屋外での安定動作の要、電源について その2
前回の記事で天体機器を安定して運用するための記事を記載しました。
今回は使用する電力量毎にどのような電源が必要かを記載します。
前提条件
・使用時間6~8時間程度(大体一晩)
・車やパイクなど緊急時に電源を確保できる状態にある
・天体機器以外には使用しない
車やバイクは緊急時の補助電源になります。
徒歩や、キャンプなど車やバイクの補助が見込めない環境の場合は、安全をみて以下に記載する構成のワンランク上の構成を準備するか、同程度の電源を予備に一つ追加しておくことをおすすめします。
使用する機器の電力量に関しては前回の記事を参照してください。
使用する機器の電力量合計が20W以下の場合
以下のようなモバイルバッテリーで充分です。

PD、QC3に対応した大容量のものを準備しましょう。
注意事項としては5Vの機器を使用したい場合はPDやQC3のチップがついていないUSB2ケーブル(100均で売っているようなもの)を利用してください。USB2ケーブルを利用することで5Vに固定されます。
デジカメ(9V)や、マウント(12V)を使う時は、以下のような変換ケーブルを使用します。


使用する機器の電力量合計が40~50W程度の場合
省電力PCを用いたEAA(電子観望)や小規模の撮影システムが該当します。
このあたりになると電源もしっかりしたものが必要になります。
電力としては200~300Wh程度、必要なものが全て揃ったポータブル電源が手軽に使えます。

一気に価格が上がりますね。。。
正弦波インバーター、PD、QC3、シガーソケットが付いたものが便利です。(パススルー機能や、ソーラー対応であれば尚良い)
天体用であれば、低温でも使用でき、サイクル回数の多いリン酸鉄リチウム電池を搭載したものを選びましょう。
ディープサイクルバッテリー+正弦波インバーター+バッテリーチャージャーなどで個別に揃えても良いですが、ポータブル電源を購入するよりコストと手間がかかります。(壊れた時のダメージは分散できますが)
使用する機器の電力量合計が80~100W程度の場合
この電力となるとかなり本格的な撮影環境が構築できます。
但し、制御するPCがハイエンドのノートやデスクトップだとこの電力量でも足りなくなります。
制御に関してはPCスペックはあまり必要ありませんのでできればこのくらいの電力で運用できるよう工夫しましょう。
電源としては500~600Wh程度の機材が必要になります。

ポータブル電源に必要な機能としては上記と同様です。
価格に対して可能な限り大容量のものを選びましょう。
電力が150Wくらいでも問題なく安定して運用できますが、その場合は駆動時間が短くなります。
使用する機器の電力量合計が150W以上の場合
かなり重装備な機材構成になります。
この辺まで来ると電源にかかる費用も馬鹿になりません。。。
容量だけで考えると上記で記載した
ディープサイクルバッテリー(100Ah程度)+正弦波インバーター+バッテリーチャージャーが最も廉価になります。。。。が、管理の手間も大変です。(私も以前使用していましたが、バッテリー2台壊れました。。。)
ポータブル電源がもっとも簡単に利用できますが、このあたりになるとコストがかなりかかります。。。
ディープサイクルバッテリ同様手間はかかりますが、発電機も視野に入ってきます。。。


ポータブル電源の場合は1200Wh以上、発電機の場合はエコモードが付いたものでないと長時間使用できません。(ガスタイプは使用時間的にNG)
どれも高額だったり、手間がかかったりと決定打がない領域に入ります。
昨今では機種を選べば消費電力の少ないMINIPCやシングルボードコンピュータでも充分に機器を制御出来る環境を作れます。
皮肉な話で電力供給が不充分な場合、もっともトラブルが出るのもPCです。(省電力モードで使用するのも天体機器のように常時外部機器を制御する場合はトラブルの原因になりますし、そもそも処理能力を抑えるのであればハイスペックPCを利用する意味がなくなります。)
撮影環境が安定しない、トラブルが多いという方は撮影環境と電源のバランスがどのようになっているかチェックしてみましょう。
ほとんどの場合、電力が不足していることが多いです。(しかも大体の場合はPCが原因)
追伸
100Wって明るい裸電球一つの電力ですね。商用電力を利用しているとほとんど気にしない程度の電力であっても、屋外で安定して長時間使用するとなるとかなり大変なことになります。。。
100W超えると一気に電源にかかる費用が高額になります。
現状ではインバーターの性能がバッテリーの性能をはるかに上回っている状態ですので、インバーターで使用できる電力量だけで考えるとまともに運用出来なくなります。
モーターやPCのCPU(ハイスペックなもの)は一時的にかなり電力が必要になるため、これらをセットで運用する天体機器の電源はゆとりを持たせる必要があります。
前回、今回記載した事項を配慮して機材構成すれば、電力不足に起因するトラブルはかなり減らすことが可能です。(絶対ではありませんが、かなり安全で安定した環境を作ることができます。)
今回は使用する電力量毎にどのような電源が必要かを記載します。
前提条件
・使用時間6~8時間程度(大体一晩)
・車やパイクなど緊急時に電源を確保できる状態にある
・天体機器以外には使用しない
車やバイクは緊急時の補助電源になります。
徒歩や、キャンプなど車やバイクの補助が見込めない環境の場合は、安全をみて以下に記載する構成のワンランク上の構成を準備するか、同程度の電源を予備に一つ追加しておくことをおすすめします。
使用する機器の電力量に関しては前回の記事を参照してください。
使用する機器の電力量合計が20W以下の場合
以下のようなモバイルバッテリーで充分です。
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注意事項としては5Vの機器を使用したい場合はPDやQC3のチップがついていないUSB2ケーブル(100均で売っているようなもの)を利用してください。USB2ケーブルを利用することで5Vに固定されます。
デジカメ(9V)や、マウント(12V)を使う時は、以下のような変換ケーブルを使用します。
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使用する機器の電力量合計が40~50W程度の場合
省電力PCを用いたEAA(電子観望)や小規模の撮影システムが該当します。
このあたりになると電源もしっかりしたものが必要になります。
電力としては200~300Wh程度、必要なものが全て揃ったポータブル電源が手軽に使えます。
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一気に価格が上がりますね。。。
正弦波インバーター、PD、QC3、シガーソケットが付いたものが便利です。(パススルー機能や、ソーラー対応であれば尚良い)
天体用であれば、低温でも使用でき、サイクル回数の多いリン酸鉄リチウム電池を搭載したものを選びましょう。
ディープサイクルバッテリー+正弦波インバーター+バッテリーチャージャーなどで個別に揃えても良いですが、ポータブル電源を購入するよりコストと手間がかかります。(壊れた時のダメージは分散できますが)
使用する機器の電力量合計が80~100W程度の場合
この電力となるとかなり本格的な撮影環境が構築できます。
但し、制御するPCがハイエンドのノートやデスクトップだとこの電力量でも足りなくなります。
制御に関してはPCスペックはあまり必要ありませんのでできればこのくらいの電力で運用できるよう工夫しましょう。
電源としては500~600Wh程度の機材が必要になります。
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ポータブル電源に必要な機能としては上記と同様です。
価格に対して可能な限り大容量のものを選びましょう。
電力が150Wくらいでも問題なく安定して運用できますが、その場合は駆動時間が短くなります。
使用する機器の電力量合計が150W以上の場合
かなり重装備な機材構成になります。
この辺まで来ると電源にかかる費用も馬鹿になりません。。。
容量だけで考えると上記で記載した
ディープサイクルバッテリー(100Ah程度)+正弦波インバーター+バッテリーチャージャーが最も廉価になります。。。。が、管理の手間も大変です。(私も以前使用していましたが、バッテリー2台壊れました。。。)
ポータブル電源がもっとも簡単に利用できますが、このあたりになるとコストがかなりかかります。。。
ディープサイクルバッテリ同様手間はかかりますが、発電機も視野に入ってきます。。。
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ポータブル電源の場合は1200Wh以上、発電機の場合はエコモードが付いたものでないと長時間使用できません。(ガスタイプは使用時間的にNG)
どれも高額だったり、手間がかかったりと決定打がない領域に入ります。
昨今では機種を選べば消費電力の少ないMINIPCやシングルボードコンピュータでも充分に機器を制御出来る環境を作れます。
皮肉な話で電力供給が不充分な場合、もっともトラブルが出るのもPCです。(省電力モードで使用するのも天体機器のように常時外部機器を制御する場合はトラブルの原因になりますし、そもそも処理能力を抑えるのであればハイスペックPCを利用する意味がなくなります。)
撮影環境が安定しない、トラブルが多いという方は撮影環境と電源のバランスがどのようになっているかチェックしてみましょう。
ほとんどの場合、電力が不足していることが多いです。(しかも大体の場合はPCが原因)
追伸
100Wって明るい裸電球一つの電力ですね。商用電力を利用しているとほとんど気にしない程度の電力であっても、屋外で安定して長時間使用するとなるとかなり大変なことになります。。。
100W超えると一気に電源にかかる費用が高額になります。
現状ではインバーターの性能がバッテリーの性能をはるかに上回っている状態ですので、インバーターで使用できる電力量だけで考えるとまともに運用出来なくなります。
モーターやPCのCPU(ハイスペックなもの)は一時的にかなり電力が必要になるため、これらをセットで運用する天体機器の電源はゆとりを持たせる必要があります。
前回、今回記載した事項を配慮して機材構成すれば、電力不足に起因するトラブルはかなり減らすことが可能です。(絶対ではありませんが、かなり安全で安定した環境を作ることができます。)
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