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PlateSolvingの高速化

アップデートでマウントドライバの追尾がおかしくなってしまいEAA環境をWindowsに移行しました。

一通り安定して動作していますが、どうしても不満が残るのがPlateSolvingの遅さです。

ASTAPだとそこそこ速いのですが、こちらは解析が失敗することが多く、反対にAstrometry.netは解析の失敗はありませんが非常に遅いです。。。。

INDI環境で使用しているStellarSolverの快適さに慣れきってしまっていたので、使用していてストレスが溜まります。。。

幸いなことにCCDCielを利用するとLinuxやMac同様Astrometry.netのオプション設定が可能ですし、ASTAPとの切り替えも容易です。

Astrometry.netは解析が速くなるように、ASTAPは解析の失敗を減らすように調整します。(ちなみにここで行う調整はLinuxやMacでも有効です。)

2023-05-28-1

まずはAstrometry.netからです。

Astrometry.netは
・解析画像が小さい方が速い(かなり小さくても問題ない)
・Tycho2インデックスファイルを追加すると解析の失敗が減る(41○○番のインデックスを追加(これは既に実施済み)
・無駄な解析処理を減らすと速くなる
・ノイズに強い


という特徴がありますので、設定で最適化します。

上図の赤枠部分を変更します。

上から検索範囲
デフォルト30→20へ(検索範囲を狭める、15でも良い)

ダウンサンプル
可能な限り小さな画像に→私は4にしました。

オプション設定
デフォルトは
--no-fits2fits(fitsファイルのヘッダの不具合を治す)
だけでしたが、以下のように修正します。

--no-fits2fits --scale-units degwidth --scale-low 1 --scale-high 2 --guess-scale --no-plots --no-verify --no-remove-lines --uniformize 0

--scale-units degwidth --scale-low 1 --scale-high 2→で撮影画像の横幅を定義します。
--guess-scale→これも同様に画像サイズの取得です。(Fitsヘッダから読み取り)
--no-plots --no-verify→プロットしない、ベリファイしない
--no-remove-lines --uniformize 0→座標テーブルから線を削除しない、星の抽出をしない

画像サイズの定義が結構劇的に効きます。私の場合自分の環境の画角に合わせて--scale-low 1 --scale-high 2(横幅1~2°)にしましたが、この数字は環境に合わせて書き換えてください。
ここで画像の大きさを大まかに指定し、--guess-scaleでFitsヘッダから画像サイズを取得と二段階に画像サイズを定義することで取りこぼしなく画像サイズに合わせた処理を行うようになります。

--no-remove-lines --uniformize 0はnekomesiさんが検証していましたのでありがたく知識を流用させていただきました。(ありがとうございました)


次はASTAPの設定

こちらの特徴は
・そこそこ速い
・解析に使用する画像にシビア(大きすぎても小さすぎてもダメ、ノイズも少なくないとダメ)


Windowsの場合、Astrometry.netと比較すると速いですが、解析の失敗が多いです。。。
そのため、解析の失敗を減らす方向で調整します。

まずはCCDCielから

スクリーンショット 2023-05-28 015500

Astrometry.net同様解析範囲を狭めます。
デフォルト30→20

ダウンサンプルは私のカメラがASI224なので行いません。(減らすと解析が失敗する)

最後に"Advanced Setting"ボタンでASTAP側で設定


スクリーンショット 2023-05-28 015833

・解析の最小角をAUTOに変更(デフォルトは1)
・解析の最大角を180に変更(この設定でブラインドSolverも可能になる)
・インデックスファイルの読み込みをAUTOに変更(これで複数インデックスファイルを解析する)


私はEAAで焦点距離が短いため、インデックスファイルはG05、W08、V50の3つを入れてあります。
インデックスファイルに関しては使用する画角の最小限と記載するサイトが多いですが、可能な限り複数の選択肢を持たせたほうが解析の失敗が減ります。(ASPSで解析の失敗が多いのはこのため)

上記設定の結果ですが、Astrometry.netは解析速度が4~5倍(ブラインドSolverで1~2分かかっていたものが2~30秒に)、ASTAPは解析の成功率が2割程度→9割程度に増加しました。

Astrometry.netはWindowsではエミュレーション環境なので、どうしても本家のLinuxやMacに比べると遅くなりますが、ブラインドSolverでこれだけの速度がでればマウント座標を取得する状況であればおそらく10秒以内で解析してくれると思います。(多分もっと速そう、ASTAPと比較してもそれほど見劣りしません。。。というか下手したらASTAPより速いかも)
ASTAPもかなり解析の失敗が減りましたので、通常はこちらをメインにして解析が出来ない対象はAstrometry.netを使用してもそれほどストレス無く使用できそうです。

CCDCielを使えば解析後のマウントへの同期なども安定して行なえますのでようやくこれで不満部分は消し込めたと思います。

Solverの不調でお悩みの方はお試しください。


追記
なんとCCDCielとSharpCapでカメラのドライバを接続したまま利用できます。
今までSharpCapは広角のファインダー映像確認に使用していましたが、CCDCielでSolver→同期後、CCDCiel側のループを止めればSharpCapでそのままスタッキングが可能です。

EAA環境はSolverも速くなったので、もうこれでいいかも

ちなみにMacやLinux系はAstrometry.netに関してはINDIが入っていれば上記対策しなくてもバリバリにオプション設定がされていたので不要でした。(逆にデフォルト状態じゃないとエラーが出る)

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