特集:天体機器のメンテナンスについて-光軸調整
初回の光学面のクリーニングが大分長くなってしまいました。。。(先が思いやられます。)
今回は光軸調整に関して記載します。
クリーニングの記事でも触れましたが、光学機器の場合は焦点面に近いところほど焦点像に影響を与えるため、焦点面に近い光学系からメンテナンスを開始します。
そして、最初にお断りしておきますが、完全に光軸を調整するのは事実上困難であるということを念頭において調整してください。(理由は記事をお読みください)
光軸の定義
対物レンズ(もしくは主鏡)から焦点面(もしくは焦点面に最も近いレンズ)の全てのレンズが完全に並行に配置されていて、中心点が全て揃っている状態。
上記が光軸が完全に合っている状態になります。
光軸が完全に合っていれば、中心像が最も結像状態が良くなり、上下左右の視野周辺が中心点から均等に収差が現れる状態になります。(収差補正レンズがある場合は目視で周辺像の劣化が低くなります。)
要は構成される光学系(レンズや鏡)から焦点面までが全て中心が揃った状態で一つも傾きなどが無く360度並行状態を保った状態で配置されている必要があるということです。。。
焦点像を作るための起点となる対物レンズや反射鏡など重いものがが最も端にあり、撮影ともなると更にカメラまで取り付けることになりますのでたわみます。。
可動部はクリアランスを取らないと動きませんので多少なりともガタが出ます。
これらをキチンと調整しておかないと、撮影対象が変わる度にひんぱんに光軸が狂うことになります。(調整してもたわみや若干のガタなどで完全な状態にすることは困難です。。。が、目で見て気にならない所までは追い込めます。)
調整の順番を間違えると、いつまでたっても調整が出来ない調整沼にハマります。。。
実際の調整方法(私の場合)
撮影の場合
上記記載の通り、焦点面に近い部分の可動部、取付部から順にチェックする。
1.視野全面に星が多い空域を導入して追尾状態にする。
2.フォーカスを少しだけずらす(若干ピンボケにする)→この状態で片ボケが無いか確認する。
3.カメラを回転させて撮影→片ボケ位置が回転する場合はカメラ回転機構、カメラアダプタのガタを調整する。
4.3の調整でも周囲のボケが対象でない場合(カメラを回転させても同じ場所がボケる)→鏡筒バンドで鏡筒を取り付けている場合は鏡筒を回転させる、鏡筒が回転出来ない場合は別の空域に移動する→その後撮影して変化を見る
5.4で片ボケに法則性がある場合はフォーカサーがドローチューブの場合はドローチューブのガタを調整する。(固定方向に)
6.それでも周辺のボケが対象にならない場合は、対物レンズ(主鏡)の光軸調整機構を使い、中心部のボケが同心円状態になるように調整する。
眼視の場合はカメラではなく、アイピースを回転させて片ボケが回転するか確認します。(ちゃんと取り付けても改善されない場外はアイピースを交換して確認します、その後は撮影同様の手順です)
要は焦点像に影響が大きい焦点面に近いところにある取付部、可動部を全てチェックして最善の状態にしてから(行う必要があれば)対物レンズや主鏡の調整を行います。
そして、焦点面に近いところにある取付部、可動部のチェックは毎回行います。(気温などでもガタが変化します)
唯一の例外機材はシュミットカセグレンやマクストフカセグレンなどの主鏡移動タイプです。
この場合はカメラ取り付け部のガタを確認→追尾状態で暗い星を導入後、若干フォーカスをずらして中心部のボケが同心円状でない場合に限り副鏡の調整を行います。
実はシュミットカセグレンやマクストフカセグレンなどの主鏡移動タイプでない限り、対物レンズ(または主鏡)は固定されているのでめったには光軸が狂わない(反射タイプの方が若干狂いやすい)ように感じています。
上記のように焦点面に近い取付部、可動部からチェックする癖をつければ、調整時間も短縮されますしどこにトラブルがあるのかも把握しやすくなります。
私は褒められたことではありませんが、ドローチューブの鏡筒で撮影に利用するものはカメラを取り付けた際、フォーカスが合う位置まで伸ばした状態でガタ調整をしてそのまま収納しています。(クッションウレタンなどを加工して)
機材にとっては良くないかもしれませんが、撮影前の調整が少なくて済みますので。。。(手抜きです)
今回は光軸調整に関して記載します。
クリーニングの記事でも触れましたが、光学機器の場合は焦点面に近いところほど焦点像に影響を与えるため、焦点面に近い光学系からメンテナンスを開始します。
そして、最初にお断りしておきますが、完全に光軸を調整するのは事実上困難であるということを念頭において調整してください。(理由は記事をお読みください)
光軸の定義
対物レンズ(もしくは主鏡)から焦点面(もしくは焦点面に最も近いレンズ)の全てのレンズが完全に並行に配置されていて、中心点が全て揃っている状態。
上記が光軸が完全に合っている状態になります。
光軸が完全に合っていれば、中心像が最も結像状態が良くなり、上下左右の視野周辺が中心点から均等に収差が現れる状態になります。(収差補正レンズがある場合は目視で周辺像の劣化が低くなります。)
要は構成される光学系(レンズや鏡)から焦点面までが全て中心が揃った状態で一つも傾きなどが無く360度並行状態を保った状態で配置されている必要があるということです。。。
焦点像を作るための起点となる対物レンズや反射鏡など重いものがが最も端にあり、撮影ともなると更にカメラまで取り付けることになりますのでたわみます。。
可動部はクリアランスを取らないと動きませんので多少なりともガタが出ます。
これらをキチンと調整しておかないと、撮影対象が変わる度にひんぱんに光軸が狂うことになります。(調整してもたわみや若干のガタなどで完全な状態にすることは困難です。。。が、目で見て気にならない所までは追い込めます。)
調整の順番を間違えると、いつまでたっても調整が出来ない調整沼にハマります。。。
実際の調整方法(私の場合)
撮影の場合
上記記載の通り、焦点面に近い部分の可動部、取付部から順にチェックする。
1.視野全面に星が多い空域を導入して追尾状態にする。
2.フォーカスを少しだけずらす(若干ピンボケにする)→この状態で片ボケが無いか確認する。
3.カメラを回転させて撮影→片ボケ位置が回転する場合はカメラ回転機構、カメラアダプタのガタを調整する。
4.3の調整でも周囲のボケが対象でない場合(カメラを回転させても同じ場所がボケる)→鏡筒バンドで鏡筒を取り付けている場合は鏡筒を回転させる、鏡筒が回転出来ない場合は別の空域に移動する→その後撮影して変化を見る
5.4で片ボケに法則性がある場合はフォーカサーがドローチューブの場合はドローチューブのガタを調整する。(固定方向に)
6.それでも周辺のボケが対象にならない場合は、対物レンズ(主鏡)の光軸調整機構を使い、中心部のボケが同心円状態になるように調整する。
眼視の場合はカメラではなく、アイピースを回転させて片ボケが回転するか確認します。(ちゃんと取り付けても改善されない場外はアイピースを交換して確認します、その後は撮影同様の手順です)
要は焦点像に影響が大きい焦点面に近いところにある取付部、可動部を全てチェックして最善の状態にしてから(行う必要があれば)対物レンズや主鏡の調整を行います。
そして、焦点面に近いところにある取付部、可動部のチェックは毎回行います。(気温などでもガタが変化します)
唯一の例外機材はシュミットカセグレンやマクストフカセグレンなどの主鏡移動タイプです。
この場合はカメラ取り付け部のガタを確認→追尾状態で暗い星を導入後、若干フォーカスをずらして中心部のボケが同心円状でない場合に限り副鏡の調整を行います。
実はシュミットカセグレンやマクストフカセグレンなどの主鏡移動タイプでない限り、対物レンズ(または主鏡)は固定されているのでめったには光軸が狂わない(反射タイプの方が若干狂いやすい)ように感じています。
上記のように焦点面に近い取付部、可動部からチェックする癖をつければ、調整時間も短縮されますしどこにトラブルがあるのかも把握しやすくなります。
私は褒められたことではありませんが、ドローチューブの鏡筒で撮影に利用するものはカメラを取り付けた際、フォーカスが合う位置まで伸ばした状態でガタ調整をしてそのまま収納しています。(クッションウレタンなどを加工して)
機材にとっては良くないかもしれませんが、撮影前の調整が少なくて済みますので。。。(手抜きです)
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