オートガイドのストリーミングが激重なので。。。)

VPN、AnyDeskいずれも可能ですよ。(VPNの場合はファイル転送でSambaも使えます。AnyDeskはソフトの機能でファイル転送出来ます。)

山の中のインターネット天文台の構築。。。夢のまた夢です。。。。

No title

T-Studioさん
ろんろんです。

いろいろな情報をありがとうございます。

あれ、softEtherはAstRPiに組み込み済みでしたか。
調べ方が悪かったのか組み込まれていないと思い、新しくインストールしてしまいました。これって二重インストールですか?
一応問題なく動いているのでよしとします。

「オートガイドのストリーミングが激重」なのですね。
これは試していませんでした。
AnyDesk等のリモートデスクトップも視野に入れておきます。

Indyは、なかなか試しがいがあって知的好奇心をそそります。
梅雨に入ってしまいましたので、実運用に向けての準備を念入りにしたいと思っています。

Re: No title

ろんろんさん

私がソースからコンパイルしたのは以下に入っています。(配布時に稼働しています。)
/usr/bin/vpnserver

おそらくですが、自動起動用のサービスファイルを作られたと思いますので、ろんろんさんがインストールしたものに切り替わっていると思います。

WAN側でもIP固定するか、ダイナミックDNSとか使えばVPNでLAN同様何でもできますね。

AnyDeskはわりとお気軽にリモートデスクトップ、ファイル共有、プリンタ共有などが使えますよ。

No title

T-Studioさん
ろんろんです。

ご説明ありがとうございます。
VPNは便利ですが、AnyDeskも価値がありそうですね。
どう運用するか考えてみます。

ついでですが、SE-AT100N架台がUSB Serial接続で動作しなくなったという情報が気になって調べてみました。

ドライバのバージョンが1.5以降でだめになったみたいです。
Mac版では、3.5.7以降で動きません。最新版は3.5.9が公開されていますがだめでした。
ラズパイは、現在利用しているIndi 1.9.1 はOKで、試してみたAstroberryに組み込まれている1.9.5はだめでした。
ラズパイは当面現状維持ですね。

ちなみに、SE-AT100N架台(SkyWatcherのVirtuosoのOEM)の後継機種になるVirtuoso GTiやAZ-GTiは大丈夫です。
何が原因なのでしょうか。
Mountcodeがサポートされていないというメッセージが出るので単純なことのように思えますが、ソースを見てもよくわかりませんでした。

Re: No title

ろんろんさん

AnyDesk高機能でなかなか良いですよ。
但し、ネット環境必須なので、VNC系は非ネット環境、AnyDeskはWan越しリモートと使い分けです。

SkyWatcher-ALTAZドライバはねこめしさんも検証してくれました。
CELESTRON-AUXドライバでも同様の症状が出ています。
1.9.4から事前に機種認証を行ってから接続になったようです。(繋がらないのは困りものですが。。)

途中まではボランティアスタッフの恩恵受けてバグが減ったのですが、ここ半年くらいはトラブルが目立ちますね。

早く直ってほしいです。。。
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