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設定前にーその1:INDIについて

KStarsで制御環境を作る際、まずはじめにINDIについて理解しておかないと後々苦しみます。
概要に関してはすでに何人かの方が記載されていますので、制御の流れ、特徴、構成、注意点などを記載します。

INDIはTCP/IP通信を利用したサーバ、制御機器のドライバのセットになります。
WindowsのASCOMと同じようなサーバドライバセットです。
ASCOMはWindowsのみの対応ですが、INDIはMac、Linuxに対応しています。

ドライバの信号としてTCP/IP通信を利用しますので、ローカルマシンでの利用はもちろんLANで別のPCから制御することもWANから接続して制御することも可能になります。

私も以前はWindows、ASCOMの組み合わせで天体制御の環境を構築していましたが、以下の理由で仕事で使い慣れたMac、シングルボードコンピュータ(RaspberryPi3ほか)を利用するINDI環境に変えました。

特徴としては

1.使い慣れたMacで簡単にインストールでき、ドライバもLinuxと同じ数が揃った。

2.苦労せずに日本語環境にできる。(Linuxはひと手間かかります。)

3.立ち上げたドライバを何もせずに複数のソフトで使用できる。

 (ASCOMのPOTH HUB状態がデフォルト、地味に便利)

4.別マシンに接続した機器をリモートでローカル同様制御できる。

5.複数サーバを同時に利用できる(らしい、これは使っていない。)

6.KStarsのみで複数のアプリの作業をまかなえる。


設定を行う上でASCOMドライバと異なるところは

1.サーバ、読み込みドライバの起動操作が必要

2.読み込みドライバの設定はドライバと機器を接続後可能、(接続後に制御パラメータが項目ごとにタブ表示される)、コントロールパネルに各読み込みドライバ、ドライバの設定項目がタブに分けられて表示される。各ドライバとも設定後保存が必要。

3.コントロールパネルは機器制御まで可能(動作確認用)

4.ローカルサーバ以外にリモートサーバも使用可能(複数サーバも連動可能)


こんなところでしょうか。
上記のことからドライバ設定までの操作が大分異なります。

私がASCOMから変更した理由は、KStars+Ekosと同様のことをするとなると架台を複数アプリで使用できるようPOTH HUBを使用しなければならないのですが、私の使用機器のドライバがPOTH HUBで使用した時に非常に不安定であったことと、複数ソフトでの制御がいまいち安定しなかったことでした。

それと興味本位で構築したラズパイ環境で安定して動作したことです。(これは本当に驚きました。設定には苦労しましたが。。。)
そんなことをしているうちにMac版KStarsがコピーするだけの簡単インストールで使用できるようになったことから全面的に切り替えました。
ちょうどINDIの発展期に重なったこともあり、段階を踏んで理解していくことができたのも理由になるでしょう。
余談はこれくらいにして、INDIの制御の流れを記載します。

最もシンプルな構成図になります。

017.jpg


上の図のようにサーバの起動、ドライバの読み込みがスタートになります。
スタートには専用アプリを使用するか、端末からコマンドラインで操作することになります。

そこで起動したサーバ+ドライバをコントロールパネルで設定します。
ASCOMとの大きな違いはサーバとドライバを起動する操作が必要になることと、コントロールパネルで設定中に機器の制御までできてしまうことです。
ここが少し混乱するところですが、本当に簡単な操作であれば、コントロールパネルで済ませてしまうこともできますので、INDI環境での特徴と捉えてください。

設定をしながら動作確認をして、問題が無ければこの設定を保存します。
一度設定を行えば次からは自動的に読み込まれますので再度設定の必要はありません。(保存しないと次回接続時再度やり直しになります。)

ドライバの設定が終了したら対応ソフトでの制御になります。
コントロールパネルによる設定は若干複雑ですが、ここまでの流れではASCOMと大差ないかと思います。
コントロールパネルで動作確認を行うクセをつけると対応アプリで苦労しません。

以下の図ではINDIにしかできない接続を説明します。

018.jpg

019.jpg


その1に記載した接続方法はINDIのサイトに記載されている方法です。

サーバをラズパイなどで複数台設定すれば、非常に大規模な制御環境を構築できます。

その2に関しては未確認ですが、Ekosに設定箇所ができたため、この接続ができる可能性があります。(以前開発者に要望を出した項目でした)

このように非常に柔軟に環境を構築できるのが魅力です。
次回はKStarsの構成について記載します。




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