電波観測用の自作アンテナ(1.42GHz帯)の制作と取り付け
以前の記事でチューナー部の準備はできました。
ダイポールアンテナ付きのチューナーを購入したのでこれだけでも観測出来るのですが、水素線1.42GHzをより効率よく受信できるようにアンテナを自作してみます。
電波観測というと巨大なパラボラアンテナがイメージされますが、正確に言うと反射部分(パラボラ部分)とアンテナ部分に分けることができます。
アンテナ部分は受信したい電波の波長で計算します。電波の波長が短ければ短いほどサイズが小さくなります。
反射部分に関しては反射望遠鏡同様大きければ大きいほど少ない電波を集めることができます。
なので、反射部分とアンテナ部分を分けて考える必要があります。
ではまず反射部分から考えてみましょう。

電波は金属に反射される性質があります。(波長が短いほど顕著)
光同様パラボラや球面などで集めることができます。
私は図のように金属の球面を焦点面で反転して(赤点部分)大小並べることにしました。
大きな一次反射面で空中の電波を集め、小さな二次反射面で電波を一次反射面に返し逃さないようにします。
こうすれば原理上集めた電波は鏡合わせ状態になり逃げません。
電波を集める反射面に関しては大きければ大きいほど良いのでしょうが、運用などを考えて手に入りやすいもので作ります。
(少なくとも1.42GHzの波長21cmよりは大きくしたいです)
アンテナは焦点位置の図の赤点部分に設置します。
さて、次はアンテナ部分です。
ダイポールアンテナが楽ですが、私は地デジ受信で自作したことがあるヘンテナを作ることにしました。

日本のアマチュア無線家が考案したアンテナです。
制作が楽な割にはなかなか感度が良いです。
図のサイズで制作すれば希望する周波数を効率的に受信できます。
水素線1.42GHzの場合だと、縦約10.5センチ、横約3.5センチの長方形を針金などで作ります。
ケーブルを接続する部分は給電点と呼ばれ、図のように1/8λ~1/10λの位置に設置します。(1.42GHzだと
2.6~2.1センチほど)
ケーブルは購入したRTL-SDRのアンテナ端子に接続出来る、50ΩのSMAオス端子がついたものを用意します。
ケーブルの皮膜を約3cm程度剥き、外側にある網線を約2cmほど露出した状態にします。
網線に銅線をハンダ付けして給電点の片側にハンダ付けします。
ケーブル中央の銅線は網線と反対側の給電点にはんだ付けします。
正式には給電点にバランと呼ばれる機器が必要ですが、上記寸法で接続すれば、シュペルトップバランと呼ばれるバランの代用になります。
ヘンテナが完成したら上記反射板の焦点部分に設置します。
材料は毎度おなじみのアストロショップダ○ソー(笑)で購入します。
私は以下の材料を購入しました。
・ステンレスメッシュボール(30cm)→一次反射鏡
・ステンレス茶こし(約7cm)→二次反射鏡
・桐のまな板→反射鏡の支柱+ラズパイ・チューナーの取付部+電子ファインダーの取付部
・L字金具☓2→アリガタ取り付け部、ファインダー脚取付部
・ベルクロ→ラズパイ・チューナーの貼り付け用
アリガタや電子ファインダー取り付けのアリミゾ、アンテナ用の針金は手元にあるものを使います。
SMAアンテナケーブルも家にありましたので片側を切断して利用します。
完成したのがこちら

架台はズーム観望用のSkyWatcher SE-AT100N架台を流用です。最初AZ-GTiにしようかと考えましたが、WIFIを使わないこちらにしました。(電波受信に影響出そうですし)
反射部が半球のような形なので、こんな小さなマウントでも問題なく運用できます。
電子ファインダーは本当は不要ですが、あったほうが観測しやすいので設置しました。

後ろから見るとこんな感じです。アリガタに桐のまな板を取り付け、ベルクロを貼ってラズパイとチューナーを貼り付けてあります。軽いのでベルクロで問題ありません。
RTL-SDAの上部に黒いテープで巻かれているものは購入したブースターです。RTL-SDA本体USBから電源を取れるように改造してあります。(買ったばかりで改造するのは抵抗ありましたが。。。)

アンテナ部分のアップ、アンテナは桐のまな板に貼り付けて、支柱と接続しています。
よく見ると白い輪のようなものがありますが、これは後ろから覗いたときに簡易ファインダーになるように付けておきました。
(メッシュだから出来る芸当ですね)
と、まあ一応電波観測のシステムも完成しました。
我ながらこんなもので本当に観測できるのか疑問(苦笑)ですが、理屈上はこれで水素線を観測出来るはずです。
環境は準備できましたが、電波観測に対する知識の方が全く追いついていないので勉強しながら気長に取り組んでいきたいと思います。
ダイポールアンテナ付きのチューナーを購入したのでこれだけでも観測出来るのですが、水素線1.42GHzをより効率よく受信できるようにアンテナを自作してみます。
電波観測というと巨大なパラボラアンテナがイメージされますが、正確に言うと反射部分(パラボラ部分)とアンテナ部分に分けることができます。
アンテナ部分は受信したい電波の波長で計算します。電波の波長が短ければ短いほどサイズが小さくなります。
反射部分に関しては反射望遠鏡同様大きければ大きいほど少ない電波を集めることができます。
なので、反射部分とアンテナ部分を分けて考える必要があります。
ではまず反射部分から考えてみましょう。

電波は金属に反射される性質があります。(波長が短いほど顕著)
光同様パラボラや球面などで集めることができます。
私は図のように金属の球面を焦点面で反転して(赤点部分)大小並べることにしました。
大きな一次反射面で空中の電波を集め、小さな二次反射面で電波を一次反射面に返し逃さないようにします。
こうすれば原理上集めた電波は鏡合わせ状態になり逃げません。
電波を集める反射面に関しては大きければ大きいほど良いのでしょうが、運用などを考えて手に入りやすいもので作ります。
(少なくとも1.42GHzの波長21cmよりは大きくしたいです)
アンテナは焦点位置の図の赤点部分に設置します。
さて、次はアンテナ部分です。
ダイポールアンテナが楽ですが、私は地デジ受信で自作したことがあるヘンテナを作ることにしました。

日本のアマチュア無線家が考案したアンテナです。
制作が楽な割にはなかなか感度が良いです。
図のサイズで制作すれば希望する周波数を効率的に受信できます。
水素線1.42GHzの場合だと、縦約10.5センチ、横約3.5センチの長方形を針金などで作ります。
ケーブルを接続する部分は給電点と呼ばれ、図のように1/8λ~1/10λの位置に設置します。(1.42GHzだと
2.6~2.1センチほど)
ケーブルは購入したRTL-SDRのアンテナ端子に接続出来る、50ΩのSMAオス端子がついたものを用意します。
ケーブルの皮膜を約3cm程度剥き、外側にある網線を約2cmほど露出した状態にします。
網線に銅線をハンダ付けして給電点の片側にハンダ付けします。
ケーブル中央の銅線は網線と反対側の給電点にはんだ付けします。
正式には給電点にバランと呼ばれる機器が必要ですが、上記寸法で接続すれば、シュペルトップバランと呼ばれるバランの代用になります。
ヘンテナが完成したら上記反射板の焦点部分に設置します。
材料は毎度おなじみのアストロショップダ○ソー(笑)で購入します。
私は以下の材料を購入しました。
・ステンレスメッシュボール(30cm)→一次反射鏡
・ステンレス茶こし(約7cm)→二次反射鏡
・桐のまな板→反射鏡の支柱+ラズパイ・チューナーの取付部+電子ファインダーの取付部
・L字金具☓2→アリガタ取り付け部、ファインダー脚取付部
・ベルクロ→ラズパイ・チューナーの貼り付け用
アリガタや電子ファインダー取り付けのアリミゾ、アンテナ用の針金は手元にあるものを使います。
SMAアンテナケーブルも家にありましたので片側を切断して利用します。
完成したのがこちら

架台はズーム観望用のSkyWatcher SE-AT100N架台を流用です。最初AZ-GTiにしようかと考えましたが、WIFIを使わないこちらにしました。(電波受信に影響出そうですし)
反射部が半球のような形なので、こんな小さなマウントでも問題なく運用できます。
電子ファインダーは本当は不要ですが、あったほうが観測しやすいので設置しました。

後ろから見るとこんな感じです。アリガタに桐のまな板を取り付け、ベルクロを貼ってラズパイとチューナーを貼り付けてあります。軽いのでベルクロで問題ありません。
RTL-SDAの上部に黒いテープで巻かれているものは購入したブースターです。RTL-SDA本体USBから電源を取れるように改造してあります。(買ったばかりで改造するのは抵抗ありましたが。。。)

アンテナ部分のアップ、アンテナは桐のまな板に貼り付けて、支柱と接続しています。
よく見ると白い輪のようなものがありますが、これは後ろから覗いたときに簡易ファインダーになるように付けておきました。
(メッシュだから出来る芸当ですね)
と、まあ一応電波観測のシステムも完成しました。
我ながらこんなもので本当に観測できるのか疑問(苦笑)ですが、理屈上はこれで水素線を観測出来るはずです。
環境は準備できましたが、電波観測に対する知識の方が全く追いついていないので勉強しながら気長に取り組んでいきたいと思います。
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