fc2ブログ

多段露光スタッキングについての補足

前回多段露光スタッキングで効率的に画像の情報量を取得する方法を説明しました。

M42テスト (1)

この方法はEAAでも天体写真撮影でも有用ですが、混乱しないために補足情報を記載します。

ポイント

・ベースとなるデータは事前に試し撮りし、モニタ上できれいに見え、ヒストグラムの分布が全域にある状態になる露出時間を調べる。

EAAなどでゲイン(ISO)を高くしていれば、短い露出時間で適正露出になりますが、シグナルが見やすい状態だと暗電流が増幅され、暗電流ノイズ量が多い画像になりますのでノイズを平均化するためにスタッキング枚数が多く必要になります。

ゲイン(ISO)を低くすれば適正露出を得るのに長い露出時間が必要になりますが、暗電流ノイズが少なくシグナルの多い画像を取得出来ます。(スタッキング枚数が少なくても綺麗な画像になります)

しかし、露出時間を長くするとデッドピクセルや、アンプノイズ、大気の明るさなど、暗電流ノイズとは別のノイズ要素が増加しますので、デッドピクセル・アンプノイズを効率的に消すためのダーク画像の取得、大気の明るさを軽減する光害フィルターなどを取り付けてそれらの対策することが必要になります。(オートガイドなど架台の安定した追尾も重要です。)


・適正露出のベース画像にアンダー(露出量半分)、オーバー(露出量倍)の画像も撮影(スタッキング)しておくことで、撮像素子の電荷飽和量以上のレンジを獲得する。

ベース画像、オーバー画像、アンダー画像を加算平均でスタッキングすれば、モニタの見た目上はベース画像の明るさの画像が仕上がります。(ベース画像、オーバー画像、アンダー画像を全て同じ枚数でスタッキングした場合)

しかし、実際はベース画像の情報に対してオーバー(暗い部分が適正に見える情報)、アンダー(明るい部分が適正に見える情報)が含まれたデータになりますので、画像ファイルに撮像素子の電荷飽和量以上のレンジを獲得することがきでます。

ここで重要なのは、スタッキング画像に関しては16ビット(以上)ファイルで保存することになります。

一眼デジカメなどで撮影する場合は一眼デジカメの画像処理エンジンを利用してJPEGで撮影したほうが簡単に整った画像が得られますが、ベース画像、アンダー画像、オーバー画像をスタッキングする際は16ビット以上の処理空間で行い、ファイルの書き出しは16ビット(以上)で行ってください。

ここで作成したファイルを基に画像処理すれば、かなり少ない処理で整った画像が仕上がります。

この時スタッキング画像をFitsで書き出してKStarsのFitsビューアで表示すれば、自動で画像が非破壊調整されて、モニタ上で暗い情報まで見やすく表示されますので、更に簡単に処理を行うことが出来ます。(16ビット状態で明るさを調整しながらビットマップやTIFに書き出して、画像処理ソフトでそれらを読み込んで透明度を変えて調整するだけでもかなり整った画像になります。)

以前コップの中に砂(ノイズ)と砂金(天体の画像情報)を入れる例えをしましたが、多段露光スタッキングはコップの中に簡単な操作で砂金の量を増やす方法になります。

画像処理云々よりまずは情報量を増やす撮影をしておくほうが後処理が圧倒的に楽になります。(巷にあふれる情報を鵜呑みにするとアンダー画像を量産しがちです。。。画像の状態が悪ければいくら後処理で頑張ってもねえ。。。。(必要なシグナルが足りてないわけですから大変な作業になるのは当然ですね。なぜ写真の基本である露出について解説しないのでしょう???))

更に補足
ヒストグラム全域に情報がある状態の露出時間だと暗い場所でフィルターなど付けてどんなに頑張っても空の部分は若干明るめのグレーになります。(ホワイトバランスが取れていれば)

それだけ、大気は明るく、天体は暗いということですね。(宇宙で撮影すれば大気がないので大幅にSNを稼げます。。が無理ですね(笑))

フィルターで空の色がおかしい状態であれば、昼に白い紙などをカメラで写し、白く見えるようにホワイトバランスを取っておきましょう。(モニターで変な色の画像を見続けるのも苦痛ですので。。。)


関連記事
スポンサーサイト



非公開コメント

プロフィール

TーStudio

Author:TーStudio
色々工夫しながら星空を楽しんでいます。
興味あるカテゴリを選択してお楽しみください。

カレンダー
01 | 2024/02 | 03
- - - - 1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 - -
カテゴリ
最新記事
最新コメント
月別アーカイブ
アクセスカウンター